2025年06月30日

どんな手技の下拵えでも仙骨を正常に近づけるアプローチが大切だと思っています

私の施術では、最大限、大切に考えてアプローチしている箇所があります。

施術者にとってべたなお話ですが、
仙骨と腸骨の可動と仙骨と腰椎5番の可動をしっかりつけることです。
この部位が硬直した状態では、もっといい自分へ変わることはできません。
たとえば筋膜リリースをしてもリリース率が大幅減でよくありません。
戻りが早いのは研究で実測して実験を繰り返せばわかります。
その理由は、数々ありますが、いくつかご紹介させていただきますと。。。

これら部位の可動が悪化していると起立筋全体の堅さがあらわれます。
または起立筋をいくらがんばって解こうとしても解けずに凝りに弾き飛ばされます。
脊柱起立筋群の緊張があれば交感神経が過度に優位状態となり、
つねに(逃げるか戦うか)の心身ともやすまらないわけです。
これにより深部までリラックスの波が届くこともありません。
かさねて中医学でみれば起立筋群は、陰陽の陽の気が少なければ取り入れるゆけつという経穴が並びます。
起立筋にトラブルがあると、陽の気の流れが阻害されて気の停滞がから気虚に似た状態が続いています。
このような気の流れが阻害されたままでは、血液を運ぶこともままならなくなるのです。
深い呼吸をしたときは仙骨の下方部位が吸気と呼気のタイミングで前後に動く仕組みで呼吸を助けます。
ですが仙骨ががっちり固まって固定されたままでは、この良質な呼吸運動が妨げられてしまいます。
仙骨と腰椎5番の間が詰まりますと、上部頸椎も同様に詰まり自律神経の状態を悪くさせてしまう。

つまり簡単にいえば、自然治癒力が効率よく発動させたいときには、
仙骨が正常な位置に導かれ可動できるようにすることが必須なのです。

それゆえ仙骨の可動をしっかり確認し、可動が足らなければ確保するような手技をしているかどうか。
どんな手技をするときであっても、この仙骨の可動確保が効いてきます。
この仙骨の手技がすべての結果をだすための下拵えとなるのですね。

仙骨へのテクニックとしては高度な部類に入りますしリスクもあり、
やり方を身につけるには多年にわたる臨床経験が必須です。
仙骨の周囲靱帯が骨ほどの堅さに化けていますから、
それを仙骨と見間違えられやすいため仙骨変位パターンを読むには、
全身の姿勢の状態等から推理できなければだまされます。

仙骨が動きを取り戻すほどリリースをかなえられたなら、
臀部筋がしっかりゆるんでいる状態となります。
これは先ほどまで仙骨のずれが著しかった方のリリースが済んだ後、
臀部筋の柔軟性が取り戻されたときにさわってみていただければ、
別人になったように感じられるでしょう。

ちなみに私がボウエンテクニックという施術を習ったことがありますが、
その施術法を実践運用したトム・ボウエン氏は
施術をするときにはかならず仙骨や尾骨が正常か調べていました。
他の手技療法でも、この仙骨部を至上の施術ポイントとして扱うことも多く観られます。
私も同様にこの部位の取り扱いには特別視することも大きく、
個性的なアプローチを自身で生み出していきました。
その個性的なアプローチと呼べるのは、腸骨と仙骨にまたがる外旋六筋が曲面上の骨の上に位置しているため、
手でのアプローチではそこの部位をなかなかフィットして効率よい手技が行いづらくて、
べんせき温熱器を4種類を使い分けたりそれらで筋を挟み上方へと持ち上げていくなど、
工夫を凝らしています。
外旋六筋それぞれの筋肉において形状や深さや堅さが変わるから、
それぞれを目的にした適切に対応リリースができるようにしています。
つまり工具箱に、たくさんの工具がある理由は、
プラスのドライバーやマイナスのドライバーといった、
ねじ山の形が合えば楽に回せるけどあわなければ回りませんよね。
プラスドライバーで回さないといけないねじをマイナスドライバーで回すのでは
効率が悪いししっかり閉められません。
それと同じことで、研究してみるとこのべんせき温熱器のこの面がこの筋のこの凝りの箇所にフィットしている。
これによりしっかりとしたリリースをかなえてくれ、解くためにかかる時間を短でき、
安全性を高めるリリースができるよう試行錯誤して作り出していきました。
これが功を奏して以前ではリリース範囲の範疇としては取り扱えなかった深層の部位にも手がいくようになり、
さらに仙骨の状態が正常化するようなレベルがあがってきました。
これを研究するには今の時代、3Dの詳細に人体を表示して見せてくれる解剖図ソフトも役立ちますよね。
視覚的に仙骨周りの状態をリアルかつリアルタイムに見抜くシミュレーショントレーニングをすることが大切で、
複雑で股関節と仙骨や腸骨をつなぐ臀部筋の状態を把握するには必須アイテムのように感じられます。
この3Dを視点を変えて眺め、それを私の指先の触覚が感じられるまでするようになるまで半年ほどかかりました。
ただこれが板に付いてくると、私がお客様の臀部筋をみたりさわったりすると同時に、
私の脳内に3Dの骨盤の骨、筋肉、靱帯、神経、血管等が大いにあらわれるようになりました。
こららが正常な状態からどういった感じで変位しているかが映し出されて、
だったらどの手順で変位した状態を正常に戻すのが安全で効率的かということを計算し出すようになります。
で、このような計算ができるようデータを適切に収集して処理することができなければ、
事故リスクが非常に高く一生の後悔となるものと心得て、
深く仙骨周囲を解くことは避けた方がいいでしょう。

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posted by スズキ at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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