2025年09月24日

瘀血体質が気になる方にも知ってほしい『活血薬』も大事、それと同様に脾を補う日常生活も大事、大事。

『活血』は、
漢方薬では「活血化瘀」ともいいます。
どういった活躍をするかといえば、
・血行不良を改善する
・血行不良によってうまれた血の塊を治療する(がんや血腫のこと)
という2つですね。


では血行が悪くなる原因に基づいた対策とは、どのようなものがあるか?

(1)和血
(2)行血
(3)破血

に分類されます。


【和血】
・血液の量が少なくて、流れがちょぼちょぼになることで瘀血をつくったから。
こうした血虚体質では、血を補うことで血行を改善します。
ストレスにより気の回りが停滞し血流が悪くなったから。
身体の冷えによる血行悪化から。
これら血行が悪くなっ原因を改善して血行をよくすることを【和血】といいます。


【行血】
・狭められた血管を拡張してうっ血状態を改善し血流をよくすること。
(川芎・丹参)


【破血】
・血管を拡張する他に、血の凝固に対抗・凝固した病理物質(がんや血腫など)を分解吸収する作用で、頑固な瘀血を改善する。
作用は強く激しいものです。



対応に際し、より強い順番は次のようになります。

(1)和血 <(2)行血 <(3)破血

私の独断ですが、
「和血 」は健康状態がそれほど損傷していないときにもちいられ、
「行血」はがんや腫瘍を防ぐ効果を期待するもので、
「破血」は意図的な抗癌作用をも視野に入れた対策となります。

実際には「破血」は不妊症の治療でももちいられることもあり、
抗癌作用を主たる目的と据えたものではないのかもしれません。
2018年頃の私は、
とにかく「破血薬」となるハーブや処方をかき集めていました。
アーユルヴェーダではこれをもちいる、西洋ではこれだとか。
それを調べてはサンプルを収集するようにしていました。
いざというとき頼れるものを調べたかったからです。

がんは、男性が2人に1人、女性が3人に1人といわれる時代です。
瘀血体質や痰湿体質の方々は、血流を阻害しやすいため、
がんや腫瘍をえる確率は上記以上に高まると推測されます。

そういった理解があるなかですが、
中医学を深く学ぶ機会を得て、
頼れる「破血薬」探し以前に、
やっておくべきことがあるよう思うようになりました。

がんになる方は粘着性のあり血の流れを阻害する痰や、
血瘀と呼ばれる血が変化した病理物質が体内で生成されます。
それらが血管内または血管外から血の通り道を狭めてしまい血流を阻害し、
がんの住みやすい場を作り出します。
その場を足がかりとしてがん細胞の増殖が始まるケースがあるのです。

だから「破血薬」をもちいて血流阻害因子となった血瘀を分解排除していこう。
そうしたイメージが成り立つことは納得できます。


ただそうした血管を外部から圧迫して血流阻害因子となる痰は、
脾(消化器全般)が働けないときに痰を生み出す源となります。

血瘀を作り出す場合も、基本、血虚となり血が足りないときは、
脾が血をつくる作用を正常に働かせられていないからなのです。

シンプルに考えてみると、
脾が弱ってきた余波から痰や血瘀をつくりだされるのです。
だったら脾を立て直すことができれば、
病理物質である痰を作らず、
血瘀の影響も浅くなります。

そういったことに気づいたときに、
施術を受けに来てくれたお客様に、
「脾を活性化しよう!そのためには◯◯などを摂るといいよ。
特にポタージュにしたら最高さ!」
と言い始めたわけです。

実は漢方の処方でも、様々な複雑な症状が絡み合ったときに、
どこから手を付けていいかわかりかねる場合がでてくるとき。
とる手立てが{補脾}なんです。
脾を補うことから初めます。

そして薬膳の考え方のベースも、
まずは脾が活躍できるような食事をお腹に提供することから、
底上げをはかろうという意識があります。


これはある意味、
脾を健やかにする食事とは、何度も繰り返しおこなえる病理物質の対策となります。
四君子湯という漢方薬があります。4つの生薬で構成され、そのいずれもが繰り返しもちいても身体を害することはなく強めてくれる君主のようなものといわれ、君主の君をいただく漢方処方がこの漢方薬です。
繰り返し用いるほどに健康を増強してくれるもの。
抗癌作用をイメージする破血薬は、ここぞというときに用いる頓服とするべきものです。
君がつく薬とは異なり、常用して身体を強めてくれる質のものではありません。

両者ともに状況において大切欠かさざるものです。
ただ抗癌作用を必要とする治療を受けるときにも、
脾への心づくしの気配りはできます。
等々を考えるとき、
脾を補うことの重要さを痛感するようになりました。

そうしたところの意味を汲み取ることで至ったのが、
薬膳の研究でした。
実際問題として、破血薬の名前は知っていても、
脾を補う薬膳素材の名前を調べて言うのは容易いが、
料理として作って食べ続ける、食べ合わせをためす、
などといった正面から腰を据えて取り組むことが必要です。



と、とりあえず、本日は中華街食材店で
十全大補湯を構成する生薬を買いだして、
そちらをつかった鶏鍋をつくる予定です。

ちなみに十全大補湯には気血両虚を補う方剤で、
脾(消化器全般)をよくすることで気血を補うと理解してください。
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2025年09月23日

◯◯体質とは、東洋医学では{未病}〜{病}であるということ



『あなたの体質は?』

そう聞かれたとき、
東洋医学に精通している方かどうか、
返るこたえに違いがでてきます。


Screenshot_20250923-072920~2.png


東洋医学に馴染みがなければ、
『あなたの体質は?』と聞かれたら、
ご自身の自覚症状や体調の特徴を具体的に伝えるでしょう。
けっしてこれが間違っているということではありません。



東洋医学や漢方などに馴染んでいる方は、
漢方や薬膳などの考え方に基づいた体質診断の結果を伝えます。

自身で東洋医学の四診で得た情報に基づいて
八綱のような証侯分類法により東洋医学特有の証を明らかにします。
(弁証論治)
こうした見立てる方法はいくつかあります。
この際に虚証・実証に分類したり六経(※)にて病気の進行を明らかにしたり。
六経(※) 病気の進行位置が深まる過程を示す<太陽→少陽→陽明→太陰→少陰→厥陰>
様々な症状の分類がありますが、
そうしたうちの分類法のひとつ、
人体を構成し欠くべからざる要素である
気・熱・血・津液}を取り上げてみて、
不足しているか、
過剰なのか、循環が停滞しているか、

を明らかにしていきます。
この結果を{〇〇体質}と呼ばれます。


具体的には、
(虚証グループ)・気虚体質・陽虚体質・血虚体質・陰虚体質
(実証グループ)・気滞体質・湿熱体質・瘀血体質・痰湿体質

となります。


すでに東洋医学の勉強をしてきたものには、
・その体質がどのような原因で起きるのか、
・その体質でおこりやすい症状について、
・その体質を治療するための方法
・etc...
といった一般的な雛形が脳裏に思い浮かびます。

大抵は体質が複数にまたがって同居することが多く、
雛形通りに進行せずに伝えてくれた体質を参考に、
新たにまたこちらで今のその人の体質を調べることになります。

ただ、◯◯体質といった東洋医学の見立てがわかれば
一般の方が思う以上に、私達には多くの理解ができるのです。

話を違った面から覗いてみれば、
◯◯体質という体質の判定が得られない状態では
治療のしようがありません。
東洋医学とは、そういったものです。





たとえば、五十肩でつらいといったお客様が来たとします。

そのとき主に{気滞体質}であれば、
気の停滞を改善するような手当でいいので、比較的ソフトティシュな手技で対応することが可能。楽にケアができるパターンです。


そのとき主に{痰湿体質}であれば、
痰と呼ばれるネバネバ物質が肩甲骨と肩関節・肩甲骨と肋骨後面などの間に入り込んで肩甲骨の動きを抑制することにより五十肩が起こる。
このときのリリースは痛覚神経麻痺まで進んでいないことも多く、
初手からまあまあ痛さがあるが、
痰湿の場合、
<無理やりな力で急激に動かさないこと>
<ゆっくりと関節が正常に動く方向へ他動的に移動を手伝い、それを幾度か繰り返して可動域を広げることができる>
といった対処が考えられる。
もし無理やりな強圧で急激なスラストをかけると、二次的被害となって、後々まで痛みが抜けづらくなるから要注意。
ただこうして改善したとしても、痰湿体質の改善が進まず同じ負荷を肩甲骨周囲にかければ、その五十肩は繰り返されます。
痰湿の場合、すこし全体的なおもだるさが痛みある箇所やその周囲まであることが多い。


そのとき主に{瘀血体質}であれば、
血瘀が肩・首・肩甲骨・腕など、いくつかピンポイントで骨を関節をまたいで貼り付けてしまわれていれば。表層部の粘着物質となる部位を拭うだけでは早々に戻るし、一時的な改善結果さえ得られない。そのため深層部に立ち入って血瘀を押し流すのだが、こうした部位は血が停滞してたことによる強烈な痛みがあらわれる。きっちり張り付いたため血行悪化が著しければ痛みさえ感じられない悪化状態化するものが、リリースを進めると血行が戻ってきて痛覚神経麻痺状態が改善するに従い痛みがおこる。
瘀血体質により起きた五十肩は、血瘀が石のような硬さに化けて肩甲骨と肩関節等を接着することがあり、接着点がピンポイントで強烈な刺す痛みを感じることが散見されます。
血瘀をつくらないような食生活や運動習慣に移行できれば、繰り返されることも少ないでしょう。


以上、ざっと思いついたことだけを書かせていただきましたが、
体質が{気滞体質}なのか、{痰湿体質}なのか、{瘀血体質}なのか。
それで手技でなすことの見積もりが、
かなり変わってくることがわかると思います。

そういった実際に手技でなにをなすが適正かを決める決定因子として、
こうした体質診断の結果がいきてくるのです。


通常の五十肩を整体で解く教則本では、
こんな手のこんだことが書かれることはありません。
あんまり体質で手技手法をわけるというのも聞きません。
それが一般的な実情です。


ですが、、、
体質が現しているお客様の内部状況を体質として理解し活かせるならば。
痒いところの隅々まで手が届くような対応するところまで気がつきます。

それは{痰湿体質}の五十肩の人に{瘀血体質}の仕様の手技を施すと
手技の際に生じる痛みが強く現れて恐怖が後々まで継続することになります。
つまり五十肩になった原因が、痰湿か血瘀かと病理物質が異なると知り、
適正に痰湿体質だと把握した結果から手技のやり方を選択できたらいい。
そうした個別の身体条件によくマッチしたやり方を施せるときには、
施術者もいい仕事ができるでしょう。


そのような考えもあるでしょう。
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2025年09月22日

○○体質だから、こう考えてしまった・・の呪縛は、はたしてコントロール可能なものなのか?


「健康の回復は食事が中心。
漢方薬は補助だと思ってください」


尊敬できるとある漢方薬局の先生が、
こう申されていました。


私が薬膳の勉強をはじめたから、
薬膳で使える食材を活かした
食生活の見直しをしております。

{好き嫌い}の感覚的なものさしと、
{メタ・アナリシス}に基づいたものさしと、
{自身の偏りある体質}を是正するもう一本のものさしを携えて。


何を食べればよいか、
何を食べるべきではないか。

けっこう忙しく手を変え品を変えて実験をしているこの頃です。
理詰めで考えた食材を足したり引いたりを繰り返していきます。
直感でこれと思うものをいただいて、失敗することもあります。
よかれと考えた食材で気滞が進行したという場合もあって、
教科書通りのスッキリしたメニュー通りにはならないのが、
偏りある体質の複合型の特徴だといえるでしょう。
ほんとうにどこから先に手を付ければいいものか。。

ただひとつのルールとして症状を叩くだけではなく、
先に症状を緩和させて耐えうる程度に収めてからは
症状を生み出した原因を見つけ出して手当することが大事。
そこに根ざして考えていったほうが勉強になると思います。
そこができるようになるための概要は少しわかってきたが、
より具体的な落とし込みの参考になるものが見当たらず、
図書館や書店通いをして本を数十冊担いで帰ることが多くあります。
ある程度のことがわかるようになるには、
自分なりの努力の積み重ねが必要になるものです。。。



そうこうしながら2ヶ月研究した結果から、
徐々にアウトラインがみえてきたのですが、
竜眼肉、黒きくらげ、蓮の実、山薬など}が、
現状の体質に何かプラスに働きかけるようです。

これらを単品で食べてもそれほど効かず、
うまいこと配合して食べたときだけ効く。
そうしたところが体験できたことは面白いですね。
それぞれの食材を摂る理由はあるものの、
掛け合わせると効きがよくなって感じるのは不思議。

漢方薬には、人参と黄耆を組み合わせて
効果を摂取した量以上に発揮させる
通称「参耆剤(じんぎざい)」という処方があります。
他にはなつめ(大棗)と生姜の組み合わせは、
なつめの膨満感を生姜が消し、
生姜の刺激をなつめがやわらげることもでき、
同時に人参のような気を補う生薬の効果をアップさせるなど。
生薬同士の組み合わせのよさから効力をアップするものもあります。


そういった組み合わせの妙を見つけたいと願いながら、
食べ合わせを工夫して選択し
{竜眼肉、黒きくらげ、蓮の実、山薬(=ながいも)}の組み合わせを見つけられました。


こうした目論見を持ったトライアルにより、
私の体質はしばらくすれば変わるはずです。
変化の方向を観察して次の手を繰り出せば、
そうしたことをする過程で、
食材の性質を探れるのだろうと考えてます。
(いままできくらげや長芋は食べることがあっても、
竜眼肉や蓮の実を日々摂ることになるとは考えたこともなかった。。)


かなり興味深い漢方薬の方剤を多数見つけてしまい、
これもあれもと手を出してみたい気持ちがあります。
血府逐瘀湯」は、現在、その筆頭です。

ですがまずは、健康の回復は食事が中心。
漢方薬は、食事を十分に考えて行動するもうまくいかないとき。
それを補助としてもちいていくべきである。
そういった漢方薬局の先生の考えの通りに、
食事で自分の身体をとにかくつくるのだと。
そうした気構えを大事にしたい。
そう、考えます。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



話しが少しがらっとかわります。

体質と考え方の傾向性について。

この方とお話をすると、なぜかこちらも不安なこころを煽られる。
そうしたことをコーチングをしているとき感じたことがあります。
数名もそうした人々の特徴を抽出していくと、
共通項があるように感じられてなりません。


当時は循環器系にトラブルがある傾向性があるといった具合で、
そこになにかの問題が心理的なものとして存在するとは考えてませんでした。

ですが中医学を学ぶと、早々にわかってきますが。。。。
当時のやり取りとお体の傾向性の両者を把握した上で思い起こすと、
心血虚]というくくりとして彼らは共通であったのでは?
そのように思えるということです。

気・熱・血・津液がバランスよく過不足停滞なくあれば
体質と呼ばれる病的な傾向性の名前を送られることはありません。

健康ならば○○体質とかいわれることもなく、
「いいですね、あなたは健康ですよ」といわれるだけです。




体質について、少し入って考察すると、
この体質の人はこうした考え方をする気質があるようだ、
といったような傾向があるようです。




私の体質は『腎陽虚』です。
腎陽虚は性格上、おとなしく声も小さい。
いつも疲れてる感じ。消極傾向あり。

となっております。

・・・・おとなしく、声も小さい、疲れること多し、
だいたいあたってるぞ!

