2026年06月05日

体温を支える熱源は、内蔵55%、脳16%、筋肉25%。内蔵が体温を高める最大の立役者だから内蔵が強い遺伝子を持てないと元気には、なれないの ?答えは、NOです!

人は平熱よりも6度程度高くなるとがん細胞は死滅し始め、1度ほど下がったら逆にがんが活性化します。全身が30度を下回ると意識を失い死の危険にさらされます。

こう考えると平熱の維持がいかに重要か、うかがい知ることができます。

体調がいいときも悪いときも、身体ができるだけ正常に機能を保つために体の深部が37度前後になるよう調整しています。すると楽々体温を保てるときと、保つのに非常に厳しい状態の時もでてきます。

そうした平熱を維持するために、全エネルギーの70%をつかっているのです。

体調が健やかであれば、気の温煦作用とよばれる体を温める作用が適切に働き、外気温が多少低くなっても、高くなっても、健康な平熱を保つことができるでしょう。
暑ければ汗をかいて体温を冷ましますし、寒ければ体表に熱を集め体温を保つのです。
平素、楽々平熱を保つものは、何らかの病をえて体調を崩しても治りやすく、回復が早いようです。勝手に治る体を持っています。ですから海外では風邪やインフルエンザで病院を訪れた人に、薬をださずに安静にと告げて返す処置がなされることがあるといいます。それで治ってしまう体を持っているものが多いから、それで済まされるのです。

ですが気血の失調や停滞から体調が悪化していたり、体質的にひ弱であるとき。平熱を保つことが容易な作業ではなくなります。
こうなるとウイルスに感染しやすかったり、怪我をしてもなかなか治りません。自然治癒を発動させるエネルギーさえ、平熱を維持するために使われてしまうのです。
ぎりぎり平熱を保ち続けてきた均衡が崩れたとき、じりじりと36度台の体温も下がり、低体温の状態に移行するのです。
ぎりぎり平熱を保てている人は回復はしづらい。容易にウイルスが体内の奥へ侵入でき、治療を必要とします。自然治癒頼みにしては、訴訟問題がおきかねません。勝手には治りにくい体になっている人々がいるのです。そうした国に日本がなっていることを認めたほうがいいデータも現れている昨今です。



そして楽々平熱を保てる人の筋肉と、ぎりぎり平熱を保とうと苦戦する人の筋肉。それらは多くのお客様を触れている施術者には、触れた瞬間に、違いを感じ取るものです。




ちなみに、安静時に体温を保つ熱は、55%程度は内臓で生産され、16%が脳、25%が筋肉。この割合からわかるように熱は内臓で生産が多く、必要に応じて筋肉の熱を増して対応しています。ということは内臓が正常に活性し働けば55%程度の熱の生産は容易ですが、内臓の働きが振るわなければ、筋肉などの発熱量を増すことで対応する必要が常時でてしまうことになります。

つまり運動不足は論外ですし飲食するものが冷たいものばかりもNGです。

ただここでひとつ、疑問があります。
世の中には少なからず、先天的に内臓の弱さから55%の安静時の熱を生成できていない人がいます。俗に言うひ弱い体質の者たちです。ひ弱いとは脾(=消化器全般臓器)が弱いものをいいます。


こうした基本の体質は生まれた時点で殆ど決まっています。中医学でも先天の精を指し、父母から受け継いだ生命エネルギーによって、ベースとなる五臓六腑の強さや体質の傾向(あつがり、さむがり、虚弱など)が決まりまってしまうのが常識です。古典『黄帝内経(こうていだいけい)』でも、両親の年齢、健康状態、妊娠中の過ごし方が子供の骨格や臓腑の強弱に直結すると明記されており、中医学では不動の前提です。

​両親から受け継いだ遺伝的な設計図(体質、特定の病気への罹りやすさ)は、生まれた時点で固定されています。これは現代の遺伝学や**エピジェネティクス(遺伝子発現の制御機構)の知見とも完全に一致しています。


健康な遺伝子を父母から受け継いだ者は幸いです。強い五臓六腑は余裕を持って熱を生成してくれます。
対してひ弱く生まれれば、一生涯、変わらぬ体質により、ハンディキャップを抱えて生活を送らねばならない定めです。


小伝馬子さんのYouTube動画に『病人ニート歴10年の私が今伝えたい「病人の賢い生き方」』という映像がありました。小伝さんの、先天的にお腹が弱い体質を背負って生まれでたものが悪いわけじゃないという主張は、私にはこころに強く響きました。そのとおりだと思います。父母も子にひ弱い体を授けようと考えていたわけじゃない。ですがこうした先天的な遺伝上の不利益が元で病気になったなら、責任のいったんは父母にもある。そこを認めてほしいという、叫びです。

それに小伝さんのすばらしさは、親に頼るばかりではなく徹底的な生活にかかる固定費を削減し、お腹にいいという海外の情報を集めて実践し、後天的な努力で先天の不利を補っておられる行動力には頭が下がる思いです。

中医学の考えでは、先天の精と表現した父母からえた遺伝子により決められた病のえやすさや冷え性や暑がりやその他の多くは一度出来上がれば、それは変わることないという認識があります。遺伝子はコピーが繰り返され、同様な情報が保たれます。それが突然コピーミスが起こりだし不安定な状態に置かれれば、長くは生きられない状態に達したということでしょう。そうした認識をベースにして、だったら遺伝子を守りつつ(誇張すれば不老不死)遺伝子で決められた体の弱点を補うための手当をすれば、それでそれなりの健康はかなえられるようになるじゃないか。このやり方のノウハウは養生のようなもので、食や運動、その他、生活の細部にわたり賢明なやり方が伝えられております。なっちゃったもんは仕方ないから、それをそうだと受け止めて、適切な対処をすれば問題なしです。そういったノウハウがあります。
そうした前向きな考え方と行動力は、小伝さんのおこないに、合い通じるところを感じます。






ここで少し話が変わりますが。
興味深い平均体温調査が、1957年になされました。
​これは1957年に東京大学の田坂定孝教授らの研究グループが、10代〜50代の健康な日本人男女3,000人以上を対象に実施した調査です。
この時の測定結果から、日本人の平均体温は 36.89℃(±0.34℃) であると報告されました。現在でも医学界で日本人の平熱の基準としてしばしば引用される有名なデータです。

ただ現代は「低体温化」の傾向があるといわれています。概ね事実でしょう。
​最近は平熱が35℃台の人も多くおられ、現代の日本人の平均体温は当時よりも下がっている(約36.2℃前後、人によっては35℃台)と言われています。
1957年平均体温が36.89度ですから、37度近くですね。35度台の人が37度近くになれば、もう風邪の症状が出ている頃合いです。そして海外の風邪やインフルエンザで病院に行っても静養しなさいといわれて薬を出さない国々の平均体温は、調べれば37度近くか37度を超えていたのです!


子どもの手技を得意とする女性施術者の知人の話では、『20年前の子どもたちと比べれば今の子供達では体温が低下してアレルギー体質の子も増えている。昔の子供たちの体に触れると、たとえ病気がちな子どもでも温かいだけでなく生命力あふれる弾力が感じられました。だから、施術をして様々な刺激を受け止めてくれてよくなっていったのです。ですが今の子供達は冷たくて硬い体の子が増えたと、日々実感しているといいます。こうした子たちは厳しい環境では生き延びるのが難しく感じられるほど弱々しいと感じられるのです。』といいます。



私も手技をしていて初診では問診票を書いていただいてますが、そこに血圧及び体温を書く欄が設けられています。(一時的にプリントミスで体温が抜けてたこともありますが、体温と血圧などのバイタルサインで、施術の効きがいい人かどうかを見分けがだいぶんつくため、指標にしています)



骨格筋の状態が改善されるのが筋膜リリースの真骨頂だとします。
それで五十肩や腰痛肩こりが軽減し、他の様々な不調を緩めることができるからです。
気血津液の過不足や停滞から臓腑が弱り熱を生み出せない方は慢性的な不調を訴える方に多くおられます。その方々に対して手技療法のみで継続的な状態の安定や底上げができるかといえば、難しいでしょう。実際にそれができないかと経絡や内臓マニュピレーション等で徹底して手技応用しましたが、私に限っての話とはなりますが、期待値を越して喜ぶ成果が続いたことは、数えるほどと記憶しております。

そうした方々が、もし先天的な臓器のひ弱い体を父母からいただいてきたとしたら、中医学にはそうしたことを対処する後天の精を持って先天を補う考えのもと、様々な対処法が開発されています。そこに対しての実績は、直接、実験をしている我が身のみの状況です。去年の今頃、仕事納めのつもりで、日々頑張りが過ぎてしまい身体が心まで冷える状態で施術終わりを迎えましたが、その状態はリセットされてきました。生来の脾の弱さから消化吸収が全般、人よりかなり劣りますが、その不調が緩和するプログラムを組んで実施した成果も、この年になってもでてきております。
私自身、平熱が35度後半、脾の弱さから熱を生み出せない人間のひとりです。だから健康体の人の身体って、どういった楽さと落差があるのか、無理やり想像力をたくましくしない限り、実感がもてないのです。ですがそうしたいままでを飲み込んでひっくり返して健康な身体となるよう改善を加えるのがいま。そうした成果が、しっかり裏を取って再現性がでるやり方を見いだせればなと考えているところです。

posted by スズキ at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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