2026年05月15日

私なりの漢方薬をつかわない食薬による3ヶ月の体質の改善取り組み。それにより記憶力が少しずつ良くなってきた実感があります

腎陽虚を食薬ケアに羊肉を日々の調理に10〜30gほど取り入れ続けておりました。
体調や記憶力に変化が起こると予測・期待しての取り組みです。
トータル3Kgほどいただいた当たりから重い体質が徐々に動き出す気がしていました。

そしてはや、3Kgの羊肉が消え、なにかを実感し始めています。

陽虚体質、特に腎陽虚は、長期記憶に関わる腎の気が足らないため記憶力が思わしくありません。過度な腎陽虚となれば腎精不足が脳の髄海をからしていき軽度認知機能障害等へとつながる手前が腎陽虚証でもあります。
そして中高年は加齢が進み先天の精が減るため腎気虚への移行がなされやすいリスクがあります。

それに逆行する目的でとりはじめた羊肉を食薬とした計画でした。
期待した『記憶力の向上』は、最近つとに感じられるようになりました。


たとえば、YouTubeで視聴させていただいている中医学漢方を教える『がんじゅうふぁみりー』さんの講義の記憶の定着です。
数年前の過去の講習内容は初心者向けで情報量を絞ったり、難しい中医学概念を丸めてわかりやすくしてお伝えいただいたものでした。
それが最近の講義では、すでに初心者向けは昔に作ったからそれを観てといわんばかりに、初級の階段からより高みへと登られて感じられます。
専門的な内容と情報量が多くなりました。
それでもカンペキではないにしろ頭が講義について行ってます。
専門性が高まれば私が求める範囲を超えたと感じて観なくなると思いきや、いまのほうがおもしろいし知識が頭に残ります。


ひとつ注意すべき点があるとすれば、
私の病証を慎重に把握することで羊肉と相性のいい対薬となる組み合わせを調べて『1+1=3以上』になるよう計算していました。
羊肉は君薬として変えず他の対薬を臣薬として体調や状態変化により2〜3回見直しています。真剣に食物性味表や中国語の対薬の本を読みました(中国語の本はAI添付して問い合わせる方法です)。主に羊肉による補陽と別の食薬による補陰の組み合わせにより本治を目指しました。


慢性的な体質を変える際は、体調の上行下降は変化するときは必ずといってよいほどあらわれます。
体内には邪気とか毒になる物質が慢性化した証を持っていると増えてきますので、そうした病理物質がデトックスされるときに蓄積場所から血中にそれが入り込むこともよくありますし。
良くなっているか悪くなっているかの判断は、一筋縄ではいきません。溜め込んだ負債を支払わずに正常に戻ることもありません。それはお金の貸し借りと違わず、返済を早めようとして返済額を増やせば今の生活が苦しくなるし、返済額を少額に押さえれば完済までは時間がかかり、返済しなければ福利で返済額が増してしまう。人体にも自己破産の仕組みに相当するものもあるのかもしれませんが、その手は避けられれば避けて通りたい。


そして私の証も慢性化しています。
だから、いつかどこかの時点で返済する必要があると考えていました。


私は、漢方薬や食薬を使った自分の体をもちいた人体観察の日々、自分の体感をもって観察しようと試みましたがうまくいきませんでした。参考にはできても定量的定性的な尺度から離れた情報で比較検討が困難だからです。
ですが脈で脈位やリズム、血の量を確かめる脈状で調べたの情報をそれに載せて測れば、客観的事実を覗くような高い精度で把握できました。脈診が診断ツールとして活躍してくれてなかったら、体の内部の気血津液に関わる情報不足故に、行動がぶれぶれになって成果がでていなかったでしょう。

皮膚の下で循環し続ける気血津液の様子は、目で見ることはありません。
ですが脈診というツールでかなりの気血津液情報がキャッチできます。
おかげさまで、現在は脈の状態の安定がはかられ、それと歩を同じくして記憶の定着が良くなっています。



身体が冷えてきたな、または慢性的な冷えがあるな、最近物忘れが気になるという方。いろいろ試したけど、原因がよくわからないわ、という方は、もしかしたら気が足らない体質なのかもしれません。東洋医学に精通した体質を観ていただける先生にお願いして、自身の証を観ていただけると、その後の対策の方向性が明確になっていくかと思われます。




最後に余談ですが、
腎陽虚の対策として考えうる羊肉ですが、手に入りづらいものです。そこが難点。
先日、戸越にあるOKストアでスライス羊肉やジンギスカン用羊肉が常時置いてあるようです。
そして他のOKストアの多くも羊肉を販売しているとネットに書いてありました。
ただし常食に加えるとすると、はじめから冷凍というわけではないため傷みやすいでしょうから早めにいただく必要があります。そうなるとけっこう羊肉利用は高く付くので、お近くにハラルフードショップがあれば、そちらで冷凍の羊肉がないかお探しいただいたほうがいいでしょう。
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2026年05月14日

東洋医学系治療院にいったときに痛み方を聞かれたら、こう、つたえればカンペキ!

施術院へお客様が来店なされたとき、第一声で痛みを訴えられたときの会話。


お客様:今朝起きたら、痛みで首が回らなくなっちゃって。びっくりしました!

施術者:それは、それは、つらかったでしょう。

    痛みの場所は、正確に言うとどこになりますか?
    首のつけねですか?
    根本ですか?
    または左右どちらかでしょうか?

お客様左側の首筋当たりです。

施術者場所は承知いたしました。

    では、痛みの性質を知りたいので、
    どんな痛み方か教えていただけますか?

    張ってる感じもありますか?(左側肩甲骨が外方へと旋回固定している状態を観て聞いてみる)


お客様:そういえば、ここのところ数日、左の指先に痛みがでてきました。
    徐々に上に登ってきた感じ。
    腕もしくしくと痛みはじめて、肩にパンパンな張りも感じるようになってきた。
    その次の日の今朝、首が痛みで回らなくなったんです。

施術者:それは手先指先の気血不足が先行して広まってきて、首や肩にまで気の停滞が生じた脹痛かもしれませんね。

    それでは確認して、気滞であれば気の停滞する箇所を見つけて、気の流れを改善する手技をおこなってまいりましょう。
    もしかしたら肩甲骨の変位が望診でみえてますから、
    大円筋・小円筋や棘上筋や肩甲下筋あたりがトラブル箇所かもしれませんね。。。
    だとしたらリリースは一回である程度ちゃんといきますけど、けっこうな痛みが出る場所です。
    どんなペースで緩めたらいいと思いますか?
    


