2026年07月06日

気がとても少ない体質の陽虚証は、がんになりやすいと文献で読んだけど、それってどういうこと?!

昨日がん体験者が通われるジムの映像をブログに貼り付けさせていただきました。
ご覧いただけた方もおられるかも知れません。



誰しも、がんを患いたくはないのです。
ですががんを患う要因が複雑に重なり合い、がん組織の塊が生成されていくそうです。

私は中医学を学び始めて初期段階ではがんには瘀血証・痰湿証などは大変にがんが生成され成長しやすいことを知りました。
調べていくと『がんへいたるプロセスのひとつに〘陽虚証から〙』という言葉を目にしました。


気と呼ばれるエネルギーが足りない状態の〘気虚証〙より、さらに気が足らない状態に陥ったのが〘陽虚証〙となります。
中国医学では、血や津液という液体は他からの働きかけがなければ動きません。かってにアニメのスライムのように動き出しはしないのです。他の動力源により力が加えられて運ばれることがなければ、その場で静止する性質があります。
そうした血や津液を全身に隈無く循環させるには、気と呼ばれる血や津液を動かす作用を持った存在が不可欠です。
これを気の推動作用(すいどうさよう)と申します。

気虚証とは、気が足らない状態の症状を持った体質のことです。

気が足らない原因は複数考えられますが、脾が弱く気の生成が不十分であったり、生まれつき気が足らない腎気虚タイプであったり、飲食不節であったり、過労や極端な安逸であったり、長患いをしていたり、老化から起こることもあります。

こうした様々な要因により気虚証となるのですが、
こうした要因が重なり加算されたり、ひとつの要因が突出して気を減らせば、
さらに気の量が減ってしまい、気虚証から次の悪化段階となる陽虚証となります。



Screenshot_20260706-111131~2.png


健康体の気の量を気の絶対量が100とすると、気虚証では60 〜 70%、陽虚証では30 〜 50%
健康体の気の熱量・機能が100とすると、気虚証では60 〜 70%、陽虚証で20 〜 40%

そういった気の減り方があるとイメージしてくださればわかりやすいでしょう。



陽虚証はがんを患いやすいといった文献を読み、
ほんとかなと調べてみました。


中医学の視点から結論を先にお伝えすると、「陽虚証(ようきょしょう)だから必ずがんになる」とは言えませんが、「陽虚によって気滞・血瘀・痰飲・浮腫が引き起こされ、それらが長期間にわたって停滞(互結)した環境は、腫瘍(がん)が発生・成長しやすい土壌になり得る」ということは十分に言えます。

中医学におけるがんの発生メカニズムと、陽虚との関係性を紐解いていきましょう。


陽虚から「がんの土壌」ができるメカニズム
陽気(ようき)は、体を温めるだけでなく、「物質を動かし、代謝し、巡らせる根本のエネルギー」です。これが不足する(陽虚)と、体内は「冷えて、すべての流れが滞る状態」になります。
上記の表で健康体の気の熱量が100に対して陽虚証で20 〜 40%となっており、体を温める温煦作用の力が停滞していることがわかります。

(この状態では西洋医学的にみても体温が下がり低体温であればNK細胞のような免疫細胞の働きが落ちることも知られている状態です。
低体温による冷えは体を凝滞させて微小血管中に流れるべき血が行き渡りづらくさせてしまい、営養を補給できず免疫細胞の届けられない箇所が生まれてしまいます。)





陽虚は以下のような病理産物をドミノ倒しのように生み出します。



1. 陽虚による推動・温煦の低下
根本の原因
陽気が不足すると、気血を動かす力(推動作用)と、体内を温めて流動性を保つ力(温煦作用)が落ちます。

2. 気滞・血瘀の発生
巡りの悪化
寒さによって道が縮こまり、エネルギーが滞る(気滞)。気が動かなければ血も止まるため、ドロドロと血が滞る(血瘀)が発生します。

3. 津液の停滞(浮腫・痰飲)
不要な水分の蓄積
陽気が足りないと水の代謝(気化作用)ができないため、余分な水分が溜まって**浮腫(むくみ)となり、それがさらに冷えて粘り気を帯びると、性質の悪い「痰飲(たんいん)」**に変化します。

4. 痰瘀互結(たんおごけつ)の形成
腫瘍の土壌が完成
滞った血(瘀血)と、粘り気のある水(痰飲)が結びつき、ガチガチに固まった状態を**「痰瘀互結」**と呼びます。これが現代医学でいう腫瘍(がん)の物理的な基盤(塊)と考えられています。


ただここで覚えておいてほしいことは、
正気(免疫力や自己治癒力の作用)が全体的に活性させておくよう、休養や運動、飲食の摂取などに気をつけて生活を送ることで、体内に起きる血流不足により低酸素でがんを発生させやすい状態を避けることができます。
たとえがんができても正気を強くすることで、大きくそれを成長させずない状態が維持できるのです。

ですから陽虚証の対策となる飲食を取り入れ、過度な労働をほどほどにし、睡眠時間の確保や良好な睡眠状態を保つよう養生をしていきましょう。
もし体調的に芳しくないような慢性的陽虚証があって「冷え・気滞・血瘀・痰飲」が揃った状態であれば、東洋医学外来のような病院や漢方薬局にて漢方処方をしていただき取り入れてみるのもよいでしょう。



陽虚証では体の内側から冷える体質で、お腹の芯も冷えています。そうした冷えに追い打ちをうたないよう、衣服や飲食で腹部を温めること。そして足らなくなった気を補うように作戦を立てましょう。ただ補気類の食材や中薬を多く取りすぎると脈管内で気滞が生じやすくなりますから、気の滞った状態を順調に流れるように変えてくれる陳皮・枳穀などの理気類を少量混ぜて摂らなければならないときもあります。

臨床上では陽虚証に加えて血や津液も同時に不足している状態の時が散見されるため、そうしたときは補気と補血の両面での対処が入り用になることもございます。






そして最後に蛇足ですが、
かつてこちらのブログに私ががんになりやすい体質なんですがといったのは、陽虚証が色濃く現れている体質だから、そう述べたということです。

腎陽虚が強くあらわれ呼吸が停滞し、脾の気血生成がしづらく、小学校時代は特段の大病はしなかったが、一学期間に20〜30日間は風邪で伏せっていました。体はヒョロヒョロで体力は皆無で、節々が痛くてすぐ疲れた・・・という子どもでした。
生活を送るうえでのつらさから、早々に他界して楽になるときが来るのだろう達観した小学生でした。
大学卒業し社会人となったあともそうした低迷期を延々と過ごしてきたわけですが、
非力さから無理と思えた筋膜リリースおよび身体操作をともなうボディワークに目覚め、運動が苦手な私にでもできる身体操作を研究していくと。。。
研究中は死ぬほどバテて苦しんで、よく気を失って倒れていた思い出があります。
それでも少しずつ腑に落ちる身体操作の方法を学ばせていただくと、風邪を引いて寝込むことは激減しましたし、平均より体力的には劣るかと思いますが、そこは身体を無理をかけずに動かす妙法でカバーしてやっていける自信や実績がついてきました。いまもその段階で、どうにかこうにかやりくりしている感じです。
非力で体力がないから効率をひたすらに求めて知恵をつけて、体の姿勢や運動のプログラムを書き換えていくの繰り返しです。

身体操作の錬磨した過程で身につけた伸筋操作が、少ない気でも全身に巡らせる力になったのでしょう。

いまだに陽虚証は拭えてはおりませんが、身体操作や食薬の養生により、気の量は数年前の倍になったと体感しています。

ボディワークを学び、同時に身体操作のノウハウを聞いていただけるお客様にお話させていただき繰り返しそれを自分の耳にして頭と体に定着させることができた。。。
そうした生活があってこの年まで生きてこれたのだと思って感謝しています。




ちなみに腎が過去の記憶をストックする臓とされ、腎陽虚は記憶力がいまひとつになりやすいものです。
いまはちゃっかりブログにどこそこにいったとか書かせていただいたり、カレンダーアプリに思い出のトリガーを残せているので、思い出しやすくはあるのですが。。。
私のような子供の時の先天の精が不足して生まれてきたため腎陽不足がよほど強かったと見えて、子供の時の思い出のシーン、思い出そうとしてもほとんどでてこないんですよね。

対して施術を初めある程度体をつかえるようになってからのことは思い出せるのですが、、、。


陽虚証という知識が私の子供時代に知られていて手の施しようがあったのなら、
いまとも違った人生を歩んでいたのかもしれません。

もしも子供時代から冷えが厳しい感じの陽虚証のようなお子さんがおいでになられましたら、
子どもの時期に手を打っておくと大人になって治すより治りも断然いいですし、
適切な対処をしてあげられる機会がもてるようお祈りしております。

posted by スズキ at 12:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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