水の摂取が必要と言われております。
ボウエンテクニック関係の洋書を読めば、必ずといって書かれている重要事項です。
具体的な水の摂取量を述べますと、
体重薬50Kg の人は1.25lの水を飲む必要がある。
体重薬60Kg の人は1.5lの水を飲む必要がある。
体重薬70Kg の人は1.75lの水を飲む必要がある。
体重薬90Kg の人は2.25lの水を飲む必要がある。
体重薬100Kg の人は2.5lの水を飲む必要がある。
このときひとつ、疑問が浮かびます。
水を水分と考えれば、
・白湯でもOK?
・ジュースやお茶でもOK?
・ビールやワインでもOK?
結論から申し上げます。
『きっちり〘水〙で摂ってください。』
白湯もジュースもお茶もビールやワインもNGです。
それらが飲用して入るのが胃から消化器に直行してしまうためです。
水を煮沸した白湯や水に糖分や茶葉等の養分が入ると、胃から消化器へと下向きに流れ消化吸収がなされる過程を経て、水分を肺へと押し上げます。
加えて考慮すべきは、利尿作用があるお茶やビールなどで水分補給すれば、摂取した量より体内に流れる津液量は減ります。
『 体重薬50Kg の人は1.25lの水を飲む必要がある。』
ことを知り、きっちり1.25lのおビールをいただいても、お小水で流れ出てしまいます。
対し、水で摂った場合、口にした水が直接的に肺へと流れ入ります。
(摂取したすべての水が肺に直接いくわけではありません。コーラやジュース、ビールは過剰に飲んでも消化器の小腸にいくのでたくさん取れるものの、水は肺へと蓄えることがかなうもので、肺の貯水槽がいっぱいになったら水は、一気に飲みたくなくなる反応があらわれます)
つまり消化器に入り消化吸収されてから肺へという過程が省くことができるのです。それにより摂取した水が津液となり使われる量と近似して残されます。
また自身の体液の酸化して粘り気が強くなりやすい体質(痰湿体質等)であれば摂取した水のpH値を考えて弱アルカリ性に変えるよう調整をはかることもできるのです。(←これ戦法的に使い勝手がいいです)
消化吸収した水穀の精微が酸性に傾いている方には、有益な対処法となります。
【筋肉の潤滑油となるお水を摂る理由】
脾により生成された水穀の精微や津液は昇清作用(※しょうせいさよう)により胸部へと運ばれます。肺に届いた津液(水分)は宣発作用(※せんぱつさよう)により全身へと運ばれます。
肺の津液は衛気を載せ、衛気が津液を全身に巡らせます。
衛気は経絡外の皮膚、筋肉、組織、臓器の間を流れます。
故に筋膜の癒着があれば、筋膜の間を流れる津液(潤滑油も津液の一種です)が停滞したため衛気が運ばれずに滞ります。筋膜の癒着がある箇所では津液の供給が滞ってきた場所で、その箇所への津液が通常の水分摂取量では追いついていないことが問題としてあるとき。
筋膜が癒着した箇所を筋膜リリースの手技による外圧で緩めたとしても、そうした筋膜癒着箇所は津液が流れ込みづらい箇所です。
ですから施術後に上述した量の津液の原料となる水を摂取して、筋膜癒着箇所に津液を流し込むようにする。
そうすることがアフターサポートとして、津液の循環を一時的に強め筋膜リリース後に起こる新たな筋膜癒着の再現を防ぐ効果が生まれます。
※昇清作用:小腸から胸中へ水穀の精微や津液を上へと持ち上げる作用。内臓や器官の下垂を防ぐ作用にもなっています。
※宣発作用:気や津液、栄養分、衛気などを全身に拡散させる。また濁気を体外へ排出。
ゆえに、ここで申し上げたいことは、
施術と関係しない日常でも、
日々、たくさんの量の水を摂取しましょうというわけではありません。
〘恒常的に水分過多となれば腎への水分処理負荷が高まり不調を招きます。血に含まれる水分が過量されて血が薄まる恐れもでてまいります。〙
筋肉の間を満たす津液が少ない方の場合、施術後に適した量の津液が補われていなければ、再度、同様の筋膜癒着箇所の筋膜同士が密着して癒着が起こりやすくなります。そうならないように体の津液を水分補給により増加させて剥がれた筋膜同士の間に津液を潤滑油として送り込んでください。
施術者の指示を受けて必要な期間のみ上述の水分摂取を心がけてください。
摂取する水分は、水がベストです。
細かく言えば、冷水はNG。常温か人肌ほどに温められた水にしてください。
ただ最後に、中医学上の見方ですが、
こうした水分摂取についての鵜呑みをせず、
