2022年08月01日

副鼻腔の炎症は、首の筋肉の凝りからくるときもありますよ。

アプライドキネシオロジーによりそれぞれの筋肉の持つ影響からあらわされている。

副鼻腔」に関係する筋肉の組織として、
頭板状筋、頚板状筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、胸鎖関節があります。


副鼻腔炎に関係する筋肉群.png

これらの筋群が構造的欠陥をもつと、
内科的特徴として{副鼻腔炎}が現れるケースがあるのです。




手軽なセルフケアの方法としてとられることは、
排酸棒で、これらの筋群を筋の流れに沿ってマッサージを加えるやり方でしょう。



排酸棒で患部をなぞると、筋肉の硬化した状態にある部位の凹凸が指先につたわります。
それにより凝りがあるかどうかが手に取るようにわかります。
そして排酸棒によるケアは、お風呂に入浴するときなどで気軽に行えるのがいいでしょう。


ただ上述した筋群が硬化が強すぎるとき、
まんべんなく排酸棒をかけられればいいが、なかなかそうたやすくはいきません。
セルフケアのときは特に解かれるところのムラがでやすいようです。
つまりある程度軟らかいところはどんどん解けるけど、
硬さが強いところはちょっとやそっとでは解けなくて。
普通に排酸棒で患部全体をなでるようにリリースをしていては、
硬さが強い部分はそのまま残り、柔らかさがあるところばかりがとけだす。
すると一本の筋の中でも硬軟が極端に分かれた状態に陥ってしまうことに。
そうしたコントラストの強くなった硬軟のある筋肉は血行が悪くなります。

だからそういったときには。
ベン石の温熱器などで硬化が強い患部の筋の凸に加温されたベン石の温熱器を当てて
熱刺激を先行して送っておきます。
そうすることにより硬化が著しい場所を軟化させる下準備をおこなうことで、
筋肉の硬軟のムラがでることを防ぐことで、長い時間、その部位の筋に血液の流通がいい状態が維持できるでしょう。

ちなみにベン石温熱器を患部に当てても患部の凝りが凸凹となっているところを把握はできるのですが、
排酸棒で患部を観たときにくらべると明瞭さに欠けるでしょう。
ベン石温熱器を使い慣れている私でも、そのように感じます。

患部の状態を正確に把握して過不足なくちょうどいい分量の凝りを軽減させるには、
やはり排酸棒、使えますよね。


私が去年の年末にわずらった急性副鼻腔炎のくすぶりを現在も感じることがあります。
いったん副鼻腔内のひだ状になった部分にすみついたやつらは、実に手ごわい。。

だから首の上記の筋群がもっさりと硬化が進行していくと、副鼻腔炎の影響を感じることがでてきます。
そうなると書かせていただいたような排酸棒やベン石の温熱器をもちいてセルフケアをして改善をはかります。
ただ副鼻腔の片側が特に炎症がでているといったケースでは、副鼻腔内がねじれ等で狭くなっているものです。
そうした場合は肩や首や頭部の位置がずれて肩の右が上方かつ前方へとねじれ、
首や頭部もその影響によって左右への傾斜が実質副鼻腔の内部にあらわされています。
そのような場合は、上述した副鼻腔に関する筋群の凝りが現れている状態を意味するのですが、
ただそういった筋群の凝りを拭っただけでは肩や首や頭部の位置が正確なアライメントを取り戻せるものではありません。

改めて、肩・首・頭の垂直性と水平性を再検証して、問題があればそこを含め修正を加える必要がでてまいります。



私の場合、ここまですると、だいぶん楽になってきます。

posted by スズキ at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月31日

鎖骨の骨折から起きる後遺症といえるようなつらさは、いったん施術で動けるように改善させてから、それを維持できるようセルフケアを欠かさずに。

腕の骨が体幹に接合する唯一の部分は?
胸前の胸鎖関節を挟んだ鎖骨の内側部分です。

一見すると肋骨の上に肩甲骨が密接な位置関係にあるため、
肩甲骨も体幹に接合されて関節をもっていそうですが、実際はそうではございません。


鎖骨のカーブは骨折しやすい構造でもある.png

鎖骨。

ブーメランのようにカーブを描く骨です。
ブーメラン上のカーブがあるからこそ、
胸鎖関節部位を起点としてねじりながら鎖骨を持ち上げるなどすると、
腕の複雑な動作をかなえることができる基礎を含むように工夫されています。
もしも鎖骨がまっすぐな骨なら、肩甲骨を多彩に位置を誘導させて変幻自在に手を動かすようなこともできなかったのです。

ただ鎖骨のブーメラン形状には、ひとつ致命的な欠点があります。
それは、交通事故等で体を投げ出されて地面に手を突くなどした場合、
ブーメラン状に曲がったカーブの内角に突発的に多大な力学的な力が一点にかかるため、
そこが骨折しやすいのです。
そして同時に、鎖骨が骨折した際に、だいぶやっかいなことが治療上起こるのです。
上腕や前腕などなら、添え木で骨がまっすぐにつくようギブスや石膏で固定するので、
後の骨の継ぎがきれいに回復することが期待できます。
対して鎖骨の骨折では、腕を動かさないようにするよう腕を吊る状態で動かさないようにはしますが、
鎖骨の場合、添え木で固定するようなことはできないので、結果、骨折から骨が着いたとしても、
もともとの鎖骨のカーブの通りにきれいに接合するようなことはありません。
鎖骨のカーブが問題含みで固定されたことにより、鎖骨角や鎖骨下静脈や鎖骨下動脈というった血液等を流す管を圧迫し続ける。
ただよほどひどい鎖骨角や鎖骨下静脈や鎖骨下動脈というった血液等を流す管を圧迫で悪影響が大になっていなければ、
許容できる範囲内の循環器やリンパの流れの不具合となるのですが。

それがときに鎖骨骨折をおこしてそれが修復された過程で、
鎖骨のカーブがもともとの理想形からかけ離れたとき。
それは許容できる範囲を超えた循環器やリンパの流れの不具合を、生活する中で感じ続けることとなります。

非常につらいことです。。。

先だってうちにきて施術を受けてくれた同業の先生。
かつてバイクで転倒事故を起こされたとき鎖骨を骨折。
そのとき鎖骨のカーブの内角での骨折であったのですが、
それが修復した結果、もともとの鎖骨のカーブとは違った状態で骨が着いた状態となりました。

それが鎖骨の末端が持ち上がるような状態にカーブがつけば、肩こりや首凝りの温床になりますし、
腕を使うときに以前の使い勝手とは違う状態であるため使いづらさを感じざるを得ないこともあります。
そして上記にあげたような循環器やリンパの流れの不具合が鎖骨のカーブの収まりが悪ければ生じます。

こうなった鎖骨のカーブが理想のもとの状態から極端に鈍角になったり鋭角になったような場合。
広頚筋という首前から胸部までを広く覆う筋肉が、容易に鎖骨との癒着が進みます。
そうなることで首前の喉あたりが常に内側への圧迫を感じ続けるようになり、
気管支を圧迫するなら呼吸のしづらさ、そして食道の圧迫をするなら食が進まなくなる。
またま頸動脈等の脈管内部の液の流通を阻害する場合も出てきます。

そういったことが鎖骨のカーブが骨折修復後に問題を含むようなら起こりますから、
そこを計算に入れて、定期的に鎖骨の上にある広頸筋や鎖骨下筋の癒着などを緩めていくメンテナンスをなす必要があります。
これは鎖骨骨折後にも快適な生活を持続させるには必須だと考えていただけるとよいでしょう。


鎖骨部の癒着がすでにそこを取り巻く靭帯が骨以上の硬さになっているならば、
施術者であっても、人への施術をするときの圧をかける方向と、自身に向けて施術をするときの圧の方向が逆となり、
あまり自身に向けての圧は都合よくしやすいような人体構造にはなっていませんので。。。
施術家の先生でも、やはり一定以上の深刻な癒着による硬化が進んだ場合、他者施術を受けるようになさったほうがいいでしょう。

そしてそれは一般の方であれば自身でリリースするのはむずかしいと感じます。
同時に鎖骨の骨折は、もともとそこが折れやすい骨の構造をもっているのです。
一般の方がこの部位を施術者に解いてもらおうと考えたとき、
相当に慎重さを持った施術者を選ぶ必要があります。
それは施術による事故で、骨折が起きやすいところの筆頭が、鎖骨だからです。
鎖骨の継ぎに骨折が起こりやすいのが、肋骨の肋軟骨や浮遊肋骨などです。
熟練度の低い施術者の方が、だいぶ凝りの進んだ鎖骨を見かねて熱心に解こうと頑張りすぎると、
巧く解ける前に、再度骨折をしょうじさせるという場合がときおり見かけられるのです。
必死にお客様のことを思って緩めようとがんばるのですが、骨折リスクが頭から一瞬でも抜ければアウトです。
まじめな先生ほど、このような結果となりますので、まじめかつ臨床研究が進んだ先生であることが求められます。
施術者選択は注意深くなさるべきでしょう。


また、いったん施術でしっかり鎖骨が自由に動けるようなリリースを受けたとき、
それからは、自身でセルフケアをしていくことで、その状態を維持するといいでしょう。
施術で緩めたとしても、鎖骨のカーブが乱れて腕の使い勝手が悪くなった分、
そこに負担が蓄積して、再度の癒着がしやすくなっていく場でもありますから。

鎖骨の緩め方は。。。
やり方は鎖骨の上下の部位をさするようにしていただく。
また多少鎖骨に広頸筋等が癒着がし始めて拘束感が強まったと感じられたならば、
鎖骨を指でつまみながら鎖骨上をごしごしとなでるというか磨くようにしていく。
そこを丁寧にしてください。

鎖骨下静脈の状態.png


<付記 2022年8月1日>

また鎖骨骨折側が左側で心臓に負担感が強く感じるといった場合。
肩甲下筋」という肩甲骨と肋骨の隙間に位置する筋肉が異変を持った状態がないか、調べます。
起始が肩甲下窩で付着が上腕骨の小結節に肩関節包となります。
機能が肩関節内旋と上腕挙上の位置で肩甲骨を前方かつ下方に引きます。

肩甲下筋は関連組織が心臓で、
構造的欠陥があれば胸の痛み、胸が締め付けられる感じ、肩の障害、腕の痛みが出てきます。
内科的兆候としては動悸、めまい、歯茎からの出血、飲み込み困難があらわれます。

けっこう肩甲下筋はパワフルな筋で、腹筋、大腿四頭筋、棘上筋、腰筋に関係する。

経絡は、手の厥陰心包経となります。



先だって鎖骨骨折後の不調を得た施術家の先生が、体調不良を負って施術を受けに来ていただいたのです。
鎖骨骨折による鎖骨のあるべき位置がずれることは、鎖骨の裏側にある肩甲骨を確実に位置ずれを起こすのです。
それにより起きるのが肩甲下筋が深く凝り始める。
そして多年にわたりそうした肩甲下筋の状態を背負っても手技をし続けるなど負担をかけ続ける。
手を使って負担を肩甲下筋にかければそこの引き連れが一気に倍増して体調を崩すことにもなる。
そうであることを、訴えられます。

上記の肩甲下筋の状態から受ける影響はアプライドキネシオロジーの勉強をすればわかってきます。
私同様にアプライドキネシオロジーを得意にする先生ですから、
冷静になって手持ちのアプライドキネシオロジー系のテキストを紐解けばでてくる知識です。
ただ体調不良に陥ると、どういったわけかお客様には使える知識も、自身に対して客観視するのが難しい。
それで同業の私に支援をもとめて足を運んでいただいたのです。

繰り返しその先生は
「最近、食事が喉を通るときにつらくてさぁ・・・」とおっしゃいます。
肩甲下筋の異常から生じる飲み込み困難は意外に知られているところです。
これがあるとわかれば肩甲下筋の状態が悪化しているというのはピンときます。
そこが行き過ぎて嚥下障害に近い悪影響をおこして苦しまれる方もいる。
なってみると痛みによる苦痛以上に耐えがたく精神的な負担から明るい光を失うことを感じることへと陥る。
食欲が下がるが、生きるために食べ物を流し込む。
そうやって頑張り続ける。


とりあえず上半身に複数の問題があることは明らかだったので、
遠方からおいでの先生だったため、
「ぜひ、地元のかかりつけの整体の先生に腋下の凝りをとってとお願いしてみてください」とお伝えいたしました。
つまり肩甲下筋の付着の上腕骨の小結節に肩関節包に強烈な何層もの層が折り重なった凝りが蓄積しておるようで、
こちらを徐々に時間をかけて施術を繰り返してとっていけば改善が感じられるはずです。



こういった甚大な体調不良を背負うという経験は私も多々覚えがあります。
お客様に対しては適用して治せるものの、自身にはその知識がさっぱり思いつかないという不可思議な現象が起きてきます。
知ってるはずの知識が出てこなくなるのは理解不足だからといわれそうですが、
体長が不良となり脳内への血流が低下した時点で観察力が激減したことによる影響だと思われます。

だからある程度の体調の復活を遂げて脳内の血流を確保できた時点で、
自分で適切なセルフケアをできるようになる。
そこまで運ばれれば安心です。





posted by スズキ at 17:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月30日

鎖骨下静脈は詰まりやすい構造だから、鎖骨と肋骨一番の状態が正常であることが求められる

鎖骨部と肋骨一番に極度の詰まりがある方がおられます。
そこをリリースしようとすると、
そこには炎症の強まった広頚筋やその他靭帯群が複雑に絡まっているため痛みを強く感じられることがあるだろう。

なのだが、そこを緩めなければならない理由がある。

鎖骨下静脈の状態.png

脳から排出される血液は内頸静脈に流れ、それがこの鎖骨下静脈と交わり心臓へと戻されます。
だから鎖骨と肋骨の間が接近して鎖骨下静脈を圧迫するようになると、
脳から正常に血液が流せなくなる構造ですから、
静脈に乗って流されなければならない処理される必要がある血液が脳内に遺され続ける。
そうした影響は、血液に乗せて排泄されねばならない物質が脳内に蓄積しやすくなるし、
新たに新鮮な血を脳内に取り込むためのスペースが狭められると脳内の血液が古血が滞留する。

また鎖骨下に位置する静脈角に体内の大半のリンパ液が合流している。
リンパ液が排泄される場がここに位置するため、
鎖骨部が緊張が高まり肋骨部との位置関係が詰まる等の異常をきたせば免疫ケアに問題がでる。



それらの意味を受けて、
鎖骨が活性化した可動をしめすことが制限されたなかみは、
血とリンパの排泄する等の処理をできづらくなる悪影響を被っていることとなっている。
だからそれは極めて重要な手技アプローチとなる部位だといえるだろう。


鎖骨がずれると肩こりになるから問題ですよね、という言い方で説明をとどめることが多いのです。
脳からの静脈血流がここで停滞するようなこともある等々のことを聞くと、
得体のしれない嫌な気分に陥ることがあるためです。
ただし施術家同士であれば、これほどのストップがかかった状態なら心臓には正しく血が戻れないので、
それで循環器上の不調を自覚してくることとなるだろうと素直に伝えることとなります。
十分に解剖生理学上の基礎の知識があると同時に、相手も施術家ゆえに、
だったらどうリリースすればいいのかなという気持ちで聞いて受け取ってくれるからです。


私の知り合いの施術家の先生が体調不良で心臓部の問題を強く感じていると訴えられていました。
器質的に心臓の状態が生まれながらの奇形となっているような方もおられます。
そのような場合は私には手出しをすることができる範囲を超えているのです。
ですがこの心臓の直上にある鎖骨下静脈が圧迫されて心臓への血が滞っていて影響があったときには、
正しくこの部位のリリースがなされる必要が出てきます。

ただし手出ししづらい部位だというのは、多くの施術をなさる先生方も感じるところだと思える場所です。
へたな手技をなされればただ強烈な苦痛に苦しむだけで解けやしないという解くのには難しい場所だからです。。。

基本は鎖骨部をリリースするという考えが一般的なアプローチとなるのですが、
この鎖骨は腕の使い方がよくできなければ解けても鎖骨下静脈の血管の圧迫を解くようなことがない。
むしろ鎖骨が自由に動けるようになったがゆえに、不具合ある腕の使い方によって鎖骨下静脈の圧迫が強まることがでてくるようです。
私も昔は鎖骨部を解けばいいという考えでいましたが、それだけでは十分な成果がえられないことがあったのが事実です。
だからさらに内奥にかかわる、より根っこになる部分を探っていった結果、鎖骨の裏手に隠れた肋骨一番のような存在が浮上してきまして。


その場合、肋骨1番を含む上部肋骨を可動制限を受けた状態の詰まりを得た肋間筋部や大胸筋都の付け根、大円筋等の肩甲骨部との詰まり、
などなどを緩めたときには鎖骨下静脈の流れが改善した状態を続けられるという場合が多くなります。

これらの部位のリリース法は鎖骨のリリースの数十倍もやっかいで、何十もの下準備がなされておいて、
どうにかあざやかに解けるような流れへと持ち込むことができるのです。

そういった難しさがあるものの、この肋骨1番あたりは、いったん固まればほぼ自然に緩むことはみたためしがないところなので、
そこをリリースできるような施術家の出番は期待できるところだろう。
ただし長年かけて上部肋骨をずらしてしまうような変位を作り出した場合、
腋下(肩関節の直下)に巨大な球形のかたまりができているものが多く、
それは一〜二度の施術で解けることができるものではないだろう。
それらは数十年かけてつくられた。
そのような場合は筋肉の凝りというより、
その部位の筋繊維は血液をもらえずにやせ細り筋膜の膜系のゼラチン質が
固形のプラスチック様の硬度を持った異形の組織に変わっているのだから。。。

この部位の凝り具合は個人差があるのです。
だからそれほど問題がない方は、数回で十分ですが、
心臓に負荷がというように訴えられる方には、施術をする者がケアできる範囲での改善可能性を感じられることで、
徹底して手技をほどこしていき状態をあげていきます。




気を付けていただきたいのが、一般の方がこの部位を十分な知識がないまま圧するのは問題が起こることもあるということです。
この部位に接して腋窩リンパ節があるため、ムリにこの球形の凝りの塊を解こうとすれば、
その腋窩リンパ節に甚大なダメージが加えられるので、一般の方がこちらを安易に触りすぎるのは傷つけるリスクが高いものです。
それに施術者だったら逆に自分の手で自分のこの部位へのリリースをすることは、
うまくミリ単位の正確さをもって適切な圧を自分へと向けて圧をられるものではないことを知っています。
だから私の知人はそういったようなことも感じておられて私の所に東海地方の遠方からこられたのだと思うのです。


とりあえず、実際にこの上部肋骨と鎖骨の部位をリリースを受けることで、
そうされた前に脈が跳んでいた理由の一端があったと考えられるとわかってくれたかも、、、と思います。

その流れで、彼が地元でお世話になっている施術師に、その上部肋骨周囲を積極的にリリースをしてほしいとリクエストしたんだよ、
と今日、電話で連絡を入れてくれてうれしかったですね。 ^-^



ちなみに。。。
ここ最近の私の腋下の肋骨一番を可動を稼ぐためのツールとして、湯煎して温まったかっさをもちいています。

この鎖骨部周囲は入り組んだ部位ですし、同時に骨部に異常な癒着が肋間筋部位を含め鎖骨や肋骨への腱や靭帯が癒着がはびこるので。
適切な密着圧がかけられなければ、それらはなかなかうまくはがれて自由な鎖骨等の可動を復活させることが非常にしづらいものです。
最近、私は多数所有する形状を多用に持つかっさを複数もちいて、それらを温めてリリースに役立てています。
かっさにはさまざまな形状があるので、患部にフィットするものもあるんですよ!
ここはベン石の温熱器では小回りが利かないので不得意なんで、
ベン石温熱器の活用にこだわらずに道具を使い分けています。

私自身、以前からこの変位が強固になって固まった肋骨上部の動きをつけることの難しさを解くのに考えに考えたのですが。
そこはプロの彫刻師が数百の彫刻刀を持ち、そして新たにそれを自作して作品制作に活かすのと似たようなやり方で
パフォーマンスを上げることができるんだなと気づいてから、かつてわけもわからず様々な形状のベン石のかっさを買ったものを、
いまはひとつずつ、この形状ならこれに使えるなとか、賢い使える場を与えることができるよう工夫ができていってます。

posted by スズキ at 00:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月28日

筋膜マッサージではなく筋筋膜リリース。その違いって?

私の施術を受けていただいているお客様は、私のおこなっている施術が「マッサージではない」ことが理解できると思います。
筋肉の凝りがあるところは、
通常、マッサージと呼ばれる凝りがある筋肉部位を圧することで緩める。
それが一般的のような感じを持たれるでしょう。

ただマッサージ。
昨今はやりの筋膜リリースガンも含め、筋の凝り部分の血行を一時的に揺さぶるような刺激により通りよくするだけですから、
筋の凝りを作り出している理由について改善させて、状態を維持することができているわけではありません。

そういった筋の凝りが続く状態裏舞台には、
同じ筋肉部位を息をひそめた無酸素状態で使い続けるオーバーユースがあったり、
急激なけん引や圧迫などの外的な刺激による筋が通常状態から離れる損傷を受けていたり。
理由はいくつかあるのですが、筋肉は必ず骨に付着していて付着部位が腱といった収縮性のない筋膜の膜の集まりが特定の骨膜部に接しています。
そうやって接する腱が特になんですが異常な凝りを持った部位の底ではずれが生じてしまっていることがほとんどなんですね。

私の家には等身大の骨格模型があります。
骨の形状をよくごらんいただけますと、骨の外的形状は窪みやみぞがあったり粗面があったり鏡面があったり。
様々な様相を持っており、骨の窪みや溝の部位には腱が骨のその部位のレールにきっちり収まってなめらかにその上を走る構造になっています。

実は凝りのひどい状態を持っている方の身体的特徴として、部位にもよりますがおおかたはこうした骨の上にある溝に収まって動くべき県が脱線してるんですね。

そうした骨の溝に収まれずに脱線した腱がそのままにされたまま、
マッサージを加えられたとしたら、どうなるか?
そうした脱線した腱が大関節の部位にあれば、動脈管を硬い腱が圧迫し続けた状態が抜けることがなくて、
マッサージ後に血行が増したとしても早々に血行不良がまん延した状態に陥ることになります。
腱のずれがあると血行不良が大胆に容易に起きうるという部位が、いくつか点在しています。
そこがかなり腱と靭帯が複雑に混じっているところで、かつ深部にごちゃごちゃとした大きな塊化したものとなって。
それを通常の方は骨だろうと考えるのですが、レントゲンを撮れば骨じゃないことがわかるんです。


電車が走るとき、右の車輪と左の車輪と同時にレール上に乗っていなければレール上を走行できないのは当然でしょう。
左側の骨に腱はレールはかみ合うが、右側がオーバーユースがたたって骨の溝から腱が外れた脱線状態である。
それで前方へ向かって正常に走れというのがおかしな話となるのです。
そういった状況が皮下の世界で発生しているのですが、
そのような仕組みがあまり一般的には周知されていません。

残念ながら私どもが人体内部を観察すると。
たとえば左側のこの部位はレールに乗れてるが右側は脱線しているという部位があるんですね。
状態が悪化していれば、左右ともに脱線していることだってあります。



表面部の筋肉の凝りができているだけならば、マッサージでちょうどいい。
深層部に腱が骨の溝から脱線していたならば、マッサージでは歯が立たない。
そこを冷静にかぎ分けて対処する。

そのような脱線部位を改善する手を打つことで、
そうした正常位置への定着化は数日から数週間単位、ずっと身体の内奥で起き続けていきます。
身体運用の状態が左右のレールの上に乗って走る電車のようになれただけ、身体のムリな負担が軽減されています。
そして大血管を圧迫した部位を腱の位置を正して血行の状態が改善され続けることも計算に入れています。
そこでおきるのは自然な自己を回復させるための液の循環が継続して起き始めていくのです。
その作用がうまく起こせるかどうか。

特に、ベン石の温熱器で腱部のレールから外れた部位を加熱して適度な柔軟性を取り戻してからという手筈ができるようになって、
そこの益が段違いに変わりました。
骨膜と筋膜がずれた位置で癒着しているというレールからの脱線がおきると、
骨膜も筋膜も双方とも感受性が特段に強いセンサーがはいっており、
痛みが信じられないほど強く感じられるのです。
それがあって変えきれなかったところがあったが、痛みが絶えられそうなぎりぎりを狙うしかなかった。
それがベン石温熱器等で加熱して30秒から60秒そのまま放置してから、そうした脱線個所をアプローチすると、
たいそう楽に状態がいいところへと立て直すことができる。
そこの技術を、磨きに磨いてきました。


だから私の施術では揉捏法のようなもみ込む動作って、してないのです。
炎症ある組織がもみ込まれても、すでに筋組織がパツパツになってるから、
内部の弱化した筋繊維が切れて再生できないものが大量に生まれるのです。
そこに一時的なすっとした感触は感じられたとしても、
さらにもっと強いもまれる刺激がなければ、そうした切れた筋繊維が出る部位は、
血行がさらに深刻な悪化をたどりやすくなる。
そうした危険がマッサージにはつきものです。

だからできるだけもまずに、筋膜層をはがす、そして適量分の奥まで層を外せたら、腱のずれがどのような状態が起きているかがわかってくる。
そこで骨の溝からドロップアプトした腱のロープを再度はめていく。

そういった作業は表面の筋を診るとかではできないものですから、
いろいろと経験値がものをいうこととなるのだと思います。


ただ究極まで腱の全体像を見据えて、頭で計算がし切れるようになるまでは、私の力量ではまだ、まだ。

時間と研究が必要だと思います。


以上、マッサージといってしまったほうがわかりやすいからその言葉を使わせていただくころがありますが、
施術をするとき、私は意図的にマッサージをする量を極限まで削ろうと努めて計算して施術を構築しています。

手で触って感じ取れるものでも、目で見て見えるものでもないため、
わかりづらいことかと思いますが、これがお客様の体が純粋に立て直されていく積み上げになっていくことは、
解剖生理学のルールを専門知識を紐解いてみていけばわかってくるものでしょう。

posted by スズキ at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月11日

施術者は、施術をさせていただくことで、しあわせを感じるセロトニンがでている。それも真理だけど、深い改善を期待できるほどの筋膜リリースでは、しあわせホルモンを感じる余裕がない経験が立て続けに起きているのもホントです。それって、どういうことかというと。。。

科学的な実験で、施術者がしあわせを実感するということは証明されていることです。



施術を受けた人と受けなかった人を、比べれば。
施術を受けたものの方セロトニンという幸福ホルモンの分泌が多く排出されます。

そこは当然といえば当然。



施術後に施術をした者もセロトニンの排出量を計測します。

結果、多くの優秀な施術家は施術を受けたお客様・患者様よりも
実は施術者からは多量のセロトニンがでていたのです。



セロトニンがでてくる量が多い順.png


もちろん、義務的に流れ作業で施術をしていたらセロトニンが出ることもないですが、
親身になって自身の技量の粋を持ってお客様の苦境を助けたいという気持ちがあれば。
いくばくかでも自分がかかわり貢献できているということに幸せを感じるのです。
施術者とは、そういう人種なんです。

または施術者がする施術ではなく、
親子間などの場合でも、相手を思いやる気持ちからのマッサージをしてあげたい行動は、
やはり多量のセロトニンを出すものといわれています。

それって、非常にしみじみとわかるような気がします。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




ただセロトニンがでてしあわせを感じる反面、
施術家の修行中の者や熟練になった者にしても、
施術の疲れは半端なものではないといわれます。



それはなぜかといえば、
マッサージをするときに患者様であるお客様の皮膚を直接触るとき、
気の交流がおこなわれるためだともいわれています。

それはエネルギーは高いところから低いところへ移動して中和されるという考えに基づくものでもあります。



量が100ml・温度100度のお湯(A)に、量が100ml・温度が50度(B)のお湯を混ぜれば。
200ml・温度75度のお湯となるわけです。
そこには温度の高い(A)から(B)へと熱が移行されることで中和が起こります。


一般的に筋膜の癒着があればそのエリアの体内のエネルギーは停滞するのです。
筋膜の癒着が進んだ個所には「エネルギーシスト(嚢)」と呼ばれる、
必要しかるべしのエネルギーの循環が滞ったため起きたエネルギーのよどみのようなものが溜まるといわれています。


エネルギーシスト嚢.png


私はそのようなエネルギーシストが指先で鋭敏に探索できるよう訓練したことで
お客様の体をチェックしているときに、皮膚の上に現れた形状や体温や湿り気や色といった眺めて触ってわかるもの以外の情報を読み取り、
おおよそこれはどれほど身体の皮膚から奥まったところまで侵入していることか、
そしてエネルギーシストからの粘度のようなものが感じられるため、
ここ、リリースです」といった的確な解いて価値の高いリリース個所の探索ができているのです。

エネルギーシストを察知できずに教科書通りの手であれば、
臨床は早々に手狭になり「打つ手なし」といった事態に陥るでしょう。
なんらかの身体的な改善が起こる可能性を持つ重要なエネルギーシストを優先順位をマークして手順付けしてからの解放です。
筋膜のリリースという言い方のほうが、最近では一般的な通りのいい説明のしかたとなりますが、
多様な実態を知り実務的な対処を施していくことが勝利を得るための努力となります。


お客様は「触れられて私も、そこ、やばいと思ったんだけど。なんでわかっちゃうの?!」といわれることも多々あります。
理由は、そこのエネルギーシストの存在の察知が傍観して全体像からだいたいのエリアを抽出して、そこからミリ単位の半分以下にまで、
効く点を絞り込んでいく過程で「ここ、リリースです!」といったところがわかるのです。

これもトレーニングで、だいたいの者がわかってくるものですから、
人間の本能がもともと持っている観察力の才のひとつなのでしょう。
ですが施術者の誰もがわかるというものでもないようで、
意図的にトレーニングしなければわかるものではないでしょう。
積極的にエネルギーシストについての資料を多数目にしていき、
直接目に写りはしないがエネルギーシストが発する独自な状態を放つ情報を得ようと感じ取るようにするとわかるようになるでしょう。







ただこのときに施術者側は注意を要します。

先に申しましたように、エネルギーの中和が起きるときには、お客様の体内にあるマイナスの気といえるエネルギーシストが外へと排出されることとなりますが、
同時に施術者の体内にあるプラスの気といえるエネルギーが患者様の体内へと代わりに流れていくのです。

施術者同士での言葉では不謹慎かもしれませんが
「お客様からのエネルギーシストをもらった」
「{多くの施術者の気が}持ってかれた」という状態に陥ります。

エネルギーシスト.png
「お客様からのエネルギーシストをもらった」



エネルギーの転写.png
「{多くの施術者の気が}持ってかれた」


私自身、施術技術が足らなかった過去の自身の施術で、ときおり目を見張るような成果が出たことがありますが、
そのときは気功の先生のようなまねごとをして気を送り中和することで成果をだしていたことがあるのです。
それにより5度くらい体内の気枯れが著しく身を消耗しきって、生きるしかばねに近しい苦痛から仕事を長期休業を何度も繰り返したのです。
実際、気枯れと呼べる状態に陥った施術者は若死にするケースが多々見られることです。
私の知り合いの施術者に気枯れで精神を病んでいった末に、その方の葬儀にも出席したことがあります。。。
私は、自分が気枯れで長期休業をしたというのも、当時の家族に多大な迷惑や心配をかけて生き残らせていただいた思いがあります。
休業が許されない反対者がいたら、素直に私は仕事を休まずに続けていたと思います。
そして他界していたことでしょう。


そのような私だから多大なエネルギーシストにさらされた上での気枯れの恐ろしさは身をもって感じています。



正直な話をすれば、
室内にエネルギーシストが発散されたときには施術場が粘り気がある濁りの空間化するのですが
ベン石温熱器を使ったときにはベン石がお客様のエネルギーシストを受け止めてくれて浄化する力がけた違いに優れているようで、
ベン石温熱器を適切に使いだしてからは施術後の室内も問題ない。
エネルギーシストが蓄積した空間にいると、それですでにその場にいる正常な者の気は徐々に混乱をきたしてしまうので、
ベン石温熱器を使う前は施術後にどんなに熱くても寒くても2時間窓を開けて換気をしていたのです。
ですがそれがものの5分や10分で済むようになりました。

特にエネルギーシストが溜まって陰性が高く粘度が増すのは腹部です。
エネルギーシスト嚢 内臓部.png

ベン石温熱器を使えた前にお客様のお腹を深く解けば、お客様の気に同調してしまい必ず体調を悪化させて吐き気や頭痛と得体の知れない腹痛等が襲ってきてトイレで突っ伏しているのが常でした。
正確に言えば、現在のベン石温熱器を使って腹部のエネルギーシストをリリースしているリリース量の五分の一にも満たない量しか、
ハンドマッサージでは当たりがきつくて解くことができないにもかかわらず、でのことです。
アプローチする側にとって非常に負担が起きる可能性が高いエリアだといえるでしょう。
「最奥の深層筋はどこ?」という問いには、内臓部と答えることができるので。
それは内臓部にエネルギーシストが定着して混乱をきたすということは、
これ以上ないほどの裏に入った状態だからの腹部のエネルギーシストの問題だといえるのでしょう。
これは私の知り合いの先生も同じような感想を述べています。

あとは頭と胴をつなぐ首の筋肉、頚部
こちらについてはどういった理由かはわかりませんが、
他の骨格筋にはないエネルギーシストが入り込んでいるかのような感じがしてなりません。
頚部といった急所への手技によるアプローチからくる緊張だからというだけでは説明できない、
もやもやしたりくらくらする厳しい神経系の混乱を施術をした私が置かれます。
これもまたベン石温熱器やベン石のかっさがあるおかげで、
首のリリースをするときに患部のリリースにちょうどいいフィットさせることができて重宝しています。
それだけではなく施術者とお客様の患部との間にベン石が仲立ちするおかげだと思いますが、
首のリリースをしたときに以前に感じた異常なまでの緊張感や不快感の施術者の体内への残留が大幅に軽減する経験を得ました。


そしてエネルギー転写は、私の気をお客様に送る前に、
ベン石温熱器が発生した特別な気を増長させて送る作用により充当しています。
つまりエネルギーシストを受け取ってエネルギーをあげるときの「気枯れと転写」が、
だいぶ失せた感じになります。
体調的に重篤な疾患を持たないお客様からは、ほぼ筋膜リリースでエネルギーシストが解放されても「気枯れと転写」は感じられません。
それはベン石温熱器の使い方を工夫したらしただけ、そこでの問題が解消されいきました。

この「気枯れと転写」によりエネルギー上の混乱をきたすと身体的な疲労の問題もありますが、
思考と精神に多大な悪影響を与えるという傾向があるため、睡眠が浅くなって体力の回復がしづらくなるのです。
ですがこの「気枯れと転写」が起きなければ、集中力を高め思考を要するカーリングのようなスポーツをした後に感じるかのような読みあいです。
このような位置に自他のカーリングの球があるなら、次の一手はどのような手があるかと、展開を読みまくります。
そのような類の疲れの質になっているため、
どっとくる身体的な疲労はあっても、気枯れと転写がなければ寝れば、体調は改善できるのです。


※ 基本として、一般の方が手技をなさるような場合には、的確にエネルギーシストを解放できないため、
  腹部や首のリリース以外では「気枯れと転写」は感じられないと思います。
  それ以前に一般の方同士でのパートナーマッサージでは事故の危険があるので首と腹部に強い力をかけるようなことは
  とても手技がうまい方は別としまして控えておいたほうがよろしいかと思われます。
  特にもしなさる必要があって特別な疾患を持たれた方への施術をなさるときには、
  施術時にかける時間が長くなりすぎないようにすることや圧を軽めにしておくよう気を配りましょう。
  
  もしパートナーマッサージ等で「気枯れと転写」が強く感じられたようなときは
  一軒家であれば水道の流水で1〜3分間ほど手をさらします。
  これは私の施術直後に必ずおこなう儀式のようなものですが、
  アーシングによっていくばくかの自身の体内に侵入したエネルギーシストは水に流されます。
  ただビルの貯水槽の場合には、このリセットは効果的には成果がでないため注意が必要です。
posted by スズキ at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月03日

お客様のご家族から見たお客様自身のお身体の変化を知る直感は、重視するものです

意外に自分の体は自分ではわかってるつもりがわかってない。
それは私のような施術をさせていただくものでもときおり起こることで、
自分では気づかないうちに体内の異常が進んでたというときもあります。

日頃から少しは健康に気づかっている。
多少不具合があっても、いずれ自然に消えるだろうと高を括るなら。
その自信は慢心を産み、省みることがおろそかにってしまう。
そうなれば、なおのことです。

そのような多少の不安があるとき、
お医者様に診ていただくことが基本です。
医師という他者の目を通し、自分を知る。
医学知識と医療知識を併せ持つ医師です。
適切な対処がきたいできるでしょう。



ただ私どもでは他にもそうした自分では自分の状態を観れていない方のすぐそばで、
日頃から愛情をもってそのお客様の様子を見て案じておられる方々の直感は重視します。


身体を患っておられるお客様のご家族など、ごく身近な方々の気づき、直感です。
観て触れて接している方の目で見て声を聴いて、臭いを嗅いで、動きをみて。
そのご家族が医療関係のお仕事をなさってはおられませんが、
不思議に状態の変動に気づくことがあるのです。



たとえば、だいぶ長い間、患者様を看病しているご家族が、
「今日は、看病しててなんだかいつもよりも小さく感じる・・・」
といわれるとき。
お迎えが近づいてきているというサインといいます。

反対に
「今日は、看病しててなんだかいつもよりも大きくなったと感じる・・・」
といわれるとき。
改善の兆しがでてきたサインといいます。


お医者様のなかには、医療知識がないものがかってなことを言うなとおっしゃられることがあると聞きます。
ですが施術をする者にとって、いつも身近で看病しておられる方々が、昨日と今日の差を汲み取って感じて、
そこで顔色(気色)や動作(動態)や姿勢(形体)などのプレゼンスの変化に愛あるゆえに状態の変化を直感で見分けます。

それはたとえはわるいですが、
散歩中の犬が、別の初見の犬を発見したときにする観察に通じます。

相手の犬の様子を遠くから全体的に眺めます。または望みます。
それから近づいて、細部を観て観察し、匂いを嗅ぐでしょう。
相手を舐めること(接触する)もあるかもしれません。
そのようにして興味を持った相手の情報を集めて、友達になります。

そんな初対面の犬同士がする本能的に成す情報収集を、
基本は相手に深い愛情と親しみを感じる人間同士もしているのです。

それゆえに、お身体の様子が気になるお客様のご家族がお見えになられたときは、
それとなく私どもは「最近、〇〇さんのお身体の様子って、ご家族のあなたから見て、どんな感じを受けますか?」
または「過去の〇〇さんのご様子はいかがでしたでしょうか?」などと話を振ることがあります。

これがまたありがたいことに、
本人に問診でお尋ねしてもでてこなかった私どもが聞きたかった情報が。
ポンポンとでてくることがしょっちゅう起こるのです。

本人にとっては、日々の自分の状態の微差にはあまり感じずに時を過ごしてしまうものですが、
ご家族には「おやぁ? なんだか〇〇は、今日は口調がもつれてるけどどうしたんだろうか」など、
接していていつもとは違った違和感を明晰に感じ取って異変に直感的に気づかれることがあります。


そういったこともあるので、ご家族と住まわれている方々は、
定期的に各自の状態の変化や変容が気になるようなことがあれば、
それを率直に指摘して語り合うような会話をすることを勧めます。



主観では見過ごす変異の様相も、
他者の目や耳や鼻などによる客観的情報の変化は見過ごされにくいのです。

そういった事の重要性を知っている施術者が施術を他の施術師に受けに行くときは
家族の者に自分の体の変化をうかがってきたのですが聞いてくれますか?という方もおられました。
私はその話の流れを聞いて「さすが、同業者だ」と感じました。




では独り暮らしの者はどうすればいい?

それは私には他人事じゃない課題ですが、
アップルウォッチの心電図や分子栄養学の検査など、
精度よく体内の裏にある情報が体表という表に現れるものをモニターできるデバイスや検査など。
そちらに投資するのが良策かなと、真剣に感じるところであります。

ただやっぱりご家族が直感で観ている家族のものの印象からえた情報には、
本人にして出てこなかった過去から時系列でも得られる重要情報が含まれております。
そこに現段階の心電図等の内容からでは見えてこない様子や要素が多分に含まれます。


悩ましいところです。
posted by スズキ at 18:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月01日

アップルウォッチの心電図波形って、凄いですね〜。感動しました。

昨日、お客様が一昨日前に購入なさったという「アップルウォッチ」を持ってきてくれました。
興味深い検査アプリをみせてくれました。
それは「心電図」を手軽に計測できてグラフ表示でき、
結果から診断に近い隠れている心疾患の恐れなどの注意をしてくれるアプリ。
アップルウォッチから手持ちでBluetooth接続されたiPhoneにグラフが瞬時に転送参照でき視認性や記録閲覧性等優れています。


私が持っているパルスオキシメーターも、心電図の波形はグラフ化してみることができる機能があるものの、
スクリーンが小さくて実用性がなかったんですが、
こちらのアップルウォッチの心電図波形は、さにあらず。

スマートフォンやタブレットに連動させ心電図は計計測結果を表記できるようにすることができるデバイスには、
脈診の補助として画期的なものを感じました。


私の愛用している脈診の本には、
脈状に対応した心電図波形が描かれている専門書があるのです。



アップルウォッチで得られた心電図波形を参照し、どの脈状に該当するかをお客様に見てもらうことができました!!
するとその脈状ではどのような証であるか。
たとえば、虚証、実証なども的確に把握できて、それ以上の専門性の高い脈からわかる詳細な解説へとつなげてお話することもできる。
私も体験したことがあるのですが、
口頭の言葉で中医学の専門用語をつたえられると、なにがなんだか想像がしづらいわけで、かえって不安があおられてしまう。
口頭での説明は、同音異語のようなものも多くあるため誤解も生じやすいので、
結局は誤解を避けるために施術者が自分がその情報をチェックしてわかる分で済ませ、
お客様へは積極的な脈状の情報のシェアをするようなことはありません。


ですがお客様が計測した結果の心電図波形と本にある心電図波形がうりふたつなものを参照してもらうと、
「あれぇ。これって私の心電図の波形と同じじゃん!」と驚きをもって、腑に落ちた感を持ってもらえました。

その結果、脈状から読みとける症状の詳細を本中の解説をもってざっくり理解を促すことができました。



皆様も感じたことがあるかもしれませんが、
体調がすぐれないが西洋医学での検査では見当がつかないとき。
心理的な不安が増長することがあります。
正確なことはわからないにもかかわらず最悪を想像する傾向があります。
身体が置かれた場所がグレーからダークな様相が気になって仕方がなくなります。

脈診は技術的に難易度が高いもので、脈理をわかっていたとしても、
脈を読むときの読解には高いレベルの脈をみる先生方同士でも
同じ患者を診ても診断が分かれることはしばしば起こるといわれています。
それが手軽に心電図波形を計測でき、波形から脈状がわかれば客観性も得られます。
その脈状をみれば「確かに、確かに」と腑に落ちるところもでてくる内容です。
そういった心電図波形がかんたんにPDF化できてメール等で送ることもできる。



私はiPhoneもアップルウォッチも持ってないので、^-^;
直接的にお客様へ活かせるものではないのですが、
お客様頼みですがiPhoneもアップルウォッチをお持ちのお客様がお見えになられ、
自分の心電図波形から問題を感じればどの脈に当たるかを教えてほしいようなとき。
そのときはお申し出いただければ、探してあげることができるなと思いました。



私ども施術者が脈を診るとき。
心臓の高さで計測すること、
脈状が高まったり下がるなどの事前要因について考慮できるか、
他にも四季により、湿度により、さまざま脈状は変わるもので、
脈を診るとはそれらの前提条件を頭に入れて診ているのです。


そのような脈を診るときの前提がわかっておられるかたなら、
アップルウォッチでの心電図計測でも利用価値がでてきます。
おそらく適当に摂った心電図波形は、アプリの機能は優れているものの、
前提がかっちりしてないための精度が低さが情報をうのみにできない気がしてきます。
そういったところが含まれた誤認があれば踏み込んで判断できないのです。
そんなことしたらミスリードされて、とんでもない間違った行動を施術上打って出るようになるので。

でもしっかり前提がわかっておられる方がとられた心電図波形なら、
リモートでは脈をとることはできなくても心電図アプリで取った結果を送っていただくことはできます。
その心電図の波形を、何段階か分解してcheckしていけば脈状を察することができる場合があります。
これって、ほんとうに画期的なんだろうなと感じるところです。

それは脈状がわかるだけでどのような手で施術をすべきかという方針の大きな裏付けにもなりますし、
それができるだけの多彩な情報が脈状が分かった時点で得られているということです。



面白い時代になったものです。



そして先ほどTeverの健康番組をチェックしていたら、
なんと、まんま、このような感じのデバイスを活用した内容の番組が放送されているではないですか。
脈診とは内容は異なるものの、とても参考になりそうですよ。
お時間があって興味がある方はご覧いただければ幸いです。


きょうの健康
不整脈 デバイス革命 「危険なサインを見逃さない」

NHK Eテレ・東京
5月30日(月)放送分
字幕
6月6日(月)20:45 終了予定
https://tver.jp/episodes/ep8kf8svme





追加:2022年6月3日
上記の映像内容より、
アップルウォッチの心電図アプリのみが、
現在、日本では医療機関で認められているといいます。

私が脈診でお客様の状態を観た後に、アップルウォッチの心電図を見せていただいたのですが。
本当に心電図検査結果の精度の良さはすばらしい。
私が観れているR波は自信を持って見れていますが、
見づらさから印象が落ちて意識落ちしやすいP波・T波を時系列で観れるほどの精密さが私にはないので。
そこが出力される心電図PDFには詳細に描き出されています。
心電図の見方は専門書には詳しいものがありますが、そこまでは必要がない。
でも出力されたPDFを観て理解したいという人には、
ネット検索で心電図の見方なワードで調べてもらえば容易に見つかりますので。

アップルウォッチの心電図が観れる方は、調べて参考になさるといいでしょう。

ちなみに、改めてandroidアプリの心電図を表すアプリの最新版をチェックしたのですが、
、、、結果は、信用に足る内容ではございませんでした。

やっぱりいまのところ心電図計測用のデバイスとしてアップルウォッチとアイフォンのセットが、必須なんですね。

そうかぁ。。。
posted by スズキ at 03:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月30日

二足で立つ私たちの骨盤と内臓との影響。骨盤のずれが内臓の負担過多の影響を強いるときがあります。そのときは骨盤調整がなされなければ火元から火が消えずに、火事がつづくのです

犬と人の内臓の支えの違いとは.png

犬のような四つ足で立つ動物は、脊椎から内臓を吊るす形になる。

骨盤には内臓を支える仕組みではありません。
多少の骨盤のずれがある場合でも臓器に対しての直接的な影響が少ないようです。


対して、人間は、骨盤の上に内臓が乗り、腸骨と骨盤底筋により下支えされます。

立位のしかたにより骨盤が正常位置にあれば、腹部コアに小腸が納められ安定します。
上面の横隔膜、下面の骨盤底筋と腸骨、前面の腹直筋など、後面の腰椎を含む背側の組織、左右は腹横筋や腹斜筋、
といった上下前後左右が均一に内圧が生じています。
そうなることで、骨に直接的な付着点という固定がない内臓が自分の位置を定めることができるのです。

ですが骨盤がずれが生じている場合には、臓器がいるべき理想的な位置からこぼれ落ちるような不具合がでてきます。
骨盤が前傾すれば腹直筋等の腹部前面へ臓器が突出し、背部からは腰椎が臓器を前へと押しやります。
骨盤が左右傾斜や左右同時の腸骨の開きすぎ状態などが生じれば傾斜が落ち込んだ方へと臓器の下垂が起こります。


つまり人間という2足で立位をかなえる動物は、
骨盤の状態如何により問題が生じれば臓器が理想的な位置に設置できない構造になっております。



たとえば骨盤の前傾が強く傾きがあるなら、
骨盤底筋に乗り切れなくなった臓器の一部は前側の腹壁に突出して骨盤の力で支えを受け取れなくなります。
すると影響として腹部の前後の圧が過剰となり、その過剰さが高まれば臓器の下垂が高まるような骨盤の左右屈がでてしまい、
結果として内臓下垂の影響から臓器の下部に位置する直腸や膀胱、
女性の場合には内性器などに強い圧迫などで問題がでてきます。
またはみぞおち部分は、臓器が下垂したため空虚な状態になって
腹満(ふくまん)とよばれる膨らみ張った状態や、
みぞおちを押すとごぼごぼと水が移動する水分代謝の異常がみられたり胃内停水)。
臍下悸(さいかき)、臍上悸(さいじょうき)、心下悸(しんかき)などといわれる
腹部の特定場所を触ると大動脈に触って脈圧が外部に漏れることがあります。
それぞれ臍の部位やへそのちょっと上、またはみぞおち部分に強い脈動を感じます。
また左右屈でたとえば右側の腸骨のみが大きく前傾すると
左側大腰筋が緊張著しくなって苦痛を伴う張りが現れてきます。
その他、骨盤がずれたことにより様々な影響が内臓に対し
構造的な負担が強いられる
ことで発生することとなります。


・・・というように、
骨盤の前傾や左右屈などにより生じる内臓の症状のあらわれ方を便りにして、
その方の骨盤の傾斜度合いを推察することができます。
前出した犬などの四つ足動物では、
このような明らかな骨盤のずれと内臓の異常の相関が明瞭には視ることができないでしょう。
それゆえに、二足立位および二足歩行をするようになった私たちにとって、
骨盤が内臓のコンディションを大きく影響させる要素であると考えられており、
注視して分析をすべきところだといえるでしょう。


人体は骨盤の状態が、ダイレクトに内臓の健康に響くデザインになっているのです。


そういう眼で内臓の問題個所を観れば、骨盤のずれをどう調整すればいいのかもわかってきます。



もちろん内臓自体の器質的な問題があるというときは、骨盤のずれ云々ではありません。
ですがすでに医療機関にお腹の不調を訴えて検査をしたが異常がないというようなとき。


骨盤のずれを調整して内臓の理想的な積み上げをなされるようにしていただく施術を試していただければ、
状態が改善なされることがあります。

骨盤のずれから生じた腹腔内の理想からの乖離状態によって内臓への物理的な負担がでたときは、
骨盤の内臓を支える作用が構造上の弱化により問題を引き起こしていることとなります。
そういった場合、なかなか漢方等の方剤をもちいても改善しづらい傾向にあります。

