認知症。中医学で思うところあり。

埼玉県在住の私の姉より、困ったことがあったというメールがきました。

姉のご近所の奥様が、
認知症の症状からとおもえる対応を受けて困惑したというのです。
根拠なき一方的な攻撃に苦慮した姉は、
気持ちの整理のため市中を徘徊し寄席通いの日々。
少しずつ気持ちも晴れたときドラッグストアで
市で行っている認知症セミナーがあると知り、さっそく受講したそうです。


認知症セミナー講師から、

『コーディネーターさんのお話によると、
たとえると、コロナで、病院が、
キャパオーバーで大変な状態になった時と同じくらいに、
入る施設なども、足りないので、
地域の人で支え合っていくことが必要な事態が予想されるそうです。』
と語られたそうです。


このメールで私が感じたことは。
『現時点ですでに認知症で、入る施設が本当に足りないんだろう。
がんでは病院のキャパ超えにはなっておらず、対応できている現状だから、
深刻さは、非常なるものといってよいのでしょう。
認知症になるとはいかほどの大変な状況を受け入れなければならないものか。
計り知れないな。。。』

老化による物忘れと認知症の違いは、
たとえば、
今日の朝食メニューが思い出せないのが、物忘れで
今日朝食を食べたかどうかをわからないのが、認知症、
ということだそうです。
物忘れでは食べたことが確認できているわけですから生きてはいけますが、
重度認知症では少し前の記憶が抜け落ちて
食べたかどうかがわからなくて一人での生活が困難になっていきます。



以下に、認知症についてデータが記されたページと部分内容を掲載します。

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https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1105.html

2060（令和42）年には推計約645万人
認知症者数およびMCI者数の将来推計

高齢化の進展とともに、認知症者数も増加しています。九州大学の研究報告によると、65歳以上で何らかの介護・支援を必要とする認知症の人は、2030（令和12）年には約523万人、2060（令和42）年には約645万人になると推計されています。

＜九州大学「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究報告書」／2024 年5月8日＞

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現状ではコロナ禍の施設受け入れ困難さと同様というが、
後日にそこは改善されたりするのでしょうか？

医療費負担の変更などが実行される背景がありますから、
認知症になったときに国費でまかなえる割合もシビアになるでしょう。

できることといえば、
私の姉のように認知症になる前段階で、
・認知症についてのメカニズム
・認知症を未病で終わらせる生活方法
・認知症を患った隣人や身内への対応方法
・認知症になったときの生活設計
を学んでおく必要がありそうです。



ただ認知症とは
アルツハイマー型認知症、脳内での出血などによる脳血管障害など、
認知症原因はさまざまです。
原因は複合して混じり合うこともあります。
ここで取り上げるのはアルツハイマー型認知症を主とした前提とご理解ください。


インド伝承医学アーユルヴェーダで認知症の際にもちいられるハーブに
『ゴツコラ（和名：つぼくさ）』や『バコパモンニエリ』があります。
それらは記憶促進力も期待でき、
私は自宅屋上で育てチンキ剤にして摂るようにしています。
私が改めてこの年から薬膳や中医学の勉強を対応できると思えているのは、
こうしたハーブを適切に重用させていただいているおかげです。

ただ最近、中医学を学び進めるにつれて、
これらハーブのチンキ剤や実食のみでは
手ぬるい対応だといったことがわかってきました。

中医学的な考え方がなじめない方もいると思いますから、
そういったことを考えているひともいるんだな、
程度のことで聞いてみてください。

人体を学習すれば、
骨の中に髄液があることを知るでしょう。
中医学では、背骨の上方に位置する脳を｛髄海（ずいかい）｝と呼びます。
髄海や髄をつくるために関係する臓器が＜腎＞とされます。
＜腎＞が正常に機能し、髄海は正しく作られるものといいます。
＜腎＞に異常が生じれば、髄海＝脳にもトラブルが起こります。

腎に異常が生じる体質のタイプのひとつに｛腎虚｝があります。
腎虚には、血や津液が足らない＜腎陰虚＞、
気が足らない＜腎陽虚＞に分類され、
血や津液や気などが合わせて足らなければ＜陰陽両虚＞となります。

私は気が足りてない腎陽虚体質です。
その影響が気のエネルギー不足のため身体を温める力が弱く、
声に張りがない、毛髪に抜け毛や白髪が多くなる。
そういった特徴が体質的に出てまいります。
そうした体質のひとつに物忘れがあります。
老化は腎虚と同一種であるとも言われており、
加齢により腎虚傾向は生理的に強まる傾向があります。

そういった状況下で腎虚の進行を放置しておくならば、
上述した理由より腎が髄海を作りづらい状況下になります。
脳があるべき空間に脳が育っていない状態ができてしまう。
そうした元では脳のアミロイドβをクリーニングする
バコパモンニエリやゴツコラを服用しても手詰まりになる。

そこに気づいたのです。


私は施術の仕事で認知症の方々の身体的な特徴も調べ、
実際に施術もさせていただきました。
一部の脳へつながる血管の状態が思わしくない点があり、
脈をみると虚証のサインが出ている方が非常に多い。
脊椎の椎骨が狭窄したり変位の箇所に一定の傾向があるなど、
他にもいくつかの臨床的な傾向性を見つけ出しております。
それらの条件を総合して脳の血流量等の状態をみていたが、
強い虚証傾向があって上述した傾向が合わさる方のときは、
認知症へのリスクがあるのではないかと感じました。



一般的に年齢に応じて腎虚傾向が増加してまいります。
それは統計上、明らかなものですが、
年齢が進むに連れておこる『腎虚体質』の度合いを食い止めなければ
元々私のような腎陽虚といった腎虚体質のものは髄海を生成できずに、
アルツハイマー型の認知症になりやすさがぐっとあがることがわかる。
それに自分の体癖が認知症になった方々と似た点をいくつか認められ、
そこからも真剣な対処を迫られました。

過去あったことですが認知症になった知人に、
私の顔や私との思い出を忘れられたことも寂しいですが、
私からそうした寂しさを人に配ることは避けたいと、
そのときに感じたことがあったのです。

そうしなければ、どこかのタイミングで、
自分のことも忘れ、親や兄弟の顔も忘れ、
生活に苦しさを感じ続けるときがきます。



『老化』＝『腎虚体質』の現れです。

腎虚は脳海の良くないコンディションだという意味であり、
私自身、それらのことを知ってしまった以上は、
タイミングをみてきっちり性根をいれて
腎虚体質を精算させる体質改善に取り組む機会をもつしかない。
ですがどうやったら、
生まれてこの方ずっと付き合ってきた腎虚体質を変えられる？
長年に渡ってそれが当然と受け入れてきた体質は、
容易に変更できるようにはなっておりませんから。
超根強い体質はないわけなのでどうすればいいか？

中医学の生薬や処方を適材適所で使う技能を持ってやっていければ、
どうにかならないだろうか？
もちろん信頼ある漢方薬局にお世話になるという選択もあります。
自分で勉強するためのコストや時間を考えればそれがベターです。
ですが長年にわたり人体の仕組みや法則を探求してきたもので、
そこの仕組みを知らないままは生理的に納得できませんでした。

そのおかげもあって中医学の漢方の処方で認知症の対処法を知ったとき、
「えー、脳関門を通過を手伝う生薬があるの！」と小躍りしたり、
認知症対応の漢方の生薬構成をみて、
単純な認知症ならコレ的なファーストチョイスは間違いのもとだと感じたり、
打てる手もどこまでが限界であろうかなども見えてきて、
目から鱗が落ちました。

そういった具体的な内容解説は、
咀嚼が足らない私の言葉では誤解が生じるので控えますが、
打ち手に途方に暮れていた状態から明らかな光明を感じました。
興味深いですね。



漢方の生薬をどう活かすかなどという素材の機能発揮と組み合わせ方は、
きゃべつやきゅうりなどの食材でも同様な考えで語れるのかもしれません。
薬効の効きがいい生薬ではない食材ですが、
それらを使いこなせばすばらしい体質改善効果を生み出せるそうです。
そういった先生が韓国の方にいて、お世話になられた方から話を聞きました。
いまは自分の腎虚体質からの体質改善を試みているわけですが、
まずは薬効の高い生薬でやっていくことが容易に感じられます。
ゆくゆくはそれを薬効が生薬には及ばない食材に置き換えても
同様な成果が得られればと願います。
薬膳上での私の活躍できそうな場をつくれればとがんばっております。