では、ここで簡単な望診の設問を出題させていただきます。
以下の、中医学四診の望診図をご覧ください。
(望診フェイス図)
それでは問題です。
■ 設問 1
望診図をみながら、( )内の文字を埋めて下さい。
ヒント:( )内は、肝・心・脾・肺・腎のいずれかが入ります。
1.顔が赤いのは( )の病いです。
2.鼻水・鼻づまりは( )の病です。
3.怒りの感情は( )の病です。
4.舌が膨らんで大きくなり舌のヘリに歯型がつくのは( )の病です。
5.耳鳴りは( )の病です。
【答え|1.心 / 2.肺 / 3.肝 / 4.脾 / 5.腎】
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■ 設問 2
高校生時代から、ちらほら『白髪』がまじりました。
『歯が弱く』、心身のストレスがかかると歯医者のお世話になりっぱなしです。
仕事が立て込んで背中や肩が凝ったら、『耳鳴り』がひどくなったときもありました。
であれば( )の病の傾向がある人だと思われます。
ヒント:( )内は、肝・心・脾・肺・腎のいずれかが入ります。
【答え|腎】
皆様、難しかったでしょうか?
人体の症状や傾向をまとめ上げたのが『五行色体表』です。
たとえば、以下といったまとまりがあります。
五臓(肝・心・脾・肺・腎)/
五志(怒・喜・思・憂・恐)/
五色(青・赤・黄・白・黒)/
五官(目・舌・口唇・鼻・耳)/
五華(爪・面・唇四白・毛・髪)/
五悪(風・熱・湿・寒・燥)/
五主(筋・脈・肉・皮・骨)
......
他にもいくつもの五行のまとまりがあります。
五行色体表により効率的な診断をおこない治療へ。
そのような流れを導き出します。
たとえば
目の症状を聞けば( 肝 )を疑います。
確認のため舌の裏側にある舌下静脈が怒張していないかを調べます。怒張があったら、肝の病がある確率が高まりました。
ひどい鼻水の症状を聞けば( 肺 )を疑います。
確認のため顔に湿疹や蕁麻疹がでやすいかをたずねて思い当たるといわれれば、肺の病がある確率が高まります。
そのようにして効率的に五臓のどちらの気血が足りなかったり停滞しているなどの異状が存在するのかを見つけ出します。
ただしこうした頭部の望診のみで五臓のなにが問題があるのかは、まだそうだと断言するには時期尚早です。
他に、聞診、問診、切診など五臓の状態を調査をおこなって、
それらそれぞれの診断を総合したうえでどの臓が問題があるのかを調べます。トラブルがある臓がひとつだけとは限りません。複数が違った割合で症状を作り出していることもあります。
もし四診すべての診断でことごとく一致するとき。
その臓に病がある確率が大変高まったとわかります。
もし四診すべての診断をしたときひとつの臓だけには絞りきらなような様々な臓の症状が同時に出ることがあります。このときは複数の臓に問題があると仮定し、どの臓の影響が主従関係のような主になるか従になるかをそれぞれの影響する割合の大きさを推定していきます。
そのような四診を通しての過程を通して八綱弁証や気血津液弁証等の弁証をしまて、それら弁証をまとめ上げて弁証論治の論治(=治療法の決定)をおこないます。
ですが流れとしてお客様を目でみて観察して情報を得る望診を先におこなうことで問題がある五臓が肝か心か脾か肺か腎か、それともそれらが複数絡んでいるのかについて、眼の前で話をしながらチェックポイントを要領よく押さえて判断することは必須の技術です。病証の絞り込みができずに、五臓のすべてを隈無く調べるのは手間暇と労力が費やされてしまうし疲労困憊で正確な診断が下せるだけの脳の余力を失ってしまうほどです。
絞り込めれば、問題のある臓の診断に勢力を注ぎ込めます。絞り込んだから深い内容を調べる時間ができ方向性を大切にしつつ確認作業をおこなえるのです。
もし絞り込みをしなかったらどうなるでしょうか。
たとえば五臓の診断に500項目あるとすれば、500項目すべてを調べるなければなりません。でもそれをするには時間も労力も膨大にかかります。お客様や当方の疲労や時間の消費の膨大さは計り知れません。正直、質問する側もされる側も、やってられない気持ちになります。
だから望診で調べて五臓の問題を絞ってから調べれば、腎が問題と絞れれば、500項目の五分の一の手間、つまり100項目になる計算です。それだけでなく、問診時には仮定した臓の調査に重点を置いて、そこを深堀りして質問に絞れるでしょう。すると100項目の調査の半分以下で十分な判断材料を得ることができたとします。500項目のうち450項目を除外できた結果をえられます。
つまり調べなくていいものを先にあぶり出して除外できれば、多くの恩恵に預かれるのです。ゆえに望診でおこなうその日のお客様との面通しは、非常に重要です。
四診は、すべての調査項目を逐次調べるものではありません。手早く確実に除外OKな項目に対し脳の力を使わないことが求められています。そのうえで該当した臓について深堀りして確かめる質問や診断には十分に労力をかけていきます。そうして効率的な弁証をして、治療法の決定にたどり着いたときの脳の力を温存させるものです。
診断者の脳の混乱を低減させ、判断を落ち着いておこなえるようになります。臨床では、こうして適切に除外項目を発見し、必要な項目のみにフォーカスを当てる流れで作業を進めていくのです。
診断者の脳の容量が有限であることを知れば、早々と望診で確実に除外できるものをふるいにかけて落としていくのです。
(望診の時点でふるいにかけて落としたものでも、聞診・問診・切診をする過程で除外したものが復活することもあります)
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