2026年06月23日

食の禁忌は、中医学と西洋栄養学では異なるケースもございまして、迷います

中医薬膳学では以下を学びます。
〘食用(食節)、食養(食補)、食療(食治)、薬膳、食忌(食禁)〙


■ 食用は、食の全般的な場合分けされたルールの運用法です。年齢的差異(壮年、高齢者や乳飲み子)、男女、地域による環境、四季、食事回数、用いる食材など、食に関する全般的なルールの運用です。

■ 食養は、食材による病人以外の養生法。

■ 食療は、食材による病人の治療です。漢方薬の構成生薬を代用できる食材に置き換えておこなわれる食療治療もあります。

■ 薬膳は、食材および中薬による病人の治療です。おもに治療効果を生み出すのは中薬の役割となります。漢方薬の処方の構成生薬をそのまま鍋にし、食べやすい御膳にというのも薬膳ですね。

■ 食忌は、飲食禁忌です。



□ 食忌の重要性

食の禁忌を犯すことで多大な不利益を被ることが予測される危険を帯びた決まりごとです。
それゆえ、食による治療と同レベルの扱いとして注意深く吟味されております。
ですが中医学の立場と西洋栄養学での立場の違いが明瞭に現れるシーンが見受けられもします。


たとえば中医学では、食忌として【妊娠中は、羊肉・鶏肉は禁忌】とされます。

羊肉・鶏肉ともに温める食薬であり温めすぎれば陰液を乾燥させて減らすことにより、血が減ってしまうのです。胎児のために血が必要な妊婦には、故に禁忌となるわけです。
ここで西洋医学的にはどう扱われるかと考えてAIで調べました。すると羊肉・鶏肉とも取り過ぎはよくない等の指摘はありますが中医学では禁忌という強い言葉で食べないことを規定しますが、そういったシリアスな雰囲気は西洋栄養学の見方からはございませんでした。


そこでまたAIにたずねましたら、中医学的には温性の強さから羊肉等は禁忌でとってはならないという点で同意がかえってきました。西洋栄養学と中医学では、同じ食材でも時には禁忌にされたり、禁忌ではなくお勧め食材として勧められたり。。。取り扱い方が異なってますね。



迷うばかりです。。。



ちなみに中医学では下記の中薬等も禁忌とされてます。ご参考まで。


​1. 「活血・駆瘀血(けつを動かす)」作用が強いもの
​これらは子宮収縮を誘発するリスクがあると考えられ、流産の懸念があるため厳格に禁忌とされます。
​山査子(サンザシ): 消化を助ける薬膳食材として有名ですが、子宮収縮作用が強いとされています。
​紅花(コウカ)・サフラン: 強力な駆瘀血作用があり、妊娠中は禁忌です。
​桃仁(トウニン): 瘀血を取り除く力が強く、流産の危険性があるため避けます。
​牡丹皮(ボタンピ): 活血作用が強く、妊娠中は慎重を要する(または禁忌とされる)生薬の一つです。


​2. 「滑利(すべらせる)」作用が強いもの
​腸を潤して通じを良くする作用が、子宮にも働きかけてしまうと考えられます。
​薏苡仁(ハトムギ): 「利水・排膿」作用があり、浮腫み取りによく使われますが、子宮収縮を促す可能性があるため妊娠中は禁忌の代表格です。
​アロエ(薬用): 瀉下(下痢させる)作用が強く、子宮を刺激します。


​3. 「温熱」が強すぎるもの
​過度な熱は胎児の「胎毒(湿熱)」を招くと考えられます。
温熱が強い肉類:羊肉
​辛味の強い香辛料: 唐辛子、山椒、シナモン(肉桂)、花椒など。これらは熱を助長し、体内の陰血を傷つけると考えられています。


​4. 消化に負担をかける・「湿」を生むもの
​妊娠中の脾胃(消化器系)は弱りやすいため、停滞(湿)を招くものは避けます。
​生もの・冷たいもの: 刺身、冷たい飲料、氷菓子など。これらは「脾胃」を冷やし、胎児への栄養供給を阻害し、母体の抵抗力を落とすとされます。
​脂っこいもの・甘いもの: 揚げ物、菓子類など。これらは「痰湿」を生み、母体の体調不良や産後の母乳トラブルの原因となります。


​5. 注意すべき生薬・嗜好品
​麻黄(マオウ): 風邪薬(葛根湯など)に含まれることが多いですが、血流を強める作用があり、過度の発汗や胎盤血流への影響が懸念されるため、妊娠中の安易な服用は避けます。
​大黄(ダイオウ): 瀉下作用が強いため、便秘対策であっても妊娠中は禁忌です。


​指導のポイント:なぜ「禁忌」がこれほど多いのか
​中医薬膳学でこれほど厳格に禁忌が設定されている理由は、以下の**「三つの守るべき原則」**に基づいています。
​「発汗させすぎない(陽気を損なわない)」
​「下痢をさせすぎない(陰血を損なわない)」
​「利尿させすぎない(津液を損なわない)」

​これら「やりすぎ(過剰な排出)」が、妊娠中の母体の安定を脅かすと考えられているためです。





ひとまず中医学の試験を受けるときには、いったん西洋栄養学を頭から外して中医学の立場の答えを書かなければ解答は ✕ になります。
栄養士で中医薬膳師でという方もいるはずですから、どういった判断を自分の中での正解として指導しておられるのか。興味深いところですね。
posted by スズキ at 12:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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