私はメンタルスクリーン内に肝の機能と思い浮かべると、肝の作用がアニメーション映像をとして映写されそれを眺めるようにしております。リアルな画像を想像して表現したほうが記憶の定着にはいいし、手技をするときの臨床では複数の映像をひとつずつ歯車化させて回していくことで、一見すると複雑な状態で取っ掛かりが掴めない件でも、微塵でも関連をする影響物を芋づる式に直結して並べたら、現れてきた意外な状態がこの部分から転じたんだろうと想像がつくようになっていきます。
言語能力が長けた先生方なら、こうしたことを言語で思考されてもたぐれるものでしょう。それに中医学上の概念では、AとBの関連を言明する四文字熟語等が多く存在しており、これが頭に入るとCとDには隔たりがあると思えたものが、いきなりがちゃんと連結されることが起きてきます。私の頭の中ではそうした四文字熟語もイメージへと積極的置換えをして、施術上の活用優先でがんばってます。言語化して表記をよく覚えなければならない勉強をする利を得るより、ビジュアル化で。。。。。
一年前の中医学のそうしたイメージが頭になかった頃は、すべてが分断されて公式化が不可能な個別のお客様にある特徴として扱ってきた案件が、多々ありました。そうした100人いれば100通りの指紋があって違うのは当然だと思うようにしていたものが、Aさんに似た特徴があるBさんは、こうした邪気の勢力といった変数を入れたらほぼ共通じゃないか!と、見つけやすくなりました。
数日を通してスクーリング中の五臓六腑相互関連を強調して解説してくださった講義を受け身になって伺いながら、改めてぼーっと脳内のメンタルスクリーンに像を描きながら聞いておりました。
講師が腎の解説に納気と示してくれたことは、私としては、やったね、先生と言いたくなる喜びを感じました。
中医学の粛降で働きを担う筋が納気を示す腎経を持つ大腰筋です。
納気が整えられて機能せねば、呼吸は弱り、臓器の位置は下垂し、消化作用は鈍り、消化した営養や水分を三焦を超えて肺に運ぶ力が弱り気血が作れず。納気が働かなければ、肺によりおこなわれる吐気がよわり衛気が体表全体へと行き渡らすことがかなわず、肺の拡大縮小から影響を受ける心の血の循環作用にも悪影響が出る運びとなる。そういったイメージは、私の頭の中をグルグルと巡りだして、徐々に整理されつつ新たな要素も付け加えられていきます。そうやって現実下で起きる概念の把握を務めることができた、ありがたい時間を過ごせたと受講期間は短いものの非常に感謝しています。
で、大腰筋の機能が落ちている状態のものは少なくないといわれる現代。私が街を歩き、大腰筋が活性した歩きか、大腿直筋が主導している歩きかでわけてみれば、7割前後は大腿直筋を主にもちいて歩行して大腰筋が活かされていません。
ちょっと前の大腰筋ブームは、いまはすでに去ったかと思います。ですが、中国では特異な吐納法呼吸が発展しており、その用法を知れば大腰筋がどのようにそこに関わるかが見えてくるかと思います。つまり、彼らには連綿とした大腰筋がどういった作用がなされる筋肉であったかをよく理解して、保ち、不利益を拭う術を研究もしてきたわけです。そこはいっときの大腰筋をトレーニングして鍛えようという日本の一過性ブームとは扱いや理解が段違いであろうかと思います。当時の大腰筋の着眼では動かしちゃならない状態のものを動くように指導した結果、悪化を現したといった現状が研究段階であらわれていたという話を漏れ聞いたことがあります。研究は試行錯誤を積んで経験値を高めて成熟するものですから、初期段階では不都合な結果が生じることはよくあることです。ですがそのときに高齢で大腰筋が不調著しい方々にダメ押ししてそれをさらに固めさせたのはいただけないと、施術者同士で話をして嘆いていたことがあった。ただ私も当時は大腰筋作用の低下がなにを引き起こすかは、構造上の運動機能面しか考慮されていなかった。
いま中医学の見方で大腰筋についてざっくり語ればどうなるかというと。