痛みの質をお伝えいただきましたとき、【しくしくと】、【張ったような】というキーワードがでてまいりました。
これを覚えていただいて下図をご覧ください。

すると言葉によるサインと重なる痛みの名があることがわかるでしょう。

【しくしくと】隠痛(いんつう)で、局所的な気血不足の状態とわかります。このお客様は施術を幾度も受けていただいており〘体力が低下した虚証〙ではないことは理解できております。

【張ったような】脹痛(ちょうつう)です。脹痛となれば気滞だというほど、ワンセットで想起されます。体側が主に張ることが多く、肝経と横隔膜との兼ね合いと思われます。

このように痛みの名前が特定できましたら、それを弁証のための重要な手がかりとして把握し、治療法の決定判断のために利用できます。




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中医学では、痛みの「場所」だけでなく「どのような痛みか(痛みの性質)」を重視します。

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痛みの性質による弁証 1



1. 気血の巡りに関わる痛み
脹痛(ちょうつう): ぱんぱんに張ったような痛みです。これは気滞(きたい)、つまり気の流れが滞っているサインです。
刺痛(しつう): 針で刺すような、あるいはキリキリとした鋭い痛みで、場所が固定されているのが特徴です。これは血瘀(けつお)、すなわち血の流れが滞っていることを示します。

2. 水分代謝や邪気に関わる痛み
酸痛(さんつう): だるさを伴う痛みです。エネルギー不足の虚証や、余分な水分が溜まった湿証で見られます。
重痛(じゅうつう): 体が重く感じるような痛みで、主に湿証(湿邪による影響)が原因です。
絞痛(こうつう): 絞り出されるような激しい痛みです。寒邪による収縮や、血瘀、あるいは結石などによる閉塞で起こります。

3. 温度感覚を伴う痛み
冷痛(れいつう): 冷えを伴い、温めると楽になる痛みです。寒証(実寒または虚寒)を示します。
灼痛(しゃくつう): 焼けるような熱さを伴う痛みです。熱証(実熱または虚熱)が原因です。

4. 不足(虚)による痛み
隠痛(いんつう): しくしくと続く、我慢できる程度の鈍痛です。体力が低下した虚証や、気血不足の状態で見られます。
空痛(くうつう): 痛む場所が空っぽであるかのような感覚を伴います。気血や、生命の根本である腎精の不足を示唆します。

5. 経絡や臓腑特有の痛み
掣痛(せいつう): ひきつれるような、引っ張られるような痛みです。筋(すじ)を司る肝の病変によく見られます。



〘小コメント〙
お客様から、『ひきつれるような痛みがある』という言葉をよく耳にします。
掣痛(せいつう)というちょっと難しい字の痛み方ですね。
身体またはこころにかなりつよいストレスを感じているときに肝の疏泄が失調したことにより、筋肉や腱に正しく血が届けられていない状態のときにこうした引き連れがおこります。




痛みに対する反応から以下の4つの病証を判断できると説明しています。



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痛みの性質による弁証 2



​喜按(きあん): 痛い場所を押すと楽になる。 → 虚証(体のエネルギーや物質が不足している状態)
​拒按(きょあん): 痛い場所に触れたり押したりすると痛みがひどくなる。 → 実証(体に邪気が満ちていたり、巡りが悪かったりする状態)
​喜温(きおん): 温めると痛みが和らぐ。 → 寒証(体が冷えている状態)
​喜冷(きれい): 冷やすと痛みが和らぐ。 → 熱証(体に熱がこもっている状態)






〘小コメント〙

腎気虚の私は身体が冷えやすい寒証のため​喜温(きおん)となります。体を温めるとすっと痛みが消えたり和らぐのです。

自動車にぶつかられたといった衝突による怪我では​拒按(きょあん)が当然ですよね。触られたら睨みつけられます。
骨折していないことを医療機関で確認の上であれば、
直接的に患部を按じることは厳禁ですが、衝撃により遠位の経絡や関連筋肉が引き連れることが往々にして見受けられまして。
拒按ではない関連部位を徹底したリリースをおこなっていきます。
患部を一切に触らず引き連れた遠位の関連している筋肉や経絡、時には骨の関節の歪んだはまりを緩めて正していきます。
すると患部の痛みが半減しますし非常に治りがよくなるケースがみられます。

腹部の触診等で​拒按(きょあん)が見つけられたとき、腹部奥にある大腰筋の凝りであればそれを解けばいいものですが、へその周囲やいくつか触れて痛みがひどいなら、なんらかの不調が腹部に收められていることがあります。施術者も、そしてお客さまご自身のお身体のことも気をつけなければなりません。
痛みが厳しく強いことが自覚できた際は医療機関を受信されたほうがよいでしょう。
それで内科的治療の必要はないと診断を受けましたら腹診という診断方法で、状態を弁証していくことで、東洋医学的にはどういう証になるのかの判断のために利用されるでしょう。



痛みの性質は、重要な弁証論治のための🔑になるのです。

posted by スズキ at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年05月13日

【帰経について】 体のトラブル箇所に的確に狙いをつけて生薬をそこまで運ぶことが、効かせるには大事なポイント! 


黄連解毒湯(おうれんげどくとう): 黄芩、黄連、黄柏に山梔子(サンシシ)を加えたもの。全身の炎症や充血、イライラに用いられます。

こうして黄連解毒湯の構成生薬となる〘黄芩・黄連・黄柏〙の三つ重ねられた黄の字を冠する生薬をまとめ称した「三黄」は、すべて(苦寒)の性質と(清熱燥湿)の作用を持ちます。
ここだけ観ると、共通する五味・五性に清熱燥湿作用があわさり、ただ効能を強めたいのかな?とみえてしまいます。

ですが三黄を重ね打ちした狙いは明瞭で、黄芩・黄連・黄柏のそれぞれの生薬が体のどこに作用するかの違いを理解する必要がでてまいります。

【帰経】というどの経に主に影響するのかを具体的なな場所とその影響にわけて理解する必要が出てまいります。

三焦(上焦・中焦・下焦)のどこの熱に対処するのか、それぞれ明確な効く場所の分担があります。


生薬名:対応する三焦:帰経
黄芩(おうごん):上焦:肺・胆(※頭部まで影響)
黄連(おうれん):中焦:心・脾・胃
黄柏(おうばく):下焦:腎・膀胱(※下肢まで影響)


となります。



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〘黄芩・黄連・黄柏の図解〙


三黄にしたおかげで全身をくまなくケアできることがわかります。

一般的なイメージでは、
生薬を摂ったら消化器を通して全身に巡り効くようにできていると思われがちかもしれません。
ですが、そういった黙ってても全身にくまなく影響をもたらしてくれる生薬は稀だと考えてください。
ゆえに、生薬の教科書や食物性味表などから【帰経】を参照していただき、どの経が主な効果をあたえるかを知ることが必須で、生薬を覚えるときや使うときにもこの帰経なら体のここに効くものと整理して把握することが大切です。



ざっくりしたたとえですが、下半身に影響を与えなければならない症状なら、牛膝という下半身(下焦)に効果が向かう生薬を使います。このときにただ五味や五性に作用だけをチェックして頭部に影響させる生薬を使っていては効果がほぼないか薄いかは当たり前のこととなります。😅



ということで、、、
四診に基づき弁証論治で証を立てる過程で、体のどの箇所の気血津液の不調状態がを調べておく必要があります。
気が過剰になれば熱が高まって上昇し頭部や上焦へと向かい停滞していますし。
津液が粘稠などろっとした状態の湿や痰となれば、正常な津液より重さが加算されて下方に沈み、下半身のむくみが現れるでしょう。

そうした状態を問診や切診により調べることも必要です。



まとめになりますが、
弁証論治から治療する帰経を特定し、その帰経に沿って適応した生薬を選ぶ必要があります。
ただしぴったんこカンカンと鐘がなるほどの一致ではなく共通する帰経もってはいるのだが.....という場合も少なからずあります。
そうしたときに自分なりに考えて生薬や食薬をいくつか組み合わせて用いようとするとき、それが良作か駄作かの判断ができず悩みます。
唯一の救いは、そうしたものは自分に試してみるだけですから、誰彼からのクレームが来ないですむことくらいでしょう。



最後の余談ですが、
お客様の体の上焦中焦下焦といった三焦のどの部位が気血津液の滞りや渋滞や足りなさがあるのか。
切診で患部等を触り状態を観る診断方法は、手技療法にかかわるものは繊細かつ詳細に情報を収集し判断する作業は秀でるところです。
実際はどの箇所に気血津液のトラブルがあるかはわかっている状態にまで詰めてから、最後に切診でその判断と切診情報が整合するかどうかを調べます。整合してなければ、なにか複雑な状態に陥っていると判断でき、そこからまた探索を深めてまいります。時には調べたこと全部を一旦横に置いて、ゼロベースにしてからみなければ判断を誤ることもあって。切診での整合チェックのとき、シンプルに整合しててほしいと祈ることも多々ございます。
posted by スズキ at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