的なことがあって、その人の体質がわかると、
どういった性格をなさっているかのおおよそが把握できるのです。


だから少しぐらい積極性を示そうという性格に変化させるには、
私の場合、『腎陽虚』(気と熱の両方がたらない状態)を変え、
足らない分の気と熱をきっちり不足なく補うことです。
強い腎陽虚体質が気と熱の不足を補えば薄まるに連れ
自然に性格を変えることができる。
それも恒常的にです。

そうした希望を持ち『腎陽虚』体質改善に取り組んでいるところ。

おそらくコーチングをしてもなにをしても変わらなかったものも、
これで蹴りがつくのではなかろうか。
そう直感しています。



話しが逸れました。。。




心血虚』とは、心に血が足らない血虚状態があるという体質です。
{心}には2つの意味が含まれており、
1.血液循環
2.精神の状態

です。

私が感じたお話をさせていただいた方から、
事前に肉体上の問題として血液循環のトラブルを持っていることを伺っています。
そして血虚の特徴と同時に伝わる不安感は、
本人としてなんらかの理由もあるのでしょうが、
心血虚の方から伺うとなんだか不安で不安でといったご様子が感じられる。
お話から漠然とした不安に襲われているのだろうと察することがある。
これは{心}のもつ<2.精神の状態>が不安定になったときに、
誰もが自然に感じてしまう沸き起こるような不安感のようです。


コーチングによる対話からでも、
こうした体質から現れる感情の有り様を変えることはできます。
ですがそれをしてみても一晩寝ればまたいつものとおりに戻る。
そういったことが続くとコーチングを受けるクライアントも、
コーチ側もだんだんと顔を合わせたときの空気感が悪くなる。
そうした体験をするコーチ仲間の話を聞くことがあります。


という場合。。。。


現状、仮説ではあるが、強力な振れ高の心血虚体質から、
それが徐々に振れ高が低くなってきたならば、
その方が感じる漠然とした強烈な不安感が減じられるのではないか?


こうした強い不安感を抱えて生きることは、
それ自体が大きなストレスを生み出してしまう作用を持っています。
そこにある体質からの天から降ってくるかのような感情が安らげば、
それでだいぶん生きやすくなるのではないか?


そのようなことを思うことがあります。



そうした自身を呪縛するかのような感情を拭い落とすためにも、
体質に対し理解を深め、
本来あるべき自分の感情や考え方などを取り戻すようにできればと願っています。

余談ではありますが、
私の姉の心血虚は、けっこうなものでございます。
それでもうまくやっていければと思ってましたが。
心血虚の体質から脱したら本人もそして姉の周囲の者たちも
あれっ?なにか、いままでとは違うわね」と気づくのだろうか。
そうなるよう心血虚体質に向けての薬膳プログラム。
研究するのもいいですよね。




東洋医学では、肉体と精神(こころ・感情)は
一体として成り立つものだと考えられており、
感情やこころの変化を求めて体質の改善を模索する方々のヘルプが。
近い将来、できるようになれば。

そういった方向での
身体を通したボディワークを下地に取り入れた
ワークショップなりができるようであればと考えています。
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2025年09月21日

生薬標本作りをしたら、中医学上の薬膳を実感、痛感!



生薬の写真はネットや本から参照できる時代です。
ありがたい反面、
そこで満足してしまえば
大切な生薬に触れて実感する体験知が得られません。

それはもったいないこと。

先週、中華街食材店から買った生薬などをまとめ、
透明で小分けできるビーズケースに生薬標本作り。


IMG_20250921_063502~2 (2).jpg
(私が集めた生薬標本写真)


たとえば、
生薬の漢方薬らしい大いなる(香り)はわかりません。

生薬の香りを【経皮吸収】することで、
人体に様々な強烈な作用を与えてくれます。
一節では生薬を口から摂取したら消化器の弱い者は
そこで身体に取り入れづらいものとなるが、
皮膚から入る生薬から揮発された栄養成分を取ると、
そのまま皮膚を通して体内へとダイレクト吸収されるという。

アロマセラピストが、精油の芳香により体調を整えるような効能だ。
たとえば柑橘系の生薬は、気が停滞したときに改善させてきれます。
それを<理気作用>といいますが、柑橘系の香りを放つものの多くは、
滞った気を流してくれる作用があります。
みかんの皮を乾燥させた陳皮やみかんの輪切りの枳実など、
柑橘系の香りを放ち気を通してくれる一躍を担ってくれます。
これは平素の自室にあっても問題ない香りですね。

ただ生薬には、「ザ、漢方!」と言えるような芳香を容赦なく放つ、
ツワモノが数点ある。。。
それらを直に触ると、アルコール消毒剤でも石鹸で手を洗っても
なかなか匂いが落ちないほどで困ります。
100円均一の使い捨てビニール手袋を用意したほうがいいでしょう。
昨日は手袋を怠って素手で触れたため、
外食時にも手から匂いが消えず洗面台で必死に手を洗ってました。。。



たとえば、
生薬の小片を口にすれば(味)がわかります。
「五味」酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ:塩辛い味)
の分類がわかります。

原型がのこる生薬:当帰(トウキ)を口にすると、甘い、辛い。
甘い生薬は「脾」を栄養し、辛い生薬は「肺」を栄養します。
ただ当帰の帰経を調べると、「肝・心・脾」。
肺との関係はなさそうです。
ですが私が当帰の小片を口にすれば、
「肺」を整える実感が得られました。
これはテストに書けば失点する考えで、「参考に留める」べき。
これにより当帰を帰経に記すほど強い影響は人体へ与えないが、
実感として自分がなにを感じたかを信じることも大切だと思う。



たとえば、
「五性」熱性・温性・平性・涼性・寒性という分類もあります。
<その生薬は身体を温めますか、冷ましますか、
それとも温めず冷ましもしませんか >


生薬:桂皮(ケイヒ)の小片をかじれば「熱性」が伝わります。
即、身体がたいへん熱くなってきます。
五性の使い方のイメージは、
湿熱体質の人であれば、実証で(熱が強い)状態にあります。
その場合には過剰な熱を取り除くことにより、
熱バランスが整えられた(平)らにできます。
ですから湿熱体質の方に対し、(寒性)の生薬や薬膳素材をとること。
熱性の生薬が入った方剤をとる必要があるときは常用せず頓服とする。
そうした配慮が必要とわかります。

湿熱体質の方に、更に熱性の薬膳素材を勧め続ければ、
血や津液などの陰液が熱せられて揮発乾燥することで
めまいや吐き気など体調に異変がおこる可能性がでる。
そういったトラブルが起こる可能性がないよう配慮し、
うまく熱バランスを整えた(平)にする計算が必須です。
({平性}の食材や生薬は熱トラブルを起こしづらく使いやすいです)
(五性に、温性と平性の間に微妙に暖かくする性質の微温などもある)



手元の生薬標本を五味・五性で並べ替えてみるとわかるが、
いかに繊細にバランスを(平)かになるよう計算するのか、
ここの視点をもってバランスを更に乱すトラブルを防いで、
バランスが平らな理想体質に導くよう具体的設計をするか。
など、基本の体調管理ができる専門性を高めることが
薬膳素材をあつかうには必須なのです。







また生薬・薬膳素材の分類には、
生薬の作用には気を補うものや気を疎通させるもの、
利水効果で乾燥させるもの、潤すものなど
他にもいくつもの分類の仕方があります。

標本の生薬を手作業でそれらの分類で並べ変えれば記憶に残ります。

こうなってくると持っていない生薬が気になってきて、
中華街で前回買うのを見合わせた生薬を次回に手に入れ、
生薬標本に並ぶ生薬の種類を増やしたくなってきますね。



ただ・・・・・
私が用意した生薬標本用のビーズケースのなかの小分けできるケース。
密閉性が甘くて、漢方薬でおなじみの生薬の香りが漏れてしまいます。

生薬の複合した薬効を身に浴びるのは健康的でうれしいのだが、
自室がこのままであればちょっと厳しい。。。
とりあえずジップロックにて密封するも、
完全密封にはならずにいる。

ビーズケースで生薬の標本を作りたいと考えるひとは、
円柱タイプで蓋がきっちり閉められる方がいいかもしれません。
ただ円柱タイプはネームシールを貼る方向がくるくるまわってしまうんです。
あとは円柱タイプのケースはサイズが一定にみうけられ、
大きなサイズの生薬を収めるには不向きかもしれません。
それらを目をつぶれば匂いを漏らすことのない円柱で蓋が閉められるもの。
お勧めです。
あとは生薬の多くは購入時の袋を開封したら冷蔵庫で保存すべきものが多く、
標本は長期に常温保存となるため生薬素材としての利用は難しい
でしょう。


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2025年09月19日

漢方薬や生薬、薬膳素材は、誰にとっても安全で安心なのか? 残念ながら、そうでもありません!各人の『体質』によります。



私が漢方薬の知識が浅かったコロナ禍前のとき。
一通りの東洋医学の教科書などを精読したものの、
内容を深く理解するまでにはなっておりませんでした。
私の知識は施術の手技の勉強の合間に時間を割いたものです。
十分な専門性を得られるための1万時間の勉強はかないません。

それもあって施術をしていたときお客様に漢方を勧めるとき、
自分が知っている多少の知識もお伝えすることは一切控えて、
医師または登録販売者である漢方薬局へいくよう勧めました。

今思えば、それが当然のことではありますが、
つい知ったかぶるようなことをしなくてよかったと思います。


漢方薬も体質により、薬にもなれば毒にもなるからです。

たとえば、虚証と実証という分け方があります。
気が足らない気虚という虚証の体質の人に、
実証の気が滞る気滞の対処をすれば間違いです。
気が足らないのであれば気を補うようにします。

たとえば、寒熱での分け方があります。
身体が熱がなくて寒さで震える体質の人に、
更に熱を奪う処方をしたとしたら体調が悪くなります。
この寒熱の寒であれば、熱を補うような処方をします。


薬膳素材でも同様です。
長芋は山薬という生薬名で呼ばれています。
食べてみるとわかりますが、ヌルヌルして、
とても精がつく食材といわれます。
そうしたヌルヌルしている性質から、
食べると湿を補うという効果が期待できます。
ただ食べる人の体質が、
痰湿体質という湿り気が体内に過剰な体質であれば、
多少量を多く山薬をいただけば体調を崩してしまう。


つまり先に漢方薬の処方を受ける前に、
自分の体質がどういった状態であるか。
そこを徹底して理解するようにすべき。
薬効が高い生薬や漢方に手を出すには、
そこをしっかりと知ってから行動することが必要です。

というのも昨今は、昔は医薬品として厳重管理された方剤も、
第二類医薬品としてネット通販でもてにはいってしまうから。
こんなに手軽に買えるなら危険性もないか、
あっても微々たるものだろうと勘違いしてしまうでしょう。


たとえば、乾燥型のアトピーになっている人が、
さらに体の津液を損なうような処方の漢方薬を服用すれば。
想像していただけるとおり、症状は皮膚の乾燥が更に増し、
状態は悪化してしまうでしょう。


他にも、たとえば『破血薬』という、
血瘀となった病理物質を破砕してしまう生薬があります。
これはがんの腫瘍にも効果を示す強い瘀血体質を改善させる効果が期待できるものです。
桃仁、紅花、大黄、三稜、ガジュツなどが『破血薬』です。
こうした『破血薬』は活血薬のなかでももっとも強い効きを示します。
ただすべての『破血薬』は、妊娠中の女性は流産のおそれがでるため
禁忌>です。
不妊症の方は血瘀があれば妊娠しづらいため
血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)という
瘀血体質の方に福音といえる方剤を取ることがあります。
子宮筋腫等の婦人科系のトラブルには血瘀が関与しており、
そちらを血府逐瘀湯により改善させるためです。
ただこの方剤は『破血薬』の<桃仁、紅花>が含まれます。
だから血府逐瘀湯のパッケージをチェックするとき、
破血薬』の<桃仁、紅花>がはいっているとわかり、
破血薬』は「妊娠中は使えない」と知って使うなら問題ありません。
ただそうした注意が一般の方の場合、説明書に書かれていても、
読み飛ばすおそれもあるかと思います。。。
恐ろしいことです。


漢方薬のことを深く知らなかったコロナ禍前の自分は、
西洋医の薬よりかは副作用も少ないからという思いがありました。
当時は自分で漢方薬のお世話になったことがなくて、
体験から知恵を増やすこともなかったものですから。
考え方が知悉であったが、
たまたま効きそうと聞きかじった漢方薬を
ネットで買って服用しなくてほんとによかったと思うばかりです。。。




だからこそ、、、

「 漢方薬を服用するには、
かかりつけ医または登録販売者と相談の上、
用法用量を守りもちいましょう。 」


といった定形の文言のような当然のことが
大事なことだと具体例が想起できるほどにわかるようになりました。


薬剤師より方剤を手渡されるならば、
昨今は服用法や用量などと同時に副作用等の注意書きが書かれた
ペーパーを添付してくれるでしょう。
方剤のリスクが高ければ薬剤師が解説してくれるので
間違いがおこることが防げるでしょう。



ただ反面、自分の体質を詳しく正確に知って必要な方剤がでれば
ネットで保険が効かない漢方薬も手に入るメリットもあるのです。


漢方薬に含まれる生薬の性質を、ひとつひとつ理解できれば、
これは身体を潤す成分が多くて心配がないとか、
これは身体を乾燥させるから、使うにしても頓服としてピンポイントにしようとか。
使い方も勉強が進めばわかってきます。
勉強が進んだら第二類医薬品の漢方薬も
安全かつ有効に利用できるということです。

私自身、
2ヶ月半、
まるまる漢方の方剤の勉強を朝から晩までして、
ようやっと、漢方を自ら取るのも勉強だと考え、
腎陽虚ゆえに八味地黄丸からといった感じです。
中医学は歯を食いしばってがんばってみて、
わかってくると奥が深いし人の見え方が変わってくるのもおもしろいです。
とても自分の生活向上に役立ってくれています。

ただ私のように仕事をやめて時間を作り勉強するのは現実的じゃありません。
やはり十分に信頼の置ける専門家にご相談いただくことで、
まずは心身の不具合を軽減していただくとよいと思います。^^





ここからは余談となります。
経絡の勉強は大いに手技に関連あると
施術をしていた最後の7ヶ月間は痛感していましたが、
中医学独自の内科学が理解できても
施術上の手技がスキルアップするものなのかは疑問でした。


ですが中医学の独特な自然界と一体となった統一感を知り、
人体を理学的な見方も重要ですし、
同時にそれが体内の組織が織りなす諸機能が概観できると、
・物質としての人体
・機能(働き)としての有り様

といった両側面が相互に深く関係している手応えが実感できてきました。


正直に言えば、前者の(・物質としての人体)に、
かつての施術では偏重していたのでしょう。。。
機能や働きをしっかりあたまに入れてシミュレーションできるようになると、
いままでの施術の手数や手法とは違った手技の表現に移っていきます。

先日、つくばの方でお客様に手技をお伝えしたとき。
気・血・津液や五臓の仕組みや働きが
私の頭の中でぐるぐる動き回りだすも、
まだ実際の手技にまでアウトプットできませんでした。
それで以前と同様の手技の用法を伝えさせていただきましたが、
頭では「もうちょっと、できるんじゃないのか?」と声が響きます。

向上する可能性があることは、
ありがたいことと感謝しています。

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2025年09月17日

肩こりといっても原因は様々。原因がわかるから対処法が導き出せるのが当たり前のことでしょう。(つまり!原因が不鮮明なら対処の妥当性も下がるわけです)

テレビを観ていると、
とある40代男性俳優(妻夫木聡)が語るに
「僕は若いといわれることがあるんですけど、
いま、<肩が痛くて挙がらない>んで。
そんな若くないんです」
と、はにかみながら語っていました。

そう言われながらも、やはり甘いマスクと語り方から、
年齢よりもほんとうに若く見えます。

では、肩が痛くてという状態について、
ここでちょっと考察してみましょう。



■ 肩こりになる原因として考えられるのは ■

(1)風雪に耐えて身体が冷えたとき、寒さの邪気が入り込むとき

(2)緊張しっぱなしといった、いやな精神的負荷がのしかかったとき

(3)同一姿勢で一日中、または長時間にわたり仕事をこなすとき。またはそうした状態が長期に渡っているとき。

(4)首を斜め下方に傾けたままスマートフォンを観ながら歩行したとき

(5)五十肩、四十肩などといった腕がそもそも負担なく挙げられないとき

などなど。

(1)の風雪は体表から体内へと寒邪が侵入して、気の循環を停滞させたから。
このときの対策は、葛根湯など体表部からの発汗を促すようにして寒邪を追い払います

(2)のストレス過多では、肝気鬱といわれるような自律神経が失調する状態となり気のめぐりが停滞してしまう。ストレス性の凝りは、パンパンに膨らむ感覚となる張りが強く感じられる。
このときの対策は、停滞した気の流れを復活させて気の循環をはかるように、理気薬といった気の疎通をよくさせる生薬をとるか、そちらが配合された方剤をとるのもよいでしょう(加味逍遙散など)

(3)(4)は、同じ姿勢を長時間続けていくことは、
体内で決まった箇所の血行を悪化させるため、瘀血を体内につくりだしてしまいます。瘀血による凝りは、狭い範囲等のピンポイントに刺すような痛みがでる。永年勤続して作り出した瘀血は居座りが強くストレッチや気持ちいい運動では除去は見込めません。
このときの対策は、瘀血を除去するようかっさやオイルマッサージなど、体内に居座る瘀血を押し流すようにする。私が普段していた筋膜リリーステクニックのメインターゲットは、こうした居座る瘀血を要領よく除去を推し進める技術のオンパレードです。

(5)四十肩・五十肩は、なぜ手が上に持ち上げられなくなるのか?実は、痰と呼ばれる粘着性を持った浮腫物質が関節周囲に沈着したために起きたことです。
よく四十肩や五十肩はぶり返すことがあると言われるのもうなづけます。理学的な筋膜リリースだけを施したとしても、その関節周りに存在する粘着部分は一時的に溶かすことで動きを復活させることはできます。
ですが粘着物質は、まだ肩周辺に大部分がとどまっていたり、浮腫を作り出しやすい痰湿の体質であれば再度また新たな粘着物質を肩にまとわりつかせるのです。
そうして再発に至ります。
このときの対策は、一旦は筋膜リリースなどで対処的に肩の正常な可動を確保する対処をおこない、同時に痰湿体質といわれる脂肪のような粘着物質(痰)を体内に作り出しにくい体質へと改善をはかることです。整体による可動域の確保のみでは、原因の対策が不十分だから四十肩や五十肩は繰り返されます。そのことを理解した上で、根本原因を把握して対処することで四十肩等の繰り返される不安から逃れることができます。

ちなみに妻夫木聡さんが患っているのが、こうした肩周辺にできた粘着物質による張り付きです。
浅い張り付き方であれば、多少の痛みがともなうが、自力で動かすようにしておれば状態は改善してまいります。
ですがすでに四十肩歴が長くなって急性期をとっくに過ぎ慢性状態になって居れば、自力での復旧にさらなる悪化リスクや改善効率の悪さをともなうかもしれません。ただ施術者がなす他者リリースに頼れば、自身が目的の筋肉をしっかり弛緩させた状態でリリースが受けられるので、比較的改善効率は高まるでしょう(※施術者の力量次第です)。
またもし妻夫木聡さんが痰湿体質に分類できるようであれば、この体質の沼から抜け出すことができるよう務めることで、今後の肩にまつわる不調感から開放されることでしょう。



ここからは飛び火したお話となりますが、参考までお聞きください。
痰湿によりできた粘着性を持つ肩にまとわりついた液状のむくみが、同じ姿勢を取ることにより生じた瘀血による凝りとくっついて固まることがあります。そうなると、けっこう厄介です。
なかなかこうした状態の自然治癒によるリリースは難しいもので、改善前に身体の軸を自ら歪ませて痛みを軽減できる姿勢を探し出します。
こうした場合の身体の歪みだしは無意識に着工した対処で、そうするしかないという切迫感をともなったものです。
一旦、この状況で得られた肩や肋骨や胸椎などに入り込んだ歪みに自分からそちらを直そうということはせず、歪みを得た状態こそ痛みを避けるよい行為として定着をはかります。
そこから呼吸器や血液循環などへ不調を推し進めることがよく観られます。




このように(肩こりや肩の不調)といっても、
そうなった理由や原因は様々で、原因ごとに当てはまる適切な対処法がなされる必要があります。

なので、
もし自身が{気滞体質}であれば、緊張やストレスに弱いから要注意だねと注意ができるでしょうし、

もし自身が{瘀血体質}であれば、同じ姿勢などつ続けて血行不良を患えば瘀血を体内で作り出すから注意しようと思えるわけですし、

もし自身が{痰湿体質}であれば、利水という体内にある余分な水分を排泄するよう心配りをしてむくみをつくらないように注意をすれば幸せになれます。


こういった意味合いでも、
自分の体質がどのような体質に当てはまるかを知ることができれば、いろいろと傾向と対策が打てるようになるわけです。
逆に申せば、体質を知らなければ最適な対策が打ち手として打てないようなあずっぽうに陥りかねません。


そのように考えていただければ、
私が漢方薬局や漢方処方をしていただける病院にいかれたお客様に、
「弁証(見立て)でどういった体質だともうされましたか?」
という質問をする理由もおわかりいただけるでしょう。
東洋医学では、体質を正確に見立てることができれば、その漢方処方にいかれたときのお客様の体質状態の把握と現状との差異という変化を調べることができるようになりますから。このことは意外に思われるほど多くの情報の含みがあるもので、その後の対処に活かせる内容もあるものです。
また体質がわかれば、施術による手技のアプローチ箇所や方法も変わっていくものとなります。

それゆえに、自分の体質を知ることで、自分が不調に陥りやすい仕組みが具体的にどういったものかを理解しておくこと。
そうした東洋医学で学ぶことができる自身の身体の制御方法がわかればどういうこととなるのでしょうか。
まさにこれって、敵を知り、己を知れば百戦危うからず、だと思いませんか?


自分のなかにできた{体質のアンバランス}により起きてしまった痛みなどの苦痛の大切な役割とは、
体質が正常なバランスを再構築する仕事により対処をす本治に至る過程へといざなわれるきっかけと考えられます。
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2025年09月16日

中華街の食材店で生薬のサンプルになるものを大量買してみました ^^

私ごとですが本草薬膳学院にも入ったわけですから、
生薬知識を机上で本の絵や写真、映像で済ますわけにはいかない。
生薬の五味(味)、五性(温)を確かめるにも、
生薬を手に入れて体験的な理解を得ることは必要でしょう。


それで。

一昨日前、生薬サンプル購入目的で横浜中華街へ足を運びました。
3連休中日の日曜でしたから中華街で激混みでした。
そこはしんどい思いをしましたが、
一刻も早く入手したい気持ちが勝りました。

中華街には、生薬が500円前後から数千円程度と
50グラム位に小分けした食材店が数店舗あります。
または十全大補湯の生薬をパッケージしたものなど
810円ほどで購入できる。

予算に限りがなければ、
名前を知る生薬を手当たり次第に購入し室内に飾りたいものです。
なかなかそこまでの経済的な投資は現状難しいが、
生薬をいろいろと揃えてみたいと言う人がいたら
中華街食材店散策はお勧めです。



ちなみに私はこの度の購入は25点ほどの生薬で、
13000円ほど。

レジで支払いをするときにお店の女性の店員さん、
「あなた、甘いの食べる?」と
パイナップルがモナカに入ったお菓子をプレゼントしてくれました。
家に帰って頂いてみると美味しかった〜。

次回の購入は10000円未満で収まる予定ですが、
いただいたお店の人の顔を観に、
この店、一択でいこうと思えたショッピングでした。^^

コンパクトなビーズケースに買ってきた生薬を入れて
鑑賞できるようにと考えています。
生薬には中薬の性味帰経効能として
補気薬、補陽薬、化痰薬、安神薬、温裏薬、
理気薬、補血薬、補陰薬、清熱解表薬、瀉下剤、利水剤、
その他、様々な効能をもった生薬ごとに分類できます。


たとえば、気が滞るようであれば
気の通りを改善する理気薬で対処。
理気薬には、木香、陳皮、枳実、香附子、沈香、厚朴等、
香りの通りのいいものが多くあります。
そこで生薬サンプルで香りを嗅ぐと
「うーん、確かに!」
と確認できますよね。


方剤としていくつかの生薬が混合されると、
生薬の個々の存在が薄まるよう感じますが。
実際はそんなことはありません。
方剤を構成する生薬のひとつひとつの粒が読めると、
方剤の作用が自ずと見えます。
それゆえに生薬をしっかり理解することは大事になります。

posted by スズキ at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

<形がないか変化するもの>の有り様をとらえることで体質がわかります 体質を知って賢い対処へ

昨日、午前中に施術をさせていただいておりましたお客様のお宅へ。
「カンタンな身体操作のトレーニングをしましょう!」と、
こちらから提案しておきながら、そこはほぼスルーしました。


身体操作のスキルアップは大事です。
身体操作がいきづまる姿勢や動作からは、
体内を通る経脈の状態を悪化させて気を滞らせるからです。
気が滞ることで身体の張った凝りをつくりだします。
こうした気の滞りが継続すれば凝りが体内へと入り込んで
血管の圧迫にまで展開されて瘀血を作り出してしまうステップへ。

そこの手当も大事なことでしょう。
お客様もよくよくそこは熟知しておられる方です。


ここは別の切り口での学びのひとときを得られればと考えました。


お客様には身体操作上による発生する症状ではないものが現れており、
そうした不快がどのような原因から起こるのかを自覚して知ってほしい。

「最近のお体の様子はいかがでしょうか?」

というこちらからの問いかけにたいして、
自身に起きる不可解な不調が繰り返される仕組み。
そこに対して自分を見立て直していただく必要があると思ったからです。
原因を知ってそこに手を打っていくには何をすればいいのかをめざしたい。


そこで<自分の体質がどのタイプなのかを知る>ことで、
私もその方の体質がわかった時点で理解が深まるようサポートする。
そうすることでその後の打ち手が段違いに深まります。


中医学上の五臓六腑や気熱血津液などを知れば、
そこには一定の作用を持って機能していることがわかります。
そちらが公式としてなりたっているため、
必要な判断材料となる情報を収めた時点で演算して、
沖縄の霊媒師にユタという方がおられるようですが、
まさに、演算結果から、現状の状態が鮮明さが増し、
今後の展開が推理できて言い当てるようになります。


公式や定理があることをしらずに演算されるとふしぎなものです。
ですが、計算ができるとわかればなんら不思議さは入り込めない。
私はそうした定理や公式が使いこなせる段ではありませんが、
すでにそうした段階の人になると、
人の見え方がまったくもって変わるのだといいます。
このことは私が脈診を教えてくださった先生が体験をもとに
申されていたことです。
そういったことを聞くと、
ワクワクしてきますよね。


「この身体のデータとこのデータが、
体内の体質にどう作用するからこうなるのです。」
という説明が成り立ち説明を付与できるようになります。

ただ中医学の専門用語を知っている人には、
そうした共通言語をもちいて短時間で説明ができるものの、
中医学の専門用語を一般的にどのようにわかりやすい言葉にすればいいか、
そこに対しての経験が不十分で課題なような気がしております。

先程、昨日のお客様からメールで(脾の運化作用について)
にかかわる説明で分かりづらかったことがあったと質問をいただきました。
聞き手の状態を考えて用語の骨針を外さず誤解させずに端折ることは必要。
ですがそうしたことができるまでにはまだ私がなれていませんので、
こうしたメールでの質問は勉強になりうれしかったですね。



こうして私が関わって体質判断チェックリストによる自己体質のパターンがわかった方を眼の前にできたことはトータル6名様です。
圧倒的に数が足りていないもので
体質判断チェックリスト自体がどれほど有用で妥当性があるかの
正確な判断がしきれていないところであります。


それに8タイプのネガティブな体質を複合して持つ方が多いため
実際上の判断は簡単なものではなく、
単純に解説をするにはいかないといった難しさも実感しています。


それほど勉強が得意な方ではないものの、
昨日のお客様のようにお付き合いしていただける方がおられると、
しっかりやっていこうと思えてくるものです。




そして午後は、ほぼ身内の施術でしたが、
以前の筋骨格系の理学的なアプローチがメインでしたが、
8タイプ体質判断チェックリストをしてもらい体質を観てからの施術。
以前は筋肉、腱、靭帯、骨、神経、血管、そして臓器といった
<形があるもの>を対処してさばいていくかが関心事でしたが、
東洋医学ベースな目を磨いていけた過程で、
気・熱・血・津液といったエネルギーと液状という
<形がないか変化するもの>の視界が広がった感じ。
身体の内部を循環するエネルギーの流れが健康や元気にいかに関わるのか。
そうした感覚が増したように感じ取れたのです。

施術をする意識が捉える人体像が変われば、
施術内容も変わっていきます。
そうしたところも興味深さが感じました。
形があるものを対象にした西洋医学アプローチから一線を画す
ボウエンテクニックをつくったトム・ボウエン先生が東洋医学を勉強し、
<形がないか変化するもの>を視野に捉え、
それを手中にしようと試みた追求の仕事はエキサイティングだったはず。
ボウエンテクニックの講習会を終了し活躍もできるようになったのは
数年以上の前のことですが、
その当時は多分に私は<形があるもの>の存在感が大半を占めており、
<形がないか変化するもの>を捉えきれずにいました。
今更ながらそのことがわかってきた次第です。
posted by スズキ at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月13日

中医学的体質判断チェックリストは己の体質を把握できるツールです。それをつかった手技の組み立てができ、それをもとに手技のレクチャーをさせていただきました!!