そういったときには東洋医学でも鍼灸や按摩のような物理的な人体の構造を変化改善させる
アプローチを積極的に対象として施していくように分けて考えておられます。

そうすることが改善がなされやすいケースもあるということを記憶にとどめていただけましたら幸いです。

posted by スズキ at 04:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月25日

筋肉内のセンサー:筋紡錘とゴルジ腱器官が筋の保護と作動の正常な状態を作っている



筋肉の作動には、主に以下の2つの神経がかかわります。

【 筋肉の長さを監視する筋紡錘 】

【 筋肉の緊張を検知するゴルジ腱器官 】


※ 他に パチニ小体やルフィニ終末器官という皮膚にあるセンサーも、施術上はみていくことになります。



筋紡錘.png

打腱器で膝のお皿の下部分をパチンと叩くとぴょこんと伸張反射します。
これは筋紡錘の作用により起きる反射なんです。
膝下の腱を叩かれて腱の長さが急に外圧で変えられたときに、そのまま打たれっぱなしでは腱が損傷しかねない。
だからぴょこんとと下脚が持ち上がることで腱の急激な長さの変化に対応して腱を守る戦略が伸張反射なのです。
打腱器で叩かれるといった他動的な刺激に作用することもあるんですね。

筋膜の癒着がらみで腱の状態が悪化するなどで伸張反射が起きない場合も見受けられることがあります。
あまり生理学的にはそのようなことはないだろうといわれているものの、
そうした伸張反射の起きる量がめっきり少ない方の、関連する筋群の癒着部を緩めた後に伸張反射が回復した様子が観察できることがある。



ゴルジ腱器官.png

ゴルジ腱器官は、筋肉の緊張が検知することで、筋肉が収縮しすぎても筋肉はダメージを被るわけで、
圧縮され過ぎればぐちゃぐちゃになって組織が破壊され蘇生されなくなる。
そうした線維の損傷から筋を保護する仕事をゴルジ腱器官がしています。


脳が筋緊張を緩めるよう命令を該当する筋に送るも、
ゴルジ腱器官が働かなければ、筋緊張の度合いを認識できないのです。
つまり筋肉を緩めなさいという脳のメッセージが出ても、それは無視されてしまう。
いつまでたっても筋肉が緊張しまくって硬くなりっぱなしなのです。

筋肉の状態が癒着の度合いが進行しすぎたときにはすでにゴルジ腱器官が働く働かないというレベルの問題では話が済みません。
数週間や数か月、または数年にも及ぶなど筋硬化が慢性状態になって癒着がすでに筋膜組織の状態を正常から遠くなるくだりで、
そうなるまで適切なケアがなされていかないと問題は複雑かつ深刻になるのです。




ですがそこまではいかない急性の筋緊張でゴルジ腱器官の働きが低減した状態だというとき。

たとえば、
本人は深刻な筋膜組織の炎症を受けてつらくてしょうながいという苦痛の真っただ中です。
でもその方は、しっかり筋膜組織の癒着が先月ほどに解かれていたため、
慢性癒着ではなく、ぎりぎり急性というような場合です。

このときゴルジ腱器官の筋緊張の検知できない状態に陥っているレベルなので、そこから脱させれば、どうなるかというと。

「あれ、、、さっきまで痛かったのが、消えた」
とか
「さっきまで関節可動域がめちゃくちゃ狭まってたけど、あれ?余裕で動くんだけど」
ということが現実にはっきり起きてしまうのです。


ただ、、、じつはこのゴルジ腱器官が機能低下した状態を復活させたいときに、
マッサージにより回復できるようなものも、一部あるわけですが、
それでは対応不可という場合があるんです。


筋緊張負荷が過剰にかかりすぎたため筋の長さを監視し筋緊張の度合いを検知できない状態、
つまり筋の状態を知るためのセンサーであるゴルジ腱器官、筋紡錘がただしく働かないような事態に陥った。

たとえば超多忙で緊張した状況で長時間息を抜くこともできないデスクワークが強いられるときに、
無意識下で足を過剰に踏ん張り続けて鼠径部などを強烈な凝りを作り出してしまう。
でも自分では無意識に力を入れたときにつくられた特殊な凝り方で、
なんでそれができるかという自覚がないような場合。
認めないんです。
自分が仕事が終わっても筋緊張を緩めなさいと脳からメッセージが出ていても、
筋紡錘やゴルジ腱器官が機能不全に陥って凝りを創っていっぱなしにしている、と。

中枢神経として統括する脳が、末梢神経にあたる筋の筋紡錘やゴルジ腱器官を制御できない。

ただそういった状態は睡眠時にディープな脳波がでたときに、そういった不都合を緩めるホルモンがでており、
翌日には持ち越さないということもあります。

ですがそうした自己リリースの対処を超えた負担がすでに加えられ蓄積されたならば、
自然開放だけでは筋紡錘やゴルジ腱器官の状態の復活ができなくなるほどのこともでてきます。

それが初期の筋膜の癒着がおきた状態なのです。

この状況で長期にわたる筋紡錘やゴルジ腱器官の機能が低下した状態を残したままでいれば、
最初は表層筋の筋膜の癒着がおきていただけであったものが、
徐々に中層へとのびてい深さを増していき、
採取的に骨や内臓がある深層筋膜へと癒着が進行します。
中医学では「病が裏にある」といわれた状態になるのです。

つまり筋膜が深刻な癒着状態に至る前には、
筋紡錘やゴルジ腱器官の機能低下に陥った時点が初期段階として存在しております。

この初期段階で叩くことが、最上の対処だと考えてください。
裏に入るようなところまで進行させないことができるように、
対処研究も進められています。

たとえばオステオパシー系の手技のひとつに挙げられる{ストレイン&カウンターストレイン}という専門性の高い施術法が
ゴルジ腱器官、筋紡錘の機能低下状態を活性化させるせことができる最も適した手法だと思います。
初期段階であれば、鮮やかに脳が筋肉を緩めなさいというメッセージを正常にキャッチできるよう変えて筋を緩ませる機能が取り戻せます。
他のやり方もあるのですが、理学療法士さまがこちらを学んでおられれば、
一部の筋に限られるがカウンターストレインのホームプログラムのようなものを教えられるかもしれません。

参考までに、以下の書籍にはカウンターストレインの章があり、
いくつかの代表的な筋に対応したカウンターストレインのホームプログラムが紹介されています。

系統別・治療手技の展開 改訂第3版

この手技を受けたときに「先ほどまでの不調が嘘のようだ・・・」とお客様がいうことになるわけです。
どうしても抜けなかった筋緊張が、ぷっつり糸が切れたように離れ去って消えていくのです。
狐につままれた感じといえるほど、張りや不快さが抜けて息が吸えるようになる。




無事に筋紡錘やゴルジ腱器官の機能低下から起きる悪化のループからドロップダウン。
ここで食い止めるなら、その後の進行を心配することがなくなります。
身体を若く機能的に維持していきたいなら、
これに勝る最良の手当てはないと、私たちは考えています。


筋膜の癒着が早期であるなら、その方の施術は苦痛など心配せずに、
寝てたら問題がなくなっていた。
慢性化した状態へ移行させなければ、そういう施術を選べます。


身体を改善させるためのタイミングが大事なんですね。



posted by スズキ at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月21日

乱れた筋膜張力が体型に反映している!?

テンセグリティ構造 人体の筋膜の乱れから姿勢が悪化する.png

【筋肉が凝る・張る】と、筋膜の張力が硬くなり筋肉が収縮したままの状態となります。

すると筋膜の張力が骨の位置を決める ※人体上のテンセグリティ構造により、
筋膜の張力が縮み全身を包む筋膜のネットワーク全体に影響がおよぶことで骨の位置のすべてがずれることとなります。
その骨の位置のずれは、関節の詰まりやねじれ等により理想位置から異常な状態へと移行することであらわれてきます。

※ テンセグリティ構造:【人体で言えば、骨の圧迫組織と、筋膜の引張組織の組み合わせにより立体構造を為した構造体】のこと。

筋膜の構造上、
概念的にいえば浅い層、中間層、深部層のような多層化した状態であり、
多層化したそれぞれの張力がランダムに乱れているものとなります。
単純な輪ゴムによりできたテンセグリティ構造のおもちゃなら、どこの輪ゴムの張力が乱れたかは探索発見が楽にできるものの、
複雑な多層化構造を持つ人体は探索発見が至難の業となります。
基礎的などこかもやもやした骨の位置がずれがどこの筋膜層から来たかを読みこみ読解がハイレベルになっていきます。
経絡でみるか、デルマトームでとるか、全体像の配置割合から統合的な観察をもって考察するか、、、。
ただ現実的には表層の筋膜から丁寧に一層、一層張力の乱れを正していくことで、それより奥に位置する筋膜の乱れの実際を知ることが、
うまく内容が直接見える間違いのない改善を育てていくこととなっていくのです。
筋膜の張力の乱れが見える化はレントゲンやCT等の画像診断もできないため、
見えていない部分を観るよう体表からの情報やバイタルやその他の四診など
多種の情報を集め筋膜の乱れた現状をイメージ想定してからアプローチするのです。

でもシンプルに表層の筋膜の張力上の乱れを取り除くようなたまねぎの皮を一枚ずつむくほうが、
実際的なものが目の当たりにできるのは確かです。
それは様々な体表等から内部の見えない筋膜張力の乱れを想定したものが、
一枚の筋膜をはがした瞬間、まったく違っていたというようなことがある。
筋膜張力の乱れの実際があまり見えていないうちに無理に解けば、
内部構造上自然な現状のバランスが急激に失われてリバランスが追い付けない状態に陥るのです。

それって、、、やばい。。。

たとえば血管等の脈管を複雑な圧迫をあたえてしまうリスクもでてきてしまう。。。

人体は、筋膜張力を失って徐々に筋の凝りが出て骨がずれたとしても、
体内の液の流動性を極力流せるようなルートを確保しながらゆがむものなのです。
残念ながら100%の血液やリンパ液の流れは確保できなくなるのですが、
低減する液の流れの阻害される量が少なくなるように自然にマネージメントされているようです。
これが重力線にそぐわなくなった骨格の支える力をカバーするときに起きている生理的現象といえそうです。

ですが施術等による外的な圧は、あまりに急激な変化を体内に加えることとなり、
良きにつけ悪しきにつけ、そういった急激な変化を人体は危険と判断しています。
それは体内を流れる脈管等の流体の流動性を確保する管が圧迫されて液の流れが滞るリスクが容易に生まれるからかもしれません。

それもあって実際的な現状がはっきり明瞭にわからない状態の筋膜層を
功を先走って取りに行きすぎることは危険な状態に陥るリスクが多々あるのです。

ゆえに、施術者は、そうした筋膜の層を読むための読解力を育てておりますから、
だいぶ有利に筋膜のリリースに手出しができるわけですが、
そうした筋膜の張力の乱れという概念がよく把握できていないときに、
凝ってるようだからそこを解けばいいという見立てで解き進めると往々にして収拾がつかないといった状態が起こりやすいのです。

ここが筋膜張力をもちいた身体バランスの再構築をする上で、
どのような落としどころを見出して着地していこうとするか。
絵にかいて説明したくとも、
お客様の内部の筋膜張力の状態は、
一皮むければ想定をしていなかった状態だったということも、よくあることなので。
一度の施術で何層かの筋膜の層をリリースしていくことの連続で、
そうやって徐々にお客様がもつ遺伝子通りの筋膜張力の乱れのなき状態に移行するよう進むお手伝いをするのが施術上の筋膜リリースです。

そこはお客様のイメージと施術者の観ているリリース後の「象」との差異が生じているところとなるのかもしれません。


ただ、よい施術者は隠された領域を拓いていくところに深慮しています。
たとえ筋膜の乱れた一皮をむいて、がらっと読みが外れていたとしても、
つねに内部状態に気をはらっています。
そうすることが外的変化を人体に加えるときに生じる危険を低減させる先手が打てることだとわかっているからです。
そういったところが見えることで救えることもありますし、そういったところを観続けることで人体の理解が実際的になり深くなります。

最近、筋膜リリースに、ベン石温熱器と棒状かっさによるリリースを多用しているのですが、
これらの組み合わせが実によく筋膜の乱れた一皮をむくときに役立ってくれています。
もしかしたらかつての私の手技で一皮をむいたレベルと呼ぶならば、
今のそれらによる手技では一手ごとにずり圧をかけるごとに一皮がむけていき、
幾倍もの量の皮が一度の施術でむけているような実感をもてています。

実際のところ、先ほど説明したように、
通常は人体が変化がリスキーで嫌うため受け付けないようにするので、
筋膜の乱れを改善させるときに生じるリスクを低減させる手を施術者が先手で手当てしておく必要があります。
それができていないまま解き進めれば好転反応といったものもふくめ、
お客様にとっての不具合がおきてしまうことでしょう。


そこを回避させる手を打つことができれば、
さらに自由にリリースの手が伸ばせるのです。
そういったところに神が宿るように感じます。


ただ、、、やっぱり、そうしたところがぜんぶみえてわかっている人などいないと思えます。。。。。

いま、Teverで「ラジエーションハウス2」を観ながら、
そこのところ、痛感するものです。

私どもは私どもなりの手法を持って、
皮膚の下にある隠れた部分を探る研究は延々と続くことになるのでしょう。

posted by スズキ at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月20日

人体はテンセグリティ構造により立ちやすくできています

「背骨が骨がずれてるのに、なんで、筋膜を緩めないといけないの?」

「骨がまっすぐな位置に戻るように、その骨のまわりの凝りだけ解けばいいんじゃないの?」

などの疑問、わきだすときってありませんか?


曲がった位置にずれた骨の周囲だけを凝りのリリースをして済ませられると、
それはお客様にとって、大きな不利益がでてくるため、
骨のずれがみられているときに、単純な骨の骨格調整に頼らずに筋膜リリースで全身の筋膜の状態を改善させることに注力する理由は。。。





人体が立つという仕組みには、
「圧迫組織」と「引き張り組織」のふたつの組織がもちいられています。


それを象徴するものとして、
以下の写真をしめします。
私がかつてつくりました割りばしと輪ゴムを組み合わせることで立体化させた{テンセグリティ構造}をもつおもちゃです。

テンセグリティ構造.png

割りばしの棒が圧縮材となり、圧迫される支えの組織。
輪ゴムが引張材となり、張力により重力に逆らって浮きをつくる組織。
この二つの引張材と圧縮材が組み合わさることで、テンセグリティ構造と呼ばれる立体構造を構成することができます。


それを人体でいえば、
骨が圧縮材となり、圧迫される支えの組織。
筋膜が引張材となり、張力により重力に逆らって浮きをつくる組織。
上図と人体を対比すると次のようになります。

テンセグリティ構造 人体.png


圧迫組織の骨や割りばしは、その長さが一定で変わりません。
対して、引き張り組織の筋膜や輪ゴムには張力を持ちます。
圧迫組織を引き張り組織が内部へ取り込んで統合させることで、
重力に逆らう立つ力を持ちます。

テンセグリティ構造のおもちゃを観ればわかるように立つ力は、
圧迫組織としての割りばしの骨組みの据え置く位置により、構造体は変化しますが、
結局はその割りばしを据え置く位置を決めている唯一のものが引き張り組織の輪ゴムなんです。


だから人体も同様に、考えることができるでしょう
圧迫組織としての骨の骨組みの据え置く位置により、構造体は変化しますが、
結局はその骨を据え置く位置を決めている唯一のものが引き張り組織の筋膜です。

筋膜の引き張り張力が適正でどこかひとつでも張力の乱れがなければ、
人体は楽に立てるような力学的な安定性を持った構造を誇っているのです。



だが筋膜の引き張り張力のどこかが{強縮性の凝り}{筋力の虚弱した筋・筋膜}を持つならば、
人体を立体化させる張力の乱れは、その一部の張力の乱れた部分のみにおよぶにとどまりません。

それは筋膜組織が張力により全体がネットワークを持つことで人体の各々の部位の動作が統合的に変化を産むことで
スムースな動きができるよに仕組みができあがっております。
そうした全身性におよぶ筋膜のネットワークには、たとえば肩の筋膜が凝りが強まって張力が緊縮した状態となれば、
人体の全体に及ぶ筋膜のネットワークに影響し、一部の肩の凝りが、他の多くの部位の張力バランスを乱す作用をあたえます。
それは肩が凝ることで首の筋膜が張力上緊縮常態化されたことで、
一見すると無関係に見える足首の筋膜の張力が同様な緊張の常態化が現れることも見受けられるのです。

それは上に提示したテンセグリティ構造を持つおもちゃの輪ゴムのうちのどれか一本でも張力を変えれば、
そのおもちゃのモデル全体の形状が変化することがあります。
たとえば、地面に接している基底部の輪ゴムの張力を変化させる目的で張を縮める力を強めれば、
おもちゃの全体は基底面が狭まって全体がぐらつきやすくなります。

人体も同様で、足裏の足底腱膜と呼ばれる足裏の筋膜の特別な組織が異常な収縮を続ける常態化が進めば、
立位姿勢の安定性は減少してふらついたりぐらつきやすくなります。

どこかの輪ゴムの張力を変えれば輪ゴムの張力のネットワークにより全体の立つ立体構造体が全体におよんで変わるのと同様に、
人体の内部に輪ゴムに置き換えられる筋膜の張力が変えられれば筋膜の張力のネットワークの影響で立位構造が全体におよんで変わります。


実は椎骨の一部が左右に捻じれていたりその上下の椎間板が詰まっていたというのも、
全身を包みこむネットワーク上の張力異常を起こした筋膜が影響した末の現れといえるのです。

その証拠に、
そうした全身を包む筋膜ネットワークの調整をしたうえで椎骨部位のサブラクゼーション(変位)を調整したら改善状態が長く維持できるのですが、
単純にずれた骨を理想位置に行くように押し込み力で圧したことで位置修正をおこなったときは、ものの5分として改善状態が保てません。


だから私ども筋膜リリースをみるものは幾本も使われて立つ輪ゴムに置き換わる筋膜組織の全身におよぶネットワークを観ており、
そこからの調整を施していきます。
そうなるとお客様にとって「いや、そんなところは痛くないし不快さもない!」というところをアプローチすることもあるかもしれません。
ただ当初、お客様には痛みがなかったところが実際は骨格を大きくずらすような化け方をさせる炎症がありありの筋膜を探索して解くので、
解かれだして虚血化して痛覚神経が麻痺して痛みがちっともなかったところが、驚くような痛み具合を含んだ場所だとわかるときがあります。
または使い過ぎが原因で筋膜の張力が狂う状態の背景には、多くは正しく筋組織を運用するノウハウがないため、
主導筋と拮抗する筋肉の両者を力を強めてしまい筋膜の張力異常を自ら作り出していることもあります。
この自ら張力異常を作り出す癖があるときには、施術自体はカンフル剤のようなものとして作用され、
一時期、その問題の筋膜の張力が改善したときに筋膜の張力を乱さない使い方を学ぶきっかけにしていただければと願っています。


というように。

つまり、圧迫組織の骨は、その骨の位置が変位する悪さとは無関係な組織なんです。
張力異常におちいった引き張り組織の筋膜が悪さをしてたんですね。
筋膜の全身を包むネットワークが異常な張力を持ったときにはどうなるのか。
そちらを読むいくつかの特殊な専門的施術書に掲載されている方法があります。
その知識は日頃の施術をなすうえで基礎となり、また有効な臨床例が増すことで独自のノウハウが経験として高められていきます。
そのような独自のノウハウは、ほんとうにひとりひとりのお客様に対して、
どこまで時間をかけて徹底して向き合うかという姿勢に比例して増減するものだと、つくづく感じます。。


なんとなくという感触でも、まったくOKですので、
全身を包むそれぞれの輪ゴムのごとき筋膜の張力の影響範囲の広さを感じ取っていただければ幸いです。

筋膜の引き張り力ネットワークの正常化を図るのが、筋膜リリースなんです。
posted by スズキ at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月12日

慢性化した凝りがあるときの筋膜の癒着をたとえるとどう見えるもの?


どんな場合でもどんな状態の筋膜でも、
筋膜がカンタンにはがせると思うのは勘違いです。

施術者が施術で筋膜の癒着が進んだ状態をリリースするときに、
残念ながら、まったくの理想形の筋繊維に即座に復活するなんてありえないのです。

特に、慢性化した凝りの場合は筋膜の膜組織自体が正常なものとは別物といえる状態にスリップしているため、
慢性状態になった凝りを正常に戻すには、鋭い目と技が必要だと言わざるを得ないでしょう。






お願い
以下に2本の密接する筋組織、つまり筋膜が巻き付いた筋肉があるとイメージしてください。

2本の密接する筋組織.png


筋膜の癒着ってくイメージ.png

3つのパターンを描きました。

{左図}正常。筋膜の癒着がないケースです。

コラーゲン線維が主にできており体内の水分が多く深部体温ほど高い温度をしめす場所にある筋膜。
そちらは、半ゲル状でぺたぺたし状態です。
ぷるぷるのゼリーのようなイメージと考えていただいて、おおかた間違いはないでしょう。
そうなると隣同士の筋膜が直接接すれば容易に癒着がおこるので、
そうはならないようにたっぷりとした潤滑油が筋膜の外方には満たされており、
その潤滑油により仕切られて別々の筋は、それぞれが動く際に互いに干渉せずにすべるように滑らかに動けます。


{中央図}筋膜癒着の初期段階:筋膜を包む場にある潤滑油が切れてしまう場所があらわれ、癒着が徐々に始まり糸を引く様子です。
精神的緊張からくる筋緊張を含め、筋肉の部分的な使い過ぎが積み重なり、張った筋同士の隣との間隔が減り密着し始めていけば、
筋膜を滑らせる潤滑油の供給が滞りだします。
そうした潤滑油切れが起きれば、粘り気のある筋膜組織が隣同士、直接膜がついたところが癒着していき、
それらの筋を引き離せば筋膜コラーゲンがクモの糸のような引く状態となります。

この場合、生理的に日々体を使って凝りはでてくるのが普通ですから、初期段階では寝ればリセットして両者の癒着した筋は離れます。
つまり通常は、左図の正常な筋膜の癒着がない状態と、中央図の軽く癒着した状態を日々行き来しながら暮らすようにできており、
筋膜の癒着がおこること自体は体内でそれをリセットする機能がついていることからもわかるように生理的な現象です。

このような自らの筋膜をはがすための機能がお客様の体の中に正常に発揮できる状態下であれば、
私どもとしては「これだったら問題なく、リリースがスムースにできますし、良い状態の元通りにリカバリーできます」といいます。

このときの初期の初期段階からもうちょっと進んだ程度の癒着のリリースは、
痛みが出ることのないカウンターストレインやマッスルエナジーテクニックなどで、
効果的に緩めていくことができます。
なかなかこのような対処のみで終わることとなるお客様は少ないのですが、
ベン石温熱器をもちいはじめて、
少しずつ副交感神経というリラックスモードによく引き入れてリリース促進を図るという対応でOKな方がでてきてうれしい限りです。



{右図}筋膜の癒着が進行し、膜状が柔軟性を失した線維化が進みはじめる。

(右図は、鍾乳洞の下絵を使って描いたため、線維化が進み過ぎてみえます。ですが誇張しすぎてますが、術者の友達からは納得の声をいただきました:私どもの感触では、正常な筋膜と変異した筋膜は形状も水分量も温度も組成成分状態も、そしてそのうちにある筋繊維への保護能力もまったく状態は別物で劣化した状態だという認識です)


筋膜はもともと代謝が激しさがある組織で、
ひっきりなしに古くなった筋膜組織を壊して新たな筋膜に入れ替えることで、
骨格筋や各部臓器を含む筋組織を鉄壁にガードする仕組みになっています。

そのような新築するのががいちじるしい筋膜組織に対して、
すでに凝りが進み血流等の代謝が落ちてしまえば、いざ新たな筋膜組織を作ろうとしてもままなりません。
すると古くなって通常は破棄する仕様の廃材として価値のないはずの現存する筋膜を再利用するしかなくなります。

私はぶたの解体を施術学校に通い始めたとき人づてて見せていただく機会がありました。
比較的豚の臓器と人間の臓器は似ているといわれるだけあって、筋組織も類似しているところもあります。
そこで見たのは本来は半透明であったはずの膜が脂肪層の漏れ出しからか黄色味を帯びた着色がなされ、
だまがいくつもの部位にみてとることができました。
あきらかに正常な筋膜組織ではなくて、筋同士をはがそうとすると、
細いクモの糸が出る場所と、
他にはあたかも鍾乳洞の上下に突起して引きはがしづらい抵抗ある場所と。
明瞭にわけられていたことを観察しました。


鍾乳洞のような状態の筋膜部は、
すでにそこにある筋膜組織は新調性の高いソフトでのびやかな組織ではないものに変異しております。
体液の減少もみられます。
そして一部、粗くなった筋膜の筋繊維は剥がれ落ちて筋繊維が露呈しています。
ここはかなり顔をつけるようにしてのぞき込まなければわかりませんが、
すでに筋繊維は筋膜というガードマンがいなくなり、非常に衝撃にもろさがある状態でむき出しになっています。
部分そこは赤みがかり微量の出血痕が見受けられます。
何年もの間、新調されずに使いまわされた筋膜の線維化が進み、ぶたの首筋近くの凝りがあったことでしょう。

そして昨今では海外では筋膜系の参考となる専門書が多数出版されて和訳本もいくつかでております。
それがあるおかげで正常な筋膜と変異が進んだものとの違いは明らかにされております。
ただ書籍だけでは変異後の癒着が進んだものの感触は得られません。
だからそこを補う情報として私はぶたの解体の観察をし、手で触り感触を確かめた特徴を、記憶の奥から蘇らせつなげることができました。
その体験がいまだに生きています。


ですが実際は人体のなかに入り込んだ凝りの硬化度の高さは、
おそらく私が触れたぶたのものとは違うでしょう。
ぶたはそこまで体を酷使したりせずに生育されていて、
部分的な凝りが進むトリガーポイント部分はあのとき観たような癒着があった。
そして人体のなかには、それと同等か、または私が骨化と呼びたくなって呼んでしまっている、
別に石灰化がはいってもいない筋膜の膜状の古さやダメージの状態は、
そのときのぶたの様子を超えるものだというのは明らかです。


筋膜は、単なる筋組織の周りに巻き付いていて癒着していてもそのまんま普通に巻き付いたままの組織だと思う。
そのように考えておられていては筋膜リリースをするときに適切な回復段階を想像できないでしょう。

以前、たまたは知り合いの鍼灸師の先生に筋膜の癒着ってどうなってるのかと問われて、
癒着が進んだ膜状は、柔軟度の失せた廃材利用で、正常な筋膜の組織とはまったくの別物だから、
剥がしただけでまた元通りに瞬間的に変わるなんていうことは組織上はないんだと説明しました。

するとその先生も、お客様で硬い人だと鍼を打っても折れるか刺さらない部位がだいぶあるのでそういったところが、
もしかすると柔軟性の失せた廃材を使った筋膜ということだといえそうだねといっておられました。

実際、コラーゲン線維でできた筋膜の膜組織を水分を抜いてカラカラにすると、骨以上の硬さに変わります。
そして触る人が触れば、人体内部のその硬化した組織の性質と、その鋼の太さの板ゼラチンの軽さと硬さとタップしたときの響きから、
同様の組織だということを察することができるでしょう。


長時間にわたる負担の大きい同一姿勢を続けたり、
それが過酷な力みを入れざるを得ない筋力を発揮させて酷使させたり、
重篤な衝撃が体内に入り出て行かないほどの量のダメージを受けたり、
緊張して息をするのをひそめたり息を止めたような作業をしたり、
精神的なストレスが筋緊張を呼び筋力の弱化が生じて筋バランスが正常に保てなくなったり。

そこは想定される日々の軽微な筋膜の癒着の範囲を超えるものとなり、
急性の癒着期から進行して慢性の癒着状態という次のステップに進みます。


実際的に慢性の癒着まで進行したときには、
右図}のような物質としての変質が起きてしまっております。

そのような慢性状態(※注 慢性状態のざっくりしたイメージ。)となれば、
この部分の組織を実直にリリースするということがない限り、
ほぼ永続的に、その凝りによる身体内部の関節のずれは続き関節可動域の制限は残りますし、
深層筋にまでそれが進めば血液等の代謝が血管を硬化した筋膜の圧迫により停滞する等の不具合がいつまでも残ります。
そしてやっかいなことですが、すでに生理的な筋膜のリリースがおこる範囲の外まで凝りが積載されてしまえば、
いったんできてしまったその凝りのため筋使用が制限された状況を他の筋肉を動かすことでカバーするため、
また新たな部位に凝りを創るようになります。
これはこれで優れた人間の持つ機能の一端ではありますが、本来は自分が担当ではない苦手な労働を他者から丸投げされてさせられることにより、
こちらの新たにできた凝りのほうが張ったり凝ったりが強く感じられて、
そこを主訴として訴えられる方が多くおられます。

実際はそこを緩めると余計に痛みが増す関係になっており、
さかのぼって仕事を丸投げした先に動けなくなった部位のリリースが先行されない限り、
いくらアプローチしても改善の長続きは起こりません。
慢性化した状態であれば、多層的にそのような問題が含まれていますから、
そのような点を順序だ出てて優先順位付けして解いていくことに力を注ぎます。


(※注) 慢性状態のざっくりしたイメージ。3カ月以上とか6か月以上など体の部位により慢性の読みが変わります・伸筋や屈筋としても異なります。
ただ1年以上昔のモノとなると、多くは表層筋は右図のようになり、負担蓄積度合いがつもればそれが中層筋や深層筋まで浸潤して、やがて骨膜へ癒着が観られれば自力での復旧が難しい状態となったといえるでしょう



たとえば10年以上前からかなりしんどい凝りによる不調が続いているといった状態のときは、
残念ながら、多くは体内の奥に{右図}のようなものを私どもは非常に多くの身体内部に広がるものとして見つけ出します。

それゆえに、筋膜の癒着が慢性化した凝りを為している場合、他の施術とはアプローチの手順、手技、プログラムなどリリース法が変えられています。
通常のマッサージでは線維化が著しいものには対処が難しい面があると思えます。
たとえば筋膜の膜状をタッチでどう読み取るか、そして全身的にその筋膜の癒着はどのような係を担っているものか、そのうえでどのような手技を使うのが最適か、等々を順繰りに解きつつ、その解かれた後の瞬間変わった状態からまた状況曲面を新たに模索して次の手を考えて、
リリースする個所の深さや圧の質や上下左右前後のバランスなどみていき、仕事終わりにつなげられるよう詰めて微修正を何十回、何百回と繰り返します。
そうするにもそうした対処できるようなセンスをみがき、独自のアプローチ法を模索していきます。
私の今の施術上のマイブームは、ベン石温熱器や棒状かっさによる骨への垂直刺激を渡さずになすずり圧でしょう。


そうすることで、癒着が進行して筋膜が変質した状態が根付いた患部に対して血の流れを寄せるルートをあけて、
その廃材を使わざるおえなかった部位の筋膜組織を変えていきます。
ただ筋膜が剥げてしまっていそうな部位は、圧にもろい切断されやすい筋繊維が犠牲になるのですが、
そこを筋繊維の流れを読むことで沿って圧をかける点と、骨に押し付けすぎない意図的に一定層の浮いた圧を棒状かっさで作り出すことでぺりぺりと目的層の癒着をはがすことができるようになった点と。
あとは筋膜組織が廃材化したときに硬度が強まり伸張性が減少してダメージを受けやすく変質しているところに、
ベン石温熱器で患部のコラーゲン線維を加熱して先行してちゃんと緩めて解けやすい部位をつけてからそこを解くを繰り返すことで、
筋膜組織へのちぎれるダメージも減らせるというのは本当にありがたい、ベン石温熱器様、ありがとうです。


posted by スズキ at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月10日

五十肩等では、拮抗筋がリリースの狙い目

昨日は、主導筋と拮抗筋について、お話をさせていただきました。

2022年05月09日
主導筋の動き出し前に、ぜったい、しておくべき操作とは?
http://bodywise-note.seesaa.net/article/487861915.html



たとえば、腕を横へ挙上する手順は。。。
(1)拮抗筋の弛緩:しっかり上腕三頭筋(上腕の裏側の筋肉)を意識して筋緊張をゼロになるよう弛緩させる。
(2)主導筋の操作:拮抗筋が弛緩し終えた後に主導筋の筋収縮をおこして手を挙上させる。
※ 拮抗筋と主導筋の両者が同時に筋緊張または筋収縮が起きた状態が力んでいるといい、
  動きが外側に及ぼされず内側に溜まり凝りを生ずる原因を作り出す。

主導筋と拮抗筋.png


拮抗筋を弛緩させるのが先.png

主導筋の三角筋後面(肩甲挙筋上部や棘上筋や肩甲下筋の凝りがある)が激痛だという五十肩。
通常ならば直感的に、激痛をおこす部位へと直接湿布や鎮痛作用のある軟膏などを塗ります。

ですがあまり成果が思わしくなくて、長々と尾を引いている。
そうしたことが継続しているときは、拮抗筋の筋硬化が著しく芯に食い込んでいることがあります。
五十肩なら、力こぶの出る上腕二頭筋の上腕骨を挟んで裏手にある上腕三頭筋のことです。
その上腕三頭筋の付け根の腋下の深部にボール状のちょっと大き目なスーパーボール大の筋の凝りや、
深く上腕三頭筋の奥をつまみ上げたら信じられないほどの激痛をおこす強烈な炎症を放つ凝りが鎮座している。

主導筋が屈筋群に占められ、対する拮抗筋が伸筋群に占められるような傾向性を把握できていれば見方がわかってきます。
主導筋の痛みがでたという場合、
セットになる拮抗筋が先行して硬化や委縮が慢性化してしこり化してでた主導筋の激痛。
もともと伸筋群のほうが屈筋群の筋の筋断面の2〜3〜4倍と太さが増しているもので、
伸筋群の凝りが入り込めば関節の異常な収縮が出てきます。
身体の前面にある屈筋群が硬化短縮するときの関節は、前方への一方面の詰まりが出る力が作用するのが主ですが、
伸筋群は筋断面が太いだけあってパワーが屈筋群の比ではなく、その筋力が関節全体を詰めて動きの間を奪います。

関節とは、必ず骨と骨の間にクッション性のある軟骨様の素材等が挟まれており、遊びの空間が作られているので、
骨同士といった硬さがある組織同士が当たって削りあうことが避けられています。
そして間がある部分には潤滑剤がはいっており、そのおかげでスムースに関節が動けるのですが、
その潤滑剤の役割をもつ組織が、伸筋群の硬化により関節の間を奪うことがでれば外へと漏れ出るのです。

そうなれば関節の遊びの間が消え失せて、骨同士が削りあう具合になる。
そこを避けようというプログラムが人体にはあるようで、そのときに肩甲骨を挙上・外転させて、
肩関節の骨の直接的な接触を防ごうとするようです。
絶妙な危機回避能力です。
ですがこれは緊急避難としてなされた、とっさのことであって理にかなった本来の動きではない。
処々に補正的な不具合を押し付けあってかなえられた状況です。
その結果が、五十肩、または四十肩、そして三十肩・・・。



ここまで申し上げましたら察していただけると思いますが、
「上腕三頭筋をしっかり緩めるようにするといい」のです。


ではどうやって上腕三頭筋を緩めればいいのか?

現実問題として、すでに五十肩等が厳しく感じられていれば、だいぶ上腕三頭筋が状態は悪化しています。

ハンドマッサージは、激痛で、奥にあるコリの骨化した本体に圧を贈るのは難しい。
それはセルフでのハンドマッサージでもそうですし、施術者のおこなうものでも、そう。



では、排酸棒を使ってみたらどうか?
これなら持ち手がしっかり握れて、芯の凝りに圧が効率よく届けられるからいいんじゃないの?



でもやってみるとわかりますが、痛すぎて、ムリ。 ^-^;
つまり接触が点で加わるのは、ハンドマッサージは手の硬い骨が点で当たって刺さるし、排酸棒も同様に先端の鋼が点で当たって刺さります。
そうやって刺さった点を動かす、動かされるのは拷問に使えるほどの激痛。
私自身がやってみて、そう実感します。



なので、私ならどうするか、というと。
次のようなアジアのほうではよく見られるような木製のマッサージ道具を活かします。







これらの形状を観ていただくとわかりますが、カーブがありますよね。
円柱形の腕のカーブ面に沿って作られているため、
使ってみるとちょうどいい感じにフィットするのです。

ハンドマッサージや排酸棒では点で刺さる感じの刺激が加えられまして、
さほど解けず激痛がひどかったのです。
ですがオカリナ型や四本足の動物型の木製マッサージ道具では、
患部との接触が線になり面になります。
点で刺さる痛みがないため、
これらを使う場合、かなりの強圧でも痛気持ちいい程度の刺激。

つまり。
「ハンドマッサージや排酸棒では、骨化した凝りがとけない程度の弱圧でしか刺激が加えられずに延々溶けてくれなかったじゃないの!」
から脱却できるんですね。

これもまた人間って、真剣にその凝りに対してリリースを模索すると、
手では難しくてできなかったことが、安心して気持ちいいほどを繰り返せば解けちゃうんですね。
人類の進歩は道具を作ったことから始まったという原点を思い出しました。





上腕三頭筋は、ベン石温熱器を使うとき。
セルフリリースでは、あまりいい成績が出ません。
というのも四本足の動物型木製マッサージ道具のような患部にフィットする把持力がないため、
腕のような細い部位は力が逃げるのです。

だから私が腕の施術をするとき、つまり他者施術でのリリースでは必ずベン石温熱器を2機同時に使います。
一台を主導筋の固定をするようにして、もう一台を拮抗筋を緩めるというように使うのです。
この時に二機をうまく連関して凝りの刺激に力が集約できるように操作するのが、うまいリリースができるコツなんです。
なので固定する側の一台も微妙に動かしてリリースの補助をしています。

ちなみに、肩周囲の問題を含まれていてという方は気づくかもしれませんが、
主導筋と拮抗筋を同時にベン石温熱器を当ててリリースをされると緩み方が非常に深いんです。
その理由の一つは、ホットストーンを使うことで60〜180秒ほど熱を患部に注げば、
3センチほどの奥までその熱が伝わって凝りの部位のゲル化が進むという特性を持っています。
だから腕は個人差はあるものの脚ほどまでは太さがなく、挟み込んで熱を注ぐことで通常は3センチほど届く熱伝導がさらに奥へとのばせる。
そこを利用して、熱で凝りを溶かして解いているのです。

腕は、人類は手を良く使い発達していて、あたかも脳とそれが直結しているもののような感じがあり、
加圧によるリリースは、その大事な腕をダメージを及ぼされて壊されるのではという感情面の緊張と、
脳とそれが直結しているといえるほど腕に入る神経の太さや量の多さから、基本、外圧からの刺激は非常に嫌うのです。
痛みがそれだけ強く出やすいということです。

ですが適温での熱刺激の場合、加圧リリースとは異なり、すんなり受け入れて、すんなり熱伝導が通りやすくあるため、すんなり緩められるのです。
結果的に硬化して骨化した腕の上層組織が緩まったなというところで、ざっくりとその緩んだ部分を拭いとるように、ベン石温熱器を使ったずり圧で解いていく。そしてまたベン石温熱器を使っての注熱をして、腕の中の幾層にも積み重なったしこり化した筋膜層を、着々、拭い去って正常な状態となる部位を増やしていくので。



オカリナ型や四本足の動物型の木製マッサージ道具では、熱刺激ではなくて圧刺激のみに頼るため、
おそらくは10年かけてつけた上腕三頭筋の凝りは1年かけて緩める計算になるでしょう。
一度や二度、やってみて効果がないと木製マッサージ道具をうっちゃるのは、間違いです。
特に慢性化した方々では伸筋の側の凝りが深く入った部位は、骨の骨膜への癒着が進行してますので、
その骨膜への癒着がはがれることがなければ引き連れの量はリリースで減少しても消えないのです。

ですが体調的に血圧がそんなに異常ではないという方、循環器に問題は含まれていないという方は、
お風呂でのそれらの木製マッサージ道具を使ってセルフリリースをしてみると効果的に肩の不調を改善できます。
イメージで言えば、インドネシアやタイなどで、湯上りに木製マッサージ道具を使ってもらったマッサージを受ける感じでしょうか。 ^-^)
※ 循環器上の異常がある方は、左腕とその近辺のリリースは、お風呂の中ではしないようにお願いいたします。



最後になりますが、
五十肩等での痛みが出る主導筋にあたる患部は、拮抗筋の症状がぬぐえれば、それで半減するか解消することが多いので。
施術をする先生たちは、すでに炎症が出て触れない患部を触るのは避けて、拮抗筋を緩めて様子を観察をしていきます。
拮抗筋を緩めて、それで問題が解消すればOKですし、そうならなければ、加えられる他の要因部位を探し出して、
ケアの範囲を広げていきます。
そうすることで患部の筋膜の膜状が線維化が進んで切れやすくなっている部位に圧をかけてダメージを与えるのは避けて、
段階を経て快方への階段を上るように進むことが通常です。
あまりに五十肩等のつらさがあるときには、キネシオテーピングを同時にもちいることで効果的な補助をあたえることもできます。
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2022年05月06日

「硬くなった筋肉」・「短縮した筋肉」とは?

身体を動かすことで人体は緩みます。
先ほどGWに若者4人が車で出かけた帰りに渋滞にあった映像が流れていました。
すると運転している男性が「腰が痛い〜」
みなさまも、そのような経験、ありませんか?
映画館で3時間以上の長編映画を観たときも、
身体がガッチガチになって、外に出たときに軽くストレッチをしている人も見かけます。

身体は活動の停滞状態があれば、すぐ硬くなるんだということがわかる事例です。


身体を動かすことで古くなった筋膜が新たな筋膜へ置き換わるのが自然です。
ですが不活動が続くことがあればどうなるか?

古くなった筋膜がうまく新たなものへと置き換わることが遅れたりとしづらくなった結果、
筋膜内へ線維化したたんぱく質が蓄積していきます。
こうしたたんぱく質を含んだ筋膜は筋繊維に対して徐々にきつく絡みついていく状態に陥ります。
こうなったとたん筋膜が伸び広がったり筋膜の持つ外圧をはじいて筋繊維を守る弾性力が欠けはじめるのです。



先に申したように、大渋滞に巻き込まれて座りっぱなしの男女若者も、
GW旅行での行き帰りの時間でも軽度なこの現象がおきています。

ですがこうした不活動の裏には一定姿勢で部分的な筋の使い過ぎが隠れていますね。
それも含めてストレッチ等で復活してもらいたいところですね。

これが生理学的にいうところの「硬くなった筋肉」・「短縮した筋肉」の実態ですね。



ただ長期間にわたり一定の運転姿勢を続けるタクシー運転手やバス運転手になると、
腰痛が職業病とされるほど、多くのドライバーが同じような症状に苦しみます。
ミクロの目で観れば、筋膜の広がる性質や弾性力が戻れなくなるほど、
たんぱく質が線維化で置き換わった筋膜の質が悪化してのこと。
筋繊維がつねに筋膜にぎゅうぎゅうと締め付けられている状況だというわけです。

こうなると筋の縮みによる制限も一過性のGW渋滞にはまった若者の比ではありません。

複雑な作用のもとで筋の柔軟性は減少するか失われていき、
筋膜の線維の絡まり方が筋の形状を記憶した合金(形状記憶合金)のように、
よくし続けてきたままの筋の状態へと筋膜の絡まりで作り出してしまうのです。
慢性化した職業病や首凝り腰痛肩こりなどの症状では、
明らかに筋膜の線維化が筋膜の広がり伸びる性質を奪い押せば跳ね返すような弾性力が低下して塊と化していきます。
そうした筋膜の中に納まった筋肉は、ぎゅうぎゅうに絡みつく筋膜の繊維状組織に締め付けられているため、同様に動けなくなるのです。



私がする施術での筋膜リリースは、正常な筋肉のパッケージができなくなった筋膜を緩めるというのが狙いです。



繰り返しますが、
硬くなったり短縮している筋肉とは、
筋膜の新旧の置き換えがしづらくなった過程で古いたんぱく質が線維化して筋膜内に残っていき、
筋膜が筋繊維や筋肉に絡みついて締め付けるような状態を引き起こしているんです。

そしてこのような慢性的な職業病といえるような状態や慢性化した長期間にわたり筋膜線維が筋を締め付けているとどうなるのか。

筋膜の繊維質の線維化が進んで弾力性は欠けて、血液がその筋や筋膜組織へと送り込まれることに対し制限を課す虚血性状態に陥ります。


時折、私が慢性化した筋膜の癒着をお持ちのお客様に、
「この現状で強い圧をかけたなら、ぷちぷちと筋繊維がちぎれて、損傷したそれは二度と元に戻りませんので。
 今回はこのままにして代謝が上がって血が患部に流れて状態が好転するのを待ちましょう」
という場合があります。

通常、お客様への圧は、ほぼほぼ90%筋膜組織の弾性力で受け取ってくれているから筋繊維がちぎれることはないのです。
それが筋膜状態の質が劣化すれば、
虚血性状態にて伸び切ったり固まり切ったりの筋膜は筋繊維を守る力がほぼ失せています。
だから施術者がそのような患部に圧をかければ、もろくなった筋膜が壊れたと同時に内部の筋肉も容赦なく引きちぎられます。

筋繊維は、柔らかくもろさのたんぱく質からなる組織。
だからこそ筋膜の弾性で筋繊維に加えられる外圧から身を守る仕組みがあります。
ですがパリッと割れて壊れる板ゼラチン状に変質した筋膜の硬化状では、もう筋繊維を守るなんてできてないんですね。。。

なかなか筋膜の状態を読むことは難しいのですが、虚血性状態に陥って居れば、
その際、その部位への水分の代謝が減りもちもち筋ではなくぬめりが一部見えている点と、
熱代謝が阻害された冷たさを感じられることが特徴です。
ただ全身から総合的に見ていくことができなければ特定は難しいでしょう。

このような条件下では施術は受ける側も慎重になったほうがいいでしょう。
同時にストレッチやヨガ、または自己マッサージでもこの条件下に陥ればダメージの進行が改善より勝ります。

昔は湯治場という、薬効成分の高い湯屋に通い詰めて体をほどいていく養生法がありました。
個人的には筋膜はコラーゲン組織で組成されているため、
熱を適度適量あたえることで筋膜のコラーゲンのゼリー状からドロッとしたゾル状に変質する性質があります。
極力はこのチキソトロピー効果により細胞質基質の硬く冷たい部分を液状化させて筋膜の膜組織を柔らかく弾力あるものに変えることが有効です。

※ これが以前から私が体がしんどくなる(=筋膜が線維化が進み筋がシバかれてつらくなる)と、
  傷ついた動物が温泉で傷や病を癒すように、
  長時間スマーティという遠赤外線ドーム型サウナに入って筋膜の線維化が消えるという回復をじっとまっていたわけです。



このような筋膜リリースをするための基礎として押さえておかなければならない知識も、
20年前は筋膜関係の生理学的な学術書は和書で私が知る限り見当たりませんでしたが、今は普通に書店で手に入ります。

先人の解剖生理学研究者たちの愛のこめられた本はすばらしいですよね。
posted by スズキ at 09:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月02日

姿勢筋と位相筋の対と関係を読んで施術をすることが、骨組みをそろえ整えるためには必須というお客様もいます


多くの「前後屈」が強くなっているケースでは。。。。。
{姿勢筋}が過度な委縮があらわれて、
{位相筋}は虚脱した伸びて力を失っていきます。


たとえば膝の重篤の故障があらわれている方の場合。
私がいままで施術させていただいたお客様の割合からみれば、
多くの割合で過度な前後屈が内在しております、

この場合、正直に言えば、すでに姿勢筋が強く委縮し続けており、
不安定さを身体に施術という外圧をあたえることでカラダが今までの立ち方を変えて
立位のバランスが変わる。
それは別な言葉で言えば、不安定になって立つという状態です。

そうなるとそういったぐらつきを押さえ込んで立たなければならなくなるため
姿勢筋の委縮が5割増しとかさらにそれ以上の{姿勢筋の緊張}が現れるのです。
だから施術を受けてもかえってカラダがよくなりません。
それどころか、未熟な技術で施術を受ければかえって悪化します。

重篤な膝の故障を起こしていれば、すでに体内へと多大な骨格筋のアンバランスという負の遺産があるので、
そのような負の遺産は崩壊しやすくて手を付けるのは容易ではありません。
慎重さがあったとしても、息を詰めるような緊張をもって脳でそこで生じるリバランスの落としどころを見抜くことが大切。

巧妙に仕込んでいるんです。
身体を壊さないような安全性を優先にしつつ、
現状を変える仕組みについて。通常はアライメント調整や部分修正をすれば済むところですが、
そこに留まらない計算が必要になってくるようです。

そのとき施術をする者が姿勢筋と位相筋の動作の違いを理解して解く目があるかどうか。
そこに計算のための鍵のひとつがあります。
それも重要なカギで、それを持たなければ、多くはぎっくり腰や仙骨痛のようなことが急性ででてきたり。
好転反応とはいえないものが現れてきます。

なので姿勢筋と位相筋の読みがあるかどうかで、
その後がどのような放物線を描いて、よくなるか、現状維持か、急速に悪化するのか。
変化してくることがあるのです。





前後屈1.png


先日、膝の重篤なお客様がおられ、膝で問題があるというのは、多くの割合で骨盤が内部で大きな前傾となる部位があり、
姿勢筋と位相筋のバランスをミリ単位で整えていかなければということがあります。
ただ力まかせに操作をしようとしても、すでに姿勢筋が骨化に似た硬さがあれば、
甘い操作では変化がなく、微妙な変化では症状悪化の歯止めにもなりません。
膝が状態が悪化すると、全身の関節の詰まりが強まって呼吸力が半減していきます。

どっかで断ち切らなければ、ずっとその大変さが続くのです。

すでに進行が末期となっておられたため施術で解決できる範囲を超えていたのですが、
私自身ができることをみつけ、
解き方を、または対処し対応する方法を相当に考えて、
日進月歩でやり方を見出して変えて進めてきたのです。

そしてコロナ禍で私が施術を完全休業していたときに、
お客様が膝の手術に踏み切って、
膝痛の呪縛をなくすよう歩みを進められていました。

それから施術の対応として範囲内といってよい状態と変わり、
私の手で感じたことでは、施術をさせていただくたびに積み重ねて解く部位の深さが着々と改善へ積む経験へと変わりだしたこと。

施術前で立ち姿を見たとき、
横から見た骨で立つラインが見えていました。
姿勢筋がよみがえってきた状態が維持できるよう、
お客様本人が見出せたという印です。

^-^

これが見えて、いままでは手術後の膝周り周囲は負担をかけたくないため触らずにいました。
手術側の脚の芯がどれほどまで状態がしんどいものかはわかっていましたが、
見極めなしで姿勢筋が使っていない状態で先走り手術後の脚を解きすぎれば、
かえってさらに姿勢筋が2〜3割増しで縮んでしまわれて一気に悪化へと舵を切るのです。

なので毎回、つとめて笑顔でねちねち、ねちねちと、
立ち方や歩き方など、他のお客様へのアドバイスの3割増しでいってきました。
すでに足腰がきびしくいたみがあるという状態だとわかっているので、
深刻さが突出していなければ、こんなねちねちいわずに待つのですが。。。

そういったことがあって、
お客様本人が姿勢筋を立派に使っている姿をみて感動でした。

これで安全に膝周りというお客様がずっとずっとつらく思い続けてきたところを、
以前のセーブをかけていかざるをえないリリースという最大の難点が消えたところで手技をさせていけました!
それ以前の施術をしてきた個所とは、全く違う、核心部を含めたリリースです。





姿勢筋と位相筋の違いをマッサージを含めた手技療法ではあまり深く解説してないような気がします。
多くのテキストをみても、そう。
この差異をしらなければ恐れが抜けないような気がします。
このたびのような膝に重篤なダメージがあるお客様の場合、
特に姿勢筋と位相筋の特性の違いと相互筋として対になるものの組み合わせが読めなければ難しい。

正直に言えば、カンペキに私どもはお客様の状態を読み切ることはできません。
慎重さを持って対したとしても限度があるので、
それがつねに恐れにつながります。

施術をすることで、未熟な自分の手でかえってお客様の体を悪くさせやしないかという恐れがある。
だから少しでもその恐れを軽減させるために、
お客様を正面から明るく見つめることができるようにするために。

お客様の体内の骨組みを想像して見いだしていき、
その骨組みがなぜそこに置かれているかというテンセグリティの姿勢筋と位相筋のバランス関係を察知するといいでしょう。
それができてくると、この筋の一本のどこを解けば、他の広義で言う関連筋群がどのような状態の変化へとつながるかが見えてきます。

筋肉と神経の状態が理想の立体構成の骨を組み立てるのです。

そこが見えてこないと、特に重篤な膝、腰、首等の問題を抱えておられる方の施術は、
巧くないことが起きやすいようです。。



ずっとお客様には、計算が難し―とか愚痴ってしまい申し訳ありませんでした。
どういった計算をしてるかなどは、まったく解説することなく、ぶつぶつ言ってたので、
さぞや怪訝な感じであったことでしょう。

 ^−^;



お客様の様子をみて、よかったなぁ。
こころから、そう感じました。







また他のお体の状態が重篤ではないお客様の場合は、
ここまで熟考して解き方の計画を立てなくても、
外圧という施術作用をあたえられても大丈夫。

みずから変化に即応してリバランスしていき、
新たな姿勢を、とくに改善された居心地のいい姿勢を体験したら、そこで得た体験知を持って、
新たな姿勢を構成しようと。
おのずとしていってくれます。

筋肉の伸び縮みがうまく起きているようなゴム弾性がしっかりあるようでしたら、
関節のずれからちょっと掛け違っていたところを正すような程度のことで、
身体の状態を芋づる式に変えることができます。

じつはこの芋づる式に身体を変えるときの読みに姿勢筋の連携性が関与してきます。
ただ、二足歩行する人間なのですが、
その実、四足歩行の生き物としてそれをとらえなければわけがわからない点が出てくるでしょう。
そうした見立ての拡張解釈をする視野を育てるのも大事なのだろうなと思う次第です。
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2022年04月30日

筋は凝るばかりか? 凝りの裏には虚脱あり! じつはこの虚脱した筋が人々の体の状態改善をしづらくする鍵だった!?

筋肉とざっくりいうのはわかりやすさのため。

施術家の場合、さらに細分して筋を分類して、
それぞれの違った特徴を知り、
対処の研究をするのです。
そこでひとつ、非常な難題が持ち上がるわけで、
よかったらお話をおききください。 


筋肉の分類として
「姿勢筋」と「位相筋」の筋の分類があります。


姿勢筋は、重力に対して立つための筋肉です。

位相筋は、空間内で身体を動かすための筋肉です。


姿勢筋は、反収縮の状態で長期間機能する。
姿勢筋は可動性や重い負荷に耐える力に限度があります。
場合により姿勢筋がその作業に使われたとしても、本来はそうすることには向かない筋肉構造です。
長時間にわたっての運動的健康が保てないのです。

そうすると、一時的にかまたは慢性的にバランスの悪い姿勢筋がなすべきではない作業を強いるとどうなるのか。

そうなると通常あるべき関節の位置に置けていない状態でささえることとなってしまい、
姿勢筋には多大な負荷が強いられることとなる。

そんな状況でちゃんとしたそのような負荷がかかって緊張短縮した筋をストレッチやマッサージ等のケアをせず放置したならば、
姿勢筋が短縮した収縮状態のままとなる。

こうしたときに実は、筋膜組織がその内部や周囲に余分で不健康な結合組織と化してしまう。
そうした悪化してしまった筋膜組織だが、そのような強化しすぎた姿勢筋による支持能力をもった筋膜が、
筋肉の活動をどんどんと制限していくことになります。

それはどういったイメージだろうかといえば、
全身タイツを着てもらったときに、そのタイツの一部をつまんで窮屈で着心地が悪くなるほど引っ張りまして、
そうした引き連れたままの状態にタイツを固定しちゃいます。
するとカラダが動かしづらくなるんですよ。
引き連れが関節部分に関係すれば曲げ伸ばしができないようになる。
そういったことが、まさに体内の筋膜組織により発生しているのです。

実は・・・
正確に言えば、このような流れで姿勢筋の誤用が筋膜緊張を強いて筋肉の活動を制限するといった状態を「筋膜の癒着」といっております。


姿勢筋はこのように筋緊張が起きた際に短縮するという傾向がある。






それに対し位相筋は?

位相筋とはときには強く素早い動きを生み出します。
パワフルに十分な力を外へと発揮できる特徴があるのだが、
それが可能となる時間は短い。
はげしいバスケットボールのボールをドリブルしながらダッシュなどは位相筋が使われているのです。
ただ位相筋はバテてしまいやすいんです。
疲れたら、その回復には時間が長く必要とされます。

過度に姿勢筋が使われれば先ほど述べたように緊張し短縮するのに対し、
位相筋が使われたときは特別なトレーニングをしていない限り使い過ぎたり誤って使われてしまうと筋が長くなって弱化するのです。


・・・・・えっ?

位相筋が使い過ぎたり誤って使われると、筋肉が長くなっちゃうんだって?!



それってたとえば猫背になっている人を観察していただくとわかりやすいでしょう。

猫背になると胸の前にある大胸筋は姿勢筋で筋緊張して短縮するが、
背側の菱形筋や僧帽筋は位相筋で筋の長さが長くなると同時に力が入らなくなって弱化する。

姿勢筋と位相筋.png


つまり姿勢筋の分類となる大胸筋は筋緊張となれば筋膜組織が緊縮したままになってしまう。
この場合は、緊縮した状態の筋膜を解くことが必要だということはご理解いただけるでしょう。

対して背中側の位相筋の分類となる菱形筋等の筋肉は筋肉が引き延ばされたまんまで筋力が弱いものとなってしまった。
この場合は、筋膜組織がどうすればいいのでしょうか?

緊張を解くという姿勢筋のリリースのしかたでいいのでしょうか?

それとも、、、?

実は背中側の位相筋をマッサージしても筋肉の緊張が解かれることがないわけです。
つまり背中側の位相筋の筋の伸び切って力がなくなった状態を通常のマッサージをしてみても効果が持続しないんです。

一時はマッサージ等の刺激を外から与えれば血行が上がってすっきりしたり気持ちよかったと思えるかもしれませんが、
弱って伸びてしまった筋は虚脱した筋組織なので力を失って活性しないもの。
ちょっとやそっと、マッサージをしても、10分もすれば血行がまた悪化してしまうことが多く、
姿勢筋でリリースした大胸筋ほど快適状態がキープできないんです。

そうなるとどうなるか?

残念ながら、早々にそのものは猫背に逆戻りとなりやすいわけなのです。。。




それって、悲しい。




じゃ、位相筋の弱化した伸びた虚脱筋を改善させる手は???


という質問をしていただけそうですね。


私も、そこ、よく考えました。
ランブルローラーでコロコロするのも初期段階での位相筋の弱化ならまだしも慢性化がしみこんだものは成果が上がりません。
かえってストレッチポールを背中の背骨のラインに上下に沿わせていたほうがいいようだ。
これもいいのだけれども、やっぱり慢性化している方は、実はストレッチポールに仰向けで寝るのもしんどくてきついんです。

じゃ、マッサージでより強くもみ込めばいいのかといえば、、、
それをしてみても、位相筋の弱化は活性化してくれないのです。



他にも何十パターンも試行して、結果、最良の成果を位相筋の弱化にあたえたのはというと。
それが{ベン石温熱器}だったんです。

べん石温熱器の色分け.png

すこし特殊な用い方をしなければ、位相筋の弱化を蘇らせるのは難しいんですが、
ベン石温熱器をもちいて、すこし特殊な圧法を繰り返したとき、
長いことずっと苦労してきた位相筋に活性化をなすことができたのです。


これがじつはボディワイズでの施術成果が、ベン石温熱器を使う前と使った後で大きな改善がお客様に現れてきて、
毎回の積み重ねる施術の成果が飛躍してきたのが理由なんですね。

お客様には専門的な話になりすぎると混乱させるため、
いつもざっくりと筋膜リリースといった雑ないいかたをしていましたが、
専門的な対策の必要性を「位相筋の筋の虚脱(長くなり弱まった状態)」の対処において研究してきました。


お客様の体が毎回、以前ではなかったほどの変化を見出せるようになり、
お客様の中なる力が目覚めるお手伝いができるようになってきたのです。



丸腰での位相筋の対処がつらいところだなぁとなっていたところが、
ベン石の石の潜在する施術に最適な力と温熱による位相筋の活性化、
その下地をもちいたうえで、人体内部のテンセグリティ状態を理想状態に導く私の見立てをもった、
ミリ単位以下の上下左右前後の骨や筋やその他組織の主なパーツの置き換えや書き換えと整えの丁寧さ。

そこがうまくかみ合うようにと工夫して作っていったオリジナルな施術なのです。




できることなら位相筋の改善の道具として、多くの方々にベン石を利用してほしいと思えてなりません。
posted by スズキ at 15:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月24日

前後屈と理想姿勢のみばえは違う。ただそれだけじゃない!


前後屈があるカラダを脱皮させることで、
見違えるような印象のいい体躯と変わるだろう。
そして健康面にとって甚だしいメリットがあります。

それだけでも自身の前後屈を改善させて理想状態を定着させたくなるモチベーションアップにつなげていただければと思い、
今回のブログ、書かせていただきます。




前後屈といわれても、イメージが付きづらいといわれたことがあります。

ざっくりしたPoserでつくった下図をごらんください。

前後屈2.png

どちらも同じモデルをつかっています。

でもだいぶ見た目が違って見えて別人ですよね。




違うのは骨格上の頭部(上丹田)、胸部(中丹田)、骨盤部(下丹田)の位置を変えたということ。



前後屈1.png

ボール状の丹田の並びは垂直に重なり積み上げられていて、
骨格で体重を支え切れているものです。

ボール状の丹田の並びが、頭部が前方へ変位、胸部が後方へ変位、骨盤はちょっと後方。
骨組みは狂い、体重が骨の支えにぶら下がってはいない。
これは骨がずれて支えの力が減退し、必要に応じて筋肉を凝りという骨の支えの代わりとして代用している。
右の理想姿勢よりも身長が短縮していることもわかるでしょう。




前後屈のデメリットを抜粋するが


肩こり(僧帽筋・肩甲挙筋・後部斜角筋の凝り)、首凝り(前部・中部斜角筋の凝り)、腰の張りや腰痛、胸の前方の詰まり(大胸筋が硬直しつつ委縮)、
肩甲骨が外側に移行して働けず肩関節がはまりが悪い、
腸骨が前傾して股関節のはまりが悪化している
呼吸が制限される、
内臓下垂等の腹部内部の臓器が正しい位置に収まらない
起立筋の硬化短縮が恒常的となり交感神経がつねに行き過ぎで疲労回復がしづらいし自律神経にも問題が出る
エトセトラ・・・。


これらはざっくり前後屈の問題を数点あげただけです。
さらに輪をかけてネックとなる事象はありますが、
これくらいにさせていただきます。


上図は極端に骨格の位置を変えたかのようにみえるでしょう。
でも耳の穴の位置と肩の肩峰の位置がどれくらい立位姿勢でずれているかをみれば、
それだけで私どもは前後屈の内在している加減を察することができてその日の施術の必要な解き方や解く場の選定をしています。



前後屈の改善は一朝一夕ではできません。

なぜかというと、長年かけてその状態に変化させていき、それに慣れ親しんでしまったからです。
ゆがんだ状態だといえども、それは自分がOKをだして、
そうする必要を実感しながら作り出したお得だと感じて創作しつづけた成果がゆがみです。
もしその方がゆがみを支える補助をする筋肉が一気に抜かれたとしたら、
そういった急激な変化は受け付けることができないため、
身体はプチパニックどころか大パニックに陥るのです。

理想状態になれるよう管理することが手放されてきた。
少しずつトライアンドエラーを繰り返しながら、
手放した管理法を学習していく必要があります。

ただしその前後屈の姿勢が3カ月を超え、それも10年以上にも、30年以上にもなったという、
大変な脳へのそうした姿勢をつかさどるパターンの延々と繰り返された神経は、
あらたな技術を受け入れることが苦手なのです。
唯一、本人が必要に迫られて本気で取り組んだ時だけ変わるといえるのだろう。



posted by スズキ at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

施術は、私とお客様のがんばりの積極的な共同作業。目的はお客様の体を次のステップの理想的な改善の踊り場に上るためです。

今日は
暑かったですね〜。

施術中、少しだけ窓を開けて換気してたんですが、
それでも27度から29度。



また棒状かっさを使って、起立筋を芯まで解く必要を迫られて、
必死に巧みに操作していったのですが。

お客様の体の芯の一角を形成して久しくなった、
深層筋の慢性の何十年来の器質的な凝りを解くには、
久々に汗だらだらでした。

はっきりいって、棒状かっさを使ってのリリース法は操作法を強力な20パターンを創作して、
これで余裕でやっていけるだろうと思ったら、かなりの返り討ち。
45分から一時間でその部位のリリースできる予定が2時間強。

通常はもうこの部位は解けないといえるような部位のリリースだから解けることが上々だが、
さらに、やり方を練り込む努力をすること。
それがお客様に対しての礼儀だと思います。

通常、私がかつてならったボディワークは、メジャーなものであるが、
そこでは同一部位のストロークは3回以上するなと教えられている。
そうせよという理由もある。
だがそれで変化がだせるならいい。

そうすれば20分で、終わるんです。

ですが、お客様が大事だから、それはできないんですよね。

たとえば、先ほど描いたブログの続きのような書き方になりますが、
結局は、それでは神経が麻痺をした状態が含まれているような体質の方、別の言い方でいえば強い虚証がある方は、
そのような3回ほどのストロークで済ませていては、
私の所ではまったく対応できない施術を提供することになってしまう。
そういうのは、つまらないと感じるのです。


目の前のお客様の体が輝く状態が観たい。
そこで起きる変化に私も感動したいのです。



棒状かっさを使っててこの圧をもちいずにいたときは、絶対解けないエリアだったものが解けるようになりました。
お客様の棘突起や肋骨の骨部の骨折リスクをなくして、これだけ的確なリリース圧を生み出せるようになったのは、
私自身、30年以上それを求め続けてきたので、そのリリースができたときは奇跡のような気がして神に感謝でした。 ^-^

そうやって大いに驚いて喜んでいたものが、
やり方がわかったとたん、さらにそのポテンシャルを幾倍もの高さに飛躍させるにはどうすればいい?
といった発想をしてしまう。
そうすると施術をする自身にけっこうしんどいことが起こるのはわかっていても、
それを求めて、そこのハードルを飛び越そうとします。

いまは、そういう気持ちで施術をしています。


今日の施術での長時間の起立筋の慢性的な強委縮して血が足らない部位のリリースを、
より最適な解き方をするにはどうすればいいだろう。

お客様の慢性化した深層筋の硬化委縮部分を解く段階まで来たのは、
浅い層や中層の筋のバリアが施術をよく受けていただいて十分な理想の筋に生まれ変わって置き換えられていたので。
そのことを私も熟知して施術前に何度も胸郭周りの大きなネックの残りの部分をほどくためのシミュレーションをし、
その上で今日の施術に挑んだのです。

そうとうリリース上のテクニックも新法を模索してそれをつぎ込んだのだが、
芯の起立筋の深層筋の硬さは椎骨の骨の隙間に入り組んで入り込んでしまっていたため、
想定していた以上に緻密なリリースをしなければならない箇所が、あとからあとから何十回も出てきた。
本来深層筋の機能は骨組みを正しき位置に固定してゆがみなどから守るものであるが、
それが長年かけて骨の位置が理想位置からすれば大幅にずれてしまうということで、
そこを慎重かつ大胆に挑んでいくことは浅層筋の比ではない難しさのかたまりでした。

もちろんある程度の深層筋の癒着といった程度なら、すでにリリースすることは、
20〜30名の実績を積ませていただいたことにより、自信はあるのです。
ですが強すぎる委縮というと、解き方の難易度のレベルは別次元に感じられました。

本当にむずかしい・・・

ただ私だけが、ここでがんばっていたわけではありません。

私は時折「もし痛すぎたら、遠慮せずにいってくださいね」と繰り返しお声がけをします。

ただ、ここは当然のように痛みがでるだろうという部位もあるのですが、
そこを解かなければゴールに進む道が閉ざされるという場合があるのです。
なので「もし痛すぎたら、遠慮せずにいってくださいね」といいつつアプローチしていきます。

言葉は悪いですが、
痛みが感じられる量を大幅に減らすための仙腸関節の特殊リリースによる手当や、
ベン石温熱器を多用して熱で患部の骨より硬さが強い部位を緩める手をいれるなど、
最大限、痛みが薄まるようなおぜん立てをしていきます。
ただそうしてみてもすでに神経が麻痺したかつての状態から変化して、
ビビッドに痛覚神経が働いている正常な状態にカラダがきていますから。
そうなると強い硬化がある部位をアプローチをうければまったくもって痛まないということは
ほぼあり得ないことです。
それは筋膜リリースを受けたことがない方々は、案外、体内の凝りをそこかしこに備えているのですが
そういった余計なものをしっかりと解いているので、痛みを感じとる感受性、痛覚を感じる受容器は多くの筋膜リリースを受けてない人よりも鋭敏に働く状態になっているのです。

「だから痛まないはずはない。」

理詰めで考えればそうなんです。

ですがお客様自身、弱音を吐くようなことは一切なく、努めてがんばって自身の身体の変化を受け入れておられました。
このようなお客様の協力がなければ、私がいくらリリースをしようと一週間以上100回のリリースのシミュレーションをしても、
施術をさせていただくことはできなかったわけです。

そしてこちらのお客様以外のお客様も、
自身の身体を活かすきっかけに施術をもちいようという気持ちは同じで、
みなさま、ほんとうによくがんばっておられるのです。



だからつねづね、
施術は施術者ががんばればいいというだけのものじゃなく、
お客様ががんばってくれているから成り立っているんだなと感じるのです。

施術が成立するのは積極的に良好なお客様の体の変化を期待している私とお客様が、
信頼できているときに組み合わさるのだと思います。


ほんとうに、ほんじつのお客様、靭帯が骨化した部位も少なからずあったのです。
そのようなところのリリースにも負けずよくがんばっておられました。
感謝です。
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2022年04月23日

麻痺した神経が、身体が回復して活性化していくと痛みが復活!そのとき、人はへたれになる。 ^-^)だがそれは悪いことじゃなく、次にはばたける重要極まりない体質をつねによくしたままでいられるようになるステップです!

