〘仏、法、僧〙の3つの宝を指します。
対して中医学では
〘精、気、神(せいきしん)〙という、
人間の生命活動を支える根本的な3つの要素を指します。
これらは互いに影響し合い、健康状態や精神活動を決定するものです。
身体の物質的基礎である「精」、生命エネルギーである「気」、精神・意識・生命力である「神」の調和が重視されます。
〘精〙は、身体という物質を構成します。
発育、生殖、血液やホルモンなど(形があるもの)の源です。
腎精とも呼ばれ、腎に精は蓄えられております。
〘気〙は、生命活動を支えるエネルギーとなり、臓腑の機能や身体を温めるなどさまざまな仕事をこなします。
〘神(しん)〙は、意識、知性、精神状態のこと。
精と気が満ちて神は安定いたします。
こうした三宝の〘精、気、神(せいきしん)〙のなかの精:腎精の腎について、ここからこだわった観察を深めてまいりましょう。
昨今、腎がアンチエイジングのケアに一躍を担うと注目が集められています。
成人は体重の55~60%が水分により占められています。
水(津液)の正常な量と循環には腎が関係し、身体の姿や形を整えます。
みずみずしい果物も、乾燥で水分を失えば形がへこみ乱れるように、人体も腎機能が乱れたら形に異変が起こり健康を失いだすのです。
合気道等の伝統ある武芸などでは、無駄な力みが抜けて技の切れ味が格段に飛躍する様子を【技が枯れた】と申し称賛されます。
ですが人体における水分量や水濁や外的圧による水分代謝の停滞が起こされて枯れることは望ましくありません。
中医学で申し上げる痰は、一般的に思い浮かべられる痰の概念とは異なっており、
津液の量が減り過ぎ津液が熱せられ乾燥すると、さらさらだった液に粘り気が強まります。
粘り気が出れば津液の循環に進行が困難さに比して遅滞や支障が起こり、
津液の代謝不良が起こることもございます。
これが痰は病理物質のひとつと言われるゆえんとなります。
〘脾が生痰の源〙と申されますが、脾が正常に働けないような飲食不節や憂慮の行き過ぎた感情や脾が弱いための不調と、腎が老廃物を濾してつくった水分および老廃物の排泄と排泄する必要のない水分が再吸収されて肺や脾に送り届けられる機能がつつがなく発揮されないときにも、脾が痰を生み出しやすくなってまいります。
〘脾が生痰の源〙という言葉の印象が強すぎれば、腎の水分制御の乱れが脾が痰を生み出すカードを持っていることに気づきにくくなるでしょう。
こうした痰と呼ばれる病理物質は、肺臓内に蓄積される量が多いが、他の臓器内にも取り付くこともある。
他は大小の関節周辺(肩関節や肩甲骨の裏手:五十肩の要因となることも、膝関節や股関節、恥骨結合周囲にも:膝痛等の要因)やガングリオンと呼ばれる隆起物、
そして分類上筋膜の潤滑油が古くなった老廃物化が進んだものも。
調べれば調べるほど、意外な体調不良の原因として痰湿が裏に隠れていることが多いのです。
津液のいくつかは体内を血液のように循環しており、生成されて必要な箇所で使われて、老廃物と化したゴミは回収され捨てられるという流れです。
たとえばリンパ液のみ観れば、体内の不要な水分や老廃物、細菌などを回収・運搬し、免疫機能を担う全身の「掃除・防衛システム」です。血液で回収しきれなかった物質を運び、リンパ節でろ過して静脈に戻すことで、体の水分バランスを整え、ウイルスや癌細胞から体を守る重要な役割があります。また象徴で吸収された志望は、血管ではなくリンパ管に取り込まれ、リンパ液により全身に運ばれます。
そして血液は心臓のポンプ作用で強力に循環が図られますが、リンパ液は筋肉の収縮などを利用して、一方通行でゆっくり流れております。
つまりリンパ液含む津液循環は心臓のような特別な液を循環させる機器を持ち合わせないため停滞が起こりやすいと考えられます。
リンパ液が停滞して温められ乾燥すれば掃除で回収したゴミ(除去されるべき有害物質や細菌やウイルスと戦い死んだリンパ球)の濃度が高い液ができやすくなり、そうした塊が痰と呼ばれるのです。
本来はリンパ管の途中にあるリンパ節というゴミを回収排除するフィルターが働いて粘り気が高まった液を除去するわけです。
ですが痰の粘りっ気が強くなり一方通行の流れから独立した動きを持った存在となれば、そうした痰の形状のまま体内の痰が集まりやすいスポット内に停滞。体内の津液の循環を阻害する要因となり、さまざまな症状を生み出していきます。
それもあって腎機能が全般として機能が弱い方は、水分の再吸収トラブルから体内の水分量の最適化が失われ、痰が増えておられるように見受けられます。
私が手にした本には、腎機能と痰の造成という関連を特筆したものがないため、この考えが正解であるかどうかは、わかりません。
ただ腎機能が何らかの影響で芳しくない方々の施術をさせていただく際に、痰湿体質であったことが多かったと正確に記憶しております。
腎精の改善のため補腎の操作や手技をおこなうことも、補脾により脾で造成される痰が作られないようにするためには欠かせないことなのだという信念があります。
本治のための対処が補脾に留まらず補腎もとなりますから、取り組みは至って大変なように感じます。
補脾に関しては手技よりも食薬で、補腎に関しては食薬より手技で、
というようにそれぞれの特徴特質を把握した上で適材適所で当たる。
そうした回答が正解だろうと、私のなかで考えが至りだしたところです。
腎が全身の利水上、末端で水分の固摂を絶妙に微調整をしてくれているから人体は枯れたり洪水被害にあったりもせず生きておれるのだと考えております。
そうした意味合いからも、アンチエイジングがかない、いつまでも生活がしやすい健康を保つ基本の重要カードとして、
腎にトラブルがあるようなら補腎を意識していただくとよいでしょう。
最後に余談となります。
腎が状態としてよいか悪いかわからないとおっしゃられる方もおられます。
腎は臓器の位置として背中の腰裏で、あまり際立った不調感が観察を通して得られづらい臓器。
血液検査等の数値からみるというのは、検査が半年以上も前のものであれば、今の状態が悪化しているか改善しているかは、その検査数値からはわかりません。
そのときは経験ある施術者がうつぶせ寝をしていただいたお客様の腎の上にわずかながら浮かせて手を置くと、
熱感やおかしなチリチリ感が伝わってきますし、腎のトラブルがおきている側の大腰筋が異常な過緊張による萎縮や腰背部面への癒着が観られます。
そしてたとえばボウエンテクニックの腎への手技をすると、トラブルに合わせてかなり強烈な反応が現れることもございます。
こうした場合には、腎の深めな負荷の蓄積を一気に解放させようというのは絶対にNGです。
徐々に蓄積したストレスを吐かせていくよう、適量の圧による手技を繰り返しおこなっていくことが望まれます。
あとセルフケアで腎の弱った状態を改善させようと腎へ届く刺激を使っても、
自分で自分に向けての刺激では改善変化はあらわれません。
それは背中側にある命門を中心に腎兪を意識して狙おうとしても、
自分の背中じゃよくその部分をみることもさわることもできません。
そして腎は腰部の奥の奥に位置するため、背から腹に向けて垂直に圧が浸透させられたものでなければ影響が通らないのです。
なので腎への正確なアプローチには他者による救済が、私の場合でも必要になってまいります。
痰を増やさないための下支えとしての腎の改善。
個人的にそこに気づいて試行したのは数例ではありますが、
とても重要な気づきだと成果により実感しております。
PS。2026年5月9日
このブログを書いたときは知りませんでしたが、腎と痰との関係性は、すでに中医学上では下記のように知られていたんですね。😅
「腎は制痰の本」: 水分代謝の根本である腎の陽気が衰えると、深い場所で水が停滞し、頑固な痰へと変化します。
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