【カッピング(吸玉療法)】は、てっきり中国が考案したものかと思いきや、一説では元はロシアでおこなわれていたものが中国に伝来し、やがては日本にもというルートで伝来したという。
初期のカッピングでは、ガラスや陶器のカップ内側に軽く揮発性の高いアルコールを薄く塗り火をつけカップ内を真空にしていました。
いまでは手動式・電動式の吸引器を利用して特別な吸引口を持つプラスチック製カップ内の空気を吸い出すような器具も開発されています。
これで自分一人でもカッピングが格段にやりやすくなりました。
【カッピング(吸玉療法)】は、皮膚に吸着した際に、皮下に血のにごった古くなったような物質がたまっていたら皮膚表面に引き上げられて痕となります。
痕は、赤かったり、紫だったり、黒だったり。
それぞれの発色により、状態悪化の軽重が理解でき、<無色(変化なし)→赤→紫→黒>のように色素が濃くなるにつれ悪化進行していると見て取れます。
ですが実際にカッピングをしていくと、
かなり強い虚証で状態悪化が心配される方が無色で痕が残らないことがあります。それは皮膚下にある老廃物を排泄する機能がそもそも弱り切って皮膚上層へ老廃物を移動できないためカッピング痕がでない状況です。こうなるとさらに深刻です。そうした場合でも、丹念にカッピングを繰り返すことで改善することがありますので、そうすると徐々に黒い痕がでてくるようになります。すると改善の階段を一段ステップアップできたもので、ちょっとだけ安心でき、今後の励みにもなるでしょう。
そうしたカッピングですが、昨今は『シリコン製のシリコンカッピング』が手軽さとエクササイズツールとしても流行っております。
手軽さは、カップにアルコールを塗って火をつけたり、吸引器を操作する必要がなく、カップの山の頂上をぺこっと押し込んでつぶしてから肌につけるて離せば簡単に皮膚が吸引される仕組みです。
シリコン製カッピングの道具も、以前は数種類のサイズ違いのカップがセット販売されたものが、けっこう高いな〜と思うような値段でした。それが、シリコン製カッピングのツールも、中国でバッタものがつくられて日本で数種類がセットされた3000円前後のものが手に入りやすくなりました。
日本製のシリコン製カッピングと中国製ではどう違うかというと、両者、利用してみてそう大差がないというのが実感です。
通常の吸引器で吸引するカッピングとの機能性における違いもあります。
カッピングをした際は吸引圧の高低により、低ければ表層筋のアプローチで高ければ中層筋の上部当たりまで影響を与えることができます。
プラスチック製カッピングで電動式吸引器を使うと、驚異的な吸引力です。もう、やめて、たすけて!!と声がでるくらいまで、高い吸引力を発揮してくれます。自分自身にカッピングするときには痛みでちょうどいい程度を調整できますが、他者にやって差し上げるときには負担を耐えられるぎりぎりまで圧をあげたいときは気を使ってやられている人の肩の上方がぴくっとあがったらやめるとか、反射で起きる変化を見逃さないようにしたいところです。
対してシリコン製カッピングは、一般的な吸引器で強い吸引圧を出せるカッピングとは違い、吸引圧の強さからいえばまぁまぁくらいまででしょうか。
深層まではとうてい圧は届きません。
サイズが大きいシリコン製カッピングでは吸引力がそれなりに大きい。ですがシリコン製カッピングは、使っていただければわかると思いますが、吸引圧を強くしすぎるとカップが皮膚に接している部位に引き裂かれそうなイヤな痛みがでて、それがけっこう10〜20分ほど続きます。(たまたまかもしれませんが私が所有している中国製のシリコン製カップのほうが肌のダメージが強く残ります)そうした負担を避けようと考えれば、シリコン製カッピングは、カップサイズが大きいものでも<中層の表面>までの刺激用と考えて、強すぎる吸引は避けたいところでしょう。
一般的にカッピングの用法は、皮膚にカップを吸引させて痕がでるくらいまで待つというものが代表的でしょう。
ただそれだけではございません。
他にも、エステサロンでは背中にオイルを塗って滑りをよくしたところにカッピングをし、施術者がその皮膚を持ち上げたカップを操って上下や左右等移動させておこなう方法があります。
こちらは『スライドカッピング』と呼ばれます。
スライドカッピング映像例
意外に皮膚の上をスライドしていただくと、同じ吸引圧にも関わらず痛いところと痛くないところがあることに気づくでしょう。
皮膚上の張りがきついところが異変を感じます。
・おけつがたまっているところ、
・皮下の筋肉や腱そして靱帯などに炎症している
など。
通常のオイルマッサージでも体内のオイル切れがあるとオイルが経皮吸収されてどんどん皮膚から体内に浸透していき、十分に体内へ油分が吸収されたら浸透が止まりオイルを吸わなくなります。
それがシリコンカッピングを丁寧にしていけば、さらにオイルが体内に浸透し出すことがあります。シリコンカッピングによるスライドカッピングは、筋膜間の油切れを補う経皮吸収を促進する力があり、体内の潤滑油が老廃物と化けたものの排泄を促し、排泄後のスペースに必要な潤滑油を補給する強みがあります。ちなみに圧といえば2種類ありますが、ひとつは皮膚から体の芯へ押し込む押圧と、他は皮膚を体の芯から離れた方向へ引き上げるマイナスの圧です。カッピングの吸引圧はマイナスの圧に含まれます。そしてマイナスの圧は皮膚を持ち上げることにより、詰まって固着し閉じこめられた老廃物を解放するスペースを与えて押し流しやすい状況をあたえてくれます。老廃物の固着したままの皮下組織をただ押圧するよりも効率よくリンパの流れを促進できることで状態の好転をはかりやすくするともいわれております。
