たとえば。
私は陽虚体質、それにあった漢方薬として身体を温める作用のある
『八味地黄丸』を服用しています。
身体をしっかり温めるための熱性の生薬:附子(トリカブト)が入ってます。
それに桂皮も温性で温めるものです。
こうした熱を高める生薬が入っている理由は、
陽虚体質とは、気や熱が足りていないためなる体質ですから、
身体が冷えてしまうタイプなんです。
過剰な冷えは気血の代謝を落として自律神経の働きを悪化させるでしょう。
そうならないよう身体を温める作用を持つ生薬が入っているのです。
たとえばの話ですが、
私が、毎食4粒の八味地黄丸エキスを摂ったとします。
ですが、なかなか効果があらわれてくれない!?
なぜだろうか・・・。
「やっぱり、漢方薬が効かないってことか」
そういってあきらめると、
せっかく購入したものが、
ただ無駄になるものです。
効かないには効かないなりの理由があると考えてみよう。
もし身体を温める処方のコンセプトを無視して、
身体を冷ますようなことをしたらどうなるだろうか?
当然のように効きが悪くなるのです。
{コーヒーや緑茶}は、
<身体を冷ます>特性を持っています。
そのことを知らなくて、
習慣的にがぶがぶ何杯もコーヒーでお茶する人だとすれば、
強烈に身体を冷ますようなことをしまくっているわけです。
これでは八味地黄丸の熱性の附子も冷やされて温め効果は帳消しどころの話じゃない。
これにより自律神経のバランスは乱れたままをつらぬきます。
だから自分の体質の性状をよく理解した上で、
飲食物の何を取るべきか、何を取らぬべきか、
そこの正解を理解した上での服用が肝心です。
ちなみに
{緑茶}は身体を<冷やす性質>を持っていますが、
{紅茶}は身体を<温める性質>です。
なので緑茶を紅茶に置き換えます。
それでOKです。
茶葉の産地:インドといった暑い地域では
緑茶の身体を冷ましてくれる作用はありがたいものです。
ですがインドからイギリスにお茶が伝来したときには、
イギリスはインドより寒さが強い北方で緑茶のままいただけば
冷えた身体をさらに冷やして気血のめぐりの悪化を招きます。
当初はそうした自律神経系のトラブルを起こした貴族もいたはずです。
イギリスの民は考えました。
緑茶の茶葉を発酵させた紅茶にすることで、
緑茶の冷える性質を紅茶の温める性質に作り変えることにしたわけです。
では市販の八味地黄丸のパッケージに、
緑茶やコーヒーのとりすぎは厳禁ですって書いてありますか?
製薬会社の優秀な方々はそこを書く必要があると知りつつも
なんらかの理由があってなのだと察しますが、
私はそうした食の改善に足を踏み込んだアドバイスを付した
漢方薬の薬の箱や説明書きをみたことがありません。
こういったことは、
体質考慮をして飲食物を摂ったほうがいいというひとつの例です。
この場ではあまりの長文となるのは申し訳ないので書きませんが、
自分の体質を知ることで
飲食してよい食物とだめな食物がみえてきます。
そうした視野で見通しが立てば、
陽虚体質の方には、
八味地黄丸を摂る摂らない以前の問題で、
普段から身体を冷ましてしまう飲食物は、
極力控えるべきだということが必須です。
中医薬膳をまなぶ過程で、
どういった体質があるかを知ることが大切です。
<{◯◯体質}のものはコレが薬になり身体を滋養するが、コレは毒になる>
<{△△体質}のものは◯◯体質の薬になる飲食物が身体に合わず要注意>
自分の体質を知らないまま巷の健康情報に流されては損をします。
バランスをとって中庸に戻すには過不足の微妙なブレの修正が大事なことで、
そうしたところの見立ては容易ではありません。
そこを見抜けるようになるトレーニングを何年も何例をしていく必要があるのでしょう。
そうした過程を通った後に、食の助言ができるようになって、
そうした上でのその人の◯◯体質を改善できるメニューを提案するようがんばるわけです。
私が中医薬膳を理解できていなかったときは、
「うまい!おいしい!」の主観も大事だと思っていました。
もちろんそこは大事なポイントには違いありません。
ただそうしたところは各人の味覚の違いから一様ではなく、
私はおいしかったが彼の口にはあわなかったということも。
それが中医薬膳をまなぶ過程で、
体質上のバランスの乱れを正しく補ってくれる飲食物との相性は、
総じて悪くないようなものです。
体質診断からしっかりと体質がわかれば
それに対応できるルールが規定されています。
そこのルールをしっかり頭に叩き込むことで、
臨床的な実践の場でどうルールを活用するか。
いろいろと応用することとなってまいります。
こうして個人の体質にカスタマイズされた飲食物を活かした料理は、
そのものの身体のなかにある本能が感じる
自分が足りてない養分を得られる喜びや
寒熱のバランスが整う安神を感じ取ってくれるものなのでしょうか。
そうなったときに{医食同源}が体験できて、
食による身体を癒すパフォーマンスが発揮できるでしょう。
ここからは私のぐちで申し訳ありませんが、、、、
ただ私自身は料理する機会が、
いまだに自分用の自炊ばかり。
そうなると盛り付け等の見栄えやらなにやらの素養が育ちません。
『◯◯薬膳鍋』といった見栄えをそれほど重視しないものはできます。
そもそも、
自分磨きの薬膳はクリアできそうですが、
人に披露できる薬膳はけっこう不安です。
中国語書店の亜東書店に買い物にでかけたとき、
そこから徒歩12分ほどで食器類を売る店が多数あるかっぱ橋商店街。
見慣れない料理道具を観て気分だけでも料理ができる人になってみる。
そこから始めようかと考えています。
いろいろと遠回りしながら、勉強をこなすこの頃であります。
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