昨日、私合わせて3名で筑波のほうにある薬膳レストランへ。
国際中医師がおられるお店でして、本格的。
お客は女性が大半をしめており、大繁盛の人気店です。


このお店では自分の体質を知ってから、
身体にあった薬用茶を注文するために、
数分でチェックできるカンタンな体質判断チェックシートが置いてありました。
シートに自分に当てはまる項目をチェックしていくと、
とある体質がでてまいりました。
その会食時に、
そちらのお茶を注文する用のシートではなく、
他のとある中医学体質判断にもとづいた
5ヶ月ほど前に本格的な問診チェックをなさったとのことで、
そちらの結果を見せていただきました。

会食後にワークのレクチャーする前に、
その本格的な問診チェックをつけてもらい、
ご自身の体質を理解して頂いた上で必要な施術を割り出した
手技を伝えることにしようと考えていたのです。

なので5ヶ月ほど前のデータですが、
それに基づいていけば時間が省けたかなと思っていました。
ですがあとお一人様の参加者さんのデータが無かったので、
私がチェックリストを読み上げてみんなで改めて体質判断の問診チェックを
していくこととなりました。


その結果において詳しいことはプライバシーを保護させていただくため
申し上げることはできませんが。。。
5ヶ月ほど前のデータとはかなり大幅な変調を持った結果が現れてきて、
私にしてみてもびっくりした次第です。

昨今の天候不順、暑さという不快な刺激は自律神経を乱す要素が重なり、
今回の結果となったのだろうと推察することはできました。
正直に感じたことを言えば、
一度だけ体質判断の問診チェックすれば、
それをベースに当分の間対処を継続しようと行った考えは、
大幅に現状誤認に至るリスクが含まれていると思い知りました。

それと同時に、自分の現在の体質を、完璧ではないにせよ、
体質判断の問診チェックで概要アウトラインが明瞭になると、
だったらどうした手当が大切なんだねという説明がらくになる。
どうしたって私が望診や切診、問診でわかった事があってそれを伝えても、
「・・・なるほど、で?」というように私がお客様のことについていうも、
自分のことを言われる実感がない。
それはそうでしょう。
私どもは見立てをするためのベースに専門用語を駆使して思考するため、
その内容をそのまま伝えたとしてもわかりづらくなるばかり。
だからといって大雑把に伝えすぎると、不正確さからの誤解が生じます。
そういったことはトラブルのもとに派生するでしょう。

でも自分で120もの問診チェックをしていただいて、
それを自分で集計していただいた結果をみると。
決してそれは他人事とは言い難い存在感がでてきます。

そうなると、ひとつだけ自分を変えるべき落とし所が明瞭になったため、
そこを私が、たとえば、、、

「{血虚}のポイントがネガティブに高い基準値ですね。

血虚とは、血が足りていないということです。
血が足りない理由にはいくつあげられますが、

1.飲食物の影響から
2.脾が弱っており、血を正常に生成してくれてないから


飲食物は、十二分に注意なさっておられること。
その慎重な選択さは私を凌ぐことでしょうから。
すると脾、つまり小腸などの消化器の働きが
弱っておられるのでしょうか。

また、血虚のときに裏に潜むトラブルがあって、
血を循環させる力が同時に弱くなっていることも。
よく観られることです。
そういった場合でも、
消化器の機能により血を推動する気の生成が良好になることは大切。

それではそうした消化器の働きを改善するための手技をお伝えしよう!」


といった流れになれば、
自分がどこにつれていかれるかの案内がある状況で進みやすくなるでしょう。
中医学をなさる先生が治療方針に利用するために患者様の四診で得た診断は、
あまり納得してあーなるほどねと言えるような解説を受けることが少なくて。

それは西洋医学に馴染みが強く、中医学の基本思想が異質に感じる方に対し、
いきなり中医学上の思考公式をお伝えしても伝えてもわかってくれなさそう。
そういったことも事実、あるからだろうか。
自分の身体のこと、だったら先生に任せる効率性や安全や安定も必須だが、
自分が自分を知っていてはならないことでもないはずです。

そう考えてみると、
自分で治療方針に利用となる改善希望にあたる項目を120も問診チェックされてみて、
「む、ふむ、、、こういった悩みが自分は持ってたんだ。」
と基準値より高いか低いかといった結果から、
自分で自分が把握できて分析できるようになることは大事なこと。

そこはつくづく感じました。


ただあくまでも漢方の処方解説がしたいわけではなく、
そこは医師や薬剤師、登録販売の方々に願うべきでしょう。

そこではなく手技療法をするものとしては、
得た体質分析結果から、
どのような体質がどういった具合で混合されているか、
どの体質が強いか弱いか、問題あるだろうかの様子を改めて問診チェックリストでチェックされた項目について、
それって具体的にはどういったご様子でしょうかと、
手技を組み立てるものにわかるように説明を求める。
そうしたあとには、
どういった経絡をみたらいいか。
それともディープティシューやボウエンテクニックなどの筋膜アプローチにするか。
体質から太陽病〜太陰病のような病の進行知識からなども、
手技で現状ではどこに手を付けてどこを今は触れるべきではないかを判断。
(このどこを手を付けてどこを手を付けないかの判断は公式に基づくものでしょう。この点が私にはいままで大変にむずかしいところだったが、そこがわかれば私の手技の現場復帰も可能性がでてくると思います)
等々、他にも様々な体質がわかったからこその妥当な施術方針を立てられる。

ただ体質という気血津液のバランスの乱れから起こった病的症状に対し、
そこへのアプローチ方法の落とし込みは、これからの課題であります。


自宅での中医学の研究が少しだけ進んできたことから、
この度のお客様方の前で手技の仕方をレクチャーするという試みができました。
昨日の皆様には私にとって、とてもよい勉強をさせていただけたと、
こころから感謝いたしております。

また機会があれば!



posted by スズキ at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月11日

瘀血ゆらいの凝りは、リリースしすぎたら「めまい」「ふらつき」「吐き気」が起きることもあるんで要注意!気滞ゆらいの凝りは、きっちりあとに残さず、取ってよーしです。

みなさま、お元気でしょうか?

ココ最近の天気、
関東や東京でも不安定ですね。
空をみると雲の隙間からさんさんと陽光がさしますが、
隣にうずたかく黒雲がそびえていることもあって気が抜けません。

個人的には早々に中華街の食材店にでかけ、
小分けした生薬をいくつか手に入れたいと考えています。
生薬サンプル用として小さな筒状のビーズを保存するケースを用意したので、
少しずつ揃えていければと考えています。
今日これから横浜中華街にいくかどうか、思案中です。。。



熱心にご夫婦で互いにケアをしたいとお考えのお客様がおられ、
明日は、かねてからのご要請により
そのお客様のお宅に訪問させていただいての手技講座です。
お客様でもあるご夫婦の友人の方も参加していただけての、
数ヶ月前に施術をさせていただきました状態のご様子と、
現状にもとづいてカンタンな手技の仕方をお伝えする予定。




さて。

お話は変わりますが、
施術を受ける最中か直後に
「からだがふらつく」
「めまいがする」
等の体調不良を訴える方がおられます。

どういったケースが考えられるでしょうか?
後頭骨下にある自律神経の要に刺激が加わった神経系のときもあります。
この場合は身体を左側を下にした側臥位で安静にすることで、
呼吸の安定と心臓が動きやすさが確保されますし、
気逆による嘔吐などが起きづらくなります。
この状態で心身が落ち着くまで待ちます。

他には、
血虚といい、理想より血が足らない状態で、
同時に瘀血により部分的に血のめぐりが停滞させられた状態のとき。
そのとき血の巡りを停滞させる「(※)瘀血」により生成された凝りを緩めたとき。
身体のふらつきやめまいを感じることがあります。

これはどういった仕組みかといえば。
たとえば、
脚の付け根の鼠径部に凝りがあれば、
心臓から遠位にあたる凝りから末端までの血液量は
血行不良により減少することになります。
ただ脚に行き渡らないぶんの血液が
心臓やお腹の中、頭部の血液として使えていたため、
血虚により血液量が少なくても機能できる量だったのです。
その状態で脚にあった瘀血によりできた凝りを
急激に多量に外すとどうなるでしょうか。
血液の量は足らない状態で一定しています。
心臓やお腹の中や頭部などに流れていた血は
脚に取られるといった結果が現れます。

すると全身の血液循環のバランスが変化します。

心臓やお腹の中や頭部の血液が脚に取られると、
たとえば頭部の血液量が急激な減少がおこれば
頭痛やめまい、吐き気などがおこりますし、
お腹の血液量が減って血液の流れが細くなれば、
消化吸収のトラブルへと繋がります。
心臓の血液量が減れば心血虚となり不安や動悸が起こります。
器官や組織の血虚状態により引き起こされた状態変化は、
ある程度の順応性があるため、
しばらくすれば落ち着きを取り戻し、
動けるようになるでしょう。

ですが、、、
「あー、動けるようになって、ほっとしました」
と、手放しで喜んでいいものなのでしょうか?


(※)「瘀血体質」といった瘀血のある方の特徴をいくつかあげれば、
生理前の痛みを感じる女性はそれに当たりますし、
静脈瘤がある、
舌診で舌に黒点が見えたり舌裏の血管が黒・青かったり、
ちょっと身体をぶつけただけでもアザができ、
吸玉療法の痕が極度に消えづらかったり。
血虚体質。
顔に現れるシミやくすみなど。
などなど。


そうしたことから、単純に瘀血により生成された凝りがあれば
がっつり一気にといてしまえばいいのだ
というのは、
ときには上述したような急激な血虚症状を起こし兼ねないリスクがあります。
たとえば、現時点で血虚状態であれば脈診で脈が細くなっているでしょう。
そうした状態下での大きな変化は、身体の恒常性を大幅に乱すこととなり、
その後の継続する不調原因につながることもあります。
様子見をしつつ慎重にリリースするというのが間違いない対応です。

それもあって、
瘀血の凝りは解きすぎず、さりとて量が多ければそこを考えて対処する。
そんなことが気配りとして必要となってきます。


ただ身体の凝りには上述した瘀血の凝りではなく、
ストレス等により生成された気が滞りできる凝りもあります。
この気滞によりできた肝血虚由来の凝りについては急性が多く、
こちらはかっちりリリースをしていくことが望まれます。
気滞の凝りを遺しておいたら、
その凝りはやがて血瘀を生じさせる元となりますから、
そうした慢性化した病となる前に叩くのが「吉」です。


ちなみに
瘀血による凝り、
気滞による凝り。
カンタンな差異を申せば、
瘀血の凝りはその場に留まりここが痛いと言える凝りの事が多くて深層にあり、
気滞の凝りは「筋肉がパンパンに張ってる!」という張る感じの凝りで浅層および中層にあります。




昨今の日々、中医学を学びだすまえは、
血液循環がスムースになるよう瘀血の凝りを砭石でリリースする、
そこに意識が集中されて手技を構成してきましたが。
中医学を学びだしてからは、
血虚状態の人はそもそもそこに対しての手当がなされなければ、
施術をした後の継続的な改善が頭打ちに合うことを学びました。


多くの臨床より漠然とした感覚で、
この方は快方までの道のりが近いとか遠いとか、
ほとんど外れることなくいいあてることができました。
ですがそこに潜む法則性が導き出すことができず、
そのお客様にそうした感覚で選た直感のような証明しづらいことを
面と向かって述べることはできませんでした。

ですが中医学による思考により、
体の生理上の公式が見えてきたぶん、
お客様にご理解いただけるよう
解説しやすくなってきたと思います。


また凝りを解く前段階で、
これはしておかなきゃならないことがある!
ということもございまして。
後日、そのお話をさせていただきます m__m

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2025年09月09日

中医学、先生の違いなどによってか表現の差異に唖然とする。 不眠症になりそう!



中医学について。
漢方薬局を経営し中医学に基づく漢方処方をなさるがんじゅうふぁみりー様のYouTube映像を視聴し勉強を進めています。

パワーポイントを使っての講義が主で、初心者にわかるゆっくりとした口調で解説をなさり、大切なところは繰り返していただけます。

1500本以上の映像アップ数のため、すべてを視聴するには時間がかかりすぎであきらめました。
重要な事案テーマは、同様な講義を繰り返しているそうですから、最近の300本を1日10本ペースで繰り返し視聴しています。



他の漢方のYou Tube映像をアップし講義する先生もおられますが、先生ごとに同じ症状を解説しているにもかかわらず一致しないことがあります。
中医学の対応は弁証論治がベースです。
弁証は、四診という検査で患者様から客観的なデータを集積分析すること。
論治とは弁証結果にもとづいて治療方針を決めることです。
ただ弁証の仕方や論治上の判断解釈の違いから、
同じ症状でも異なる治療方針が述べられることがあります。



ようやく少しだけ中医学の方剤にも馴染みを覚えたと感じられて、本草薬膳学院のテキストを2ヶ月半経過して初めて開きました。
通信教育で自分のペースで勉強を進められるからできることでしょうか。

今日はがんじゅうふぁみりー様の映像で「不眠症」を学び、本草薬膳学院の実用中医薬膳学という専門書レベルのテキストの不眠症の項目を開きました。

するとどうでしょう!

