2026年05月11日

40度超えの夏、体調はどうなるのでしょうか?  中医学的に、考察してみました...


テレビを視聴していたら今年の夏、気温が40度を越えると・・・というアナウンスがありました。
では40度を越える酷暑のもと、一般の方々への影響を中医学的に考察してみると?


1778459679594.png
(イメージ画像)





中医学において、暑邪(しょじゃ)と火邪(かじゃ)が重なる状態が想起されるでしょう。
それは文字通り「燃え盛るような酷暑」が体に浸入した非常に激しい熱証を呈します。
これらは総称して「暑熱(しょねつ)」や「暑火(しょか)」とも呼ばれ、単に「暑い」という季節の邪(暑邪)を超え、生命を脅かす「火邪(火毒)」としての性質が強まります。急性的かつ重篤な症状を引き起こします。


1778460490108.png
(暑邪・火邪の解説図)

ではここで、
40度の屋外にて《暑邪》《火邪》《暑邪・火邪の両方》を患う一般の方の割合と、自覚症状等を調べてみました。

《暑邪》夏の季節特有の、湿気を伴うこともある熱。津液(水分)と気を消耗させやすいのが特徴です。
暑邪は100% 「暑くてたまらない」「だるい」「喉が渇く」屋外にいるすべての人が「暑邪」の影響を受けます。​自覚症状は 大量の発汗、激しい喉の渇き、体の重だるさ。強制的に毛穴が開かされ、津液(水分)と気(エネルギー)が漏れ出します。


《火邪》暑邪が極まったり、感情の極致や飲食などによって体内で発生する、より激しい熱。心神(精神)を乱し、津液を焼き尽くす性質があります。
火邪は約70%以上 (個人の体質に依存)「イライラする」「頭がズキズキする」「顔が熱い」​自覚症状には 異常な焦燥感(イライラ)、動悸、頭痛、顔面紅潮、目が充血する。
​火邪は「熱の極致」であり、単なる暑さを超えて「体を焼き、精神を乱す」**段階です。40度超では、多くの人がこの段階へ移行します。
​体質による差:
​もともと体内に熱を持ちやすい人(陽盛体質)や、潤いが少ない人(陰虚体質)は、40度の熱気に触れた瞬間に暑邪が「化火(かか)」し、すぐに火邪としての症状(激しい怒りやパニックに近い焦燥感)を感じます。
​一方で、もともと冷えがある人などは、最初は暑邪による「だるさ」が先行し、火邪の症状が出るまでには少し時間がかかります。



《暑邪・火邪の両方》​関係性: 暑邪が酷くなると「化火」(火邪に変化)するという、段階的なつながりも示しています。
暑邪と火邪の両方は大多数 が熱中症予備軍です。40度を越えた環境下では、暑邪と火邪の両方を切り離して考えることは困難。「消耗しきっているのに、神経は昂って休めない」​病態は外気としての「暑邪」に包まれながら、その熱が体内で極まって「火邪」に変化するため、ほとんどの人が両方の影響を同時に受けます。​
感覚の現れ方は、
​「暑邪」の側面: 「暑くて体が動かない」「汗が止まらない」という肉体的な消耗。
​「火邪」の側面: 「頭がボーッとして意識が遠のく」「心臓がバクバクする」「わけもなく不安・イライラする」という精神・神経的な昂ぶり。




ここで暑邪と火邪の​主な症状と病態を、中医学的な視点から整理します。

​1. 激しい熱感と津液の損傷(高熱・口渇)

​暑邪と火邪はいずれも「陽邪」であり、熱性が非常に強いため、体温が急激に上昇します。
​高熱・壮熱: 身体の深部に熱がこもり、激しい発熱が見られます。
​激しい口渇: 火邪は「津液(しんえき)」を焼き尽くす性質(傷津)があるため、冷たい飲み物を強く欲しがります。
​尿の色と量: 津液が不足するため、尿は濃い黄色(短赤)になり、量は減少します。

​2. 耗気傷津(もうきしょうしん)による脱力感

​暑邪特有の性質として、汗とともに「気」も一緒に漏れ出させてしまう性質があります。
​多汗: 毛穴が開きっぱなしになり、大量の汗が止まらなくなります。
​倦怠感・息切れ: 大量の発汗とともに「気」が消耗されるため(気随液脱)、極度の疲労感や呼吸の浅さ、言葉を発するのが億劫になるといった症状が現れます。

​3. 心神の攪乱(しんしんのこうらん)
​「火気は心に通ず」と言われる通り、火邪は五臓の「心」を直撃し、精神活動を乱します。
​煩躁(はんそう): 胸が苦しく、落ち着きがなくなる。
​意識障害: 熱がさらに深部(心包)に及ぶと、うわごとを言う、意識が混濁する、あるいは昏睡するといった「暑厥(しょけつ)」の状態に陥ります。

​4. 舌象と脈象

​診断の決め手となる客観的な指標です。
​舌象: 舌質は真っ赤(紅舌、あるいは深紅色の絳舌)になり、水分が失われて乾燥します。苔は黄色く乾燥した「黄燥苔(おうそうたい)」が見られます。
​脈象: 脈は非常に速く、力強い「洪大(こうだい)」な脈、あるいは気が消耗している場合は速くて力が弱い「細数(さいさく)」の脈を打ちます。


​臨床的な注意点:暑湿(しょしつ)との違い
​夏の邪気で最も注意すべきは、ここに**「湿邪(しつじゃ)」**が絡むかどうかです。
​暑火(暑熱): 「熱」がメイン。カラッとした激しい熱で、乾燥と精神症状が強く出ます。
​暑湿: 「湿気」がメイン。体が重だるい、食欲不振、吐き気、ベタつく汗、舌苔が厚く粘るといった特徴が加わります。


□ 対処法として
​暑邪と火邪が重なった場合は、何よりもまず**「清熱解暑(熱を冷ます)」と「益気生津(気と潤いを補う)」**を同時に行う必要があります。代表的な方剤としては「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」や「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」などが、その病態に合わせて選択されます。



いまから夏を思い煩い考えすぎれば脾を傷つけて気が停滞するだけです。
ですから気を落とさずに正気を増すよう、こころを強くもつことも大切なのかも知れません。
posted by スズキ at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック