こうして武術のトレーニングや施術もおこないます。
私は一昨年前の春頃から続ける朝のルーチンがあります。
母譲りのカーブスのながーいタオルを熱湯で濡れタオルにし、
全身の経絡をそれで擦るようぬぐうことで経脈の様子をみています。
(手足や体の前面、首や頭部はかなり正確に位置を察知してなぞれて状態確認が容易ですが、背中の膀胱経は視認できず難しい。実はこの起立筋部分が正確な把握ができないことによる不案内さが現状ネックとして感じられる)
まずは14本の経絡位置を覚えるためにはじめました。
(数カ月もして〈経脈〉がわかってくると、〈絡脈〉を同様に位置を覚えるようにしました。
ちなみに経絡は、縦線の経脈と横線の絡脈を合わせた総称です)
それが把握できてきたら、
経脈の上下のつながりや左右二分された状態の差異や経脈の滞りがあるかどうかをチェックするようになりました。
これは経穴の勉強にもなるが、いまだに普段利用頻度が高い経穴以外のものは〈あれっ?これってなんていう経穴だろうか〉となって手が止まってしまう。
それでは時間が膨大にかかってしまうため、正確に経絡のラインを見ることに気を配るようにしています。
こうして経絡を接触し触覚で観ていくと、それだけでネガティブな経脈はある程度の範囲で自動的に復旧しはじめる。
こうするようになって筋肉の凝りの状態があきらかに弱まりだし、肉体上の柔軟性や感受性が高まっていった。
これは気血の流れを正常化させる導引術や気功の流れを、
お金もかからず身体がきれいになよう工夫した健康法といえるでしょうか。
座学で経絡教科書を読んで知識を増すことも大事ですし、
こうした日々の自分の経絡状態をモニターする実践からうまれる智慧や気づきも大事なのです。
施術者として自分の経脈の状態をつぶさにみるようにして1年も経つと、お客様の経脈の状態の良し悪しが手に取るようにつかめた瞬間を迎えることがありました。
まだそこは正確性は未熟ですがこれでだいぶ助けられました。
経脈が滞って、臓腑の気が通れず、正気が巡らず、むしろ邪気に苛まれるというと。
そうなっていればこの経絡を通すようなエクササイズ?をすれば、自らがこうしたバランスの乱れを察知することができるようになっていきます。
人は、肉体上の過去からの負の債務や、そのときどきに異なる労働環境や精神状態などが起因して、
身体状態が乱れをきたすときはでてくるものです。
そうした状態を日々観察して大きくバランスを乱さないよう修正をくわえることで養生法となるでしょう。
個人的な信念ですが、このエクササイズを長年続けることで、
身体への理解が深まりだし、極まれば人生の奇跡を咲き誇らせるでしょう。
さまざまな施術の心得や技術・技量があったとしても、施術者自らの経脈が滞っていては、そこで気血が滞って施術をすると、施術者がお客様の正気を乱してしまうこともある。ときにはお客様の正気を横取りするようなシーンも目にすることがあります。
ときに施術者は過労にさいなまれる肉体労働者でもあって、身体操作が上達する前は自らの体内に邪気を蓄積したりお客様の正気を横取りすることも。
経脈の流れを順調にするには身体操作の上達が100%必須なものです。
だから相応に身体操作が上達するに連れ、自らの気を巡りを正せるようになり、施術のときにたまたまその施術者よりも元気があるお客様から気を横取りすることもなくなります。
ただこれは目に見えない世界のお話で、私の独特な見方なのかもしれません。
この経脈へ気を導くこと。これは治療の方法ともなり、
施術者が施術をとりおこなうときにとても役立つ力ともなります。
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