そのお客様もまったく理想的な座り方のイメージがない方ではなくて、確認のためという質問でした。
一般的にいわれるのは。
『坐骨を椅子の座面に対し、立てて座りましょう』
ということです。
柔らかめなクッションの上に座るときは、自分の手のひらを深皿の形にして坐骨の下に置いて座ってみる。すると安定した鉛直方向(真下)に坐骨の下端が向いているか、それとも前後にそれているかが感知しやすくなります。
よい座り方とは、
硬質建材となる骨盤から頭部に至る骨組みを重心線が通過していく。
するとその大黒柱が地中深く突き刺さり安定へと導く座り方です。
@ 股関節及び座骨下端が垂直、
A その真上に肩関節、
B その上に側頭骨または耳の穴当たり
それらが一直線上のラインに乗ります。
自身で自分の座位の姿を正確には確認しづらいと思いますので、
第三者に位置の修正を頼むか写真で座位を撮影して確認してくだい。
主観に頼る練習では、乱れた骨組みを作る神経に支配されています。
そこからは改善を促す気づきはえられにくいと考えて下さい。
(理想的な座り方の図示)
では、猫背の側面から観た脊椎ラインがずれた状態が長時間継続するとなにがおこるでしょう?
下図を御覧いただけば、黄色い◎が、一直線に並べられておらず、柱になる強固な骨組みは、ここに存在しません。
代わりに筋肉を萎縮硬化させ続けて、骨の柱がない空白を埋めるのです。
その結果、背中が凝ったり、肩が凝ったり、足を踏ん張って疲れてしまったり。
そうした骨格筋の疲労が蓄積することは、直感的に理解しやすいでしょう。
私には他に気にしてやまない点が他にあります。
脊椎の歪み姿勢は、〘頭部と頚椎の接合部〙および〘腰椎と戦鎚との接合部〙の水平性を乱し続けております。それがその周囲の筋肉を凝りを生み締付作用を与え、脊髄神経もせん断応力がかかっており、そうした自律神経系の悪影響は全体へ及ぶ不調を生産しています。
こうした脊椎神経への負担姿勢は、腎を傷め先天の精といわれる腎精を早く消耗することへとつながります。腎精は生命エネルギーの源、そのものといわれる性質を持っており、有限でありこんなことで減らし続ける無益さは、後に後悔を得ることでしょう。
以前は私も頚椎第一や腰仙関節の調整により、調子の良い状態には導けるから復調させる方法があるから問題は一過性と考えていました。ですが様々な中国方面の文献にあたるにつれ、腎精自体の消耗は若さやバランス能力を削り続けたままとなり、後天の精による修正は補修のみで完全な修復はできないと気づいたとき。ゾッとしました。
(猫背座り図示)
付記してメールには簡単な呼吸についての意識を解説させていただきました。
息を吸うとき腰部は後方(背中側)へいき脊椎の上下はわずか数センチですが縮小し、
息を吐くとき腰部は前方(お腹側)へいき脊椎の上下はわずか数センチですが伸長します。
この脊椎全体の収縮と伸長は、理想的な座り方ができておれば感覚はすぐに飲み込めます。
猫背や反り腰であれば脊椎全体の動きは起きなくなるよう制限が作られ呼吸制限が加えられます。
呼吸からえられる気を空天の気と呼び、肺に取り入れた空天の気と脾で生成された水穀の精微を昇清作用により上焦に送ったものとを混ぜて宗気を作りだします。宗気は、肺の呼吸作用と心の血を循環させる機能を支えます。つまり理想的な座り方ができない姿勢で長時間座り続ける作業では、肺呼吸作用と心の体中に血をまんべんなく行き渡らせるサーキュレーター機能が低下します。すると末梢血管まで血が正しく運びづらい組織上代謝が悪い臓腑の営養や酸素が届けにくい病床を得ることとなります。こうした病床はあきらかな実証でない限り、じわじわと酸欠で炎症痛が麻痺した内側を侵食していくため普段の生活では、そうした内的変動は認識しづらいものです。
そうした状況をお避けいただきますよう、良い座り方を身につけるよう、いろんな手を使ってかなえていただけますようお願いいたします。
すでに首や起立筋の凝りや腹直筋といった体幹部のずれや、大胸筋や三角筋に肩甲骨と鎖骨等の腕関係の凝りによる位置ズレ、骨盤の左右のずれや脊椎骨のねじれや側弯固定、その他の脊椎を正して並べるにもそれを邪魔させる凝りが多ければ、正しい姿勢を取り続けるのは大変に難しいものとなります。そのときは整体等の他者による矯正を受けることもいいでしょう。または私が学んだようにアレクサンダーテクニーク等のボディワークを受けるなり書籍を読むなりして、自身で研究するのもよいでしょう。各人、自分にあったやり方を見つけ出して、少しずつ理想へと近づけていただければ幸いです。
そして体の変位が減少していくにつれ、良い座りが苦痛な姿勢ではなくなり、楽な姿勢に変わって参ります。
やがて呼吸と血液の循環が体の隅々まで行き渡るとき。体の前後を挟むような拮抗した広義の意味の呼吸筋がしなやかに機能をはじめます。
そうした者たちの筋肉の質は、私どもが触れば瞬時にわかります。
すばらしい気血の流れが感じられ、生命力に満ち溢れる存在へとなるでしょう。
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