ヘタレになっていく。。。

^−^)

施術が進むと、いままでは虚証がつよく血の流れが停滞し、痛覚神経が正常に働かない麻痺が進んでいる状態が改善されます。

すると、何が起きるのか?

へたれになるんです。。。

^-^;

いままでは痛覚神経が働かなかったから、体内に炎症があっても、漠然とした不快感という反応が出るか、
またはそうした不快感も感じないほど麻痺が進んでいたとします。

これって、虚実の状態のふたつに分ければ、実証では起こることはめったにない。
ですが虚証であれば、まま起きてしまっていることです。

神経は、多量の酸素が必要ですから、十分に量がまかなえていれば正常に働くわけですが、
その量が必要十分量を減ってしまったときには神経が正常に働けなくなるのが麻痺なんです。

それはたとえば、
呼吸力が低下して血中酸素量が理想値よりもだいぶ低下していた、
血液の循環力が低下して末梢部分の毛細血管等へまで行き届きづらくなっている、
脊柱起立筋が恒常的に硬化委縮して自律神経系の乱れが生まれ、慢性疲労が蓄積し、血中酸素量が減ってしまう。
睡眠が浅い、
それらにより冷えが強くなったり、
呼吸がうまくしにくいための肌荒れがでたり、
息がしづらくなるような首の芯に凝りがはびこる、
などなど、さまざまな痛覚等の不快感を感じてその状態を回避させるための神経が働きづらくなる条件下におかれたとしましょう。
すると、そういった代謝不足からくる虚証が起き、
正常に不快感を感じ取れなくなっているから、
炎症が体内ですでにけっこうおきていたとしてもつらさがだいぶ減じられている。。



3カ月以上もそういった不具合が継続し経過す方のときは、すでに慢性状態に陥っています。
そうなると血液内の血中酸素量が減少すれば血の粘性が高まって流れが阻害されてしまう。
こうして皮膚の目に見えない世界では、栄養不足となって久しい体細胞たちが多く生まれ、
それらは生命力が弱化している細胞になったり。
または廃棄して新たな細胞へと入れ替えが必要な物理的細胞のよみがえりがなされるべきな細胞が、
そうするための十分な血が供給されないため古くなって老朽化した細胞をそのまま使い続けて不具合をあらわしている。
多かれ少なかれ、痛覚神経の活躍が停滞しているといった麻痺が進んでいるときには、
目に見えないがだいぶ深刻なマイナス状況が浸透しているのです。



それが、施術が進むにつれて「強かった虚証」から改善し変化があらわれてきた!!



するといままでは痛覚が麻痺していたおかげで痛みや張りや筋の緊張感などが感じられないか感じづらかったため、
不快感が感じられているのは確かだったのだが、
今思えばかつての麻痺があったときは漠然としていたものだったようだ。
そういえるのは、、、
いまのほうが、めちゃんこ痛い!!
以前よりも不具合がでちゃったんじゃないかと怖くなる!



という状態変化により切迫感があるあたふたがでてくることがあります。


だが実際は、脈を診たらどうだろう。
以前は虚証の脈状(脈の状態)だったが、現状はしっかりとした平脈(理想的な脈の状態)だ!

身体の内側の芯のそこかしこ、隠しておいて神経麻痺していた炎症か所に血が通い始めていた。
そこにより、痛みや不快感が以前よりも感じられる。
つまり痛覚神経が働けるようになって活性化した状態だから、
ふつうにいたたたたぁという炎症を感知していっただけです。


痛いのは、もちろん苦痛だ。

だから嫌なもんです。

ですが、麻痺している人は、結果、麻痺させた組織をさらに悪化を加速させるような酷使をし続けて、
骨以上に硬い筋膜を内部に仕込んでいき、通常の施術院ではもやはリリースができず歯が立たないものを作り出してしまうのです。
麻痺は加速して状態の悪化に至るので、危険。
それはなんでかというと、最初は骨格筋が癒着がして、皮膚表面が硬くなるんですが、徐々に中層筋、
そしてより悪化が進むと深層筋まで癒着という病(やまい)の位置が内に入のだが。
その先は、内臓が骨格筋の深層筋が固まった次に癒着へと進行していくのです。
内臓疾患となれば、そうなればすでに施術院でケアをしていればいいという段階は過ぎていることで、
医療機関にお世話になることが必須な状態にまで進行しています。

私としては、そういった病(やまい)に苦しむ段階に進む以前の「未病」のときに、
少しでも改善をはかるようなカンフル剤としてでも施術を使ってほしいと願うところです。




最後に余談です。

とある先生にこの麻痺した状態の方が、神経が回復しだすと痛みに敏感に反応できるようになってへたれになるというと、
「うそだぁ、そんなことあるわけないよ」といってました。
別に施術家なりたての人じゃないんですが、私の施術とは異ジャンルの先生であるため、
そのような変化が観察され気づいたことがなかったんだろうかと思ったのだが。
ちょっと頭が硬そうな思考の持ち主のように感じたので、
あまりそこは突っ込んで話すこともしませんでした。

ただその先生自体が心臓に得体の知れない病があるといっておられたし、
脈が軟脈で遅脈、そして脈が跳ぶので自身がまさに虚証のまんなかにいるようでした。
特に姿勢状態をみれば肋間の詰まりが非常にきつくなっているところは、
服をきた上からも私には見て取れる。
知らぬ間にその先生は痛覚神経が麻痺して久しくなっておられるのでは。
そのような狭い呼吸をしている。

・・・でも、こんなことを言うと、自分が思ってもみないことをいわれるとプライドが傷ついたと感じられることもあり、
こちらが善意で言っても険悪な雰囲気になることがあります。

ほんとうは、実際にご自身でそのような回復のためのステップがあるあるなんですということを経験してほしかったのですが、
そのようなことは申し出ることもできずに、スルーするしかなかったことがありました。


^-^;
私はこんなことで、うそ、つきませんからね!!

posted by スズキ at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月22日

コロイド。 筋(結合組織)をほどく手技を、どう繰り出せばいいのかを決定づける性質

圧をかけておこなう手技をもちいるとき。
施術初心者にとって、
やりがちな間違いがあります。




独自の指先のセンサーのよさが、筋内に遍在する硬い硬結を見つけだせたとします。

その硬結をどうにか解いて柔らかい軟部組織へと戻したいわけです。
そこでがんばって「ぐいっぐぐぐぃ!!」とスピーディにもみもみ。

直感的に筋繊維が寄り集まって一体化し硬くなった組織を分解するためには、
強烈な振動や高い摩擦熱による熱量をあたえるといいのではと考えたわけです。


ぎゅっぎゅっは、へたなリリースだというわけ.png




そのようにしたくなる気持ちはわかります。

だって、つらいと苦しんでいる人を目の前にしてのことで、
どうにか助けてあげられればと、必死な気持ちになるから。


でも、正直に言えば、
ケースバイケース。
たいていは強圧かつ高速圧をもちいることは不正解。
そうすることは状態を改善する結果を遠ざけるため、
施術をよく学んだものはスピーディにぐいぐいもむようなアプローチはしないんです。




その理由は?


私どもの結合組織がゼラチン質でコロイド形成されたものだから、というのが答えです。

コロイドとは、2種類の物質が混じる際に一方が直径1〜100nm程度の大きさの粒子となって、もう片方に均一に混じる状態のことを指します。
コロイド溶液は、ゆっくりと圧をかければスムースに侵入できるが、すばやい圧をかけると抵抗を受けます。

水に溶かしたコーンスターチというコロイド溶液を例にするとわかりやすいかもしれませんね。
水に溶かしたコーンスターチをかき混ぜるとき、
ゆっくりとかき混ぜるへらをいれるとずぶずぶっって容易に入るんですけど、
すばやくへらをいれようとすると抵抗を感じてやけに入りづらくなります。
そこのしくみはここでは解説を割愛しますがコロイド粒子の動きをミクロの目で観察すれば、納得できるものです。

私たちの体内の結合組織は、こうした水に溶かしたコーンスターチと同様なコロイドにて形成されているため、
ゆっくりとした圧は抵抗をせずに内部へと侵入させるものの、
すばやく与えた圧は抵抗して内部へとその力を通すことを拒みます。

つまりゆっくりした動作でかき混ぜると容易に混ざるんですが、
すばやくへらを動かすと混ぜにくいんですよね。


このような性質を私どもの結合組織がもっているんです。

これはひとつ、大変都合がいいことがあるんです。
自己の身にかかる衝撃を跳ね返す皮膚抵抗を発揮させる元の力ともなり、
すばやく圧をあたえて変化を出そうとしても、
結合組織のコロイドによる身体内部へ侵入しようとする内圧を粘度を上げてはじき飛ばします。
たとえば、野球で球威がファールボールが襲ってきて、肩に当たったとしましょう。
もしコロイド溶液としての抵抗を軟部組織が起こさなかったとしたら、
ダイレクトにボールの威力が骨に浴びせられ、瞬時に砕いてしまうのです。
それが高速のボールが肩の筋肉(軟部組織)に当たればコロイドにより粘度が高まり衝撃を緩和してくれるという、
高速な刺激から身を守る防御力となっているわけです。


すると、もうおわかりだと思いますが、
マッサージをするときに勢いよくぎゅっぎゅっと高速テンポでもんだり圧したりしても、
筋肉等の軟部組織のもつゼラチンのコロイド特性から、内部への圧の侵入を拒まれているのです。
つまり、凝りの部分まで圧が届かないうちい力が失われているため、手技効果は低くなるのです。



私どもでは時と場合により、そのような手技を意図的に使うときがあるのですが、
そこには別の目的がちゃんと潜んでおりますので、
むやみに、そのような効率の悪い圧法はもちいません。



そして超ゆっくり、かつ軽微な圧といえるような質の圧法をもちいることがあります。
お客様にとって、そんな気の抜けたようなやわい圧で効くものですか!?と思うかも。。。

でも、実はそういった圧のほうが皮膚抵抗をすり抜けて、内部の組織へと圧をまんま送れるので、
かえって深部への効きがいい。。。


逆にいえば、外部の表層や中層部の筋層が十分に活性化し正常な状態に戻っていないうちに、
それより奥にある深層に直接的な操作圧を加えて緩めれば問題が起きますので、
それが想定される状況下では意図的に弱い圧を避けるようにしていきます。


ちなみに、表層筋や中層筋が理想化には程遠い状態で、いきなり深層を緩められてしまえばどうなるのか。。。

自然な重力により体の軸が徐々にずれていく状態をカバーするときに、
深層筋の硬化状態を必要に際して創り出すことでゆがんだ状態の骨格につっかえ棒をあたえています。
そうしたつっかえ棒が必要がない状態にまで導くおぜん立てができていれば、そのようなつっかえ棒は無用の長物。
抜き去っていいわけです。
ですが依然としてそのものの運動器系のゆがみを助長する姿勢がとられ、運動のようすも左右や前後に軸ずれをもたらし、
身体の内部にある主要関節のはまりが悪いままの状態で、この深層筋の硬化といったつっかえ棒を抜きとったり軟化させてぐらつかせたら。

そこで人為的にあらたな複雑で解きづらいゆがみパターンを内部につくりだすことになります。

重力線に沿って、徐々にゆがむようなゆがみ方において、それをどう解けばいいのかは、
だいたいのところ見積れます。
つねに9.8Gの上方から鉛直下に向けられた圧が加えられ、
どうその条件ならゆがみを内在させて耐えるかという点を考えていく。
これはこれでけっこうねじれや傾斜やかつてのゆがみ姿勢で得た引き連れの様相など、
筋膜の癒着内部に年輪のように折り重なった癒着の層を読むのは難易度が高いのです。
でも、だいたいのところは、読めてくるところがあります。

ですが表層筋や中層筋を正常化しないうちに深層筋へと皮膚抵抗をすり抜けた圧を加えた圧を人為的に施しすぎると、
もう、それは自然にはくわわることがない圧が様々な状況で複雑に複数入り込んでしまうため、私どもには読めない。


そういったこともあるので、
単純に深層筋をショットガンで狙い撃ちして、そこが解ければOKというものではなくて。
人体を人為的に操作するということは、メリットもあるが、多大なリスクもあると知るべきでしょう。
施術のプロに施術を依頼するという意味は、
十二分にまではセルフマッサージのリスクが見当がつかないときに、
そこを回避してメリット部分を引き出すという危険回避と利益の最大化が同時にできることにあるのでしょう。




ちなみに、そのひとつが、硬化した筋肉の凝りをぐいぐい、ごりごりっと力まかせで圧してしまうことで、
硬化した筋の軟部組織は筋繊維が栄養を受けられず老廃物もたまるごりごりな弱い組織ですから。
そうしたもろくなった筋繊維を、ちょっともんでみてもなかなか緩まないぞと感じて、
もっとさらなる圧で衝撃圧やすばやい圧、強力加圧をすれば筋繊維はぶちぎれてしまうものです。

いちどぶちぎれてしまった筋繊維は、二度とは復活しませんし、
コロイドを優雅に操作して変化を産む圧を加えたわけじゃないから、
代謝が悪化した状態のままだから、、、。
通常、筋トレ等でパンプアップしたときに筋繊維が切れても隣の筋繊維が太さを増して、
代謝の状態を良好なまま対応するという変化とは大違いのことがそこでおきてしまいます。

コリコリになってしまった筋繊維が破壊された状態のまま、近隣の筋繊維も栄養不足でそのまま貧弱な組織。
そういったときには、冷静に考えていただければわかるでしょう。
強圧かつ高速圧は、私どもはお勧めしません。




より詳細にみればコロイドの性質を持った筋の状態は、十人十色です。
重なる基本的な素時としてのコロイドの傾向もありますが、
実際にAさんとBさんの筋への圧の入れ方を比べれば、Aさんはコロイドの粘性が高く、Bさんは低めなど、
体内の血や津液の様子ともからめて条件が違ってきております。
だからAさんへのちょうどいい圧はBさんには不快ということもおこります。
だからふだんづかいの画一化した圧を施すというのは正解ではなく、
それぞれの条件や状態をしっかり読むことができるようになることが大切になっています。






最後に余談ですが、
筋膜リリースガンは、どこどこどこどこっと高速かつ強圧でのセルフメンテがやりやすいものです。
それゆえに、自分のその時々の状態を読んで、それをもちいるよう心がけるといいでしょう。
お客様が購入された筋膜リリースガンを先日もお持ちいただけて見せていただいたのですが、
患部に当たるアダプターが5種類くらいあって、
それらをうまく使い分けるようにすると、エフェクティブな成果が得られるような気がしました。
そこは、もしかしたら購入なさった器具の説明書に詳説されていないかもしれませんので、
ぜひ、適宜、アダプターを変えて使ってみて、実際に試した結果から使い分けをなさるといいでしょう。




posted by スズキ at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする