(個人の常識)は、他人には非常識なことばかりだ。
それはことばの定義付けも、想像力も、そして動き方も。
たとえば、あなたに
「『青い鳥』ときいて、どんな鳥をイメージしますか?」
と問えば、
寓話集で読んだ(しあわせの青い鳥)の絵がでてくるかもしれません。
「じゃ、その青い鳥って、
どのくらいの青色で、
どこの地域の鳥で、
全長・体重・年齢
鳴き方は、
匂いは、
オス?メス?」
そうした質問を受けてもらい、
イメージをはっきり描く手伝いをします。
あたかも具象化された青い鳥が現実にいるような精度で描きだしてもらう。
たとえばの回答は、
・青というより緑に近い色合い
・ニュージーランド産の鳥がどこぞの森に逃げて自生した鳥でセキセイインコっぽい
・全長:16.5cm、体重:85g
・鳴き声は、ぴーくるる、ぴーくるる
・年齢は8歳
・なぜかハムスターに似た匂いがしてきた
・メス
少し戸惑いつつも、
答えるに応じて自分が脳内で感じた青い鳥の映像の輪郭が鮮明になっていくでしょう。
漠然として描いたあやふやさはなくなっていきます。
そこまで描き切れた青い鳥を、
「じゃあ、これから右手の人差し指を差し出してその青い鳥を乗せてみよう。
あなたはどんな気持ちになりますか?
青い鳥はどんな様子でしょうか。」
こうして脳裏に浮かべた記憶から引き出しただけの映像が、
あたかも映画のスクリーンから抜け出したようになる。
リアルに歌を歌い、動きまわり、餌や水をついばむ。
想像した青い鳥が鮮明化する作業をしていただくと、
実際にいる青い鳥を眺めて観察する以上に、
独特な臨場感・質量を持って感覚がそこに入り込みます。
こうした脳裏に描いた像を鮮明化させるときには、
他のものを一切排除し、
そこ一点に意識を集中するモードに入り込みます。
雑念が入り込む余地が消えた瞑想状態と同様な脳波が、
脳波計で計測するとあらわれているといわれています。
安定した脳波状態では実際の体験以上の臨場をします。
こうしたときの状態は催眠に近い脳波があらわれています。
ある種の催眠にかかったといえなくもない、そういった状態です。
つまり上掲した質問をするときの質問する者は、
単なる羅列した質問をただ読み上げるだけではだめで、
催眠療法上でおこなう言葉の誘導をすることが求められます。
そこには、そこそこのテクニックが要求されるわけです。
質問の答えを言葉に出して伝えてもらえれば、
共感し共鳴することができるでしょう。
そこからさらに鮮明さを高める質問を投げかけることもできます。
または恥ずかしがらずにイメージを描き出してもらいたいときは、
言葉に出す必要はなく質問者のこころのなかでメモを取りながら
イメージ像を鮮明化する作業をおこなってもらえばいいでしょう。
観察のテクニックを習得して脳内の映像を描く力が増強されたら、
たとえば過去の記憶も鮮明に思い出せるようになりますし、
脳内にあらわれた創作物が鮮明な輪郭を得て臨場できるようになります。
あやふやな脳内映像が観察で鮮明に思い描く行為を実践した産物として、
運動神経が持つミスリードしっぱなしで轍化したかつての学習の産物も
ときには容易に書き換えることができるといわれています。
せんだってフェルデンクライスメソッドのセミナーに参加させていただき勉強させていただきました。
フェルデンクライスメソッド創始者、モーシェ・フェルデンクライス博士。
彼は確か高度な科学をもちいる技術職でした。
柔道をして身体を壊したがどこの医者にいっても博士が期待する成果がなかった。
そこで彼は医学的な技術から武道の動きなどの動き方に精通なさったのですが、
同時に『催眠療法』を学んだといいます。
催眠状態で起こる身体変化は受け入れられ定着率がいい。
脳(小脳)が身体操作自分なりのやり方を、変更しづらい運動プログラムとして、
決まった手順で考える必要もなく自動的に身体を動作させています。
こうしたオートメーション化された身体動作が定着するには時間がかかるか、
または強烈な印象を持ってそれを受け入れざるを得ない状態下で会得したか。
いずれにせよ、いったん身体操作上の悪癖を含んだ動きを受け入れ定着したら、
それこそ一生懸命になってそれを変更しようとしても非常に困難なものとなる。
なかなかどうして、そこは容易に行動様式は変われないのです。
モーシェ・フェルデンクライス博士は、
そこで催眠療法を学んだ手法をフェルデンクライスメソッドに取り入れました。
脳がなす、自動動作の繰り返しに陥ったところから離れ、
あらたな変化の気づきをえて脳に深く記憶し定着を図りました。
かつて私は上述のような内容の文章を読んだ記憶があります。
脳が、あたかも催眠状態と同じ波形を表すとき、
悪癖を持った身体操作さえオーバーライトが容易にできるようになっていく。
それは新たにより優れた身体操作法を受け入れ定着させやすくなる鍵となる。
これぞ運動療法で身体の恒常的な変化変容をもたらす際には、
この点が取り入れられていけば。
頭がちょっと硬くなって変化を拒むような脳になっても
すんなり動き方が更新できるようになっていくのです。
書き換えの奇跡という巨大な福音を享受できたら最高!
私な本当にそう思えてなりません。
私がフェルデンクライスメソッドってすごいよ〜というのは、
こうした運動神経の親玉である脳の書き換えが大事と主張し、
多くのフェルデンクライス博士の仕事が晩年まで進化し続けていたからです。
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