2025年12月15日

5つの季節が移り変われば、使う食材も変わります



先日、ファーマーズマーケット二子玉川で買ってきた水菜に大根。
二子玉川のある世田谷産で、まさに産直朝どり野菜。
野菜を手にするには交通費や買いに行く手間や労もかかりますが、
ほんとうに美味しくて生鮮野菜のすばらしさを再認識しています。
しあわせを実感する瞬間。
それはこんなところにもあるんですね。


話が変わりまして。
風光明媚な日本の四季。
春、夏、秋、冬。
それぞれの風景や味覚など素晴らしさがあります。

対して中医学ベースの薬膳の世界は
春、夏、長夏、秋、冬。
5つに季節をわけて扱います。
長夏とは梅雨の時期で暑さが著しく、
同時に雨もザーザー降るときをそう呼びます。
中医学が発祥した中国では北方から南方まで異なる季節感が存在しております。
都合、私どもが扱う5つの季節は長江流域の気候なんですね。

人は自然から隔絶した存在ではありません。
自然と統合され一体化しているという整体観を持っております。

すると春、夏、長夏、秋、冬の季節ごとに、
日照、気温、乾湿、風雨などが異なるため、
五季の気候変化にあわせた心身へのストレスがかかります。
そうした体調への負担低減を食薬で対応することも薬膳の大切な役割の一つとされます。

以下に春、夏、長夏、秋、冬にかけてよく使われる食材・中薬の
五性(熱性・温性・平性・涼性・寒性)および
五味(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味)がどのようにあるのかをみてまいりましょう。


春によく使われる食材・中薬は温性で辛味、甘味のあるものを用います。
夏によく使われる食材・中薬は涼性・寒性で酸味・鹹味のあるものを用います。
長夏によく使われる食材・中薬は温性・甘味のものをつかいます。
秋によく使われる食材・中薬は温燥には涼性、甘味・苦味のものをつかいます。涼燥には温性で、辛味・酸味のあるものをつかいます。
冬によく使われる食材・中薬は、腎陰を養うには、涼性・平性で甘味・酸味・鹹味ですし、
腎陽を補うには、温性・熱性で辛味・鹹味です。

このようにそれぞれ五気・五味が異なってきます。
ちなみに今日は陰盛が最も強くなる冬至(2025年12月22日月曜日 0:03)の一週間前です。
陽が最も弱くなり体を休ませる時期となります。
冬眠する動物なら穴蔵で眠りにつくでしょう。
こうした寒い時期ですから陽を温め、寒さを除去し、体の深部にまで気を通すような食を求められます。



・・・と、いったところでもありますが。

中国も南から北まで広大で時期により気候もまったく異なります。
では日本は国土が中国から比して小さいからそんなことがないかというと、、
そうでもないんです。
わかりやすいところでは沖縄と北海道や東北最北端。
桜前線北上中というニュースからも各地の現在の気候の差異を感じられます。



とある漢方の先生の話ですが、
患者様からの電話でどの漢方薬を摂るとよいかを尋ねられたそうです。
患者様への問診の末、体質を伺い知ることができました。
それで(◯◯◯丸)といった漢方薬をお勧めしたといいます。
すると1週間後に電話で、教えていただいた漢方を飲み始めて体調が悪くなったようだといいます。
体質からのみ考えると、まさに(◯◯◯丸)は試してみたいファーストチョイスですが。
殊の外、瞑眩とは思えない副作用がでていることがわかりました。
そのとき、はたと気づいた漢方の先生は、
あなたはどこにお住まいですか?と伺って、
まさに湿度が他より格段に高い地域にお住まいとわかったとき、
なぜ副作用が起きたかを知り、別の漢方薬を勧めたそうです。
後日患者様より『先生、今度の薬はよく効きました。ありがとうございます』と連絡を受けたそうです。
電話やメールといった相談者が先生の住まいから遠い場合には、
だいぶん気候が異なるようで、その気候の差異を計算に入れなければならなかったんだと、
その先生は過去を自戒して、
相談者の体質と住居する地の環境全般も考えにいれる大切さを説いておられました。
そして同時に五つの季節からみてどのような外的影響を受けているかを考えることも必要です。
この五季を見過ごして計算にいれなければ、へんてこなトラブルが起こるのが必至です。
へんてこなというのは、体質からだけ考えたら冬に西瓜を食べなさいというのは変です。
今の時代なら売ってるかもしれないけど、なんかおかしいと考えるべきですね。
食薬・中薬を使っても薬膳の効果が薄れるか無効化されることもあるでしょう。

人間は自然界の環境と密接にかかわりあうゆえに、
自然界を観察する眼を育てることが大切だとつくづく感じる次第です。
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posted by スズキ at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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