2026年05月06日

痰は頭部にまで侵入するのか・・・

知り合いの鍼灸師さんがパーキンソン病について質問をしてくれました。

東洋医学での一例となりますが、
『東洋医学の教科書』第5章 鍼灸治療の症例Aパーキンソン病
は参考になるのかと思います。

こちらは漢方薬の知識も掲載された鍼灸に寄った本で、
一般書と専門書の中間に位置しております。

パーキンソン病の処方を決める思考(弁証論治)にて、

『病因病機を、直接的には頭部で痰湿が停滞し、
髄海に気血や髄が入りにくいためと考えられます。
頭部の痰湿の停滞は、頸部のつまり感、
締め付けられる頭痛と頭重感を引き起こし、
髄海不足は四肢のふるえを起こす。』


と書かれております。

文章から私どもではイメージ化して理解できますが、
一般的にはわかりづらいかと思います。
文章内容をAIで図解化してもらいます。



1778049642170.png

(図)

痰のあちらこちらへと移動する『遊走性』という性質により
痰が頭部へ移動し居座ってしまったという見立てです。


以前もブログ内で申し上げましたが、
身体箇所の様々な所へ入り込み停滞し
難病奇病を引き起こす痰の怖いところ。


東洋医学ではそのようにいわれております。

パーキンソン病も不可思議な病症と考えられており、
痰の遊走性がもたらす問題があるという考えに則りみてまいります。

なので頭部に停滞した痰を除去する対応をおこないましょう。
そうすることで症状が改善するケースがございますから、
セカンドオピニオンに鍼灸の先生方も狙います。
こちら書籍の該当ページには、
参考になる本治鍼と標治鍼が具体的に掲載されています。



残念ながら漢方薬や中薬等の薬液による治療法の紹介はないので、
そこは疏肝理気などの作用をもつ漢方処方を選ぶようにするといいという
文中には直接語られてはいない含みがあるのでしょうか。
ただ痰の粘稠な状態も熱による乾燥が進めば硬さが増します。
やわらかく粘っている木工用ボンドが、乾燥が進むと硬さが増して液体から個体へと変化するのと同様な状態へ痰もなっていくのです。
すると液体よりのゲル状から個体に近づき遊走性を失し始め頭部内で停滞した痰となります。
疏肝理気による対処では太刀打ちできない硬さとなってしまえば、戦略的提言としてもう1弾強力な対処が求められる必要もあるのでしょう。

そうした場合の選択肢のひとつとして、
このブログ記事の直上に書かせていただいた貝殻生薬で軟堅散結(なんけんさんけつ)作用を効かせる対応もあるのではと考えます。
(※貝殻生薬単品での処方でOKという意味ではございません)
痰湿体質という病証を持つ体質から改善をはかることも標治対応としていれる必要があり、
それを踏まえたうえで痰を生成する脾を補うなど本治対応もおこなう必要がございます。
そのように考えます。


もしこちらのブログを目を通していただいた方に、
東洋医学によりご自身がパーキンソン病が改善できるかについてお知りになりたいならば、
中医学等にお詳しい医師や漢方薬局へ質問をなさってみてはいかがでしょうか。

本書の症例は、単なる一例に過ぎませんから、
あなたにはあなたの証を立ててから具体的に治療の対処方法を設計していく必要があります。
弁証論治ですね。
そうしたことを丁寧になさっていただける医療機関等をお探しいただけましたら幸いです。






最後に余談ですが。

今の私が施術を手技でのみ考えていて漢方処方や中薬の勉強が進んでいなければ、
頭部に停滞した痰はどうやって対処できるのだろうかと不思議でしかたがないと思えたでしょう。

手技療法と薬膳含めた漢方療法、
それぞれ治療法の分野が変われば得意と不得意が異なるという好例でしょう。
両者療法の勉強がかなり進まない限り、それぞれの得手不得手がまったくみえていない。
そういったことがあり得るんだなと、つくづく思うところです。


posted by スズキ at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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