体の大まかな垂直軸を中心にした把握の仕方がございます。
上下左右前後に偏りのない状態であれば、
内骨格の骨の連なりが数トン以上の負荷耐性をもっております。
体は全身爽快で頭部は空となり胆は実として安定帯を築き上げます。
こうした状態がニュートラルポジションと体の帰り場所をわかっていることで、
いつでもここにくれば疲れも代謝不良もリセットが効きます。
ですがミスアライメントと呼ばれる垂直軸の偏りが、
どこかわずか一箇所でも生じれば、
偏りをカバーする偏りができてくる。
またその偏りの偏りをカバーする偏りを作り出す。
徐々にそうした偏りは板についてしまい、
偏っているという事実を本人が気付くことがなくなります。
そうした複雑化した姿勢パターンを外的な刺激をあたえることで、
偏りをカバーするためにつくった凝りの連鎖を緩和軽減するのが施術者の仕事です。
こうした偏りにも状態のばらつきがございます。
単純な左右前後に屈する状態もあれば、
複雑なねじり・ひねりといったものまで。
特に骨盤の利き足側の腸骨が変位することでねじりが入ると、
体内の経脈や血管やリンパ管等の
気血津液の通りを妨げる作用がきつくなりますから注意が必要と言えるでしょう。
ねじりの悪化進行がみられれば胸郭のねじりがあらわれてきます。
胸郭は構造体としてねじりが入りづらい構造であることと、
ひとつの肋骨が可動が鈍るのみで全体の肋骨の動きがギクシャク。
こうした体の歪み方のパターンは十人十色です。
似てはいてもまったく同じ歪みがある人はいないでしょう。
同一人物でも、昨日と今日の体型でも違いが現れておりますし、
数年前といまでは別人のような差異がみられることもあります。
ですから手技をおこなうとき丁寧なボディチェックをする必要がでてまいります。
そのなかのひとつの検査で脚長差をチェックすることがあります。
お客様にうつ伏せになっていただき、
両足のかかとで左右の長さをチェックします。
たとえば左脚は正常で右脚が短かったとします。
原因は。
骨盤の仙腸関節のずれか?
それとも頚椎の問題か?
調べましたら、
右梨状筋が硬化萎縮した状態により右仙腸関節がずれていました。
他には問題はないかと続けて調べます。
すると右仙腸関節ほどではないが、
左側の上部頚椎にも強い緊張が認められました。
というように、
体の左右が整体から離れていくことで、
体の節々に不調を感じられるものの、
自分のどこの筋骨格系のパーツが筋緊張が手放せないか、
どの骨が関節がズレたままを貫こうとしているのかの実感は持てません。
施術者が、客観的に検査技法を駆使して見つることはできたとしても、
自分ではそうした場所を気づきづらいものだといえるでしょう。
ただ検査を完了して不思議なことがおきることもございます。
複雑な歪みを多層に重ねられた部位の位置と深さと硬さや熱など、
私が軽いタッチで情報を集めてまいります。
そのうえで私はこころのなかの声と患部の痞えが拭われたイメージをつかって、
『お客様の理智は、
バランスがとれた安定した状態になりたいと考えているでしょう。
いまのアンバランスは、かつて起きた緊急事態を耐え忍んだ名残。
そのときに乱れた状態が消されずいまも残されたままです。
体の内部は時間の記憶概念がなく、
再度、かつての緊急状態に追い込まれることを恐れ、
そうなったときのために筋緊張の鎧を着て準備に余念がありません。
でも、いまはもうそれは過去の話で、過ぎ去っていますから安心なさい。』
そうした心のなかでの声がけをいたします。
時間にして1分から2分くらいでしょうか。
これは遠隔ヒーリングといった類のものをイメージしたものではありません。
ですがこうした思いを送ることで、
それで身体がピクピクとわずかな痙攣をおこして、
緊張した筋肉の呪縛が消え整うという人を存じ上げております。
お客様の中には感応性が高い方がおられまして。
これだけで施術を終えるのは忍びないため、
さらに内側深く眠る筋膜の癒着部位を解くものの、
もっとも痛みが強く感じられる箇所は皮膚層の表面近くです。
そこは彼が自ら起こす微痙攣で硬さが跡形もなく片付けられて柔らかく変わっている。
そうなると筋膜リリースを受ける側として、
痛みはほぼありませんで。
施術中は眠るは眠るはの爆睡です。
私の考えですが、
この方が特異なだけではなく、
他のお客様方にも私のこころのなかの声と患部の痞えが拭われたイメージは届いている。
そう思われるような仕上がりが観察できることが幾度かございました。
そうした事象から、
私のこころのなかの声がけは、
音として伝わることがないアフォメーションのような言葉がけかもしれません。
もしかしたらノンバーバルなメッセージを私が送ってもいるのかもしれません。
安全な場での手技以外の思いを伝えるメッセージに対し、
人は想像以上に自身の緊張をほどく才能があるものだと思えてなりません。
自分の大切な身体に。
緊張より安寧を、
罵声よりもやさしい言葉を。
がんばれというよりがんばってるねと認め感謝する言葉を。
こうした考え方が、身体には健やかさをもたらしてくれるでしょう。
自分自身の身体に対して、
そしてご家族や友人に対して。
ほっとしてくださいねという声をこころのなかの声でもいいので、
お伝えください。
いかに治すか。
原始的なアイデアかも知れませんが、
言葉を送る者のこころと送られた者のこころ。
ともに無駄な緊張のベールが一枚だけ脱ぎ捨てできるような気がしております。
浄化ということばで述べると嘘っぽいヒーリング感がでてしまい、
こっ恥ずかしものですが。
仏語でいう愛語は、自他の隔てなくしあわせを呼ぶ妙があるのかもしれません。
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