体質上、水分摂取が過剰となれば体調を崩す可能性がある方がいます。
ひとつ、代表的なものをあげれば痰湿体質の方です。
痰湿体質が慢性的で重度の方は、水分摂取量を増やせば、
増やした水分が痰を量産することとなり体調を崩す恐れがあります。
ここを知らなければ、場合により大きな問題となるのではないでしょうか。
注意して助言するようにしたところです。
以下にそう考えに至った過程を書かせていただきます。
『痰湿体質の方々は、津液が濁る痰を浄化する意図でもって、水をたくさんとるべきか?』
といった質問がありました。
一見すると、粘稠でドロドロな湿や痰を除去するために、水を肺に送り宣発作用で流して浄化できるのではないかと想像いたします。
私も、そうかな?と思って調べてみました。
すると中国の中医師が「水分を増やせ」と指導するのは、熱性疾患で津液(しんえき)を消耗している場合や、乾燥による疾患(燥邪)の場合です。
痰湿対策においては、むしろ「水の量よりも、水の巡りを改善すること」に重点を置くため、むやみに摂取量を増やすよう指導することは稀と言えます。中医学には、水液代謝が滞っている状態(痰湿)において、無理に水を飲むことは「飲んだ水がそのまま痰(病理的な副産物)に変わる」という考え方があるからです。
つまり痰湿体質の方は、脾の運化作用が弱っていることが多いので、無理に多量の水を飲むと、脾にさらに湿の状態を強めて痰の生成を拡大させるからです。
それもあって痰湿体質の方への指導の基本は、
「喉が渇いたら、一口ずつ、温かいものを飲む」ことが推奨されます。
「不渇不飲(喉が渇いていなければ無理に飲まない)」、あるいは「少量頻飲(少しずつ回数を分けて飲む)」というのが基本です。
重度で慢性化した痰湿体質の方は、水のとり過ぎを厳禁とする考えが見つかるのみで、「水の量よりも、水の巡りを改善すること」に重点を置くに徹するべきだと思います。
ただ痰湿体質の方でも軽度であれば、水分量を上記の
『体重薬50Kg の人は1.25lの水を飲む必要がある。』
といった量を減らして摂っても良いものかどうか。
戦略的には、様子をみながら筋膜の癒着が再度起こりづらくするよう状態の保全の目的があり、
白湯等の消化器へ流れて脾で痰を作らせないように指導し、
きっちり真水の摂取のみを平素の水分摂取に加えることをお勧めすることができるのか?
取量を増やすよう指導することは稀な中医師ですから、稀には痰湿体質の方々への水の摂取を勧める指導もある。よって絶対禁忌であるとは申されていないと判断します。
だったらそれは、どういった場合だろうと想像いたし、さまざまな場合を選択肢としてリストアップしてみると、
こうした可能性もひとつ、あるかどうか調べる価値があるのかなと思います。
ネット上での検索等では、正確な回答は返ってこないグレーな疑問です。
単一的に痰湿体質は、施術後の水分摂取をNGと考えてもいいのですが、
痰湿体質は、回復が実に長期間を要することが知られています。
筋膜リリースでも、そうなんです。
個人差はあるものの、多くは年単位を越えて徐々に回復し、その方ほんらいの状況にたどり着く前に諦めることが余儀なくされることもあります。
お客様には悲しみがあふれることであり、施術者にも施術技術の力の及ばなかった後悔が両肩とこころに重くのしかかり続けるのです。
だからこそ臨床上少しでも、なんらかの手が打てるものがないか、探索するならば、きっちり真水の摂取の指導を徹底して、水の摂取量を規定から二十分の一などと減量した状態から試してみる。
そういったことで、筋膜の柔らかさが回復した状態が安定するかどうか。
身内当たりで試すことで、なにかがわかればと考えるところです。
今回の水の摂取の勧めからは、次のようなことを学びました。
臨床上の安定感をだすためには、
なにごとも、鵜呑みは避けて疑え。
臨床ではなにが起こるか、なにが起きているか、
突拍子のないことも起こるわけですが、
起きたことには裏にはそうなった理由があります。
それが本に書かれていないこともあります。
仮に著者はわかっていてもページ数の制約から
割愛されたことのほうが多いものといえるでしょう。
そうしたものがあろうと疑問を持って深堀りし、
効果を確実化させることが肝要です。
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