2026年06月14日

存在物の機能や作用、構造を徹底して咀嚼した上で付けられた名前は、考具として高い価値がある

呼吸は、空気を口から肺へと吸い込み、組織や細胞に使われて老廃物と化した息を吐き出します。

通常の感覚では、腹式呼吸でしっかり息を吸う(吸気)ことが大事だと考えてはいないでしょうか。ですが呼吸について中医学を下地に持つ中国武術を学べば吸気と呼気と、どちらを意識的に扱うかは明確に呼気といいます。呼気と吸気の取り扱いの違いはどういったことでしょう。


私たちの多くは、吐く息も吸う息も違いを明瞭化していません。
酸素を吸って二酸化炭素を出すという程度の曖昧な前提に立っています。それらはひっくるめられて息とだけ表現するか、ただ息が入るか出るかと同じ意味で呼気と吸気止まりでした。




ですが中医学を学ぶと、
吸う息は(清気)と呼ばれ
吐く息は(濁気)と呼びます。


明瞭に別物として扱っております。




清気は、納気として腎の作用により口から吸引され、肺に入り水穀の精微と混ざり合わさって宗気を作り出す。宗気は、主に心の循環機能や肺の呼吸機能を働くために欠かせないエネルギーです。
濁気は主に臓腑の腑内(主に大腸・小腸)で溜まる排気される酸化した老廃物となったガスのことです。腑内のガスを呼吸の作用を機能させて肺まで持っていきます。胃には降濁作用といわれ、​胃の降濁(こうだく): 消化したあとのドロドロしたもの(濁気・飲食物のカス)を、下(小腸・大腸)へと送り出す。そうした腑内の濁気が肺へと持ち上げられて排気されるのが濁気だ。

濁気が腹に詰まったままでは腹部の腸内は拡張して膨らんでいる。するとそこを押しつぶしてまでしては臓腑に傷がつくことになるだろう。それは横隔膜の上下動を抑制していくだろう。パンパンに空気が詰まったボールを押しつぶすのは力が必要で困難なようなことがおこります。腹圧をさげて新たな気滞を体内へと引き入れるためにも、まずは腹に溜まった濁気を排気する必要があります。
こうした前提をご理解いただいきましたら、自然に清気と濁気の先と後の順序がわかるでしょう。



これが呼吸の基本。この基本を理解するにはさらに知識の行間を埋めるための学びが必要となります。そうして構築された構造と機能・作用をあわせて並行して関連付けて理解していきます。それを元にして応用と実践を繰り返し探求していきます。これが伝統的な気功。私が国内で手に入る気功の本では、気功の方ややり方や効能のみが語られていました。そして呼吸が大事だとは書かれています。ですがその以前の呼吸の知識を詳説はしておられません。中国の伝統というわけではないでしょうが、秘中の秘という知恵や技術は愛弟子でなければ伝えることはありません。だから、こうした呼吸の基本を伝えてはくださらないのか、それとも中国ではこれを知っているのが一般常識なのだろうか。
中国本土ではそれが馴染んだ背景がありますから、後者が正解なのかもしれませんね。

呼吸を極めているものはこうした背景をえておこなう修養が欠かせません。
posted by スズキ at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック