『60歳に近づくと、無理ができなくなるよね』
そうした彼からのことばにうなづきながら話しだすようになりました。
私よりもいくつか若いものの、彼も大変なのでしょう。
友人の仕事勤務地が自宅より離れておられ、
勤め先の社用車をつかい下道で行き帰り120キロ通勤。
通勤で疲れたところに施術の仕事をするといっています。
体力的に大丈夫だろうかと心配してもいたら、
会社が勤務地を彼の地元担当に変えてくれたといいます。
ほっとしました。
通勤途中に鹿を公道ででくわして・・・
といった恐怖のエピソードも聞き、、、東京にはないトラブルも多数あるらしく。
本人は、しみじみ語るのですが。。。
長く付き合ったお客様との涙の別れがつらかったといわれます。
区切られた施術時間の制限のなかでも、
こころの通じるお客様との関係性を結ばれていたようで、
彼らしく、うれしく感じました。
私が『新版 東洋医学概論』P175の
<(2)心系統の伝変と波及の例>の項を読んだとき。
彼が体調不良を経験した際に、
どのような現状の症状で経過はどうであるか。
それを施術をする同業者の共通の言葉を部分使って伝えてくれました。
そのときの話からは胸郭の左側変位とねじれの影響から起きていると、
一年ほど前になりますが、
彼の自宅におじゃましたとき。
施術をさせてもらう機会を得ていたので、
身体の詳細データは数百のポイントに分けて頭にいれておりますから。
診た当時から推理推測の範疇だが現在の変位の進行がどう起こるのか。
現在の身体の歪曲から自律神経トラブルがどういったこととなるかを
私がわかるところで予想したところをつたえようとしました。
ただ説明が苦手な方でして、うまくは伝わっていないかもしれません。
ならば手技療法ではこの手があると具体的なやり方は伝えられます。
ただしそれは他に施術者が必要な他動的な手技で伝えるしかなくて。
彼が自分で自分にそのままをおこなうことはできない。。。
そこもよくわかりますから、
非常に歯痒い思いでした。
ここで、詳しくは個人のプライバシーがあるため書けませんが、
上述した<(2)心系統の伝変と波及の例>を学ぶ過程で、
彼が私に伝えた心系統の伝変と波及にあてはめて考えられます。
心系統はまず、(心気虚)からはじまります。
その後、病変の進行する複数のルートが書に書かれております。
彼が私に伝えた特徴から、いまがどのような体質名であるのか。
■ <(2)心系統の伝変と波及の例>について。
心気虚から心陽虚か、それが心腎陽虚まで進んだのか。
心気虚または心陽虚から心血瘀阻に。
そこから心血虚になったのだろうか。
または心陰虚となったのだろうか。
心血虚から心陰虚となることもある。
心陰虚から心腎陰虚となったのか。
心腎陰虚から心腎不交となるか、心火亢盛となるか。
心火亢盛からは小腸実熱か心肝火王か肝火上炎か。
文字で書くと心気虚が発端で、
その体質がどのような波紋を立てて伝わり変わるのか。
そうしたルートが理解できるようになると、
現状把握及び次にはどう病的体質が発展重症化するのかを先読みもできます。
現在の体質がわかれば、どういう手が打てるのでしょうか?
体質上の理解が得られたら、
『心気虚体質はファーストチョイスはこの漢方処方です』と。
彼が漢方薬大嫌いならここで話は終わりますが、
具体的に適切な漢方処方がつたえることができます。
心気虚ならば、こうした身体状態ではありませんか?
という符合できる内容リストがありますから、
そちらを持って確からしさを高めていきます。
確かめられた症状のリストを読み上げるなかで、
『確かに!そうなんだよ、そうそう!』
といった言葉のやり取りが生まれれば、
自分が得体のしれない病状ではないと理解できます。
心血虚がからんできますと、
病院で心電図検査をしても
病を示す数値がでないときもあります。
24時間計測する心電図検査を受けても
大きな異常はないといわれることもあるのが特徴です。
得体のしれない心的不安がかさ増しされますから、
心血虚では精神がそうなるときがでてきますので、
と耳にしたときに少し気分が落ち着きます。
そうなるだけでも、
こころにある緊張の度合いは下がることがあります。
意外にここ、大きいようです。
無論、本人の現状を心系統のみで語ることは不適切ですし、
より詳細の脈診や舌診をしたとしても、
私ができることは次のような橋渡しすることまでです。
私の助言は漢方薬局や漢方を専門にする医師の指導への橋渡しできれば。
そうなれば私の勉強も活きてさいわいと、
うれしく感じるところです。
ちなみに、
漢方薬には慢性病改善の長期間服用で効きが実感できるものもありますし、
短期間で効きだす頓服で利用する処方もあります。
彼の状態を<(2)心系統の伝変と波及の例>から考察すれば、
現在の体質がこちらに該当するとすれば、
彼の五性などを先に調べておいたうえで、
頓服でこちらの処方が合うのだろうとわかるような勉強をしています。
ただ昨今は心系統にももちいられることもある
半夏厚朴湯が便利に使われすぎているようで、
五性とあわない方がこれを処方されてしまうこともあるようです。
身体が弱っているときにこのような処方を服用したら、
さらに重篤な症状に変わることがありますから、
漢方薬局選びは身を引き締めて吟味することがとても大事となります。
他にも体質を弁証論治で判断できれば、
経絡の本場となる中国から『この体質にはこの経穴をもちいる』と書かれている資料もみつかります。
そこでいまの私にも、どう経穴をもってととのえようかという手段が使え、
数ある対応手段のこれがよいと手段の選定にも使えます。
体質をベースに考え対応を組み立てることで、
ムリ・ムダ・ムラの除去となります。
気づかなかった患部が浮かびあがることから、
以前できていなかったことにも手が伸びます。
体質といっても複雑に混ざりあっているから、
こだわりすぎると見立てが浅い私は泥沼で怪我をしそうですから、
理解がおよぶ範囲内で無理なくわかるところまでを使おうと思っています。
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