このスライドカッピングは、自分では背中はアプローチしづらいものの、手足、首、腹側の胸や腹などはできるでしょう。
ネット上でやり方を解説する映像もあるかもしれませんから、興味ある方はさがしてみてください。
またもうひとつのシリコンカッピングをつかうメリット。
<シリコンカッピングをしながら、軽度のエクササイズをする>ことです。
激しいエクササイズをしたら途中でカッピングがはがれて落ちてしまいますが、ゆるめなエクササイズなら大丈夫です。
シリコン製で体の曲面にも多少ならくっついたままでいてくれます。
シリコンカッピングをしながらの、ながらエクササイズは、シリコンカッピングをしたところに意識が保ちやすくしてエクササイズ時の成果を高めることができます。たとえば、力こぶがでる上腕筋にシリコンカッピングをして、力こぶをだしたりひっこめたりすれば、自身の筋肉の動く様子が認識しやすいことがわかるでしょう。意識の注意を向けた部位に血流は多く供給される仕組みが人体には備わっていますから、エクササイズをするときに強化したかったり改善を促したり意図を持ったトレーニングがシリコンカッピングを張り付けておくだけでかなえられます。またシリコンカッピングをした箇所の血行がよくなりますし、同時にリンパ液の流れが皮膚を持ち上げられたときに促進されます。これにより血液の循環や他の体液の流れを同時に引き上げてくれるでしょう。そして血行をがんばって促したいというときは、ちょっと強めのマイナスの圧が多くは必須となりますが、リンパ液の流れなど血液以外の皮膚直下の液体は軽めのマイナスの圧でも十分な成果が期待できます。(強いマイナスの圧だと、かえってカッピングをしているときに強く奥へと押し込む力が発生し、リンパ液等津液の流れを一時的とはいえ阻害することになります。それにより長期にわたる老廃物の滞留現象がおこるようなケースもあり注意が必要です)
また別法では、シリコンカッピングを右手の二の腕の手の甲側の中央当たりにしたとします。そのシリコンカップを左手で固定して動かないように把持しながら、右手首を背部方向へ曲げたり延ばしたり。そうしていただくと、シリコンカップが当たっている二の腕部位直下の指につながる腱が非常にすぐれたペースでゆるみだします。通常は、二の腕の甲側をゆるめようとすると、直感的にゆるめようとする部位に対し押圧をかけながら動かすストロークを加えるでしょう。ただこの場合、体の芯に向かう外圧が与えられた際には、緊急避難をせねばならぬ非常時と判断されて強烈な皮膚抵抗作用が働き身を守ります。このような反射がおきたら、施術者が強めの圧を力任せにいれてみたとしても、皮膚抵抗がそれを弾き飛ばして身を守る反射により、与えた力のほとんどは患者の身体の内部に入ってはくれないのです。対してマイナスの圧は皮膚抵抗が起こらないかまたは起きても押圧に対して遙かに少なくなります。そのためさっーーーとマイナス圧の刺激は患者様の身体に届けられ、施術者の想定する変化をそっくり受け取ることとなるか、それに近しい変化を与えることが可能となります。(正確に言うと、マイナス圧での刺激を与えるだけでは、雑味のあるぐらつく圧だったり、移動させるスライドカッピングをするときに等加速度運動ではなく加速運動にしてしまうなどをなされば、皮膚抵抗のスイッチはがっちり入りますから。そうさせないためのノウハウや工夫ができて、皮膚抵抗とあらそわないマイナスの圧が作用させることができるようになります。)
皮膚抵抗のスイッチをいれさせずに体に刺激を送り込む技はいくつかあって、日頃、私もそこを工夫してしごとをしています。ただマイナスの圧をつかえば、それだけでも皮膚抵抗の減少がきたいでき、そうなると、比較的弱い圧でも身体内部をうまく凝りや癒着に対し制御、コントロールを加えれば、大きなリターンを受け取ることができることを経験上知っております。
最後に、背中側の肩胛骨周囲は、なかなか手が届きにくいため、セルフケアをするとストレッチポールやランブルローラーで、だいたいここいらだなと当てずっぽうのまま刺激を加えていきます。
ストレッチポール等、刺激を与える時間は一瞬程度か長くても1分だとします。それくらいの短時間リリースでは思ったほどの筋膜の癒着がはがれることもございません。。。残念ですが、検証してみるとそうなんです。
対してシリコンカップを肩胛骨周囲につけるのは、体の固い私にでもできます。正確にどこにつけるかをねらいを定めて、いったんつけちゃえば、そのまま5分〜10分デスクワークをしていてもいい。それだけでも十分手を使い肩胛骨が動くからです。そうしているうちに皮膚の下に滞りがでてたまった老廃物もリンパ液とともにながれていきますから、やる前とやった後では変化を実感できるでしょう。
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