2025年09月29日

漢方薬のパッケージに書かれた適応症、信じていいの?私は疑わしく感じました。

体質診断チェックシートででてきた体質に対し、
対処がやさしいのは、ひとつの体質だけスコアが高いときでしょうか。


たとえば
『私は陽虚体質とわかりました。
するとひとまず八味地黄丸で、
足りていない気と熱を補おう』
というような判断ができます。
虚実や寒熱の判定を誤った判断をしたら、
早々に体調不良を引き起こしますから、
そこはちゃんと望診や切診を自らおこないチェックする。

私の体質上、虚実では「虚」で寒熱が「寒」となります。
もし試しに寒熱の「寒」を示す私に、
五性の「寒」の性質を持つ生薬や漢方を与えれば、
私の身はさらに冷たくなります。
すると気血の流れが悪くなって、
気の持つ作用のひとつ、身体を温める温煦作用が機能が削られます。
ゆくゆくは「こんなはずじゃなかった・・・」と顔面青ざめていき、
私の状態であれば体調不良に陥ること必至となります。
一度ならばそういった副作用を体感したらどういった体調になるか、
またはそうなったときの精神状態はどうかと調べたいところですが、
そこよりまずは実行の上の成果を得て余裕がでてからでしょう。

そこで六味地黄丸に身体を温める生薬が2つ足した八味地黄丸なら、
日々食事前の空腹時に取り続けても最悪害がないことがわかります。
おかげさまで体感するような副作用はなく、
お腹の『脾』の状態変化の変遷を日々観察しています。

私自身は極端な陽虚体質ですから、
気と熱をいったんしっかり補って、
気のバランスが中庸に位置するよう持っていくことが、
ひとまずのファーストステップです。





ただ人により、◯◯体質という気熱血津液のバランス乱れの数が複数となる方もおられます。
そうした状態下であれば、どうすればいいのだろうか?

その場合は私が浅薄な知識であやふやなことをいってはならず、
医師または漢方販売ができる登録販売者に相談してくださいと
お勧めいたします。

あとは調査した情報をいったん家に持ち帰えらせていただき、
現状の自分の理解ではどのような判断となるか熟考しています。

ただ私とともに本草薬膳学院通信教育を学び始めた方がおり、
中医学上の体質診断チェックシートで120問を回答、
すると各々の体質傾向をまんべんなくハイスコアです。

それもいままでのチェックシートでは観たことがない、
これは、いかがな手を施すのでしょうか?」という、
難問です。

数年前に漢方のお世話になったことのある方で、
当時の処方を参考として見せていただきました。
当時と現状では体調や体質は異なっているため、
直接的にその処方が参考になってしまうことは期待していませんが、
現状と当時のギャップが大きいものだとうなづくにとどまります。
当時にお体のお悩みを優先して対処する処方を標治でなされたもの、
と考えました。

複数の気血津液のバランスの乱れから生じた体質は、
どちらさまの体質を優先して対処するといいものか、
現状の不調に目をつぶってもらい本治で押し通すか。

「おいおい、そんなところで迷ってるのか!?」
といわれそうなところで躓いていました。

ひとまずは体調上の好転は感じられなくとも陰虚体質の対処をする。
このところは私も本人も異論のないところで取り組み始めました。

経過から状態の安定感は増すように見受けられましたが、
いかんせん、現状の不調感が少なくない様子です。
陰虚体質の対処で押し通せば、
この先、この状況がどれだけ続くものだろうか?

そうしたつらさを察して
症状に対しての対処療法的なアプローチについて、
確実にこれを優先するべきと納得できる情報を得ようと調査しました。
ただ残念ながら、まだ中医弁証は中医学基礎が不十分で難読なため、
そこに答えはあるとわかっていても手を付けられませんでした。
そして私が知る漢方の一般書はほぼ役に立たないといった内容のため
そちら以外の専門書やネットでの情報に目を通していきました。
その結果、2ヶ月半かかってマッチした回答を得るに至りました。 ^^

私もようやくちょっと肩の荷が降りた感じでしたし、
本人も曖昧な判断の隙がないくらいヒットした点に共感してくれたことも、
ありがたかったことです。






そして早速、昨日、その結果を受けて試みる漢方のお薬を、
ドラッグストアに買いに走りました。
Amazonでの購入も考えましたが、通販で一日待たされる時間も惜しい!

中延近辺のドラッグストアを数件回って、
クラシエの出しているもので手を打とうと購入しました。
昨日が平日なら小太郎製薬のそれがないかと
漢方薬局に問い合わせたかったのですが、
足を運んだ漢方薬局は日曜休日でした。

切迫買いを反省すれば、
生薬の『防已(ぼうき)』を買えば構成する他の生薬は手元に在庫があるし、
ネット通販の中屋彦十郎薬局で30日分の煎じ薬を(税込価格)13,200円で手に入る。
煎じ薬を日々自宅で煎じるのは手間がかかる。
ですが短期決戦で望む希望者や
改善に時間がかかる根っこの深い体質状況が見えた方ならば、
手間暇時間を投資してもいいのではないだろうか?

今回は根っこの深い体質改善だから煎じ薬を30日分試して、
後にクラシエで買ったもので済ますことができればいいのか?
そんな感じでフォローもできなくはない。。。







あとこのたび感じたことは、
クラシエのパッケージに書かれた適応症例を観て先入観を持ったら、
この方剤の選択は思い浮かばずにいたことでしょう。

本人もこの方剤はまったくのノーマークといいます。
私が本人の発した体調のキーワードをメモしてから、
当てはまる体質のパーセンテージが高いものを抽出。
すると本人が回答した体質診断チェックシートとは違った結果が得られたのです。
そこがわかったら、もう、目からウロコが剥がれ落ちました。



本人は、すでに自分がどの体質に当たるかの情報は発しておりますが、
無意識や無自覚で口に出した言葉は本人には自然なこと過ぎたためか
意識にも残らないかのようです。


〈主観による視野の狭窄〉と呼ぶべきことでしょうか。
自分にとって当然すぎる不調の著しいことであっても、
そうしたストレスを麻痺することがあります。
身体に不調があってつらいという仕草はある、
だがついぞいつものことだからとストレス負担があってもそれを無視。
おおよそそういった仕組みが根底にあるためか、
体質診断チェックシートの質問文との一致した度合いが正確無比には
反映していなかったようです。
ですが他人の私は客観的に過不足なく観察してマークしていました。
そのようにして得られた情報からは、
時として、という条件付きですが、
本人が回答した以上の正確な状態把握ができている。
そうして得た情報と体質を突き合わせれば、
この体質を先に対処したほうが妥当だろうといった判断材料が得られることがあるようです。
このたびは、それで私も本人も、
「まったくもって当たってる!!」といった体質が浮かび上がり、
こんなことがあるんだと驚いたほどのことでした。

本人に身体の状態がどかを質問するチェックシートで回答願うしか、
実際問題として体質診断シートの回答を得ることも難しいでしょう。
ただ本人がそのネガティブな状態があたりまえと受け入れたものは、
目に見えていても意識に上らない盲点のようなものとなりますから。
そうした盲点でこちらに伝えられていない事柄により、
こちら側の対処が変わらざるをえない状態にあります。

私が施術をするときには
ご本人の言葉も最大限に参考にさせていただきますが、
同時に身体の歪み等の状態から本人が気づかない点など、
かなりの量をチェックしてから対処しておりました。
ご本人の姿勢や動作、顔つきや発声や呼吸など、
または脈や腹の硬さなどといった、
様々な非言語の情報を読み解くことで、
状態把握につながる要所をえて施術に取り掛かれていました。

そうした施術で得たチェックスキルも流用して役立てますが、
体質診断するための質問は本人の回答を得ることが必須です。
問診の仕方も、それぞれがそれぞれの特徴を持っているもの。
必要に迫られてそこにこだわろうとしたいものですが、
一日中本人のあとをくっついて
身体に関係するキーワードをメモり続けることは容易ではありません。


ですが、そうであったとしても対処法はゼロではないでしょう。
本人が体質判断に必要不可欠なキーワードが述べていることもあるようで、
ボイスレコーダーを回しっぱなしにして後にキーワードをメモればいい。
そういった工夫、考えてみたいものですね。





posted by スズキ at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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