施術後は水を摂るメリットは、すべての人にそのまま伝えていいものか? いいえ、痰湿体質の方には、慎重さをもって対処し、水の巡りを改善させる別法を勧めよう

ボウエンテクニックでセッションを受けた方について、刺激に対する体の反応が期待通りとなるためには、
水の摂取が必要と言われております。

ボウエンテクニック関係の洋書を読めば、必ずといって書かれている重要事項です。



具体的な水の摂取量を述べますと、

体重薬50Kg の人は1.25lの水を飲む必要がある。

体重薬60Kg の人は1.5lの水を飲む必要がある。

体重薬70Kg の人は1.75lの水を飲む必要がある。

体重薬90Kg の人は2.25lの水を飲む必要がある。

体重薬100Kg の人は2.5lの水を飲む必要がある。




このときひとつ、疑問が浮かびます。
水を水分と考えれば、
・白湯でもOK?
・ジュースやお茶でもOK?
・ビールやワインでもOK?


結論から申し上げます。
『きっちり〘水〙で摂ってください。』

白湯もジュースもお茶もビールやワインもNGです。
それらが飲用して入るのが胃から消化器に直行してしまうためです。
水を煮沸した白湯や水に糖分や茶葉等の養分が入ると、胃から消化器へと下向きに流れ消化吸収がなされる過程を経て、水分を肺へと押し上げます。
加えて考慮すべきは、利尿作用があるお茶やビールなどで水分補給すれば、摂取した量より体内に流れる津液量は減ります。
『 体重薬50Kg の人は1.25lの水を飲む必要がある。』
ことを知り、きっちり1.25lのおビールをいただいても、お小水で流れ出てしまいます。



対し、水で摂った場合、口にした水が直接的に肺へと流れ入ります。
(摂取したすべての水が肺に直接いくわけではありません。コーラやジュース、ビールは過剰に飲んでも消化器の小腸にいくのでたくさん取れるものの、水は肺へと蓄えることがかなうもので、肺の貯水槽がいっぱいになったら水は、一気に飲みたくなくなる反応があらわれます)
つまり消化器に入り消化吸収されてから肺へという過程が省くことができるのです。それにより摂取した水が津液となり使われる量と近似して残されます。
また自身の体液の酸化して粘り気が強くなりやすい体質(痰湿体質等)であれば摂取した水のpH値を考えて弱アルカリ性に変えるよう調整をはかることもできるのです。(←これ戦法的に使い勝手がいいです)
消化吸収した水穀の精微が酸性に傾いている方には、有益な対処法となります。



【筋肉の潤滑油となるお水を摂る理由】

により生成された水穀の精微や津液は昇清作用(※しょうせいさよう)により胸部へと運ばれます。肺に届いた津液(水分)は宣発作用(※せんぱつさよう)により全身へと運ばれます。
肺の津液は衛気を載せ、衛気が津液を全身に巡らせます。
衛気は経絡外の皮膚、筋肉、組織、臓器の間を流れます。
故に筋膜の癒着があれば、筋膜の間を流れる津液(潤滑油も津液の一種です)が停滞したため衛気が運ばれずに滞ります。筋膜の癒着がある箇所では津液の供給が滞ってきた場所で、その箇所への津液が通常の水分摂取量では追いついていないことが問題としてあるとき。
筋膜が癒着した箇所を筋膜リリースの手技による外圧で緩めたとしても、そうした筋膜癒着箇所は津液が流れ込みづらい箇所です。
ですから施術後に上述した量の津液の原料となる水を摂取して、筋膜癒着箇所に津液を流し込むようにする。

そうすることがアフターサポートとして、津液の循環を一時的に強め筋膜リリース後に起こる新たな筋膜癒着の再現を防ぐ効果が生まれます。

昇清作用:小腸から胸中へ水穀の精微や津液を上へと持ち上げる作用。内臓や器官の下垂を防ぐ作用にもなっています。
宣発作用:気や津液、栄養分、衛気などを全身に拡散させる。また濁気を体外へ排出。



ゆえに、ここで申し上げたいことは、
施術と関係しない日常でも、
日々、たくさんの量の水を摂取しましょうというわけではありません。

〘恒常的に水分過多となれば腎への水分処理負荷が高まり不調を招きます。血に含まれる水分が過量されて血が薄まる恐れもでてまいります。〙

筋肉の間を満たす津液が少ない方の場合、施術後に適した量の津液が補われていなければ、再度、同様の筋膜癒着箇所の筋膜同士が密着して癒着が起こりやすくなります。そうならないように体の津液を水分補給により増加させて剥がれた筋膜同士の間に津液を潤滑油として送り込んでください。
施術者の指示を受けて必要な期間のみ上述の水分摂取を心がけてください。

摂取する水分は、水がベストです。
細かく言えば、冷水はNG。常温か人肌ほどに温められた水にしてください。





ただ最後に、中医学上の見方ですが、
こうした水分摂取についての鵜呑みをせず、
体質上、水分摂取が過剰となれば体調を崩す可能性がある方がいます。


ひとつ、代表的なものをあげれば痰湿体質の方です。

痰湿体質が慢性的で重度の方は、水分摂取量を増やせば、
増やした水分が痰を量産することとなり体調を崩す恐れがあります。

ここを知らなければ、場合により大きな問題となるのではないでしょうか。
注意して助言するようにしたところです。




以下にそう考えに至った過程を書かせていただきます。


『痰湿体質の方々は、津液が濁る痰を浄化する意図でもって、水をたくさんとるべきか?』

といった質問がありました。

一見すると、粘稠でドロドロな湿や痰を除去するために、水を肺に送り宣発作用で流して浄化できるのではないかと想像いたします。
私も、そうかな?と思って調べてみました。



すると​中国の中医師が「水分を増やせ」と指導するのは、熱性疾患で津液(しんえき)を消耗している場合や、乾燥による疾患(燥邪)の場合です。
​痰湿対策においては、むしろ「水の量よりも、水の巡りを改善すること」に重点を置くため、むやみに摂取量を増やすよう指導することは稀と言えます。​中医学には、水液代謝が滞っている状態(痰湿)において、無理に水を飲むことは飲んだ水がそのまま痰(病理的な副産物)に変わる」という考え方があるからです。


つまり痰湿体質の方は、脾の運化作用が弱っていることが多いので、無理に多量の水を飲むと、脾にさらに湿の状態を強めて痰の生成を拡大させるからです。
それもあって痰湿体質の方への​指導の基本は、
「喉が渇いたら、一口ずつ、温かいものを飲む」ことが推奨されます。
「不渇不飲(喉が渇いていなければ無理に飲まない)」、あるいは「少量頻飲(少しずつ回数を分けて飲む)」というのが基本です。



重度で慢性化した痰湿体質の方は、水のとり過ぎを厳禁とする考えが見つかるのみで、「水の量よりも、水の巡りを改善すること」に重点を置くに徹するべきだと思います。

ただ痰湿体質の方でも軽度であれば、水分量を上記の
『体重薬50Kg の人は1.25lの水を飲む必要がある。』
といった量を減らして摂っても良いものかどうか。
戦略的には、様子をみながら筋膜の癒着が再度起こりづらくするよう状態の保全の目的があり、
白湯等の消化器へ流れて脾で痰を作らせないように指導し、
きっちり真水の摂取のみを平素の水分摂取に加えることをお勧めすることができるのか?

取量を増やすよう指導することは稀な中医師ですから、稀には痰湿体質の方々への水の摂取を勧める指導もある。よって絶対禁忌であるとは申されていないと判断します。
だったらそれは、どういった場合だろうと想像いたし、さまざまな場合を選択肢としてリストアップしてみると、
こうした可能性もひとつ、あるかどうか調べる価値があるのかなと思います。
ネット上での検索等では、正確な回答は返ってこないグレーな疑問です。

単一的に痰湿体質は、施術後の水分摂取をNGと考えてもいいのですが、
痰湿体質は、回復が実に長期間を要することが知られています。
筋膜リリースでも、そうなんです。
個人差はあるものの、多くは年単位を越えて徐々に回復し、その方ほんらいの状況にたどり着く前に諦めることが余儀なくされることもあります。
お客様には悲しみがあふれることであり、施術者にも施術技術の力の及ばなかった後悔が両肩とこころに重くのしかかり続けるのです。

だからこそ臨床上少しでも、なんらかの手が打てるものがないか、探索するならば、きっちり真水の摂取の指導を徹底して、水の摂取量を規定から二十分の一などと減量した状態から試してみる。
そういったことで、筋膜の柔らかさが回復した状態が安定するかどうか。

身内当たりで試すことで、なにかがわかればと考えるところです。




今回の水の摂取の勧めからは、次のようなことを学びました。

臨床上の安定感をだすためには、
なにごとも、鵜呑みは避けて疑え。

臨床ではなにが起こるか、なにが起きているか、
突拍子のないことも起こるわけですが、
起きたことには裏にはそうなった理由があります。


それが本に書かれていないこともあります。
仮に著者はわかっていてもページ数の制約から
割愛されたことのほうが多いものといえるでしょう。

そうしたものがあろうと疑問を持って深堀りし、
効果を確実化させることが肝要です。


posted by スズキ at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2026年05月12日

筋膜リリースは、衛気の促進と津液の停滞改善にいいんだって!? 経絡内を通る〘営気〙と経絡外を通る〘衛気〙

まずここで気の全体像を大まかに眺めてください。
気の種類:〘元気・宗気・営気・衛気〙
4つの気はそれぞれ異なる役割を持ちながら、互いに連携して私たちの生命活動を支えています。

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(気の全体像を図解)

図解をご覧いただけますと、
気の生成の違いから考慮してわかりますように、
それぞれの気の構成要素にも差異があります。
〘元気・宗気・営気・衛気〙のそれぞれ固有の**性質や特徴、そして作用・機能**を理解しておく必要が出てまいります。


(元気)は、普段から耳にしますね。
馴染みが深いでしょう。
腎に留まり、三焦(全身の通路)を通って全身に分布します。
元気の生成は、先天の精(親から受け継いだ生命力)が腎に留まり、後天の精(食べ物)で養われます。



ですが他の(宗気・営気・衛気)は、
初耳の方もおられるかもしれません。

(宗気)は、呼吸により清浄な空気(清気)を肺に取り入れ、水穀の精微と混ぜて生成されます。
宗気により心臓の脈動と呼吸が制御され、定位置が心と肺の当たり(上焦)です。
宗気が失調して血と津液の循環が停滞すれば息切れ動悸により健康が損なわれます。


・・・と元気と宗気は、ほんの触りだけでスルーさせていただきます。




今回、取り上げてみようと考えている気は〘営気と衛気〙です。

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私が営気と衛気を初めて目にしたときは、
読み方が同一で驚きました。
『混同させたいのかな?まぎらわしい』
そんなことを感じていました。

**営気と衛気は、脾が消化吸収した営養や水分をもとにした水穀の精微により生成されます**。


「営気は脈中、衛気は脈外」といわれております。
営気は脈の中(血管内)を血と共に、一日に50回十二経脈を循環します
津液に営気が血の成分を付与して血を造り、全身へと営養を送り届ける役割があります。
以下が営気の経絡内循環ルートです。
> 手太陰肺経(スタート)
> ​手陽明大腸経
> ​足陽明胃経
> ​足太陰脾経
> ​手少陰心経
> ​手太陽小腸経
> ​足太陽膀胱経
> ​足少陰腎経
> ​手厥陰心包経
> ​手少陽三焦経
> ​足少陽胆経
> ​足厥陰肝経(ここから肺経に戻る)

営血の気虚となれば(貧血、しびれ)に。


衛気は経絡外(皮膚、筋肉、組織、臓器の間)を巡ります。
興味深いことですが、一日の昼と夜で循環経路が異なります。
昼に体表を25回巡って感覚器や皮膚を保護します。
夜の眠っている間は衛気が体の深部(五臓・陰の領域)に入り、25回巡って内臓を温め休息をサポートします。

> 昼の巡り(陽分を巡る)
> ルート: 太陽経 → 少陽経 → 陽明経の順に、頭部から足先へと流れます。
> ​その後、再び目に戻り、このサイクルを25回繰り返します。

> 夜の巡り(陰分を巡る)
> ルート: 足の少陰腎経から入り、以下の順で臓器を巡ります。
> ​腎 → 心 → 肺 → 肝 → 脾 → 腎
> ​このサイクルを25回繰り返します。

衛気が足らなくなれば(風邪をひきやすい、多汗、不眠)となります。
衛気不足により不眠を患う方も少なくありません。
衛気が夜になっても陰分(内臓)に入れないと、目が冴えて眠れない「不眠」の原因になります。
逆に、昼になっても衛気が陽分(体表)に出てこられないと、日中の強い眠気や、風邪を引きやすい(防御力の低下)といった症状につながります。


私ごとですが、中医学を基礎から学びだす前までは、営気と衛気の分別の認識が甘かったため、血管や経絡内を通る営気とそうした脈外を通る衛気をわけないまま記憶認識しておりました。
筋膜リリースにより気の促進をはかるとき、具体的に言えば衛気の循環停滞を改善する施術となっていたわけです。
それは衛気の流れる(皮膚、筋肉、組織、臓器の間)のうち、主に皮膚および筋肉、そして一部は組織と臓器の間を含みます。
この場合の代謝促進の狙いは脈外を流れる津液の衛気に向けられていたという状況が把握できました。
実際は筋肉の硬化部が血管を圧迫して血流を阻害しておられる方が多いため、筋膜リリースをもちいてそうした筋の硬化を緩めることは、血の循環停滞を改善させることになっていたでしょう。
ですが経筋の再生を狙うも、多くは筋肉と筋肉をくっつけている筋膜の癒着した組織を解放する作業を多くおこない続けていました。
そう、筋膜リリースは気を促進させるために狙ったアプローチと考えていたものは、実際は衛気の促進を図っていたのです。
衛気は血管外の《津液を巡らせていた》のです。

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経脈や血管内の血への循環促進をはかる効果は、直接的に作用して届けられ、そうした影響が大きいものと考えていたのですが、、、。

それがボウエンテクニックを使い始め経絡内の滞りを改善させ気血(営気)の流れを促進させて効果を現せるようになってきたとき、気づきました。

『どうも、筋膜リリースで筋肉通しや筋肉や骨膜等の癒着を解放する狙いとボウエンテクニックで経穴を刺激して経絡内の滞りを改善させて循環促進が図られたときは、まったく違った治癒経路を示しているようだ』

「営気は脈中、衛気は脈外」の営気と衛気の別を理解したとき、筋膜リリースが脈外の衛気の循環促進をサポートしていることと、ボウエンテクニックが脈中の営気の循環促進をサポートしていた違いに気づきました。