当初から薄々予想していたものの、
がんじゅうふぁみりー様で学んだ内容と本草薬膳学院のテキストでは、弁証論治上の差異がございました。


「人は陽が陰になると寝て、陰が陽になると起きる」

といいます。

ここから不眠症について、
がんじゅうふぁみりー様の講義内容を端折って解説します。

行動モードの発熱を沈静化させて、心身の熱を冷まして寝入ることができます。
それが不眠では、熱が寝ようとしても収まらない。
すると明日に備えて寝ておきたいが、目が冴えて眠れずにいる。
中医学ではこのときに起きる入眠困難を生じさせる熱を把握分析して、
「陰虚虚熱」か「実熱」に分けます。
「虚熱」は、体質という内部からの熱。
「実熱」は、感情や過度な疲労からの熱です。

「実熱」というと難しく感じますが、
メンタルが仕事疲れでネガティブループして目が冴えて眠れなかったり、
恋しい人を思い出したら幸福感が高まって心臓が激しく鼓動し寝れなかったり、
気に食わない上司や友人にされた態度が思い出されて怒りで熱を帯びたりする。

そういったこと、
人生で一度や二度あったかもしれません。
それが実熱による入眠困難な状態です。


対して
「虚熱」は、血や津液が足らない体質のこと。
陽(気)という陽の分類になる熱を帯びたエネルギーは、
恒常性の作用で常に体内を巡るようできているのですが、
寝入るときは陽(気)の熱の亢進を血や津液という陰液で冷ますのです。
(私には原発で使う制御棒のようなイメージのほうがしっくりくるんですが、)
ガソリンを燃やしてた熱を帯びたエンジンを、水冷式のラジエーターの働きでクールダウンさせるイメージです。
でラジエーターを使ってエンジンの熱を下げたいのだが、ラジエーターに水が枯渇していて冷めないままになってしまった。そうなると挙句の果てに熱暴走のトラブルが起こるでしょう。
それと似たことが体内でも起きれば、
寝たくても陰液により気の熱が冷まされず熱いまま。
それにより入眠困難が起こります。


また陰液の中でも特に「血が足らない血虚」のときにも、
睡眠トラブルがおこるのです。
ただ血虚の特徴は入眠はしやすいものの夜間覚醒やうつらうつらとして深く眠れない、多夢といって夢を起きたのちもしばらく覚えている、などの状態が起こります。

結果として、それぞれの弁証による検査結果に対してどのような漢方薬を用いればよいかがわかります。

虚熱」であれば「天王補心丸」または「桂枝加竜骨牡蛎湯」+「六味丸」、「加味帰脾湯」+「六味丸」

「実熱」であれば、心火旺「三黄瀉心湯」、肝鬱「加味逍遙散」、肝心火旺「柴胡加竜骨牡蠣湯」

「血虚」であれば、「加味帰脾湯」

不眠症の道理を中医学的に解説していただいたことにより、
出てきた方剤を観て
なるほどなるほど!です。



と、いつもはここまで学んだら次のがんじゅうふぁみりー様の映像を視聴するのですが、
今回は本草薬膳学院テキストの不眠症の章を開きました。
本草薬膳学院テキストは薬膳学習に特化した専門書で、
本書監修の本草薬膳学院校長、辰巳洋氏は本場中国の方です。
一部、がんじゅうふぁみりー様のご提案いただいた漢方の処方とは異なる点は見受けられました。
まぁそこは本テキストの分類法がよりがんじゅうふぁみりー様の講義よりも、突っ込んだ詳細な分け方をしているからでしょう。
本書内容には高い信頼性があると判断しております。

ただ・・・懇切丁寧ながんじゅうふぁみりー様の講義のような学びやすさは排除され、
大量データが書き連ねられデータ量が20〜30倍に化けた辞典の簡潔さです。
私含め初学者は、相当な苦痛を味わうことになるでしょう。

これを、そっくりそのまま頭に入れるのか!!

そうとわかった瞬間、
不眠症になりそうでした。


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2025年09月08日

ご存知でしょうか? 過去の記憶を思い出す生薬があります『遠志(おんじ)』です



人が生活するにおいて、
ありつづけたい形として。
記憶力』は保ち続けたいですね。

記憶には、
1.肉体へ情報を記憶する作用
2.記憶した情報を読み出す作用

これら2つの連携がうまくいく連携することが大切です。


そうした記憶は{短期記憶}および{長期記憶}の2つに分かれます。
パソコンにたとえるならば、
短期記憶はランダムメモリで高速処理ができます。
長期記憶はハードディスクで記憶容量が多くなる。

私が使う古い10インチのタブレット端末なら、
ランダムメモリは 8GB程度ですが
ハードディスクは1000GBと記憶できる量が大きい作りです。



中医学的に思考すれば
記憶媒体として、
短期記憶は<脳>・長期記憶は<腎>。

「長期記憶も<脳>内に記録されるのでは?」と突っ込まれそうですが、
中医学的には長期記憶は<腎>とされ、記憶力が発揮しづらくなるとき、
腎が虚してトラブルが起きているから補腎の対応をすることがあります。
<腎>が元気になると、霞がかかったような記憶の絵が
くっきり明瞭になる成果が報告されることがあるのです。

そしてこのときに特に影響があるのが
「昔の思い出が記憶の倉庫から取り出せない感じがする。。。」
というお悩みが改善するケースが多い。
それにより長期記憶が<腎>に関係すると結果的にわかるのでしょう。


短期記憶は<脳>がつかさどり、
長期記憶は<腎>がつかさどる。

ただタブレット端末は、
長期記憶の記憶した情報はハードディスクにおいてあるだけでは仕事ができません。
ハードディスクから必要な情報を取り出してから、
ランダムメモリにその情報が届けられて処理されるのです。

それは人間の記憶の仕組みと変わりません。

<腎>に貯蔵された長期記憶から必要な情報を取り出し、
<脳>にその情報が届けられて記憶が思い出せるのです。



<腎>に貯蔵された長期記憶から必要情報を取り出したとします。
<脳>と<腎>とは距離があり、情報をその距離を経て届けられない。
するとどうなるでしょうか?



ちょっと前のことは短期記憶として<脳>が処理するので思い出せる。
だが<腎>の長期記憶に収められる過去の記憶は<脳>まで届かない。
すると「昔の思い出が記憶の倉庫から取り出せない」と、なるのです。


そうした<腎>から<脳>に情報を届けにくい・届けられない。
そのようなパターンの不都合を改善する生薬があります。


それが生薬『遠志(おんじ)』です。


認知症手前の軽度認知障害などにももちいられる生薬ですから、
テレビでも取り上げられあなたもお耳にしたことがあるでしょう。
これから記憶をするという能力がアップするわけではありませんが、
過去の仕事をこなして記憶した仕事の技術を発揮するには効きます。
そういった使い方で生活をバックアップしてくれることは、
ありがたいことですよね。


Google AIでは次のように遠志を解説しております。
遠志(オンジ)はイトヒメハギという植物の根を乾燥させた生薬で、精神を安定させる(安神作用)効果があるとして、不安感、不眠、動悸、物忘れなどに用いられます。また、サポニン類を含み、咳や痰を鎮める去痰作用、利尿作用、消腫作用もあるとされています。有名な漢方処方では、帰脾湯や人参養栄湯などに配合され、近年では「物忘れ改善」の効能で注目を集めています。


遠志は薬性・味 : 性温(温)、味苦辛。
医師または漢方薬局の方々ならば、
このようはを押さえて自分の体質とマッチするかどうか判断することができます。
実際に遠志をご利用を考えておられるかたは、
必ず医師または漢方薬局の方々とご相談の上、
容量や用法を間違えないようになさってください。


ちなみに、メモリーブースターとよばれる
つぼくさ(ゴツコラ)やバコパ・モンニエリを私的に屋上で栽培していますが、
これらは脳に栄養を増やし不要物の排泄を促す効能が期待される成分を含みます。
脳の栄養不足を軽減しアミロイドβのような不要物を効率的に排泄することで
脳という<短期記憶によく効く>ということとなります。


ですから記憶力をよくしたいな〜という場合でも、

自分は
・短期記憶に効かせたい
・長期記憶のトラブル解消したい
・短期記憶と長期記憶のふたつにアプローチが必要だ

自分のケースは上記の3パターンのどこに当てはまるのかを判断し、
最適な対応をしていくことが大切になります。


なので現状の新たなことを学び始めた私には、
ひとまず短期記憶に頼る理解力や判断力が大事となります。
なのでつぼくさやバコパ・モンニエリで脳を賦活させたい。
これらを友としてがんばっていこうと考えている次第です。
posted by スズキ at 08:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月06日

抗癌作用のあるきのこ、よく洗うべし! あと中医学の内科系勉強が進んできて施術にも活かされてきた感じがしました

お世話になっております。

抗癌成分を含むきのこ。
中国や台湾では食材としておいしく食されていますが、
日本ではそれほど知られていないきのこ。
日本にも自生しているらしいです。
私のネット検索では中国や台湾の調理映像が見当たりませんでした。
中国産の乾燥したきのこを手に入れ
干し椎茸の調理を真似ていたのです。
そこで私と同時に本草薬膳学院で学ぶこととなった者に
こうした抗癌成分を含むきのこがあると伝えると。。。
サクサクッと中国本土の調理人が調理する映像を見つけ出してくれました。

大きな袋にはいったそのきのこをごっそりつかみ取り、
洗い場でザルに入れる。
そしてごしごしと汚れを取る。
驚くほどの汚れが。。。
一回目の水洗いでは飽き足らず、二回、三回、四回、、、
えっ、そこまで洗わないとならないの!!
そのくらい水洗いしないとならないのは中国現地っぽ紙包みだから、
特別に汚れが残っているのだろう。
そうだとしても、私は数回さっさと水洗いしただけでしたから、
それでこのきのこをいただいたときに胸がもあっとしたのかな。


で、その映像を観てからきのこをよく洗っていただいてみたら、
干したきのこがちょうどよい感じに水に戻されておいしくなる。
胸がもあっとした気逆する感じはきのこの灰汁だったか、
付着したごみのせいだったか。。。
よく洗っても私にはもあっとした感覚は消えませんでしたが、
だいぶんそれが控えめになっておいしさが増したことに満足。

いい勉強になりました。。。


そのきのこはタキソールという抗癌成分が含まれているそうで、
タキソールは抗がん剤として医療現場でも大活躍しています。
抗がん剤として再発の抑え込みにも利用されているようです。
微小管阻害薬(タキサン系)タキソールは婦人科系のがんに広く適応があり、
細胞分裂で重要な役割を果たす微小管に作用し細胞分裂を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬です。
免疫力全体を低下させてしまうものではないようです。
詳しくはタキソールで検索すると詳細を解説するページが見つかりますので、
そちらを参考にしていただけますと幸いです。

ただ私が施術をしていて感じたのは、
がんを患われたお客様の多くの方々が役立つものかと思いました。

ただ一度や二度、こちらのきのこをいただいたとしても、
どれほどのタキソール含有量かは定かではないのですが。
ただ食品として普通に買って食卓にのぼるものですから、
多量に含まれているようなこともないのでしょう。
定期的にいただくことでいくらかメリットが期待できる。
そこはそれうれしいことです。

ただ特に女性の方に食べて頂いて、
「へぇ〜、こういうのがあるんだ」と知りおいていただくこともいいのでは?


きのこはヘーゼルナッツの切り株から溶液をたっぷり吸い取って
コクがありおいしいですよ。
できれば中国や台湾の現地料理人が調理するものを真似るか、
独自に和風にアレンジしておいしいきのこ料理を作り出そう。
私は自炊はしていますが、
どなたかに自分が作った料理をお出しすることはありません。
いずれこれはおいしいですねといっていただけるよう工夫し
ご紹介できるときがくればうれしいですね。

おもしろいテーマがみつかり喜んでいるところです。


〜〜〜


話は変わりまして。

昨日、久々に仲間内でではございますが、
カンタンな施術をする機会がありました。

最近は内科的な五臓の勉強をしてきたため、
五臓と経絡の関係性をイメージしやすくなりました。
五臓のトラブルを伺ってから経絡の問題とさかのぼって
どこに邪気があるからというのはかわりませんが、
どの順で解こうかという選択が、
いままでとは異なった解釈になっていました。

個人的なことで突っ込んでお話できませんが、
陰虚理由がどこからそうなった?
そこの判断が難しいわけですが、
症状をただ対処するのではなく、
原因にまで遡って対応するには?
そこに至るための観察し熟考するために必要な、
体質のタイプ分けを熟知して判断を的確にする。
カンタンなことではありませんが、
以前はタイプ分けの仕方がその場その場でぐらつくところがありました。
そうなると大胆に手当をするエリアを的確に「ここだ!」とポイントをいくつか選んで手技を施すことができなくて、
手をかける手技の手数が多くなってしまっていたのです。
それが現状のその方の体質状況を把握できてタイプ分けできれば、
施術成果は手技の手数を減らすことでも期待できるようになります。
そうした予想をたてての施術でした。


だいたいはそのイメージ通りに落ち着いたかと思います。
2時間ほどの施術時間を要していた状態から45分ほども
時間を削ることができましたし、
施術での変化は昨今の暑さから体調不良状態で現れた目の下にくまが、
めっきり減少しましたし、
食欲不振だったはずが、
「お腹すいたーーーー」とお腹をぐるぐるさせて訴えてくれていました。


私の自宅だったら砭石温熱器を利用するところ、
出先だったため愛用の砭石刮莎と排酸棒のみで
施術対応が十分できていました。
施術をする私にかかる負担も軽減した手技で十分な成果も収められ、
中医学理論を得て人体を理解して対処するという型ができたときに
施術内容は一見すると一般的にはアプローチする場所は不可解だが、
実はよくよくその手技の一手が考えにしっかり基づいたぶん効果的。

ただ・・・砭石刮莎の利用ですが、
施術の受け手にそれで特定の経穴をプレスしたり、
気の滞りを押し流すことがかなうよう摩擦圧をもちいたりのみでしたが、
「そこ、そこ、痛いけど必要なところだ」といわれたり、
「イタタタ!!」と逃げられたり。
私はそれほど強圧をかけているわけではありません。
ただ触れるべき患部にジャストミートすると、
筋腱のトラブル箇所で気が停滞させられ急性か慢性の炎症を持っておりますから、
的確に当たれば当たるほど痛みが出ます。
ただそうしたときの刺激の加圧度は弱めでも効きはあがりますし、
刺激するときのプレスやこする回数なども少なくできます。
そうしたところも実感できたことはうれしいことです。


気滞による凝りは瘀血にようる凝りと痛みの質が異なります。
そのようなところを説明しながらの施術になりました。
瘀血を流すには砭石刮莎じゃ心もとなくて砭石温熱器が有効ですが、
気滞の凝りを対処するなら砭石刮莎でも対処できるものですね。

また施術をした仲間内が本草薬膳学院に私と同時に入った者で、
自分にあった方剤を服用し始めておりました。
私が自分の体質から八味地黄丸を毎食ごとにとるようにしよう!
というのと同じノリですね。

施術を受けた本人は、
私が少し漢方処方を勉強した内容を伝えましたが、
自分の体質にあった方剤をここ2日ほど前から摂るようにしています。
体質診断から割り出した漢方処方を試してみたことにより、
施術成果が相乗するようであれば上々ですし、
さほど変化なしでもそれでも今後の工夫へつなげて勉強になります。

自分の体調の陰陽等のバランスが意図的に良化するよう変えられないなら
そんな者がなにをいっても説得力の欠片もない。
そうした当たり前の前提を押さえて行動することは大事なことです。
必要な勉強したぶん自分の体調をコントロール可能とできる魔法の杖を授かれる。
そうなれるよう近づけることができるよう願っております。

posted by スズキ at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月05日

書籍のざっくりしたご紹介 (読体術)。 いま、こちらの弁証の仕方を身に着けようとがんばってます!