『粛降作用の原動力として活躍する大腰筋の作動が制限を極端に受けた者たちは、
肺(横隔膜)とその直下に位置する胃腑、横行結腸、疏泄を司る肝臓の働きは絶望的だろうし、
その下にある消化作用の中核を担う小腸の脾もおかしくなる。
最下層にある臓腑として膀胱、女性では奇恒の腑のひとつ子宮に多大な悪影響を被らせる。』
でしょうか。
健康状態に大きな問題がないものであれば、手技療法による大腰筋のリリースを受ける必要はないでしょう。ただバレエ等をなさっておられる方々は、精密に大腰筋が作動できれば美しさが格段に違うことを理解しておられ、運動性能を飛躍させる妙法として積極的にそれを受ける方々は多数おられます。
ただすでに未病段階の気虚や血虚その他の病証を持っておられる方々の大腰筋は、すでに凝りが進行してますから、そうした緊張をして可動がしづらい筋肉を鍛えたりストレッチを加えると、体力的な相応の余裕がない方の場合には辛い状態に陥りやすい可能性がございます。
自分がそうかな?と慎重な方は、大腰筋のリリースを得意にしておられる施術者なら適切に現状をお伝えできますから見ていただくとよいでしょう。(大腰筋が実証で塊が強い方は、そうした患部は炎症の強いものをもっていますから、そこを施術者に振れられたとき激痛ややめといて!と叫びたくなります。大腰筋が常態悪化が進行して虚証の強いものとなれば骨に近い硬さに変化した大腰筋を触られて、すでに触られたことによる感受性が麻痺は進行していて痛みがなくなっているが、不可解な物があると感じるだろう。ただそうした大腰筋のリリースを、何度か回を重ねて緩めていくと、やがて痛覚神経が作動するほどの血の巡りが再開したとき痛みがわかるようになります)
私が硬化が著しい大腰筋を緩めるときのステップ
(状態良好であれば1と3で済ませてOKです)
1. 先行して仙腸関節のリリースを含めた膀胱経を緩める。起立筋腰背部及び腰仙関節から仙骨にかけての靭帯部のリリースおよび外旋六筋およびハムストリング筋等を解放
2. 脚部(腎経及び肝経)リリースーーー骨盤底筋群の作動準備
3. 肋軟骨下横隔膜緊張及び腹部両脇緊張の修正
4. 鼠径靭帯と大腰筋が癒着した箇所を内臓側と脚部側をわけて適切に緩める
5. 大腰筋をカウンターストレインで左右・上中下・内外・浅深で分析して検査し問題箇所を緩め置く(これがもっとも患部の炎症痛を感じないですむ、リリース法となります)
6. カウンターストレインではカバーできない大腰筋が凝り固まることでと他臓器(大腸、小腸、胃、)との癒着が発生し進行している部を無理ない程度で緩め剥がす。
7. 臍下丹田を凝り荒らす邪気部位の解放手技
8. 気陥症により下垂した臓腑を正しい位置に横隔膜の上下動に合わせて押し上げ操作をして臓器の位置を正す
ここまですると、大腰筋が一時的に緩んだのみの瞬間芸にあらず、数カ月は状態が安定でき、そのあいだに正しい大腰筋の操作法の定着をはかるようにしていただくことができるでしょう。
上記2(脚部(腎経及び肝経)リリース)は
脚部の腎経および肝経が骨盤底筋群を下方へと移動させる働きが先行運動して、それに釣られるような仕組みで大腰筋が収縮して横隔膜を下へ動かす仕組みがあります。あまり巷では説かれていませんが、これは経絡の流注図を素直な目で観察していただければ理解できることでしょう。
経絡をあつかい治療を施すことに長けた先生方は、経験的に腎経と膀胱経の表裏のバランスをとる治療が腰痛を軽減するのみならず、腰をしっかり立てておこなう安定させた腹式呼吸の作動がおこせる鍵だと感じておられるかもしれません。
上記7(臍下丹田を凝り荒らす邪気部位の解放手技)は
カラダの表面に現れた症状は表(おもて)が患ってますねといい実証や急性に関わる症状ですが、臍下丹田を凝り荒らす邪気部分は裏のなかの裏、最深部といってよろしい慢性的な患いが含まれ生命エネルギーの量が残り僅かといった具合の状態を意味します。つまりこうした臍下丹田というコアの動的な作動担う大腰筋に邪気や痰や血瘀での病理物質等の多大な蓄積による影響、および大網の絡まりが加味されて不調が起こった状態が、もっとも生命エネルギー的に危うい状態だと言われるものです。そうした不利益な状態移行は認識できないまま徐々に進行して、深部へまで侵攻して大腰筋の動静の動が奪われます。
