先日テレビを観ていたら(アンビリバボーだったかな?)、
虐待を受けて足を1本失った犬を引き取った女性の話がありました。
足を一本失った犬は、施設に入れられて引き取ってくれる飼い主を待っていましたが、
引き取り手が見つかりづらい条件がそろっている。
やがてはこの犬を獣医が安楽死という判断をくだすだろう。
そう考えて、どうしてもそれを止めなければならないと感じた女性は、
すでに3匹の犬を飼っていたにもかかわらず、その犬を引き取りました。
当初は人に対して恐怖があったためかなつかなかった犬も、
やがて飼い主になついてべったり。
そしてあるとき。
彼女の家に友人が訪ねてお茶しながら談笑していました。
その犬が、飼い主の女性の左側の胸を見つめて悲しそうな目でみています。
飼い主は、最近よくする犬のこの行動にわけがわからない様子です。
だから「ちょっとあっちにいってて〜」というけど、
犬は飼い主の左胸にすり寄って離れようとしない。
それを観ていた友達が「犬には人には感じ取れないようなことも感じ取るというから・・・」
そうやって飼い主の女性はあらためて左胸を触ったとき、しこりをみつけました。
医者からはステージ3の乳がんと診断され、それからつらい副作用のある治療の末、
乳がんの病に打ち勝ちました。
もし犬のあの行動がなければ、飼い主の女性の母が乳がんで亡くなったように自分もそうなる運命だったろう。
それを、私が犬を助けたように、こんどは犬が私を助けてくれたのよ。。。
犬の嗅覚は人間の1億倍といわれております。
犬の中にはがんのにおいに反応するものもおり、がん探知犬として活躍するものもいるそうで、
その犬にはがん探知犬としての素養があったのでしょう。
わたしもステキな人と犬とのパートナーシップに感動しました。
私のよくしていただいている方やお客様の中にも乳がんをわずらわれた方がおられます。
さいわいにしてみなさま、ご本人が幸運な方々で初期段階で発見され、
一定期間の再発がないか確認する検査を受けておられます。
現在、どのような割合により乳がんになられる女性がおられるのか。
そう疑問を持ち、調べてみました。
ネット検索で島津製作所の乳がん関係のページで確認したら、
いま、乳がんになる方は9人に1人。
https://www.shimadzu.co.jp/pinkribbon/learn/index.html?msclkid=3d023e7eb93111ec924dfaa8e1f6569a私は数年前、12人に1人という数字が頭にあり、
増加傾向にあると知りました。。
早期にみつかることが大切です。
それがコロナ禍という医療資源の難しい采配時期には、
それまでのような定期健診を受診しづらくされていました。
おそらくいまは、徐々に医療体制が落ちついてもきているようですから、
がん探知犬がいない私どもでも早期に発見していただけるようになっていただければと、
このテレビの再現映像を視て感じました。
余談となりますが、
施術で4年ほど前のこと。
お客様は乳がんではないのですが
近しいご親族に乳がんになられた方がいて気になってしかたがない、という方がおられました。
私には乳がんになる要因や仕組みは書籍等はチェックはしておりましても、
それは通り一辺倒の状況を理解できるだけの知識があるにすぎません。
それで不用意なことをいうのは、お客様の判断を妨げになりそうでした。
慎重な答えにならざるをえません。
分母になる母数が少なすぎるものですが、
乳がんになられた方の様子を筋骨格系の状況で脳裏で検証すると、
上部の肋骨1番から4番までが詰まりが強い印象を持っていました。
頚部の芯の硬化により、上部肋骨が引き上げられて固定しており、
肩関節の位置が正常な位置よりずれたままの位置で保持されている様子が気になっていました。
肩関節がずれた状態であれば腋下にボール状に膠着した凝りが入りやすくなります。
このお客様は、パソコンを使って長時間にわたる仕事をなさっておられ、
首、腕、腰につよい凝りを入れておられ、少し腕が前方へと捻転していることがわかります。
なので、以下の絵のような状態で腋下の凝りや詰まりは取っておくようにしたほうがいいおでは?
とお話させていただいたことがあります。

側臥位でソフトタイプの電熱ヒートマットを使い、腋下の凝りを緩めるようにすると、
肩をもまれるよりも数倍効率的に肩や首の凝りがゆるむのです。
すでに腋下の凝りが強まり上部肋骨の位置が上方へとずれてしまうとき、
体側の伸びが思わしくなくなるため電熱ヒートマットが最大に当てていきたい患部の凝りに当たりません。
それをふせぐために厚手の毛布を電熱ヒートマットの下に敷いて底上げしてヒーターと側部との密着をはかります。
そして同時にうまく腋下含め体側部をストレッチさせるようにしたのです。
身体の胴体の胸郭という肋骨と胸椎と胸骨で囲われた鳥かご構造。
それの前後に位置する筋肉は、身体を支えることに特化しています。
上半身を前後に急激にゆすぶられる動きをすると、体を支えるバランスが保てなくなり、
呼吸筋が体の支えに使われだして呼吸がしづらく感じるでしょう。
それにその運動の最中は腕をどうやって思うところに出していいか定められず苦心するでしょう。
それが胴体の胸郭体側部を左右交互に伸ばし縮めをするときには、
呼吸があがって息がしづらくなることもなく、
思うようなところへ手を伸ばすこともできます。
それは肋骨部の構造を観察すれば、前後には胸椎や胸骨という伸縮できない組織があるため動けず、
左右の体側部は12本ある肋骨の肋間というスペースが多数空いているため、このスペースを広げたり狭めることで、
前鋸筋の肩甲骨操作も手伝って非常に強力な力が腕に宿りだします。
(※肋骨12本とは書きましたが、下部肋骨の11・12などは浮遊肋骨であり体側の動きには関与していないでしょう)
このような腕の動きがかなえられるには理想位置に腕を設置できていなければならず、
そこの位置からずれが大きくなってしまったまま固定されてしまうと、様々な不具合がでてきます。
それはたとえば肩甲骨が上や外方へとずれて腕の置き場が腋下の筋に始終緊張を強いるようになり、
腋下のボール状の凝りが現れたり。
それにともない大胸筋が凝って胸部を締め付けたり。
胸郭の位置や腕の位置がずれたことにより首や頭部の垂直性がずれて頚部の傾斜がおこり、
首の骨がゆがむに比例して頚椎の頭部を支える力が削がれ、
それをカバーするために首の芯の部位に締め付けるような凝りを入れてしまうのです。
そういった状態を長期にわたって維持するのはよくないことだと、
常々考えていました。
私もどうやってそこを改善することができるのかを、
自分でさまざま試してみたところ、
やり方としては難しくはなく、痛みのような不快感もない、
上部の絵のような腋下を広い面で効率よく温めるというやり方を考えだしました。
それでお伝えしたのです。
「腋下の凝りを取りたいだけだったら脇の下に収まる小さない使い捨てカイロでもいいだろうに、
わざわざ大きな電熱ヒートマットを買う必要なしじゃないの?」
と思われるかもしれません。
専門家の先生なら、乳房を覆う部位にあるテンションがかかる筋は大胸筋だから、
その大胸筋の腋下の上腕骨大結節稜を温めるというので済ませても問題ないじゃん!と。
ですが胸郭の体側部にはその部位を上下や斜めに伸びた筋や靭帯がパッケージするラインがあり、
それら全体は腋下にボール状の凝りができているときは緊張して引き連れてしまっています。
なおかつです。
前鋸筋の凝りが強くなって肩甲骨が外転し、その位置に固定されている場合には、
背中側が肩甲骨が外の移行しっぱなしにされたことにより菱形筋部位の引き延ばされ、
それによる張ってしまってつらいということになります。
すると胸式呼吸を妨げる状態に陥っていることとなり、その呼吸のしづらさは、肩を無意識下で上に持ち上げて少しでも呼吸ができるようにしてしまう。
それもまた腋下のボール状の凝りができる理由です。
胸郭体側の肋骨全体をカバーするサイズのヒートマットを使うことで、
前鋸筋の起始部となる骨に付く腱の凝りを緩めることができると、
前鋸筋の停止の肩甲骨の位置が修正されやすくなり、
胸と腕の関係を理想位置に起きやすく改善できるのです。
それに前鋸筋のトリガーポイントが脇の体側の起始部にあるのですが、
この部位の凝りは根が張ると炎症があっても本人的に気づかれない。
ただ他動的な圧を私どもがかけると、
「きゃー−−」と叫ぶような激痛が。
いずれは側胸部の差し込む痛みが出るのですが、
そこへいくまでの過程にいた状態だと気づくでしょう。
この体側にある前鋸筋が胸郭の運動をつかさどるもので、
こちらが凝って異常な緊張を持つことがあれば、
胸郭の形状全体が整わなくなってしまうのです。
そこを見計らって効率よいアプローチをするには、
ビックサイズの温熱ヒートマットがあると便利なんですね。
乳がんに対処するやり方ではありませんでしたが、
乳がんになられる方の多くが首や肩や胸部に芯の凝りがはいっているようです。
そういった首や肩などの凝りをとりあえず楽になるセルフメンテの方法のひとつとして、
紹介させていただきました。
ご参考までに。
また、細かい姿勢のアドバイスなどは上図では描き切れていませんから。
もしお通いになられているお客様で、
実際にこの状態になって試してみたいという方がいたら気軽にお申し出ください。