台風15号が到来のおり、
皆様おかげんはいかがでしょうか。
強い風雨にさいなまれることもきびしいですが、
気圧の変動が著しく体調が不安定になりやすいかと思われます。

私もだるさが感じられて頭が優れない。
私が体調の不安定なときには、
自分だけがそう感じるのではなく、
同様な症状などに苦しんでいる人がおられるはずだと考えております。

どうか御身をご自愛ください。

もし連絡をいただければ、
なにか私にできるアドバイス等があればと願っております。

〜〜〜

いま、私が勉強している体質を分類し漢方処方などへ実践的に役立てる本があります。


■ ========= ■
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症例でわかる東洋医学 読体術 
仙頭正四郎 (著) 

8タイプの体質の説明の中に各タイプの症例治療の実例を掲載し、漢方薬との付き合い方や漢方薬を使う治療の考え方に言及する。 治療経過の実例と照らし合わせることで、漢方治療を受けている人が、今自分がどの段階の治癒過程にあるのかを知ることができる。それは、漢方治療で改善している実感が持てずに、治療を中断してしまうようなことを軽減することにつながる。 自分の体質に合った漢方薬の効果を伝えることで、安心して薬と向き合うことができるようにする。タイプ別漢方薬適合表付き
■ ========= ■

こちらの本に基づいた漢方処方をなさっておられる
がんじゅうふぁみりー様のYouTube映像を根気よく繰り返し視聴してます。
1日に10本前後の投稿映像を視聴していくという実践目標を立てており、
これで半日の時間と膨大な集中力や労力が消費されています。
ですがそうするだけの恩寵見返りがあると実感しております。

がんじゅうふぁみりー様のYouTube映像の本数が1500本を超え、
短期間で全部見きれるとか、観て完璧に覚えきることは難しい。
私の脳のキャパが超えてしまいます。
ですががんじゅうふぁみりー様のゆっくりとした口調で、
同じ内容を初心者の私にもわかるよう噛み砕いて解説をしていただけて。
上掲させていただいた『読体術』の本の内容も理解しやすくなりました。



もともと中医学の診断学に含まれる弁証方法には、
代表的なものを上げるだけでも以下のような種類があります。
・八綱弁証 --- 疾病の綱領を知る
・気血津液弁証 --- 体内のエネルギーと物質から見る
・臓腑弁証
・経絡弁証

これら弁証という分類種を覚えることも多くあります。
中医学基礎が適切に理解できていない状態では、
テキストをとにかくノートに書き写してみても
中途半端以下の理解なため頭に残らないのです。

もちろんまったく覚えられないわけではないが、
使い物として用いるための自信がえられなくて、
この勉強だけで数年かかり途方にくれてしまう。



そんな折に以前よりYouTube上で活躍されておられる
がんじゅうふぁみりー様の映像を観ていると『読体術』をベースに
わかりやすい弁証をなさっておられることを観て、
それから映像を通して「八綱弁証 、気血津液弁証、臓腑弁証、経絡弁証」
以外の弁証の仕方が実際に実践的に利用できていることがわかりました。
薬膳の基本勉強を本格的に取り組む前に、
絶対に体質を把握する技能取得が必須と考えていたので。
読体術についてもう少しがんばって勉強し、
脳にイメージがしみて中医学の弁証(≒体質診断のこと)にも自信がつけば。
ひとりひとりの体質の微差にも寄り添う薬膳を学ぶステップに進めそうです。

薬膳の門の外をうろちょろしている気分で、
はや本草薬膳学院に入ってから二ヶ月経過。
今月半ばくらいからは本草薬膳学院テキストを開いて、
ようやくレポートを提出し始めようと考えています。




ココからは余談ですが、
読体術では、
(気・熱・血・津)の
それぞれについて以下の過不足チェックをして分析していきます。

-不足しているか、
足りているか、
+過剰または停滞しているか

そうすることで、
たとえば私は気の(慢性的な)陽虚体質が顕著だ、
とわかります。
するとどういった性格か、思考の傾向性はどうか、体力はどうか、
などの状況が占い師が占うかのようにぴしゃりと当たるんです。
ちょっとこれは驚異でした。


(気・熱・血・津)がいずれもちょうどいいのが理想体質ですし
性格上も生きやすくなることも大いに期待できるでしょう。
対して(気・熱・血・津)のいずれかが単独または複数にまたがり
不足していたり過剰または停滞すれば、
そうした過不足の量に見合った身体の健全を損ないやすいなどのみにとどまらず、
精神の安定を損傷しやすい性格を持っておられますよということが言えています。

・・・・・というと、
だったらどうにかがんばって
(気・熱・血・津)の過不足なくバランスのよい状態に持っていければ、
自身の性格も思考傾向も精神の安定の上行とともにスムースに変化していく。
それもそうなることに対して、メンタルのみの指導では
(気・熱・血・津)の過不足なくバランスのよい状態に変わるわけではない。
それではいっときは強烈なセッションでマインドが変わった感じがしても、
数日の経過で(気・熱・血・津)の過不足がもとの状態へと戻してしまう。
それが(気・熱・血・津)の過不足なくバランスのよい状態にしてからの
コーチング等での得た勇気づけは継続的に本来のあるべき自分らしさへと
変化の定着がはかられるでしょう。

体質と体調の関係性という肉体面の安定は当然として期待できます。
それと同時に、
体質と性格の関係性の視点からの安定した変化定着も期待できるのでしょう。

東洋医学で言うこころと体は切っても切り離せない関係性があるということからも、これは理解できることでしょう。

たとえばですが、
竜眼肉という薬膳の素材としても使われる生薬は、
(心)を温めて養うといわれています。
この(心)とは、肉体的な心臓と心臓が機能して起きる血液循環の能力のみをさしているのではありません。
心を保養することで安神という精神的な安定が得られるということも、
同時に起こると指摘しております。
つまり肉体的なメリットと同様に精神におけるメリットもみていきます。

精神の安定を図るようにしようという視点を得たのは、
実は精神が不安定になることから多くの病が生じることがわかっていたから。
そのため精神安定や安心感が得られることが大事と捉えていたという、
実利的な面をきっちり捉えた設計がなされたのが東洋医学・中医学。
そのように考えています。

posted by スズキ at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月04日

生薬データベースのおすすめサイト紹介と、気滞と瘀血の凝りの違いと手技での対処の差異について

薬膳を勉強させていただくなかで生薬について理解を深める必要が出てきます。

様々、生薬関係の本に目を通して、現在はざっくりした一般書の「漢方ポケット図鑑(主要漢方49処方、生薬82種)」を利用しています。
サイズの大きな本も手元にはありますが、
こちらの小型のポケット図鑑を観ております。

日本で使用されている生薬の数は、
保険適用の生薬が約150〜240種類。
一般用漢方薬に用いられる生薬は約100種類。
すると残念ながらポケット図鑑に掲載された生薬は82種で、だいぶん足りてません。。



たとえば「香附子(こうぶし)」という生薬を「漢方ポケット図鑑」にあるか調べてみました。
陳皮などと同様に<理気作用>という気の滞りを改善する作用をもち、
{香蘇散(こうそさん)}という女性の利用が多い漢方処方にも使われます。
香附子は私の中では知られる生薬なんだからあるだろうと期待するも、残念!
掲載されてませんでした。



そんなとき、ネットで以下の生薬データベースに頼ります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
■ 伝統医薬データベース(Trad MPD)(富山大学和漢医薬学総合研究所)
https://dentomed.toyama-wakan.net/ja/

生薬に関する各種情報(学術情報、基原植物の遺伝子情報など)、漢方薬に関する各種情報(漢方方剤情報、文献情報など)および生薬に含有される化合物に関する各種情報を調べられるデータベースです。
各種分析結果・試験結果など、一部情報の閲覧にはアカウントの作成が必要です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

写真資料もあり、
私が知りたい情報は網羅されています。
薬用部位、主要成分、薬理作用、臨床応用、頻用疾患、含有方剤、帰経、性、味、神農本草経、中医分類、薬能、薬徴、備考、参考文献。

特に(含有方剤、帰経、性、味、神農本草経、中医分類、薬能、薬徴)などの詳細な項目を載せていただけたことは、
中医学勉強をしようとするものには本当にありがたい!


ネット環境があれば無料でこのような有益な情報を提供していただけるのは、
ほんとうにうれしいですね〜

薬膳や漢方薬の方剤の詳細を調べたい方がおられたら
ご利用をお勧めいたします。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ここから、お話が変わりまして。

「瘀血」によってあらわれた凝りと「気滞」によってあらわれた凝り。

凝りの違いがあるってご存知でしたか?



{瘀血が凝りの元凶}なら、患者様に凝りがどこにあるかと伺えば、
「ここです!ここです!」と自分の手で凝った場所をピンポイントで指し示します。
この凝りは固定的で移動しません。
するとこれで瘀血由来の凝りだろうなと推定されるのです。



対して、
{気滞が凝りの元凶}なら、患者様に凝りがどこにあるかと伺えば、
「おそらく、、ここらへんなんですけど。突っ張ってパンパンになった感じです」といわれることがあります。
また凝りの位置が身体の肩や首の横、脇の肋骨や脇腹などと側面に患部がよくみられる。
この凝りは遊走性で移動することがあります。
するとこれは気滞由来の凝りだろうなと推定されるのです。


では、瘀血由来の凝りと気滞由来の凝り。
手技療法でこの両者の凝りを緩めるとき、
両者を同様に解けばいいものでしょうか?


こういわれたら、
察しの言い方は「違うんでしょ」といいそうですね。

そう、それが正解です。



たとえば
気滞由来の凝りは、
ストレス過多により肝の疏泄が失調したために起きたものですから、
精神的または肉体的にかかる過剰なストレスを取り除くことが必須。
肝の疏泄が失調したとは自律神経系が乱れてしまったということで、
その影響により様々な部位に不調感が遊走するかのように移動する。


なのでもともとの凝りの原因が気滞由来の凝りの方でしたら、
ストレス過多により現れた不調感だろうから、
日常の生活の中で少しずつストレス軽減に身も心も移行するよう
心がけてまいりましょうねということがよろしいでしょう。

というのは気滞傾向のある方の様子を見て、
どこの経脈の位置で気が停滞しているかを把握し、
そうした経絡上の気を通せんぼする邪気を砭石等で押し払うことは、
マッサージや整体などの手技療法でもできるんです。

ですが気滞が起こる原因を理解して、
そこに手を入れて改善を促さなければ同じことが繰り返されるのです。
それは何度も、何度も。

ゴッドハンドといわれる整体の先生が、
患者様を一発で治すといっていましたが、
それはごくごく一時的に気が通るようにして差し上げただけのこと。
ストレス軽減がおこなわれなければ不調状態に何度でも陥るのです。
言ってみれば、そういった凝りの起こり方の仕組みをしっていたら、
私が一度の治療をすればもとに戻らないと断言できないはず。



瘀血由来の凝りを見るだけでも以下の3パターンが見受けられます。

1.栄養不足か脾の消化能力の低下により
血が足らなくなった虚血が原因や、
2.精神的または肉体的に過剰なストレスを被り、
気の流れが停滞し続けたからだったり、
3.冷えによる血行に問題がでたことが原因だったり。


1.で食事による栄養不足や消化能力の不審により瘀血を得て凝り出すとき。
消化能力を向上できるように腹部の凝りなどを緩めて
消化器と大腰筋等の癒着を緩めることは手技療法でできるでしょう。
ただ食事が疎かになり栄養不足となって瘀血が貯まるなら、
それを手技療法でがんばりますというのはおかしいことです。
本人確認の上、どういった食事がいいのかを検討する必要があります。
栄養士でもないし時間も限られていますから、そこまではできないが、
道理を考えれば脾を養う食事を心がけるよう、助言ができればと思います。

2.の場合。
気が血を運ぶ推動作用を発揮することで血液循環が順調に巡るものです。
それが気滞という状態となれば、気が滞ってしまい血を目的の場へ必要な量を運べなくなってしまい、そのために瘀血が形成されていくのです。
たとえば瘀血があるところは、シミが現れたり、皮膚の色が動脈の赤から静脈のなかを通る濃青色の静脈瘤があらわれるでしょう。または吸玉療法(カッピング)や刮莎をすれば、紫や黒などの瘢痕やこすり痕がのこる。こちらは皮下組織に溜まった瘀血が皮膚の上層に現れたものです。
手技療法により、刮莎等で患部に固定して動けなくなった瘀血を押し流して、
本来あるべき瘀血廃液のための配管へと流すことはできます。
ですが1.の消化能の働きの停滞などの影響も同時にあることが多く、
瘀血を流して現状の浄化は必要なことですが、
気滞を生じるストレス軽減に取り組んでいただけるように促すこと。
これは大事ですよね。