これは筋膜リリースがいいとかボウエンテクニックがいいといった択一式選択問題ではありません。
筋膜リリースとボウエンテクニック、それぞれ得手不得手がありますので、衛気が滞れば筋膜リリースを使い、営気が滞りましたらボウエンテクニックを使う。
『両方の手技ができるようになってお客様の状態や状況により適材適所で使い分ければOK』
が理想的なんですね。

ボウエンテクニック中に筋膜リリースを同時にというのは禁じ手です。それもそうである背景は重々承知しておりますが、私が施術をしてきて徐々に筋膜リリース中心からボウエンテクニックの部分的な手技を取り混ぜていくような比率を増やし始めてから、ほぼすべてのお客様の血の流れが恒常的に安定し始めていったという底上げ現象があらわれておりました。
体調的に慢性的に不安定であった方が、恒常的に安定の底上げが続いていくときには、単純に筋骨格系の歪みが一時的に改善なされたということではなく、体内の気血の流れに良好な結果が現れていった場合がほとんどなのです。
(ちなみに筋骨格系の歪みは、脳のメンタルスクリーンに描かれた絵がリライトされるほどに、丁寧なリプロダクション行為があって変わるものです。特に大人の方は、そのように言えるのではないかと、私は考えております)

そういったことで、
手技療法をベースに考えれば、
衛気と営気をわけて不調状態を把握できることが必要でしょう。
脈内の通りをよくする脈外の通りをよくするか。
体の箇所の部位ごとに判断しようという目で観察をし直していけば、手技を使うものとして、理詰めで成果が高まる計画がたてられるようになると思われます。

そしてはからずも筋膜リリースは、筋肉周囲に満たされていた津液やそれが病理物質となった湿や痰の停滞を取り除くアプローチに分類できるものでした。営気と衛気がわかってきたとき、そのことに、はたと気付かされて驚きました。。。😄


最後に余談ですが。
衛気と津液の関係からだと推測しますが、
摂取する水分のpH値を各人の体質に最適なものへと気遣いをしたとき、予測していなかったほどの好転がみられたときがありました。
ただこうした水分の摂取のしかたですが、
真水か白湯(煮沸した水)では、
真水はすぐに身体に必要な部位へ吸収される水分として使われますが、
白湯は調理したスープと同じように胃に入り小腸へと粛降がなされます。
個人の体質上、酸とアルカリのバランスが崩れていて弱アルカリ性へと改善させたいときに摂るべきは真水のほうです。
白湯として消化吸収してしまうと弱アルカリ性にさせるつもりで計算したものも無駄になってしまいます。
白湯がブームになっていたとき、お水でpH値の調整がしづらくなったり、速攻で乾いて水分が必要なところへそれをもっていけなかったり。
そうなったことで身体がかえって弱ってしまわれる方もおられまして。
こういった見極めも、大事でしょう。


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2026年05月11日

腹部膨満感にガス腹、、、なってみるとつらいんです。なおってほしい 〘気滞と脾胃は「気の昇降(しょうこう)」について〙

申し訳ございません!
冒頭から、専門的なお話になります。


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脾と胃は、それぞれの気の流れる向きがあります。
脾は食べたものから得た栄養を、《上》に向かって心や肺へ運びます(脾主升清)。
胃は食べ物を消化し、《下》の小腸や大腸へ運びます(胃主降濁)。


この「脾の昇」と「胃の降」が互いに影響し合い、バランスを保つことで、全身の気はスムーズに巡り、消化・吸収・排泄が正常に行われます。



こうした脾胃の気の流れが肝気鬱結という気滞が加わると、正常な消化・吸収・排泄のバランスを邪魔し始めるのです(肝気横逆)。



脾の上に気で持ち上げる流れが邪魔され弱まれば、脾の気が下へ向かったり、胃の下ろす力が相対的に強すぎるように変わります。

胃の下に気で消化物を降ろす力が妨げられると、消化物が下へスムースに送れず、胃の気が滞ります。


@こうした胃気の過度な下降・停滞が起これば、胃で消化した物を下に送る力以上に、下に押し下げてしまうし、結果、下部で留まる

A脾の気が十分に持ち上げられなくなれば、胃の気の下降に引きずられて下に落ち込みます。

B上部で滞っていた気が、なんらかのきっかけにより下腹部へ移動し、そこで留まる。

@〜Bが合わされば、下腹部に過剰な気が留まり渋滞いたします。



こうなった結果、具体的な症状があらわれます。
2つほどご紹介させてください。

〘腹部膨満感〙、聞いたことありますか?
下腹部がパンパンに張って、ガスも溜まります。
気が下腹部の腸管で滞り、そこの場所に過剰な気の圧力がかかります。
物理的に腸が膨らみますし、パンパンに張ったように感じるのです。
気の滞りが消化管の働きを鈍らせますから、ガスも発生しやすくなります。


〘便意はあるがスッキリ出ない:裏急後重(りきゅうこうじゅう)〙、これは数名のお客様からボディチェックのときに話がでました。

どうしてなるかというと、気が下腹部、特に直腸や肛門出口付近で滞り、その場所を内外に向けて圧迫をします。
すると脳は『肛門出口付近になにかがある、出しなさい!』と強い便意を感じさせます。
ですが、気が渋滞しているため、内容物をスムースに下に送り出す力が弱まり、気も内容物を押さえ込んだりしており、スムースに排泄されません。
結果として、何度トイレに行っても残っている感じが続きます。
つまりこれは内容物の詰まりではなく、主に気の渋滞が原因の圧迫感からきております。

またこうして下に押し込められ滞った気が、腸の動きなどで腸管内を移動し、体外へ排出されることもあります。
腸管内に停滞したガスの一部が排出されたため、一時的に下腹部の張りが緩和し楽に感じます。
ですが気の滞りにより脾胃の上下の気の持ち上げる力が弱り腹部膨満感が続けば、下腹部の張りは際限がありません。



私の知り合いにYouTubeでこでんうまこさんというガス腹の情報を発信する方がおりますが、こうした気滞による脾胃の気が邪魔されることによりガス腹にもなるのです。


中医学では、肝気鬱結により脾胃の気の流れが邪魔されたときの初期対応として疏肝理気の立法を立てます。
心身のストレスなのにより肝の疏泄作用が失調して気が滞るのですから、気の流れを強くして滞り箇所を通過させようという手法です。
薬膳では、理気類の食材では蕎麦、玉ねぎ、らっきょう、刀豆、密柑、金柑、ジャスミン、玫瑰花、えんどう豆、オレンジ、文旦、その他〙。
中薬では、〘陳皮、青皮、枳穀、枳実、香附子、その他

などをもちいます。


理気作用を引き出すレシピを考案する際は、注意点があります。
肝気鬱結のときは、補気作用のある食材をレシピに混ぜてしまうと、かえって気が滞って経絡や経絡外で渋滞している流れに、さらに追加で新手の自動車を入れるようなもので渋滞が収まるどころか苛烈化するため体調は崩れることになります。


理気作用のある食材や中薬をメインの君薬として使うレシピの考案をすることが必定です。
補気作用ある食材が混ざらないようにしたいのでしたら、上掲したジャスミンティーのように理気作用を持つ食材を単品で用いるとよいでしょう。
ただし配伍上で相須を狙うほうが、はるかに効きがよくなりますので、
薬膳の勉強をなさっておられる方は、そこをぜひチャレンジなさってくださいませ。


あと一点注意が必要なことがあります。
ジャスミンや陳皮(みかんの皮を乾燥させたもの)などは芳香が強く、
その芳香パワーが体内で気の流れをスムースにさせる原動力となります。
料理に陳皮を細かく砕いたものを使うときなどは、調理の最後にパラパラッと振りかけてください。

調理のはじめに炒めものに合わせるなどして芳香を飛ばさないようにします。漢方薬を煎じるときも、理気作用のある生薬を使う際は、最後に入れることで芳香を無駄に飛ばすことを避けて仕上げます。


腹部膨満感からのガス腹。
なってみるとつらいものでしょう。
初期段階でしたらこうした理気類で対策できる可能性がありますから、
ちょっと苦しいなと感じておられる方がおられれば
よかったら試してください。
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40度超えの夏、体調はどうなるのでしょうか?  中医学的に、考察してみました...


テレビを視聴していたら今年の夏、気温が40度を越えると・・・というアナウンスがありました。
では40度を越える酷暑のもと、一般の方々への影響を中医学的に考察してみると?


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(イメージ画像)





中医学において、暑邪(しょじゃ)と火邪(かじゃ)が重なる状態が想起されるでしょう。
それは文字通り「燃え盛るような酷暑」が体に浸入した非常に激しい熱証を呈します。
これらは総称して「暑熱(しょねつ)」や「暑火(しょか)」とも呼ばれ、単に「暑い」という季節の邪(暑邪)を超え、生命を脅かす「火邪(火毒)」としての性質が強まります。急性的かつ重篤な症状を引き起こします。


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(暑邪・火邪の解説図)

ではここで、
40度の屋外にて《暑邪》《火邪》《暑邪・火邪の両方》を患う一般の方の割合と、自覚症状等を調べてみました。

《暑邪》夏の季節特有の、湿気を伴うこともある熱。津液(水分)と気を消耗させやすいのが特徴です。
暑邪は100% 「暑くてたまらない」「だるい」「喉が渇く」屋外にいるすべての人が「暑邪」の影響を受けます。​自覚症状は 大量の発汗、激しい喉の渇き、体の重だるさ。強制的に毛穴が開かされ、津液(水分)と気(エネルギー)が漏れ出します。


《火邪》暑邪が極まったり、感情の極致や飲食などによって体内で発生する、より激しい熱。心神(精神)を乱し、津液を焼き尽くす性質があります。
火邪は約70%以上 (個人の体質に依存)「イライラする」「頭がズキズキする」「顔が熱い」​自覚症状には 異常な焦燥感(イライラ)、動悸、頭痛、顔面紅潮、目が充血する。
​火邪は「熱の極致」であり、単なる暑さを超えて「体を焼き、精神を乱す」**段階です。40度超では、多くの人がこの段階へ移行します。
​体質による差:
​もともと体内に熱を持ちやすい人(陽盛体質)や、潤いが少ない人(陰虚体質)は、40度の熱気に触れた瞬間に暑邪が「化火(かか)」し、すぐに火邪としての症状(激しい怒りやパニックに近い焦燥感)を感じます。
​一方で、もともと冷えがある人などは、最初は暑邪による「だるさ」が先行し、火邪の症状が出るまでには少し時間がかかります。



《暑邪・火邪の両方》​関係性: 暑邪が酷くなると「化火」(火邪に変化)するという、段階的なつながりも示しています。
暑邪と火邪の両方は大多数 が熱中症予備軍です。40度を越えた環境下では、暑邪と火邪の両方を切り離して考えることは困難。「消耗しきっているのに、神経は昂って休めない」​病態は外気としての「暑邪」に包まれながら、その熱が体内で極まって「火邪」に変化するため、ほとんどの人が両方の影響を同時に受けます。​
感覚の現れ方は、
​「暑邪」の側面: 「暑くて体が動かない」「汗が止まらない」という肉体的な消耗。
​「火邪」の側面: 「頭がボーッとして意識が遠のく」「心臓がバクバクする」「わけもなく不安・イライラする」という精神・神経的な昂ぶり。




ここで暑邪と火邪の​主な症状と病態を、中医学的な視点から整理します。

​1. 激しい熱感と津液の損傷(高熱・口渇)

​暑邪と火邪はいずれも「陽邪」であり、熱性が非常に強いため、体温が急激に上昇します。
​高熱・壮熱: 身体の深部に熱がこもり、激しい発熱が見られます。
​激しい口渇: 火邪は「津液(しんえき)」を焼き尽くす性質(傷津)があるため、冷たい飲み物を強く欲しがります。
​尿の色と量: 津液が不足するため、尿は濃い黄色(短赤)になり、量は減少します。

​2. 耗気傷津(もうきしょうしん)による脱力感

​暑邪特有の性質として、汗とともに「気」も一緒に漏れ出させてしまう性質があります。
​多汗: 毛穴が開きっぱなしになり、大量の汗が止まらなくなります。
​倦怠感・息切れ: 大量の発汗とともに「気」が消耗されるため(気随液脱)、極度の疲労感や呼吸の浅さ、言葉を発するのが億劫になるといった症状が現れます。

​3. 心神の攪乱(しんしんのこうらん)
​「火気は心に通ず」と言われる通り、火邪は五臓の「心」を直撃し、精神活動を乱します。
​煩躁(はんそう): 胸が苦しく、落ち着きがなくなる。
​意識障害: 熱がさらに深部(心包)に及ぶと、うわごとを言う、意識が混濁する、あるいは昏睡するといった「暑厥(しょけつ)」の状態に陥ります。

​4. 舌象と脈象

​診断の決め手となる客観的な指標です。
​舌象: 舌質は真っ赤(紅舌、あるいは深紅色の絳舌)になり、水分が失われて乾燥します。苔は黄色く乾燥した「黄燥苔(おうそうたい)」が見られます。
​脈象: 脈は非常に速く、力強い「洪大(こうだい)」な脈、あるいは気が消耗している場合は速くて力が弱い「細数(さいさく)」の脈を打ちます。


​臨床的な注意点:暑湿(しょしつ)との違い
​夏の邪気で最も注意すべきは、ここに**「湿邪(しつじゃ)」**が絡むかどうかです。
​暑火(暑熱): 「熱」がメイン。カラッとした激しい熱で、乾燥と精神症状が強く出ます。
​暑湿: 「湿気」がメイン。体が重だるい、食欲不振、吐き気、ベタつく汗、舌苔が厚く粘るといった特徴が加わります。


□ 対処法として
​暑邪と火邪が重なった場合は、何よりもまず**「清熱解暑(熱を冷ます)」と「益気生津(気と潤いを補う)」**を同時に行う必要があります。代表的な方剤としては「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」や「清暑益気湯(せいしょえっきとう)」などが、その病態に合わせて選択されます。



いまから夏を思い煩い考えすぎれば脾を傷つけて気が停滞するだけです。
ですから気を落とさずに正気を増すよう、こころを強くもつことも大切なのかも知れません。
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2026年05月10日

西洋医学と東洋医学の検査結果の《正常値》の受け止め方の違い と  未病先防の掛け声を上げてもほとんどの方に届かない理由(私見です)


定期健診で血液検査の結果をもらうと、検査項目ごとに(正常値)が定められています。
一定の平均値をもとに、定められた数値です。

そちらを御覧いただけば一目瞭然。
・検査値が正常範囲内→治療対象外
・検査値が正常範囲外→病名を確定し治療する

というアクションがみえてきます。


ただひとつ、ここで問題が生じます。
だるさや不調等の自覚症状があって検査を受けたが、正常値範囲内の結果で病気とはみなされず、治療対象外となったケースです。
積極的治療はおこなわれず、経過観察へ。

