2025年08月18日

瘀血(おけつ)体質は、血虚から?気滞から?気虚から?

瘀血(おけつ)体質は、血虚から?気滞から?気虚から?
手技療法で対処しやすい状態としづらい状態の一例の考察

瘀血体質、、、
そんなことを言われると、いやな感じ。。
たとえば瘀血体質では、シミが皮膚に現れやすくなりますし、
皮膚の下の血管の色が浮いて見えたり、
下肢静脈瘤などもその特徴の一つ。
また瘀血体質のものの一部には、体内に筋肉の硬結を作り出しやすい。
他にもいくつもの特徴があるんです。

その瘀血体質をつくる要因には、中医学的に考えれば、
血虚か、気滞か、気虚か。またはそれらが組み合わさったか。
といういくつかの場合が見えてきます。

では、ここでいう血虚は、血が足りてない状態のことをいいます。
血液が足りていない方の体質では、手技療法をもちいたら、
次のような不具合が現象的に現れやすくなります。

その一例として、
明らかに身体の内側にできた硬化した筋肉組織が血管を圧迫し、
血液の流通を妨げている状態にある方もおられます。

たとえば。
肩甲骨の位置がずれた肩こり等の不具合を感じるものには、
左右の手で脈をみると、右利きのものの場合、
右手は血管の太さや硬さは適正だが、
左手の血管は細く血液の流入量が減っていることが散見される。
こちらは左手の腋窩や肘等にできた筋肉の硬結が撓骨動脈管に触れて圧迫しておこるものです。
なのでそうなった原因のひとつの左手の不調部位を正常に戻します。
するとある人はそれ以降、問題がない状態が継続されます。
しかしある人はそれ以降、身体のふらつきなどを感じる人があらわれます。
この場合の両者の差異の一つに血が十分に足りているかどうかがあげられます。
血が十分ある状態なら、左手の血流が正常な量を足りずにいたものが、
そっとその左手に流れて充足し体調上の調和が図られるでしょう。
血が不十分である状態なら、左手の血流が再開できれば、
左手以外の部位の血がさらに減少することになります。
(実際は左手が血行が戻ると同時に同側の脚の血行阻害も改善されていることがあるため、左手と左脚の両方に多くの血液が流れば他の部位の血が薄まることになります)
それにより身体のふらつきや体調上の不調和を感じる場合が出てくるのです。


手技自体に血液を新たに作り出して補う作用を誘発させることを期待するのは難しいことからおこることです。
造血させるための調整させるキー部分はありますから、そうしたところは手技で対処することはできます。
ただし一撃で変化させうるものじゃないため、補血作用のある飲食物の摂取を一定期間していただくよう勧めるほうが現実的で成果があがるでしょう。

つまりこの場合の対処法としては、血虚とわかって居る場合には、補血作用をもたらすような他の対処方法を検討し、同時またはその手技に先行しておこなうならば、施術後のふらつき等の不調を感じることなく過ごすことができるでしょう。
そしてそうした安定した状態でふらつき等のない状態でおさまれば、好調感は持続し発展する展開も期待することが望めます。
もしふらつきが起こりました場合、多くは二歩進んで一歩下がる程度のところ、または一歩進んで二歩下がることもあるわけです。


こうしたところは私が施術をさせていただいていた際、
経験則上、この方はいっぺんの施術で安定して向上へ乗るが、
この方はそうした状態にまで安定するには期間が要しますという違いは感じていました。
そうした理由がこうした中医学的視野で眺めるとだいぶん説明がつくようになってまいります。
なら対処も具体案が述べられるもので、
血虚単体なら四物湯で気血両虚なら人参養栄湯か十全大補湯だが十全大補湯は夜が服用させられないときもでてきますから、人参養栄湯が無難か。
また瘀血体質が気滞が原因なら、四逆散と加味逍遙散や他、血虚が気虚のときなら補中益気湯が血虚の場合に足して考慮される、など。

それゆえに手技には手技の得意分野があり、
他のアプローチにはそちらの得意分野があります。
中途半端に両方に手をだすのは成功が瀕することもあり、
まずはひとつのアプローチ方法に精通することは必須です。
ですがひとつのアプローチ方法を得てある程度のことができるとき、
他のアプローチの使い方がサクッと腑に落ちることがでてきます。
それらをうまく相互に補完させて用いるアイデアが浮かぶのです。
もちろん他のアプローチのほうも一般書を読む程度では、
実践的にはまったく思うようには使えないわけですから、
かなりきっちり腰を据えて学習することが求められます。


私は手技と方剤・食養生を組み合わせたアプローチは
いままで実践したことがありません。
ですが理論上、手技での得手と不得手を知り、
不得手を方剤・食養生がカバーしてくれるなら。。

その場合にはどういったメリット、デメリット、またはリスク管理の仕様が必要なのか。
そういった実務上のことを頭の中で計算式が建てられるところです。
もう少し勉強が進みグレーゾーンが払拭できたら、まずは自分の身で。次に身内で試すことができればと考えているところです。



posted by スズキ at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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