3.の場合。
冷えですが、冷えにも内因性の冷えと外因性のものとがあります。
内因性は陽虚体質のような生まれてもらってきた体質のこともありますから、
そこは体質改善できるように気血の流れを手技療法で改善を図ることもできます。
ただ外因性の冷えは、寒い環境下におられる場合と、過剰に冷えた飲食物を摂ることによる場合があります。
こちらに関しては手技療法でなにかができるわけではなく、
寒かったら服をもう一枚多く羽織りましょうとか、
冷えた飲食物は控えめにしましょうという助言を送ること。
そこまでができうることでしょう。


ちなみに上述した様々な場合分けをした原因に対して起きた症状に対応した
漢方薬の処方はございます。
だからそのような漢方薬を服用することで体調は改善することでしょう。
ただこうした漢方薬を服用しているときは対処できるものの、
患者様の御本人がなさられるとよいことを自分の責任において取り組む姿勢が整うことがなければ。。。
そうした漢方薬の服用を取りやめたり手技療法でのサポートを受けなければ、
やがて不調はまたリターンしてくるときもあるのかもしれません。

中医学的な体質を改善することで体調を管理することの理解を進めるにおいて
手技療法による見方をメインにしていたとき以上に、
ここまでは施術者のできることで、
ここからは患者様のなさられることといった仕切りが明瞭になってみえてきました。


口やかましい人に思われないように、笑顔で軽快に「こうしたらいいと思います、ぜひ!試してみてください」と言えるよう心がけられれば。


最後に余談ですが、
気滞による凝りも張っていやなものですが対処のしやすさはありますが、
瘀血による凝りは気を通すだけでは弾き飛ばされてしまう高い壁があります。
瘀血も、カッピングなどの瘢痕を観たり、顔色のくすみや舌裏の静脈の色を見れば、
初期段階は青い感じですが、状態が悪化すると黒さが増していくでしょう。
黒さが増すにつれ腎まで到達する慢性化した厄介な取れづらい状態です。
それもあって気滞の対処にはないところを瘀血の対処では推理して段階を踏んで改善を図る必要がでてまいります。
非常に厄介なものです。
だからこそそういった手技での手当をするとき、砭石の瘀血を浄化するパワフルさを引き出すノウハウが豊富に備えられれば、瘀血の凝りとの対峙にどれほどお客様にも施術者にも安定感と画期的な効果度をもたらしてくれるものか!
今更ながらに、そこは実感するところです。





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2025年09月03日

薬膳素材調査のための高級食材のきのこの調理に、多くの女性がかかる心血虚へ手技でどう対処するものかの考察

中華食材として乾燥したとあるきのこを購入し、
ネットで料理法を調べた。
日本語サイトではまったく情報無し、
中国語サイトには郷里の美味といい、
鶏肉煮込みが最高だと書かれていた。

なぜ鶏肉か?
意味に気になりつつ、
昨日、自宅にあるきゃべつとウインナー
そして醤油だしできのこを入れて作ってみた。
これでも問題ないだろうと思ったのだが、

食してみたら味が濃い!!!
味が濃すぎて身体に変調を感じるほど。

そっこうでお腹ががるがるなりだして、
心臓あたりがウォッと戻しそうになるほどだった。
強烈な薬理効果が期待できるきのこなので、
ゆえに起きるものだろうか?
抗癌作用のあるハーブをお茶等でいただいたとき、
心臓に同種の動悸や上焦の気逆感が実感することとなった。
その際に体感した反応とよく似ていたからです。

これ、なにかあるな。。。

あとでその詳細は中華サイトから調べたが、
ちょっとすんなりとは信用しづらい薬理効果だったため、
きのこの名前を出すことは避けておこうと考えてまして。


昨日の反省をもとに、極力、あっさり味付けにしよう!と考えてみました。
今日、きゃべつとウインナーに塩コショウを少々にしてきのこを入れてみた。

するときのこが持つ独特な風味が活きて美味しくいただけました。
中華食材のなかでも高級なきのこの面目躍如です。
ウォッ。。。と上焦を気逆するなにかはないわけではないが、
身体が温まって体内の気のめぐりがよく続くんだと驚くことに。
知らない食材が世の中にはたくさんあるんですね。
たのしい。

地味に気になった食材を試し、失敗しつつも、
いい勉強になっています。







〜〜〜


話が変わりまして。

ほとんどの女性に知ってほしい中医学の病名「心血虚」。

私が施術をしていたときに女性のお客様から近況の体調や様子をうかがうと、
「心血虚かな?」と思えることがありました。

「心血虚」
心 → 心臓・こころ
血 → 血液と他栄養
虚 → 足りてません

ということですから、

心虚:安静時に心臓が動悸し、心が<※不安感>を生じさせる
(※不安感は、何に対しての不安という明確な事柄はなく、漠然としているがいたたまれないほどの不安です)

血虚:血が足らないか血が滞りめぐりが悪い状態のこと



動悸が気になり病院で心臓検査を受けるも、
「心血虚」であれば心臓に問題はないといわれます。
そうした診断を受けたのちに漢方薬局に顔を出すと、
「心血虚ですね」といわれることがあるようです。

というのも漢方薬局にお越しになられる女性には
「心血虚」による不調で来店なさることが多くて。
そのことを漢方薬局で働く方も経験上知っていて。




女性の多くが「心血虚」となる理由は?

1.女性は生理による定期的な出血で血が失われる。

2.妊娠した女性は胎児に血液を与え育て、
産後は母乳で血液を与えて育てます。
それにより血が失われます。

女性には男性にない、
そうした血を失う機会があり、
心血虚に陥りやすくなっております。

ここからは男女ともにとなりますが、

3.事故や手術等で多量な出血をした

4.血を生成する脾の不調

5.脾を働かせて血を作れない食の摂取
カロリーがあっても栄養が足らないジャンクフードなどを多く摂るなど。


こういった条件により心血虚という中医学上の症状があらわれます。

特に上述した1.2.の女性特有の血が失われた量は重なり、ホットフラッシュや他様々な不調を実感する更年期障害を患いやすいものといいます。

そういった状況であれば補血で足らなくなった量の血を補う必要がありますし、精神的な不調感が大きければそうした点を考慮した加味逍遙散のような処方もあります。
状態を詳細に弁証論治してゆけば、それぞれに適した処方があるようです。

もし安静時の動悸やこころの不安につらいとき。
ひとまずは動悸から病院で診察検査を受けていただき、
心臓に器質的・機能的な問題がないとわかれば漢方薬局にてご相談するのもいいのでしょう。



と、ここまでは今私が勉強している方剤のことですが、
施術で心血虚をどう対処するか?
考えていました。

この血虚状態では、
安静時の動悸だが数歩、数分歩くと動悸がおさまることがあります。
それは血の量が減少したため流れづらくなったため、
または血の流れを停滞させる血管等を物理的に圧して血流を阻害させる状態があることを示します。

血流を阻害させるよう血管を圧迫する凝りは、
主に関節周りや経脈が交会する箇所などにあるため、
その凝りを挟んで心臓から近い部分と遠位の部位の
脈をみれるところを見つけて測れば問題の軽重は理解できるでしょう。

また経絡のトラブルがおきるところは気の流れが滞ります。
そうした気滞と呼ばれる状態にあれば、血は気により運ばれるものであるため気が滞ることで血も結果的に滞るのです。

なので気の流れを再開させるように瘀血が介在した部分を流して気血を通したり血管の圧迫を解除して流れやすい血管内の液の流動を確保する。
こうしたときに砭石の利用が瘀血のブロックを非常に要領よく改善してくれるわけです。
砭石の多様なもちい方を砭法として、
軽く叩いたりこすったりなどの特別なリリース方法をもちいます。
確かにこうすると内部の瘀血に変化が起き、
砭石をもちいることを発見した中国人に脱帽感謝です。

あとは骨格上の並びが整理されない現状であれば、
それが回復できなければ経絡上のトラブルがあり、
疏泄がうまくいかない。
これにより血虚状態に体内は陥ることでしょう。


こういったことは普通に手技にて対応できるし対応していたことです。

ただ血虚が血が滞ることで現れる様子だけではなく、
文字通り血が物理的に足らない場合もあります。

補血って、手技でどうやるんでしょう????

薬膳や漢方では補血薬として、
または同時に津液も足らなければ補陰薬として、
こうした食材を摂りましょうねとか、
こうした漢方は補血薬や補陰薬として使えますよ、
といった指示や処方はできます。
そういった漢方薬名を、いま、私は覚えているところでして。
(※漢方薬をもちいたい場合には医師または薬剤師に処方をお願いしてください)


補血としてではないが、オステオパシーで学んだ肝臓へのマニピュレーションにより肝臓の異常な熱が冷めて正常になれば疏泄がうまくいくようなので疏肝理気といったことに、こちらはすこし成果上の重なりがあるのだろうか。

または姿勢均整術の書籍「全脊椎の作用と性質」黒川先生のご著書より
C7 血管中枢
D8 赤血球の中枢
などのちょっと補血と理気が交じるが調整をすることで、
補血のきっかけをつくれるものであろうか?
こうしたことは施術中に見立てていて、トラブルをお持ちのお客様がおられれば調整はしていたが、
残念ながら私の手技力のつたなさか十分な補血の作用を観られるような脈状にまで変わった方はいなかったと思う。


ようすうるに、
こうした補血の作用を期待する場合には、
手技療法でもできるところはありますが、
成果が出しづらいことがあるということ。
そこも私には見えてきていました。

そうであれば手技にこだわらずに、
薬膳素材等により補血をかなえることを加えるほうが
実利が大きくなるでしょう。
そうした考えに帰着しました。


実際のところ私も年齢が進み、
同時に数年以上の単位でお通いいただいている
お客様も年齢が進みました。
そうなってくると手技でのサクッとした安定は、
お客様がそのときの素地としてもっておられる
体力を引き起こして治癒につなげてきましたが。
そうした部分は加齢が進むことで腎気が弱まり、
いままでのようにはいかなくなってきます。


そうしたときこそ、もとの体質にまで顧みて、
そうしたところでの安定を図ることがあれば、
手技で操作し効果を実感できることでしょう。



手技の使い勝手の素晴らしさは確実にあります。
ただ手技では対処不向きなこともあるのです。

いま、中医学を学びを深められて、
私がしてきた手技とそうした中医学の得意を比べ観て
両者の得手不得手を多少実感し初めています。
そうした両者の得手部分を取り入れることができれば
だいぶ興味深いことになるだろうとイメージは膨らみます。






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2025年09月02日

薬膳素材を単体で効かせるよりも、漢方の処方のように素材の作用を知って組み合わせることで、もっと体質改善作用を高める、、、のが薬膳か?

「肝」は過剰なストレスを受けて機能が停滞しやすい臓器の一つです。
肝には疏泄作用(そせつさよう)とよばれる、気の流れを全身にスムースに巡らせ機能があります。
血は気の流れに乗っかることにより血の栄養を必要とする場所まで運ばれる仕組みです。
ストレスにより肝の疏泄作用が失調して気が停滞すると肝気鬱結(かんきうっけつ)と呼ばれる実質的な自律神経が失調された状態に陥ることがあります。

気が体内で滞ると、脹痛と呼ばれるみぞおちとオヘソの間あたりのお腹がパンパンと張って苦しかったり、肩が張ったりと、張りがつらい気分になっているのが気滞の特徴です。

そうした気がとどこおる状態になったときにリカバリーするため気を疏通させる作用(=理気作用)を持つ食材等があるんです。
《食物性味表》では45種類もの理気類、行気、疏肝と呼ばれる気の滞りを改善する食材が紹介されています。

ローリエ(=月桂樹の葉)やライチなどもありますが。。。
みかんの皮を乾燥させた陳皮(ちんぴ)もそうですし、
山査子(さんざし)もそうですね。
他に、オレンジ、きんかん、ぐみ、グレープフルーツ、シークヮーサー、すだち、ぶんたん、ゆず、ゆず皮、れもんの皮など。
それら柑橘系の食材の味や香りをイメージすると口の中が酸っぱくなってきます。

それらを単体でいただくことでも理気効果は期待できるものの、
個人的にはオレンジをいただいただけで気滞が解消して清々しくなったとか、
肩の張りが減ったとか腰の張りとみぞおちの張りが減ったなとか、、、なかなか実感できるものではありません。
ささやかな気滞があるのみであれば効果は十分出るだろうが、
残念ながら、よっぽど気が滞っているのでしょう。

そうしたときに、たとえば陳皮(ちんぴ:乾燥させたみかんの皮)も使われる《抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)》のような肝の高ぶりを抑えて気・血の巡りを良くしてくれる処方が生まれます。
他の生薬の効果や効能を相乗させて強化したプログラムを組むことでの対応が可能となります。
ある意味、個性的な面々が大活躍するようチームづくりをすることで、生薬単体ではかなえられない綿密で細やかな守備や攻撃ができるようにするイメージでしょうか。

《薬効成分が強い生薬》でかってなことをするのはリスクが高いのでNGですが、、、。
薬膳食材として安全な素材であれば、漢方の処方を真似たものを自作する。
薬膳性味表は、そうするときに大変参考になります。
無論、それは漢方の処方と比べれば効果は少ないでしょう。
ですが薬膳のための勉強になるだろうと思います。
自分なりに少し薬膳のイメージが見えてきました。

ただ現在は自分がしたいような中医学基礎と漢方薬の勉強ばかりして本草薬膳学院のテキストをほとんど開いてないので。
あとでレポート提出しなきゃならないのでその前には、
かなりテンパるだろうとちょっと怖いところがあります。





ここからは余談です。

私の体質は【腎陽虚】ゆえに、
その改善の代表的漢方処方、八味地黄丸を試そうとトライ中。
なんらかの変化が一ヶ月以内に起きれば勉強になるだろうと、
こころより期待しているところです。
もしも体調不良に陥ったとしても、それはそれで勉強になる。
なにも起きた気がしないというのだけは、、、残念すぎる。

ただ数日、八味地黄丸を一日に食前や食中や思い出して食後に摂るようにして、
脈を測るとすでに変化は感じられている。
今日びの、暑さがきびしい日々、室温もそう強くエアコンをかけていないので、
そうなると脈は浮くのが普通であろう。
ゆえに脈は浮脈となっている。
脈管中の血液の量が減じられているのは
飲食物による水分摂取が少なくて汗の排出量が過多となっていることでわかる。
ただ脈管を流れる脈のリズムが非常に安定しており一定のリズムで流れている。
脈拍数も、理想状態で乱れがあまりない。
だいぶん暑さが身体に応えてきて、
運動機会が激減して筋肉が痩せだした。
そうなれば脈が早くなるのが道理です。。。
それなのに脈のリズムがテンポよく打たれているのは、
八味地黄丸を試す前以上の安定感を持って感じられる。

まぁクコの実、蓮の実、竜眼肉、山査子等々の、
思うところの脾を養い気滞を改善させる補助を八味地黄丸以外にも同時進行で試しているので。
どれがどれの成果によって生じたのかの割合は図ることができないのは残念なところですが。。
脈診や舌診をすることで予想よりもよいバックアップを受けているような実感ができたのは、
非常にありがたいことです。
これで頭がしっかりして勉強もはかどります。

手技療法家は、、、、どうしても自分で自分へ手技して治すのはできない。
だいぶんパフォーマンスが落ちたことはできるんですが、
背中や仙骨や後頭骨等の脊椎関係の微調整ができないから、
私が日ごろしている、すべての脊椎骨の神経支配を見通した調整はまったくできないといっていい。

ですが薬膳素材や漢方処方では、自分が学んでじぶんを助けるためのネックはまったくありません。
そこは非常に気に入っています。


また私と長い付き合いの人が同時に本草薬膳学院にて学び始めたのですが、
その方も今日から自身の体質を見極めて適した漢方処方を試し始めました。
私のようなクコの実や竜眼肉やらと小賢しい同時進行をしない方ですから、
漢方処方が成果がでるか不調となるかなどが一ヶ月以内にわかるはずです。
PlanーDoーSeeを高速で回して失敗からも学びを得て経験値を高めることって大切でしょう。








posted by スズキ at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月01日

表面的に判断すると停滞しっぺ返しがある難しさがあるんですね


中医学の健康の定義は、
《健康とは、気・熱・血・津が過不足なく常に体内を巡っていること》
現状の体をそういった健康に定義された体質と着地するよう計算して、
いくことで体質の乱れを修正するのです。


中医学の先生が中医学独自の診断法(四診)で
患者様の体質を判断する情報を集めます。
そのうえで、
「あなたは実証ですよ」
「あなたは虚証ですね」
というように中医学には虚実で証を分ける考え方があります。

こうした証の決定から治療方針がでて治療がはじまり。

ただここで注意しなければならないことがあります。

たとえば、
虚証は以下の4タイプにわかれます。
・気虚タイプ
・陽虚タイプ
・血虚タイプ
・陰虚タイプ
の4つです。
(注意:さらに分けることもできますが、ここでは4つにします)

◯ 気虚タイプは気が不足した状態です。
◯ 陽虚タイプは熱が不足した状態です。
⚫️ 血虚タイプは血が不足した状態です。
⚫️ 陰虚タイプは津が不足した状態です。

気と熱は《エネルギー》で、目に見える《物質ではありません》。
対して血と津(津液)は目に見えて触れることができる《物質です》。

そのような異なる特徴があります。

そして。
⚫️ 血虚、陰虚という血や津という物質が不足すると、
気や熱のエネルギーが亢進したときの歯止めが効かなくなります。
そんなときのために気や熱のエネルギーを調整したいとき、
血や津液が投入されて行き過ぎた気や熱がちょうどいい加減になるよう
冷ます役割を血や津液が持っているのです。

これは高温加熱された自動車のエンジンをラジエーターの冷却装置で冷ます役割と似た関係です。
冷却装置で冷まされなかったエンジンは、過剰な熱でヒートアップしすぎることで、
理想的なエンジン駆動が得られないばかりかエンジン自体が壊れることもありますよね。
そうならないように熱くなりすぎたら水で冷まして適温をキープするというやり方が、
人体の気と熱が過剰となれば血と津液により抑制されるやり方が用いられているということとなります。


説明させていただいた気・熱と血・津液の関係を理解すれば

気虚用、陽虚用、血虚用、陰虚用とそれぞれ違うものが処方されることが納得できるでしょう。

気が不足した気虚なら気を足す処方です。
補気剤と呼ばれるものを処方するのです。

では、気は十分に足りてますが、
血が足りていなかったとします。
そのときは足らない分の血を補う処方をするのが正解です。
ところが虚証のおクスリというといくつか代表的な漢方の処方があり、
そうした代表的な漢方を使えばいいと勝手に思い込んでしまうとトラブルが起こります。

たとえば、気と熱は不足していなくて血虚で血が不足してるとき。
気虚・陽虚も血虚も、虚証のひとくくりだと大雑把に考えて、
血が足らずのを無視して気を補う処方をしたとしましょう。

エンジンでいえば、エンジンの高熱を冷ましたいが、
ラジエーターの冷却水が足らなくてエンジンの熱が下げられないとき、
さらにエンジンを高熱度合いを増やすような操作をするのと同じです。
こうした自動車が普通に走れる訳ありません。

人体で言えば気が増えて暴走しようとしているから抑制したいのに、
さらに暴走するエネルギーばかり増やしてしまった状態です。。。

体の中は血が足らず潤いも減って乾燥します。
同時に気の過剰はそうした乾燥を更に強めて、
治療前以上に気・血・津液のバランスが乱れ体調不良が増加します。


私が以前、独学で中医学を勉強しだしたとき、
自らこうした失敗を地で行く体験があります。
ある意味、体調絶不調のときの泣きっ面に蜂。

これが病が深部へと入り込んだ深刻な人では、
甚大な被害をもたらす場合も考えられます。
正確に中医学基礎の概念を把握できなければ
とんでもないリスクが潜んでいます。

そうしたことがある反面、
結果に安定感がでてくるまで
先人の知恵や知見をいただくことで、
不測によるリスクは軽減できるでしょう。
ただ勉強が進めば、
未熟さ故になしたミスをそのとき悟るでしょう。
そうした面など問題もいくつもあるものですね。


いまは薬膳関係の知識拡充がメインで作業していますが、
私のイメージでは、
中医学で学んだことは最大限応用が効くでしょう。
食養生へと落とし込みと、
ソフトティシュな手技の精度を高める知恵の源としたいと考えています。

posted by スズキ at 15:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年08月31日

ハーブの効能を活かすも殺すもケースバイケース。その人のいまの体質を適切に読むことに重きをおいて活かしたいですよね。


武蔵小山で乾燥しカットされた{山査子(さんざし)}を
試しに買ってみました。
ドライフルーツとしてそのままをいただくと、
バラ科のローズヒップと似たすっぱくて甘い風味です。
ビタミンCが豊富で抗酸化力が高いのです。
個人の感想ですがドライフルーツとしては
すっぱすぎて好んで食べたいとは思えない。
ですが紅茶に3こほど入れたら状況は一転。
リッチな感じのお茶の時間が楽しめました。


薬膳食典 食物性味表}で山査子を調べると以下の通り。

========================
さんざし(山楂子:山楂)
バラ科サンザシ属
性味:微温 / 酸甘
帰経:脾胃肝
効能:消食 健胃 行気 活血 利尿 止瀉
適応:消化不良(肉類)、胃もたれ、血瘀症、産後の回復、むくみ、下痢、高血圧
主な栄養素:カルシウム56.9mg マグネシウム14.8mg VC81mg 鉄0.75mg
主な機能成分:カテキン(抗酸化、抗高血圧)、ケルセチン(免疫機能調節、抗糖尿病)、クロロゲン酸(抗酸化、抗老化)、サポニン(抗動脈硬化、抗糖尿病、抗血栓)
備考:ビタミン、ミネラルに富む。なかでもビタミンCが非常に多い
カロリー量の記載なし
========================


山査子のこととは離れますが、
「食物性味表」について書くことを許してください。
上掲した「性味」や「帰経」や「効能」欄の専門用語に馴染みがなく、
以前はアレルギーを起こしてやる気を削がれていたことがあります。
そうなると薬膳知識を増やしたくても先に進まず記憶に残りません。


ですが中医学基礎が理解できると内容が見えてきます。
性味」と「帰経」の関連する五臓がわかると、
効能」の内容が少し絞り出されてるんですね。
適応」は「効能」を日本語として具体的に明記した表し方です。
そのように「性味」「帰経」「効能」「適応」などの欄は
それぞれに書かれていることが絶妙に関係しあっているようです。
その基本がわかってくるとアレルギーは起こらず覚えやすくなり、
おもしろさが実感できるようになりました。

こちらが後におこなう予定である
体質を修正し改善を施す薬膳を目指すには
シンプルに漢字で表記された「性味」「帰経」「効能」
これら欄に書かれた項目に表された内容が、
個人の体質を調整する大事な【鍵】となるのです。
わかってくると結果が先に見えてくるでしょう。

山査子は、血瘀を流し改善する効能がありますから、
シミを減らして体内の凝りや冷えなどを軽減します。
ですがそうした効能故に、
場合により困ったことを引き起こします。
手術や出産後等に凝血して血が止まり傷が治る必要があるとき。
山査子をいただくと凝血しづらくなって、
いつまでも血が止まらず手術痕や傷痕が消えなくなることも


不正確で浅い知識では問題発生の落とし穴にはまります。
効果は反転しやったことが危険な行為となり台無しです。

たとえば山査子以外の以下のものも血液サラサラ効果があります。

センシンレン
ナツシロギク
ニンニク
イチョウ
セイヨウトチノキ
ウコン



高い効能を持つハーブは、
使い方や使い所や使い時は利用経験と厳密な計画をもって利用することが肝要です。
失敗すると心配をなくせるよう調べに調べておけば上々です。
ただそうした用意周到な対策をしても失敗することもあるわけです。
そこまで調べて行動すれば学びが大きく成長が著しくなるでしょう。

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2025年08月30日

脳を守るためのバリア脳関門をくぐり抜ける生薬があった!記憶力アップ!?認知機能向上も!

危険な物質が自由自在に脳に侵入したら、大事です。
脳には血液により栄養の供給や老廃物の排泄がなされますが、
血液が脳へ送り込まれるときに関所のようなものがあります。
脳へ取り入れていい物質かどうか判断する(脳関門)がそれにあたります。



では、
脳関門を通過する物質』をAIで調べると、次のように出てまいります。

【脳関門を通過する物質には、分子が小さい栄養素(ブドウ糖、アミノ酸など)や、特定の薬剤(アルコール、カフェイン、抗うつ薬など)があります。通過できるかどうかは物質のサイズや化学的性質に依存し、分子の大きなタンパク質や水溶性の高い物質は通過しにくいです。また、脳の恒常性を保つための輸送体(トランスポーター)が栄養素の取り込みや毒物の排泄に関与しています。】



アーユルヴェーダ医学でブラフミーという神の名を別名で冠するほど健脳の成果が高いことで重要視される『ゴツコラ(つぼくさ)』や『バコパ・モニエラ』には、
脳関門を通過できる物質が含まれていて脳機能を回復・改善させるハーブとして西洋やインド等で広くもちいられております。
5000年もの昔にはゴツコラ等は脳に良いハーブと経験からわかっていましたが、
現在では脳関門をすり抜けて脳に血液を送り込む成分が入っていることが研究者により証明されております。
そして軽度認知機能障害の対応処方としてアーユルヴェーダ医には、それらをよくつかう定番となっております。
そこの話は、私も好きで多くの関連図書を和書から洋書まで読み漁って知識を深めたことがあります。


では漢方でもゴツコラバコパ・モニエラ同様に(脳関門を通り抜けできる物質を含む)生薬がないものか?

調べてみました。
こうした情報は一般書レベルの漢方の書籍では見当たりませんでしたし、
ネットで検索しても見当たらなくて不思議に感じていました。
ただがんじゅうふぁみりーさんのYouTube映像を観て勉強していると、
生薬の(川芎:せんきゅう)ともう一つの生薬に脳関門をすり抜ける物質を含まれているといいます。
だから漢方で脳機能を向上させたいときの処方に、
川芎が含まれることが多々でてきます。
認知症の手前の段階と知られる軽度認知機能障害のときには、
この川芎が含まれた処方をされることが散見されております。


ゴツコラやバコパモニエラについての情報は、
英語で書かれた洋書や研究者による論文がリソースとなり、
それらにより存じ上げておりました。
対して私は漢方処方の生薬にも、
ゴツコラ同様に脳関門をすり抜ける物質が含まれる生薬があるのでは?
と推測していましたので。

やっぱりあったか! 川芎(せんきゅ!)

でした。
漢方生薬でも脳関門を通り抜ける物質を持った生薬、
期待大です。

ただ川芎の他の生薬の効果を倍に高める作用などは
非常にわかりよく説明されています。
ですが脳関門を通り抜ける物質の科学的なデータを
なかなか知ることはできておりません。
どれほどの脳関門をくぐり抜ける作用があるかなどもわかりません。
そこは説得力を持ってもちいるときには、
そうした裏付けを私が知っていることが大切です。
今後、何度か大きめな書店等で本を見つけるか、
中国語の中医学サイトから見つけ出せないか、
探ってみたいと考えています。
もし川芎の効能を証明する論文等を
ご存知のお方がおられましたら、
お教えいただけますと非常にうれしいです。
どうかよろしくお願いいたします。)





私の自宅から徒歩20分ほどにある星薬科大の薬用園に「川芎」が植えてあった記憶があります。
そのときは川芎の効能をよく知らなかったから名前だけ聞き覚えあるのみで、
1分も時間をかけることのない観察だった覚えがあります。
いずれまた星薬科大の薬草園を見に行く機会があれば、
よく観察し周囲に植物を世話をしている人がいたら、
詳細を尋ねてみることができればと願っております。



あと川芎のサンプル素材がほしいと考えています。
価格は熊の手とか鹿茸とか動物系の精力剤ほどはしませんから、
買って買えないこともないものの、、、。
医薬品扱いで手に入りづらかったり
安くはない高価さからも躊躇します。。
中華街の中華食材を販売する店に、
小分けで川芎が入手しやすい価格であればうれしいのですが。
今度探しに行こうと考えております。


軽度認知機能障害の患者様に対してアーユルヴェーダ医が処方するとき、
脳関門を通り抜ける物質を含むゴツコラ単体で出すだけではなく、
症状により他のハーブも同時に処方していた記憶があります。
伝統医学ではインドのアーユルヴェーダでも、中国の中医学でも。
詳しく語れるほどではございませんが、
なにか共通したロジックがあるように見受けられますね。


posted by スズキ at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする