施術者の友達からの電話
最近の互の活動報告と安否確認。
そうしたなか施術者の彼から、くやしいことがあったとの報告。
どういったことかというと、
訪問ケアをする彼が向かった先で、
骨盤部のズレが著しい女性の患者様のケアをしたときのこと。
骨盤部の図
恥骨結合上縁の手技調整をおこなったといいます。
その場では問題なくありがとうございましたと終了しました。
ですが他の訪問ケアをした先生から、セクハラ行為をされた、
という話が流れてきてショックを受けていた様子です。
出張ケアは、徒歩で治療所に通えない症状の重い方が中心で、
会社側から1日に複数名の患者様を診る多忙なスケジュールがくまれ、
施術時間は30分で準備時間を差し引いて20分ほどでしょう。
証の重い患者様の対応では
訪問ケアを受けていただけるにも多額の費用がかかります。
回数や対応時間の制限など融通がきくものではありません。
そのため工夫をこらした施術をして
根本治療に至るケアを目指したとしても難しさがあります。
そうなれば本来は治療意図の解説に時間をかけたいところだが、
そこに時間を割き過ぎればどうなるだろう。
あっというまに時間が過ぎて治らないまま終えて去るしかない。
それが患者様が本心で望んだ結果だろうか?
そういった思いもでてきてしまうわけです。
恥骨結合上縁ケアは禁忌としてしない施術者もいます。
特にアメリカ等の諸外国では即訴訟問題になりますし、
そういったところは医師としての資格を持つもの以外、
またはオステオパシーやカイロプラクターといった
専門分野の大学を卒業して許可されたもの以外は触れません。
ですが日本では民間医療の範囲内として、
治療意図を持つ範囲内において手技調整を行うことがあります。
その意味合いは恥骨のずれがわずか1〜2ミリでもあれば、
以下のようなトラブルが起きていることを知っております。
そこを知って禁忌だから手を出せないというのも切ない話。
というのもおそらくは
今回、友人が担当した方はお年を召された女性で、
閉経なさられた方のご様子でした。
すると恥骨の段差は、
生理があるときは自動的に関節が緩むホルモンのお陰で
自動的に自己調整される可能性があります。
ですが閉経後にずれができておれば、
女性のお皿型ともいわれる骨盤の形状から、
男性と比較して容易に骨盤はズレが加速し、
そこの歯止めが効かないことになりやすい。
その際に、仙腸上部の前傾が腸骨あわせてのねじれ状になり、
下部腰椎の椎間板が初段階でくさび状の萎縮が起こります。
ある程度の椎間板萎縮は大腰筋のクッションがささえますが、
カバーできなくなれば、
胸椎や頸椎にアライメント不良のしわ寄せが飛び火していき、
その時点で肺と心臓への不暢が固定されるでしょう。
そういった状況下にまで進行していく場合でも、
一時的ではあるが恥骨部の精密な調整があれば
脊椎全体の萎縮から起きてしまう、
全身への気の流れの妨げが減少し楽になります。
また一般的なお話として、
女性が恥骨上縁のずれがあり体調が芳しくないとき。
以下のような状態が潜んでいるという視点でみます。
パターン1:【構造】「恥骨の段差」と骨盤のねじれ
パターン2:【病理】子宮円靭帯の緊張と生理痛の悪化
パターン3:【機能】内転筋群のアンバランスと歩行困難
パターン4:【循環】「瘀血(おけつ)」の形成と冷え
パターン5:【神経】閉鎖神経への圧迫と放散痛
パターン6:【連鎖】骨盤底筋群の機能低下と尿トラブル
パターン7:【代償】反対側(左側)の腰痛・仙腸関節痛
パターン8:【消化器】腹直筋の緊張と胃腸の不調
パターン9:【全身】顎関節や首への影響
これらは物理的な症状ですが、
骨盤のズレといったトラブルがこんなにもよもやま話みたいに多種多様な問題が発生。
多くの不調感を潜在させるトラブルメーカーであるとは気づかずにおられるでしょう。
上記のパターン以外にも、個別具体に診ていけば気血津液上のトラブルもでてきます。
なので、実際に見てここはひとつの重要な治療点と呼べる部位なわけです。
ただこれらをわかりやすく一般の方に伝えるのは解説が難しいのは本当で、
私が友人の説明力を観察していてみていると、
治療に必要性を実感する施術者本人はやるのが当然と思っても、
受け手にその意図が伝わらなければ判断ができずに困っている。
友人が概説はしっかりしたとしても、専門分野で腑に落ちずにいる。
たった数ミリの骨盤のズレが甚大なトラブルの火付け役となることについて、
そこを実感しておられる施術者の先生が多くいるわけでもありません。
そしてそれ以上に適切に手技でさばける人も少ないのです。
患者様本人も上方にズレた恥骨上縁を下方に押していく程度はできます。
ですが私ども施術者は仙腸関節部の変位固定の修正を外旋六筋の解放で
骨盤上の帯脈の全体にみえる骨盤ベルト状の緊張の不具合を緩めるので、
仕上がりは天と地ほどの差が与えられるわけです。
それゆえに、そういった施術者がこの度のトラブルを得て、
禁忌としてその手技を封印するという判断をなさることで
これからも関わる彼の患者様の不調感の軽減の成果が減少することがあれば。。。
そこは本人の判断によるものでしかありませんが、
私としては残念と感じます。
余談ですが
恥骨がずれているかどうかですが、
現代日本人の多くは男女ともに利き足側の恥骨上縁のズレを持つ者が多いです。
その理由の一つは、
大腰筋の使用感を正しく養われないパターンがなされるわけなのでしょう。
なので、、、ここの操作を会得できないと、何度でもこの部位はずれますが、
それを放置するより修正を繰り返されたほうが生活は安定して過ごせます。
また、実際施術としてこの骨盤の形状が押しつぶされてずれたままでは、
体の芯が硬い状態がほぼ抜けてない状態なので、
この条件でマッサージをしても外見しか反応しません。
それは施術をさせていただければ、一目瞭然です。
なので通常私が手技を構成するときには、骨盤部の調整を先行して解くことが多くなります。
これの操作によりアウターマッスルのリリースは半分以上消し飛んでいるほど緩みますし、
これなしでカラダの全体が芯まで硬い人をリリースするのは難しいときもあるでしょう。
というのも
インナーマッスル内の動脈が通るエリアの硬直が解けなければ、
アウターマッスルは戻りが早く、施術の積み重ねによる改善の蓄積はなくなります。
インナーマッスルが硬さが強い方は骨盤部の適正な調整がなされることがなければ、
現状維持か、わずかに上向くといった程度の向上となってしまうのではないでしょうか。
そう言ったゆえに、その操作をうまくこなせる施術者がそこを禁忌扱いにするかどうか。
禁忌とするかどうかは施術者の考えや状況次第による設定となる問題です。
禁忌としたといわれても、
私は『そうだよね、説明するにも時間的にもきびしいし、
今回と同様のトラブルが頻出したら職を失うことになる。
できるところまでを見定めてやっていくのがベストだよ』
というでしょう。
それでも施術者としての断腸の思いの悔しさを共感でき、
悲しいなと思えてなりません。
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