2025年02月03日

書籍紹介:経穴インパクト (経穴の位置が、さっとひとめでわかるハンドブック)

経穴について詳細かつ専門性高く解説している書名『経穴解説』。
一冊は経穴の専門書を精読したくて手に取った本です。
ただ詳説するため分厚い本となり持ち運びには不向き。
取穴用にハンディな本が一冊ほしくなっていました。



そして見つけたのがハンディな新書本サイズの『経穴インパクト』(医道の日本社)です。


Amazonで出版社からの紹介文は、
《本書は、WHO/WPRO決定の361穴の取り方について、
 ビジュアルで学ぶことができるテキストです。
 取穴が得意な男の子「ツボッキー」が、取穴の際の注意点、
 主治や解剖などについてわかりやすく解説していきます。
 そのほか、経穴名の由来、治療での使い分けのポイント、
 「暗記のツボ」など、ためになる情報も盛りだくさん。
 シリーズの特長のひとつであるコンパクトな判型は、通学や通勤時の勉強にも最適!
 国家試験を控える学生の皆さんはもちろん、臨床で活躍する治療家にもオススメ》とのこと。



経穴全体を網羅しており、
経穴の位置がわかりやすい解剖図を伴ったイラストで表現しています。
文字とざっくりとしたイラストで取穴する位置を示された本が多い中、
この本は異質な取穴位置を読み取れるありがたい本です。
校正が不十分な本が多い医道の日本社の本だから、
悲しいかな表記の統一がなされていないなどの校正ミスは目立ちます。
初校で最終校正にしているのでしょうか。。。
あと経穴の主治が一部の紹介で済まされ、これじゃ足らなさ過ぎです。

そうしたマイナス面もありますが、
どこにでも持ち出せるサイズと、
肩のこらないイラストで
正経十二経脈やいくつか代表的な奇経に属する経穴の位置がよくわかる。
この2点は他の本を凌駕しており、持っていて損のない初学者向けの本。◎




お客様にセルフケアで必要な経穴のお話をするときのシーンで。
お客様から《じゃ、ここいらへんを広く温めればいいんですね〜》
とおっしゃられることがあります。
慰安的な気持ちよさを優先するなら、それで十分ですので、
《そう、そう!だいたいそこら辺を目安としていただいて》
となります。
それでも相応の効果がございますし、
厳密にここと小難しく言い過ぎると
疎まれることもありますので柔らかな指示がちょうどいい。


でも、時と場合によっては、
正確に針先で経穴の一点を射抜くような刺激をお願いしたいとき。
このようなときは、
べたべたと経穴の一点以外の色んなところを触られては、
狙った経穴刺激の効果が激減し無意味なこととなります。
いままでは経絡図を観ていただき場所をお伝えしましたが、
経穴図を見せられても皮下の筋膜が交錯して経穴ができる点は描かれておらず、
多分にぼやけた伝わり方だったと思います。
そのような際に、
《経穴インパクト》の該当経穴のページを参照していただこうと思います。
本書に正確な解剖図イラストがあるわけじゃありませんが、
すっきりわかりやすく頭に入るようなイラストがあります。
お客様にしても、未消化な知識を不安なままセルフケアをするのはつらい。
それよりもわかりやすく理解しやすいイラストをみた分だけ、
積極的にセルフケアに活かしていただけることでしょう。





ただ経穴の位置を現状の体に対し正確に求めるには、
もうひとつ観ていかなければならない点があります。

不良姿勢が災いして経絡のズレが大きい人が観られます。
そのような方は
《経穴インパクト》に描かれたイラストの位置を押しても狙った経穴がずれが大きい。

結果的に、経穴インパクトにより表示された経穴の位置を刺激しても、
効果はあまり期待できないでしょう。
そういった場合には、現状のお客様の経脈がどういったズレ具合かを伝え、
修正した正しい経穴の位置をお伝えする必要があるでしょう。
ただ経脈のズレ方は、ずっとその場に留まるのではない変化する場合があります。


一様ではないため、こちらを使いこなそうとするには、
少しずつ勉強を深めていかなければなりません。


特に不良姿勢がつづく現代人は、
先天的な体の遺伝上設けられた弱いところ以外にも、
大きなねじりや詰まりといった経絡上のトラブルが生じている。
昔の自然豊かなところでのびのび暮らしていた方とは、
まったく違って経穴の正確な位置の求めにくさを感じられます。
それは複雑な気の病や追随して血の病が生じる一因となります。。。


皮膚の下にある筋膜を正確に認識できる技術が育てば、
経穴がどちら側にどの程度ズレがあるか見当がついてきます。
見当をつけた経穴の位置に施術者が指先を置けば、
気のやり取りの際に感じる冷感やビリビリ感などの特有の感覚が得られます。
原穴の位置を知って、そうした点を見つけて修正をかけて刺激を加えていく。
そうすると、どの経絡がどれほどの経脈のズレが体内に生じているかを知ることができます。
それは筋膜リリースをするものとしては、
喉から手が出るほどうれしい情報となり、
体内の目に見えない部分を推理して推測する材料となります。

そうしたところからも、
あやふやな経穴の位置を覚えていては使い物になりませんで、
日頃から原穴がどこにあるかをチェックして記憶に書き込み、
使い物になるよう仕込んで置かなければなりません。

手早く経穴位置を確認できる経穴インパクトは、ほんと、いいですね〜
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posted by スズキ at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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