2026年05月03日

『慢性の膝痛は、本当に治りが悪いし、徹底して治しても定期的に痛みが戻るんです』に対し、こうしたら慢性膝痛で多年にわたり困っていた同業の友達がよくなってきました、というお話です

個人的なお話で申し訳ございません。
昨日は叔母の四十九日法事で福島県の母の田舎へ。
一昨日の防風で東北本線が運休になりあせりました。😅

およそ5年ぶりの親戚一同にお会いしました。
皆さん、年齢が60代を越えて70代、80代となると、
健康の話題が挨拶代わりに交わされます。

私と同世代の従兄弟も、服用するお薬の数が増えてきたようですし、
お体に不自由さがある3名の親戚は参加を辞退なされたとうかがいました。


そうした折り、
私より年上のいとこが階段を昇り降りするとき、
顔が苦痛に歪んでおられます。

『膝が不自由なのかな?心配だな。。。』

かといって、施術ができる場ではないため、
申し訳ない気持ちで、お大事になさってくださいと言葉でお伝えするしかありませんでした。



年齢が還暦を越した者たちが集うとき、健康の価値を感じる一日でした。






ではここで中医学的に膝の状態を含め考察を加えてまいりましょう。

1777760578002.png


大切な視点ですが、
膝の不調が慢性化した場合、骨格筋の炎症によるトラブル以外の判断も求めるべきでしょう。

膝の関節にコンドロイチンという潤滑油兼クッション材も津液に属しております。
津液の生成不利となれば、こうした潤滑油にも病理物質化の波が押し寄せるのです。。。
半ゲル状のコンドロイチンが粘度が増し、潤滑油としてふさわしくない状態に変われば、
膝の屈曲伸展はぎくしゃくしてきます。

特に膝関節周囲には痰が溜まりやすいスポットがあります。

加えて腎経・肝経・膀胱経の経絡の気の流れを滞らせて滞った経絡づたいに酷な痛みを感じさせます。
膝に水がたまりだしたらクッション材としてのコンドロイチンの支えが不自由になった傾向がみられます。
(※膝の外側の胆経ラインのみの痛みが強い場合には、痰ではなく、膝関節のハマりが悪く腓骨のズレが大きいことが多く見られます。この場合は手技による対処は効果的です)



他の前提知識として、

気血津液の津液が熱で乾燥したためサラサラだった液の水分が蒸散し、
津液の濃度が高まることで『湿』となり、
それより濃度が高まれば『痰』となります。


関節の詰まりが恒常的にある部位に痰湿物質は引っかかり溜まります。


首の前後弯曲や頚椎全体が詰まる、肩が上方に持ち上がり肩甲骨が外方へと常態的変位にある。
それを観れば腰部と膝の状態がおおよそ把握できます。


所作から平地歩行や階段の昇降、椅子の座る立つのときに重だるさを合わせて観察。


体内に停滞した余剰な水分が身体の上半身か下半身か、全身かと位置の特定ができれば、
痰湿体質の傾向も見えてまいります。
対応の効果を高めるにはそれぞれにふさわしい対策がありますから、最適な対処を分けておこなう必要があります。


そのうえ血圧のコントロールがうまくいかないという、津液に転化可能な血にも不具合を感じれば、痰湿と瘀血が絡んでいることが多くあるため、この際は行気活血の含みが対策としては肝要となるようです。
血液をサラサラにするお薬のみでは瘀血を柔らかくして溶かすことができないのです。


痰湿の除去は全身的に発生し広がっていれば数ヶ月単位の時間がかかります。
中薬や漢方薬で対処をしてある程度の改善がなされても、
痰湿の在庫を少しずつ棚卸しされるため、
よくなっても波があり、
病症としても進行が慢性化していればすっきり終わった感じがつかみづらいようです。


対策注意点として、痰や瘀血が多い場合には、それらを溶かした後の処理を合わせて考えなければ、廃棄すべき残骸で身体の内部が満たされてしまいます。


手技療法で膝を解放しても、
痰湿が絡んだ場合には一時しのぎにしかなりません。
なぜかと申せば、膝回りのリンパマッサージ含め、
マッサージを施して膝周囲の痰湿は別の場所に追いやっても、
時間が経てば痰湿の集まりやすい膝関節の周りに再度痰湿が再来するのです。

手技で膝の痛みを軽減させることは大切ですから必須ですが、
痰湿を同時か先行して除去する必要があります。


慢性化した痰湿を取り除くには時間を数ヶ月単位で要すると考えられます。
短期決戦であれば精神は持ちますが、体調の波がある長期戦となれば不安が募ります。
先生などにゴールへとリードされずに自走しつづけるのは心が折れることがあり難しい。



以上の他にも考えつく判断の前提条件はいくつかございますが、まずはこの当たりで。






私自身、中医学を学びだす前は、
オステオパシーの手技を駆使して膝の痛みを軽減させていました。
痰湿体質のお客様かどうかは傾向を体験知から察知できていたお陰で、
『膝は、本当に治りが悪いし、徹底して治しても定期的に痛みが戻るんです』
とご説明させていただいておりました。

治りづらい理由は、お客様ごとに具体的に異なります。
残念ながらその状況を精密に把握できておりませんでした。


より快適さを提供していくならどうするといいかという観点から、
施術と食薬は互いを補完させる活用が、いかにかゆいところまで手が届くことか。

手技療法により経絡中の気が滞り痛みがでる状態を抑えさせていただきながら、
食薬をあわせて痰湿体質の改善を図る併用がお勧めできるでしょう。

それにより
『膝は、本当に治りが悪いし、徹底して治しても定期的に痛みが戻るんです』



『膝の不調が痰湿体質がベースにあるようですから、脾を補い消化器全般の作用を高めつつ余計な湿(水分)をうまく排泄していきましょう!
それで膝の前十字靭帯・後十字靭帯の緊張性筋膜炎をカウンターストレインで抑えつつ、
大腿筋膜張筋や外側広筋、大腿直筋が固く緊張したため起こる膝の外側の張りを緩めましょう』
等々、同業者のお客様に対し、具体的な解説を付すことで
『なるほど、そうだったのか!』と腹落ち感が増しました。


手技だけではぶり返し、食薬のみでは現状のつらさを長期にわたり耐え忍びつづけなければならない。
だったら同時進行で走らせようという計画で結果が出るかどうかの実験をしておりましたが、
慢性化した膝痛が良好な膝へと改善していく結果が、ここ数ヶ月を通し観られるようになってきました。

慢性化した膝痛の場合、骨格筋の癒着が激しく骨自体に変形もあるため、その部位が改善できる都度に痛みが増すときが現れます。
そうしたときは手技で充分痛みが引かせることができましたし、徐々に膝下の下脚にあらわれていたX脚となる状態もすっきりしてきました。
つまり骨格的構造が整えられたまま安定しだしております。


こうした作業をうまく噛み合えば、大きな成果が期待できます。
噛み合わなくとも途中で修正をくわえる加減法で噛み合うように持っていけばよいでしょう。



手技では恒常的に良い状態を多年にわたり続けられるような安定した改善が難しい慢性的な膝トラブル。

そこに対してひとつ、私なりの解法をえてうれしく感じております。



中医学自体の理解が広がっていないため、こうした考えのもとでのケアを受けることができる方々は多くないでしょう。
私も膝痛に泣かされた過去があり痛みを知る同朋として、もっとこの視点が広まってほしいと願っております。

posted by スズキ at 08:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック