黄連解毒湯(おうれんげどくとう): 黄芩、黄連、黄柏に山梔子(サンシシ)を加えたもの。全身の炎症や充血、イライラに用いられます。
こうして黄連解毒湯の構成生薬となる〘黄芩・黄連・黄柏〙の三つ重ねられた黄の字を冠する生薬をまとめ称した「三黄」は、すべて(苦寒)の性質と(清熱燥湿)の作用を持ちます。
ここだけ観ると、共通する五味・五性に清熱燥湿作用があわさり、ただ効能を強めたいのかな?とみえてしまいます。
ですが三黄を重ね打ちした狙いは明瞭で、黄芩・黄連・黄柏のそれぞれの生薬が体のどこに作用するかの違いを理解する必要がでてまいります。
【帰経】というどの経に主に影響するのかを具体的なな場所とその影響にわけて理解する必要が出てまいります。
三焦(上焦・中焦・下焦)のどこの熱に対処するのか、それぞれ明確な効く場所の分担があります。
生薬名:対応する三焦:帰経
黄芩(おうごん):上焦:肺・胆(※頭部まで影響)
黄連(おうれん):中焦:心・脾・胃
黄柏(おうばく):下焦:腎・膀胱(※下肢まで影響)
となります。
〘黄芩・黄連・黄柏の図解〙
三黄にしたおかげで全身をくまなくケアできることがわかります。
一般的なイメージでは、
生薬を摂ったら消化器を通して全身に巡り効くようにできていると思われがちかもしれません。
ですが、そういった黙ってても全身にくまなく影響をもたらしてくれる生薬は稀だと考えてください。
ゆえに、生薬の教科書や食物性味表などから【帰経】を参照していただき、どの経が主な効果をあたえるかを知ることが必須で、生薬を覚えるときや使うときにもこの帰経なら体のここに効くものと整理して把握することが大切です。
ざっくりしたたとえですが、下半身に影響を与えなければならない症状なら、牛膝という下半身(下焦)に効果が向かう生薬を使います。このときにただ五味や五性に作用だけをチェックして頭部に影響させる生薬を使っていては効果がほぼないか薄いかは当たり前のこととなります。😅
ということで、、、
四診に基づき弁証論治で証を立てる過程で、体のどの箇所の気血津液の不調状態がを調べておく必要があります。
気が過剰になれば熱が高まって上昇し頭部や上焦へと向かい停滞していますし。
津液が粘稠などろっとした状態の湿や痰となれば、正常な津液より重さが加算されて下方に沈み、下半身のむくみが現れるでしょう。
そうした状態を問診や切診により調べることも必要です。
まとめになりますが、
弁証論治から治療する帰経を特定し、その帰経に沿って適応した生薬を選ぶ必要があります。
ただしぴったんこカンカンと鐘がなるほどの一致ではなく共通する帰経もってはいるのだが.....という場合も少なからずあります。
そうしたときに自分なりに考えて生薬や食薬をいくつか組み合わせて用いようとするとき、それが良作か駄作かの判断ができず悩みます。
唯一の救いは、そうしたものは自分に試してみるだけですから、誰彼からのクレームが来ないですむことくらいでしょう。
最後の余談ですが、
お客様の体の上焦中焦下焦といった三焦のどの部位が気血津液の滞りや渋滞や足りなさがあるのか。
切診で患部等を触り状態を観る診断方法は、手技療法にかかわるものは繊細かつ詳細に情報を収集し判断する作業は秀でるところです。
実際はどの箇所に気血津液のトラブルがあるかはわかっている状態にまで詰めてから、最後に切診でその判断と切診情報が整合するかどうかを調べます。整合してなければ、なにか複雑な状態に陥っていると判断でき、そこからまた探索を深めてまいります。時には調べたこと全部を一旦横に置いて、ゼロベースにしてからみなければ判断を誤ることもあって。切診での整合チェックのとき、シンプルに整合しててほしいと祈ることも多々ございます。
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