2026年03月09日

腎気不固証は尿漏れパッドが味方に!?

尿もれのコマーシャルをちら見して。
テレビコマーシャルで尿漏れパッドを宣伝しておりました。

中医学による見方ですが、
下半身の尿道口と肛門の締り機能は腎のお役目です。
加齢となっても腎精がたくましく満たされておられれば、
尿道口をきっちり閉めるときは閉められるのです。
加齢するごとに尿もれは起こりやすくなるのは、
若い頃と比較して年齢が進むに連れ腎精が減少しはじめます。
それは生理的な現象と申し上げてもよいでしょう。
そうした腎精の不足量が一定ラインを越したときに
尿道口を閉める固摂作用の効きが悪くなってきます。
すると初期はちょぼちょぼと放尿後にしまったあと、
もれてしまう症状が起こります。
追尿』です。

こちらは病症で証を申し上げますれば、
腎気虚証』または『腎気不固証』に当たります。



また夜間におトイレに2回以上しょっちゅう起きる場合。
夜間頻尿』ですがこちらは寝床に入っても腹部が温まらず、
芯から冷えている虚証の現れです。
下腹部の冷えが強まると膀胱が過剰な緩みを示し尿意を感じ、
おトイレに駆け込む症状です。


こちらは病症で証を申し上げますれば、
腎陽虚証』に当たります。

腎気虚証よりも腎陽虚証のほうが状態として重い状態となります。
腎気虚は主に気が足らない状態をいい、
腎陽虚は気が気虚証よりも気の量が少ない状態です。
気が体を温めてくれる温煦作用を発動させることで
体内も温められるのです。
ガスライターはガスが入っていれば着火して暖かくなりますが、
ガスが入ってなければ火が起こされず冷たさが続くままです。
そうした状態が腎陽虚なのです。



くしゃみをしたら、重いものを持ったら、
といって腹圧がかかり尿もれが起こる場合もございます。
尿道口をきゅっと閉じておきたいものの腎精不足過剰がたたり、
尿道口を閉じる力が弱まっている状態です。
このときは腎精不足が腎気虚よりも増加しておられるので、
先程申した追尿よりも漏れる尿の量は多くなります。


こちらは病症で証を申し上げますれば、
腎気不固証』に当たります。


私の感じ方ですが腎気虚証の追尿程度であれば下着が多少なりとも汚れるものの、
尿漏れパッドまでは不要かと思われます。
腎気不足状態を改善するための食薬や中薬・方剤等のケアや、
仙骨上の八髎穴等の改善を推し進めるための経穴もあって
症状がなり立ての初期状態であれば一定の効果を期待できるでしょう。



ただ腎気不固証の腎の固摂作用が失調した状態となりますと、
当面の対処として尿漏れパッドは外出時の味方になります。

漢方薬の方剤等で改善を図りましても、
症状の進み方からすれば状態の悪化進行の位置を考慮して、
足りなくなった腎の気を補気してまいりますにも時間を要します。


で問診をさせていただくときに、
『追尿』がございますか?
『夜間尿』がございますか?
『咳をしたときや、重いものを持っての尿もれ』がございますか?


の3つのパターンをお伺いすることで、
腎精がどの程度の量があるのかを知ります。


経験上、上記の問いでほぼ9割方カバーできるようです。

ですが、上述の証以上に腎精が大幅に失われてしまうと
尿道口の閉じる力と同時に肛門を閉じる力も失調します。

腎が二竅(にきょう:肛門の穴と尿道の穴のこと)を閉じる役割を持つためです。

腎に気が満ちておれば、
的確に尿道口、そして肛門も閉めることがかないますが、
腎の気が減少すれば先に尿道口を閉める作用が減弱され、
過度に腎気が減少すれば同様かつ同時に肛門を閉める作用も弱ってまいります。


肛門の閉める作用が失調した病症で証を申し上げますれば、
腸虚滑脱証』に当たります。





個人的な話で申し訳ありません。
数年前のコロナ禍を過ぎた直後ですが、
私が先生と呼ばせていただいているお方が、
『したいとも思わないときに大きいのがでてしまうようになったよ』と、メールが来ました。
正直、当時は腸虚滑脱証といった言葉も、
そして中医学上の効果的な対処法も存じ上げないころの私は。。。
手技でなにかできるかといっても、
そうした資料は見た記憶が皆無でした。
気が過剰に足らなくなったために生じた固摂作用の失調が問題ということはわかります。
ですが、実際にそのような症状に対して対応したことがなく、
当時は詳しく調べられる資料も手元にはありませんでした。

コロナ前から一度お会いできればうれしいと伝えていたので、
私は気にしないからというも、
『おれが治ってからでいいか?連絡するから』という連絡が来て、
私がそちらで了承したものの先生からの連絡がいただけないままとなっています。

現状でも対処法として難易度が高いものかと思います。
ですが腸虚滑脱証という証がわかれば、
その言葉をたよりに探索可能となります。
ただ臨床例を必死に探したもネットや書籍からの情報は得られることがないので、
調べる手を他の宛にまでのばしていく予定であります。

もう連絡が途絶えて数年もたったものですから、
先生のお体の容態が気にかかります。
腎精が大幅にということとなれば、
同時に併発する症も想定されるものがあります。
現在はそちらへと課題が移行しておられるかもしれません。
腸虚滑脱証は、すでに先生にとりまして過去の症状であろうかと思いますが、
せめてそこをきっちり調べが済んで、
先生の質問に対し受け答えができるくらいまでなったら。
数年ぶりに連絡をしたいと考えています。。


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posted by スズキ at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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