西洋医学の病気に至る流れ概要図としては次の通り

□ 健康体→病気→慢性化・重病





対して
東洋医学の病気に至る流れ概要図としては次の通り

□ 健康体→未病(軽症・重症)→病気→慢性化・重病

西洋医学とは異なり健康体と病気の間に《未病(軽症・重症)》というステップが入っていることに注目してください。


東洋医学は、そもそも(正常値)の概念がありません。
人の体調は年間を通して刻々と変化します。
年齢や体型や性別や生活習慣などさまざまな固有条件のもと、そのときどきに不定愁訴などは現れます。
それに平均による正常値という基準は立てられません。

そうなると西洋医学で検査値が正常値範囲内で治療対象外となった患者様も、東洋医学上の検査から軽度または重度の気血の流れが乱れた未病による不調がみいだされることがあります。
気血の乱れという未病が明らかになれば、検査値が正常値範囲内でも東洋医学の治療ははじまります。
本格的な病気になる手前の未病のタイミングで漢方や鍼灸、按摩などの治療対象となってまいります。

この時点で放置すれば、後に長期的な治療が必要となり生活のQOL低下が劇的に人生の流れを変えてしまうでしょう。

正常値範囲内の未病が過ぎて、正常値範囲外となれば西洋医学でも病気として治療対象となります。高血圧や生活習慣病、糖尿病などさまざまです。

慢性化から重病となれば長期的な治療が必要となります。脳卒中やがん、心筋梗塞、糖尿病による合併症などさまざまな病となります。



検査値が正常値だが、あなたが感じる不調を無視せずに。

放置すれば慢性化へ…
そうなる前の未病で積極的治療で介入していただき、
QOL(生活の質)を守り、
病気の「芽」を摘む予防的な東洋医学の側面を活かしましょう。


ただ東洋医学的なアクションといっても、
多大な費用負担や苦手な治療を受けるのはつらい。
それにどんなことをすればいいか、
どこでお世話になればいいかわからない。。。
そんなときにこそ小さなアクションとして、
たとえばがんじゅうファミリー氏の体質診断シートなどを活用し、自身の体質の大凡を把握してからの食養生はいかがでしょうか。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上述が私なりの定番の未病先防推しの一節です。



ですが、ここで注意しなければならない点があります。
未病は病気発症のときほどはきつくありませんから、
耐え忍ぶとそれができてしまうのです。


数日も数ヶ月もつらさが続くと、それも当然と受け入れて、それに合わせた生活を送る工夫をして順応してしまう。
そのままでも生きて行けているなら、それで構わない。


ほんとうはこんな状態は嫌ですし、悲しいですし、苦しいですし、悔しいです。

ですがどうやって改善できるかがくっきり見やすくわかってはいないものなら、
わからないまま複雑で未知な変化を無理強いしてドライブしても道を外れて事故を起こしてしまう恐怖がある。

不明瞭のまま失敗したら人にそしられるのではないか。
そうした声が重ねて降っておりてくるなら、
不満が解消されないまま行動できなくなる。

それにそもそも解消に見合った行動がイメージできてない。
なら動けるはずもない。




そういった前提があったうえで、人は変化を好まないといいたくなるような行動を続けてしまいます。



でもこれ。
脳の特徴的な思考特性だったのです。

脳はいままでの手持ちのやり方でやりくり対処するのが大好き。
新たなやり方を試行錯誤して創作するには脳に多大な負荷がかかります。
それを余裕でできるほどエネルギーが満ちていればできる芸も、
すでにエネルギーが枯渇気味なら。
脳の負荷を避ける省エネは必定で生き残る術です。
特に未病になって気血の巡りが滞れば脳にかける負荷を下げたくなるのも必定です。

権威ある人の話を鵜呑みにしてしまうのは楽なものです。
権威者が実質無知な発言をしている場合だって多いんですが、話の裏も取らずに盲信してしまう。
それで安心安全、そして快適を感じてしまうのでしょう。


世の中は広いもので自分にふさわしい対処法がある場合がけっこうあるものです。
ですが探すのが手間がかかり過ぎると感じた時点で、
『やり方はない』と断定し面倒から目をそらす。



そうやって脳に過度な負荷をかけてまで面倒な試行錯誤をしないように仕組まれています。
膨大な力がここには与えられているようで、
かえって動き出すほうが楽と思うがそれを鉄壁といえるほど頑ななディフェンス発言と行為で徹底して身を守ります。

脳の気血が足らないときには生理的な行動といえるほど、
この通りの流れを歩まれる方も少なくありません。

滅多矢鱈に変化を受け取りたがらないのは、たったいまの安全を得るのに手一杯なときほど。


そこに無断で割って入ろうとすれば、大きな抵抗を受けるだけではなく、人間関係上の破綻にまで発展しかねません。
そうなるとそこに至って手を差し伸べようする人も、めったに現れることがなくなります。



都合、今のままの未病でも耐えられる程度なら留まる選択を選びつづけます。


いままでのやり方ででは抜け出れないとわかっていたら、
やり方を根本から変えればいいしそれが論理的行動だと思います。
冷静にそう発想できた人でも、脳は変化による失敗の恐怖で黙らせる技を使って行動抑制をしてきます。
特に何度か試して失敗を繰り返したら、すでにやってだめだったという落胆の念が浮かびやすくなります。
ときは、画期的な解決方法の天使の後ろ髪が目前を通るも、あきらめの念により手が出せなくなり変化のハードルが高くなります。


脳は、
『未病では、まだどうにか耐えられる具合でしょう。ならば変わらず耐え続けなさい』
そういって賢明な習慣さえも寄せ付けないように小細工をすることで脳の負荷を回避させようとしてきます。




だからただ未病先防のメリットを説いても、
未病に立つ方々の胸には言葉が刺さることはありません。
未病はよくなるしよくなるようなメソッドが東洋医学にはたくさんの引き出しでカバーできるんですといっても、
『そうなんですね』と軽く受け流し、嘘っぽくしか聞こえてこなくなる。

そういったことを私が多くやり取りの上で体験し始めたことから、
まことに身につまされるものです。。。
(まぁ、、、言葉が洗練されず足りていない欠点が自覚され、プレゼンが下手だったという点もあることは否めませんが😭)






そうした状態を乗り越えるには、
脳が『それは、超絶おかしい!』と怒りの叫び声をあげたときです。
脳をフルに活用できる着火剤に火を付けて燃やすのです!



勝利と幸福を求め、分厚い感情による突破力が働かせて、
脳に挑戦と失敗、そして成功にいたるストーリーを先行して描くなら、
物語の主人公としてふさわしい舞台を用意するのも人間の仕組みです。


もし未病で苦しんでいる自分を主観から、そして客観からも見つけ出せたとしたら、
とにかく騙されたと思って
『私が不定愁訴で苦しみ続けるなんて、超絶おかしい!』
『ありえないわよ、私の脳に命令するわ!もっとフルに働きなさい。
そして理想通りを運んできなさい!』


といった具合でしょう。
このようなセリフを、実際に自分の口から発音して自分の耳に聞かせてください。

一度や二度ではなく、30回くらい。


まずもって、未病で苦しむのはおかしいと疑問を持った自分の言葉を耳にしないうちは、人はなかなか変わらないのです。


これはコーチングセッションをおこなうときに、
表面上の感情からその裏にしまってある感情が浮揚したとき、
停滞が抜けて物語が動き出す場面がよく観られます。
本音がはけなくなったままでいては、身も心も汚れを拭えません。

ちなみに丁寧なコーチングセッションを経て、
自分の本音が言語化して飛び出すようになれば
不思議な力が働いて手持ちのカードが増えて解決へのいとぐちを見つけ出しやすくなるようです。

ただ東洋医学には平均で求めた正常値がないように、
各人に相応しい腑に落ちたり納得できる結果が用意されていることが多いでしょう。
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当帰芍薬散の各構成生薬が強力なチームとなって働きます《 君薬、臣薬、佐薬、使薬 「君臣佐使(くんしんさし)」》。これと薬膳メニューもおなじ要領で造るのです

薬膳には、漢方薬と同じように「君臣佐使(くんしんさし)」という役割分担がございます。

全体の主な機能をかなえる君薬となる食材。
君薬を補佐し佐薬と使薬を監視する臣薬となる食材。
佐薬は君薬の補助と薬効作用の行き過ぎを抑える働きを担う食材。
使薬は、病巣部位や病邪に働きかける最前線の兵士で、各薬物の働きを調和させる食材です。



ただ薬膳を例にするより、漢方薬の君臣佐使で観たほうが身近に感じられるかと思いますので
女性に用いられる「3大婦人科薬」の一つとして非常に有名な〘当帰芍薬散〙を例にとってお話をさせていただきます。


当帰芍薬散は、名将により敵チームに対抗する最強メンバーを厳選して集られた強力タッグです。
徹底して今時点での病邪の作戦を読み、必然的に勝てる策を繰り出していくイメージです。

ただ実際に血管内等、生薬が活躍している実感を漢方薬を学んだことがない方が想像するのは難しいこと。
では、どんな様子で効いていたのかをイラストで観てまいりましょう。

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(図解 血中で働く当帰芍薬散イメージ)


初期段階血管内に血瘀が形成されており血行を阻害された状態。
当帰芍薬散を摂取後当帰・芍薬で足らない血を補い、川芎の気を強力に巡らす力で血を循環させて血瘀を分解させます。
仕上げに余分な水分を沢瀉 、茯苓、白朮で拭い去りむくみに対策します。
各生薬が持つ有効成分が機能的に課題をクリアするよう強力なチームが一丸となって働きます。




当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
​特徴:四物湯(当帰、白朮、川芎、地黄)から地黄(じおう)を除き、水分代謝を整える生薬(白朮・茯苓・沢瀉)を加えた処方です。

用途として、体力が低下した冷え症の方で、**貧血傾向とむくみ(水毒)が両方ある場合に用いられます。月経不順、生理痛、冷え症、めまい、不妊症、妊婦の諸症状などに幅広く適応します




以下に当帰芍薬散のチームメンバーをご紹介いたします。


□ 君薬(くんやく) 当帰・芍薬

当帰芍薬散と、当帰と芍薬の名が君薬(※)として冠されおります。
※君薬​役割: 方剤の主たる目的(主証)を治療する最重要の生薬。
まずは当帰と芍薬の概要を観てまいりましょう。

​当帰解説:「補血薬の代表。『血を補う(補血)』だけでなく、『血の道を整える(調経)』。健康な血を生成し、その流れを正常にする。冷え症改善に不可欠。」
《血を補い、巡らせ、痛みを止める(補血・活血・止痛)》

​芍薬解説:「補血薬でありながら鎮痛効果が高い。『筋肉の緊張を緩める(緩急止痛)』。子宮や内臓、四肢の筋肉のけいれんや痛みを和らげる。」
《血を補い、肝を和らげ、筋肉の緊張を緩めて痛みを止める(補血・和肝・緩急止痛)》

​この二つの生薬が協力して、「血虚(けっきょ)」とそれに伴う痛みを改善する中心的な役割を果たします。


□ 臣薬(しんやく) 川芎

​臣薬の役割: 君薬の働きを助ける、または副次的な症状(兼証)を治療する生薬。

​ 川芎 (せんきゅう)が当帰芍薬散では臣薬となります。
​川芎の働き:​血と気の巡りを良くし、痛みを止める(活血・行気・止痛)。「血中の気薬」とも呼ばれ、当帰の補血作用・活血作用を強力にサポートし、痛みの解消を助けます。


□ ​佐薬 (さやく)  沢瀉 (たくしゃ)、茯苓 (ぶくりょう)、白朮 (びゃくじゅつ)

​役割: 君薬や臣薬を助ける、毒性を中和する、または別の角度から症状を治療する生薬。

沢瀉 (たくしゃ)、茯苓 (ぶくりょう)、白朮 (びゃくじゅつ)が当帰芍薬散では佐薬となります。

​沢瀉・茯苓・白朮の働き:いずれも体内の余分な水分を排出する(利水・滲湿)働きがあります。白朮と茯苓は消化器系(脾)を元気にして、水分の吸収・代謝を正常にする働きも兼ねます。



□ 使薬(しやく)は専門性が高い諸説あり省略




そして最後にここからも、大事です。

薬膳も当帰芍薬散と同じように君薬、臣薬、佐薬、使薬の設定をした
明らかな薬効を目指した強力食材タッグを組ませたプログラムなのです。

そのことをよく考えて各人ごとの体調に基づいてつくられた薬膳メニューをつくるとき。
なにを君薬に据えるか、そして補佐の臣薬、佐薬となすか、などと構成要素となる食材を選び出します。
そうした考えでつくられた場合には、ごく一般的なスーパーマーケットの野菜も食材から食によるお薬となる食薬になれるのです。


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2026年05月09日

日本の代表的生薬メーカー 3社、その違いってご存知でしょうか?

著名な生薬メーカー3社の
漢方薬局ショップに4種類の生薬を購入する予定があり、
そちらのショップには党参以外の生薬はネット上に載せてありました。

一度の注文で済ませられればと思い、
ショップに小島漢方の党参がほしい旨と
在庫がなければ取り寄せはできますかと質問メールを送りました。

小島漢方というメーカーの生薬しか眼中になかったのですが、

ウチダ和漢薬、栃本天海堂なら在庫があるそうで
2日間で発送できるので検討してくださいとの返信をいただきました。



生薬のほとんどを横浜中華街や新大久保等の中華食材店で揃えてきたため、
かろうじて小島漢方は利用したことがあって知ってはいたが、
ウチダ和漢薬?、栃本天海堂?

そこでネットで党参の値段を調べてみました。

​3社の価格比較(500gあたりの目安)
​これまでに出てきたメーカーの「党参」の相場を並べると以下のようになります。
​小島漢方: 約 5,000円 〜 7,000円(最もリーズナブル)
​ウチダ和漢薬: 約 6,500円 〜 9,500円(中間層、シェアが高い)
​栃本天海堂: 約 7,500円 〜 10,500円(最高級ライン)



生薬は農作物と同じように、産地や取れた年によって成分の含有量が違ってきます。
グラム数は誤魔化せませんが、生薬の質がいいかどうかと含有成分量は見た目じゃわかりません。

ウチダ和漢薬、栃本天海堂は、
生薬に含まれる成分を均一化させる基準が厳しく設けられています。
含有成分量が少なくて効きがよくないといった不測の事態がないため、
低価格より品質重視の研究機関等の御用達です。

値段が小島漢方よりだいぶん高く付きますが、
高いなりの明確な理由があります。

いまは小島漢方の生薬しか使ったことがないため、
明確な使用感をお伝えできるものではありませんが、

生薬メーカーにも、
松竹梅的な使い分けがあると知りました。。。
なるほど。
大変にいいことを知りました!!🥳



重い患い方をしておられる方が生薬を頼りに体調をよくしようとするなら、
品質重視の栃本天海堂ブランドを選ぶよう検討すべきでしょう。

ややコスパ重視ではウチダ和漢薬。

ひとまず使ってみようというなら入手がしやすい小島漢方でしょう。



党参以外の購入予定生薬も栃本天海堂でそろえて試用したいと考えています。
これらは私自身が痰の除去を目的として実験するために購入する生薬です。
ベストな生薬をもちいた結果が知りたいと願っております。


posted by スズキ at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする