2026年06月08日

望診の流れ

望診には、神も姿勢も歩き方、顔の目も、鼻も、口も、耳も、舌も、皮膚も、髪も、爪もと様々な調べる項目があります。ですが毎回、これらすべてを調べていたら、限られた時間がそれだけで消えてしまいます。
それを避けるよう要領よく調べる必要があります。
望診項目をひとつずつすべて調べるのではなく、異常部位を素早く見つけて、そこから情報を拾い上げます。


具体的にどのような過程を通るでしょうか。

まず、まっさきに押さえたいポイントがあります!
押さえたいポイント
最優先でチェックする3大指標には(眼(有神・無神)、顔色、舌)があります。

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(望診の最優先3大指標:図解)

優先項目 診るべきポイント 読み取れること
1. 目(神気) 瞳の輝き、視線の定まり方、白目の色| → 精気の盛衰(バッテリー残量)、精神状態、肝の乱れ
2. 顔の色沢 全体のトーン、肌の「ツヤ・明度」| → 気血の充実度、五臓のトラブルの傾向
3. 舌(舌診) 舌体の色・形、苔の厚さと水分量| → 寒熱・虚実、気血の巡り、湿気の有無(痰湿・血瘀の有無)







望診の流れ


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(望診の効率的な流れ図)

ステップ1 ドアを開けてから着席するまで(全体観察・動)
遠見から、神、歩き方、姿勢を診る。
​チェック:目に輝きはあるか(神)、歩き方や姿勢に違和感はないか(形態・動態)。

​「神(しん)」の有無: 目に輝きがあるか、表情に生き生きとした生気があるか。神が失われている(得神・失神の判断)場合は、全体的な虚損や精神的な疲労が深いと一瞬で判断できます。
​「形態・動態」: 歩き方、姿勢、肩の左右差、足の運び。ここで筋肉や骨格のゆがみ、気血の巡りの悪さ(滞り)のあたりをつけます。
異常がなければスルーします。
異常等がみられれば記憶、記録して次に進みます。


ステップ2 対面で挨拶中・着席直後(局所観察・静)
近見から、顔全体のツヤや色を確認します。
​チェック:顔全体のツヤと色(青・赤・黄・白・黒)をパッと見て、例えば「黄色くツヤがなければ脾胃の虚弱」といった大まかな仮説(証のあたり)を立てます。

​「色沢(しきたく)」のスクリーニング: 顔全体の「色(青・赤・黄・白・黒)」と「ツヤ・潤い」をパッと見ます。
​例えば、顔色全体がくすんで黒ずんでいれば「血瘀(けつお)」や「腎虚」、黄色くツヤがなければ「脾胃の虚弱」といったように、この段階で大まかな「証(しょう)」の仮説を立てます。
異常がなければスルーします。
1.遠見でえた異常と2.近見でえた異状から、全体仮説を立てます。


ステップ3 問診中に(正常な部位はスルーし、異常な部位のみピンポイントで確認)
全体仮説と五官の局所望診により仮説検証をおこないます。
​チェック:仮説に関連するパーツだけをピンポイントで確認します。例えば、「血瘀」の仮説があれば、唇の色や舌裏の静脈を見ます。すべての五官を均等に診ることはしません。
全体からアタリをつけた後、初めて特定のパーツに視点を落とします。
​五官のチェック: 目の充血(肝火)、唇の色(淡白なら血虚、紫暗なら血瘀)など、仮説を検証するために必要なパーツ「だけ」をピンポイントで確認します。
​舌診(ぜっしん): 望診の中で最も客観的で裏切らない指標です。会話の区切りや、意図して出してもらうタイミングで「舌質(色・形)」と「舌苔(色・厚さ・潤い)」を数秒で診ます。


ステップ4(舌診による答え合わせ)
舌診で舌質・舌苔を観て証を確定します。
​チェック:舌診は最も客観的な指標です。Step 2〜3で立てた仮説が正しいかを数秒で確認し、最終的な「証(気虚、血瘀など)」を確定させます。
舌診でえた結果が仮説検証した内容と異なったとき。または問診で新たな情報を得たとき、施術後に状態を確認するときには、再度、ステップ1に戻り繰り返します。






私ごとですが。
望診の項目をすべて記憶することも大変だが、毎回の施術ごと、すべてを調べるのはさらに大変。臨床でそんなことはしていないことは、中医師に一度でもお世話になればわかります。

私がかつて脈診講座を受講したことがあり、脈診をするときのことを思い出しました。脈をとったとき、脈が硬か柔和か軟かという硬軟がわかります。この時点で、虚実が判明しますから、虚証の脈であれば、あとは実証の脈状は除外して調べられます。知りたい答えを探索するには、除外できるものをさっと除外して脳の負荷を減らしていくようにします。すると虚実を気にしつづける脳を黙らせ、すっきり探索が続けられます。そうした脈診表が手渡されたことを思いだされました。
望診も、遠見でざっくり焦点を当てる必要ありを得る考えもありますが、考えなくてよくなった部分を除外すると等しいといえなくもありません。
個人的に脈診で除外できるものを弾いて残ったものが答えという思考回路ができているため、望診でもそうした流れで物が見えてきます。


posted by スズキ at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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