指の第三関節から曲げるから、
力強くも弾けますし、加減も精密におこなえます。
そのように指導されます。
習ったことがない方は、指の第二関節から曲げてしまい、
それで力強くひこうとすると、指が硬直して力みが入る。
それでは精緻な操作がとらえきれません。
指の第二関節を曲げる人がほぼ100%。
そのままの指の操作を続けても練習が実りません。
指の第二関節で曲げるときは、ものをつかむ感覚。
つかもうとすると、第一関節より前にある指先に緊張が入る。
その時点で力も発揮できず精緻な指先操作はかないません。
指の第三関節で曲げるときは、ものをはさむ感覚。
はさもうtすると、第一関節より先の指先は
前後左右のミリ単位以下の力の発する方向を選べるし、
はさむ力の発する力は自分の体重を余裕で持ち上げるほど。
(猿が木の枝から離れた枝へ、手でぶら下がりながら移動する際の手の使い方がこれです)
(指の第二関節・第三関節の図)
合気柔術で手の内を習ったときも同様。
〈手掌腱膜〉を使えという言葉での教えでしたが、
結果的に指の第三関節から曲げて操作することになります。
解剖学的に考察しますと、
指の第三関節に手掌腱膜が被っていると見て取れます。
それゆえに第三関節から曲げることが手掌腱膜を使う最低限の目印になっているのです。
第三関節から曲げて操作することが習慣化されている。
そうした武人と握手したときには、一般の人との握手との違いを感じるでしょう。
それは握手をした瞬間、相手の手の操作技工が読めますから、
「すごすぎ!」「同格だ」「格下だ!」という区別がわかる。
第三関節から曲げるというのは、基礎的な使い方のひとつであり、
そのベースを使ってさらに精巧な使い方が手の内でできるように。
そうした流派の秘密のような技巧を凝らした技術を身に着けます。
(指の第三関節の手掌腱膜図)
私が施術で織りなす筋膜リリースでは、
指の第三関節から曲げて手指や腕全体を操作してます。
だからイメージ通りにピアノを強弱やリズム、和音を弾くようなことができ、
精密な強弱や徐々に強く、徐々に弱く、方向性、間のとり方などを総合するように、
筋膜リリースの手技をさせていただくときにそれをこころがけています。
それが安全性とリリース効果の安定性と高さに貢献しています。
個人的に、
ボウエンテクニックのブームという皮膚を軽妙な力でスラッグして経筋へ刺激を加える接触手技をするとき。
うまく刺激が身体内部に入り波及させるよう意図を持ってできるようにする秘密のひとつに、
指の第三関節から曲げていこうという考えが当てはまるのかなと思っています。
ただ、海外のボウエンテクニックをしているファシリテーターの手技をみるも、
そこまで意図して手をさばいて使ってそうな人があまりみられない。。。。。
なぜなのだろう?
トム・ボウエン氏は英訳された指圧のテキストを愛読しておられ、
東洋医学系の先生方との親交があったといいます。
海外に渡った東洋医学系の先生方のなかには、
日本の古武道を実践されていた方々もおられたでしょう。
古来より武医同道とされ、武道と医は同じ道に通じますといわれ、
整骨院のほねつぎの先生然り、鍼灸や指圧師の先生方々にも
武道を実践された方の比率は高かったようです。
そうであったとすれば、東洋医学系の先生との会話や技術談義でのこと。
匠に指の第三関節から曲げ手技をする技をボウエン先生に魅せていたでしょう。
そうであればボウエン先生がピアノ等を習ってなくても、
指の正しい操作術を会得して自身の手技に活かしていたのかなと思える次第です。
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