特に大腰筋の気血が届き営養が巡った状態であれば、効果反応は現れやすいが、大腰筋の施術を受けはじめの初期状態が強い緊張で営養できずに干物のようなワイヤー状になってしまった場合や虚脱して再生する力が著しく失われた湿の停滞と血のめぐりの悪さが現れておれば、裏証でもそれは大変に深い状態が示されたもので未病に収まりにくい病証になってきているため対処が急がれるでしょう。
特に気虚や血虚の引き金をダイレクトに引くのが大腰筋となるわけですから、
食薬や薬膳、方剤といった気血津液の循環の正常化作用を促すと同時に、
構造的に問題が含まれる大腰筋を理想的な活性化したものへと蘇らせていく手技によるサポートも有効なものとなるでしょう。
ちなみに大腰筋の作動が悪くて腹式呼吸ができない方が手技を受けてみたとき、一気に呼吸が深まり驚きます。
『あっ、楽になった・・・息が吸えてなかったことにはじめて気づいたわ』
腹の奥が引きつる感覚はあっても、それが大腰筋由来のものもあるのだと気づいている一般の方はほぼいませんから。
その驚きも、慣れれば消えます。
そして数十年もかけて固めてきた筋肉であれば、虚証化しておりますからそうした場合には回復には、固めだしたときの状態にもよりますが、10年かければ1年かけてほどいていくことが目安とされます。ただ自力ではすでに大腰筋奥の裏に入った邪気を抜くことはできないと思いますから、手技なり方剤なりを有効打となるものをみつけて取り組まれることをお勧めいたします。
最後に、記憶していただきたい注意点ですが、大腰筋の奥にできた凝りは裏の深層で病症として現れるものもあるかと思いますので、手技療法を検討なさっておられる方がおられました際は、事前に目的をメールや電話でお話いただいて先生の出方の様子を慎重に見るなど、面倒見と対処能力がある先生を選んでいただくようお願いいたします。実際的には、この部位は禁忌として奥の凝りはほどかずにスルーすると、私が習った整体の専門学校では教えられています。そのため独自にそちらを深く研究して成果がだせている先生を見つける必要があります。ですが今の時代、ネット検索やAI活用で、具体的な問いを送ればよい情報も集まるかと思います。
またそのうち私のところでも、新たな手技の用方研究の段階にはいるため、少人数の新規のお客様の募集をかける予定であります。その際は、もしこちらのブログをお読みいただいて関心ある方がおられますれば、ぜひ、ご検討くださいませ。
【関連する記事】
- おへその上に食材を載せて脈をみたら、どうなるかな???
- コンクリートの人体から電子を奪う吸電作用に、ご注意。
- 五味の酸・甘・辛・苦・鹹の突出するところがない味付けが、食の養生に与える影響って..
- 同じ補益類の大棗と竜眼肉。ならば、どっちを買っても同じなの? いえ、いえ、使い分..
- 個人的調理実習:赤貝を捌きました。。
- 驚きの東洋医学の本、『趣味の東洋医学』
- 脈診講座、再受講、かなわず。。。
- 胃や臓腑すべてにやさしいのが薬膳、そう実感した薬膳スープをいただきました!
- 気がとても少ない体質の陽虚証は、がんになりやすいと文献で読んだけど、それってどう..
- 待乳山聖天様へ心願成就、『四診が自信をもってできるようになりますように』という願..
- こっそりあこがれていたお客様がかつて教えてくださった韓国の先生。そこに近づくため..
- 虫歯菌、いなくなれ!! 【キシリトールうがいの推奨】
- 薬膳処方箋と胸をはって言えるようになるかなぁと不安ないまの実力を高めるための、私..
- 本草薬膳学院スクーリング終了して個人的な収穫
- リソースフルな心持ちで勉強ができれば、もっと伸びしろ豊かであろうかと思うものです..









