(脇下にあるコリの図)
脇の下に大きなコリを持つ人がいます。
私が脇の下のコリの存在を初めて目の当たりにしたときの驚き。
いまでこそ慣れて、肩のずれた位置が上方か前方か後方かで、
どこの肩の内側の筋群が癒着しているだろうとみえてきます。
でも、この部位にできたコリからの循環器へ与える負担から、
単純な五十肩封じといったレベルのはなしじゃないと感じた。
健康上のトラブルメーカーと真剣に捉え、
差し迫ってリリース法を考えてきました。
脇の下にできたコリの硬度は人それぞれです。
幸運にもまったく問題ない人もいます。
ヨガやさまざまなエクササイズ等が功を奏しておられるのでしょうか?
対して硬質な石と同様な硬さへと変質するケースもみられるのです。
最近ではスマートフォンをにぎりしめている時間が増えていたり、
長時間のパソコンや書類に物書きをするような仕事などにより、
肩甲骨や上腕を固定し、肘から先の腕を操作するようになりました。
鎖骨や肩甲骨を固定した使い方なら脇の下にコリができるようです。
だからこそ、
烏口腕筋をつかった腕の使い方ができるようにならないと、
いくら脇の下にできたコリを力技でほどいてもまた固まる。
それを繰り返すこととなりますから終りがありません。
自身の腕や肩の使い方や実際にどのように使っているかを、
しっかり検証して是正されることが望まれます。
上図の黄色いマーカーで記した筋肉が関係します。
・上腕二頭筋
・上腕三頭筋
・烏口腕筋
・小胸筋
・大胸筋
・肩甲下筋
多くの筋肉が直接かかわりをもつことがわかりますね。
特に上記の筋肉の腱部分が硬化することで、
石や骨や鉄のように冷たさをともなう硬化組織へ転化します。
一本の筋肉のそれ自体が緊張著しくなっていたり
筋束レベル、筋繊維レベルの硬化がみられることもありますし、
そうした2本かそれ以上の本数が複雑に癒着を繰り返している。
ほかには以下も脇の下でコリに近接し
影響していることも多く見られます。
硬化があれば緩める必要があります。
・広背筋
・大円筋
上述した筋肉群のそれぞれの筋肉の正常な位置や状態を知り、
筋膜の癒着をリリースしていきます。
適当に硬い筋肉を押し込めば解けるだろうというのは勘違いです。
それこそ神経や血管やリンパ節が含まれるため危険極まりない!
握りこぶしよりも狭い箇所に複雑に絡まった癒着した筋肉達は、
本来ある筋肉の位置とは違う場所にずれる。
だから触診でどのコリがどの筋肉化を判断して区別していきます。
クライアントのコリの状態をみて、
クライアントの肩甲骨、腕の上げ方や回旋など工夫することで、
こうした癒着により筋肉が本来の位置からズレたところを最小に。
そうすることができないと、潜り込んだコリは隠れてみえてない。
硬化が少ない軟化度合いが高いものであるとみえるならば、
波々の圧やスクリューの圧を適正な弱圧でかけて様子を見ていく。
強い炎症を持っているため、弱圧でも痛みが強いことでしょう。
ただし隠れたコリをしっかり見えるような位置に引っ張り出すと、
そちらを緩めればまた下層にさらに硬いコリの核があらわれます。
こちらは脇の下のコリが強い方の場合ですね。
こうした作業を飽きずに繰り返すのですが、
術者も集中力が擦り切れお客様も痛みでしんどい。
強固なコリに変質した筋肉同士のリリースでは、
弱圧では焼け石に水で変化改善はまったくみこめませんから。
ただこうしたリリースを複数回の施術の回数を受けて繰り返せば、
すっきりこりがよりつかないようになっていきます。
(できるだけただしい腕の使い方をしようと指導は必須です)
リリースを加えるには、
二本の筋肉のうちどこかで一本が他の筋肉や骨等で固定されているかどうか確認し、
固定されていなければ施術者が一方の筋肉を固定させてリリース圧を加える。
その作業を固まったコリの点、ミリ単位でごっちゃりとなっているわけです。
引き離すには圧をかける方向や圧の力加減、そこが難しく感じるのですが、
現状ではワンドをもちいることでそのリリースが格段にしやすくなりました。
ただ人の体へと影響させる特別なことですから集中力が擦り切れるのは、
ワンドをつかっても免れることはないのですが、
リリースがスムースに進行することから結果はいいですね。
最後に、脇の下のコリがどんな感じのネックになるか、
ざっくりとあげておきます。
骨格筋としては、肩や上腕や前腕への筋肉がコリ起こります。
五十肩のような場合も、このコリが部分的に関係し肩関節の可動域を制限させ痛みを生じさせるようです。
この部分は腕に通る動脈や静脈の通りと重なりますから、
脇の下に大きなコリができている方の血行は停滞し、脈を診ると正確に診ることができません。
特に注視しなければならないことは左肩内部の血管へ圧が強くなる場合、
心臓より近位な位置関係が災いし、心臓とコリとの間にある動脈にトラブルを起こすこともしられるようです。
脇の下にあるコリが腋窩リンパ節に深くかかればリンパ液の停滞がでるでしょう。
首から腕へ通る神経が脇の下のコリ近くを通り影響を受け、神経圧迫の割合によりしびれや感覚低下等の影響が生じることもあります。
手のトラブルをみるときに、
考慮しておきたいことです。
一般の方が、自分で脇の下にある程度の柔軟性があれば
あまり問題はございませんから気持ちの良いほどの圧で緩めるのは勧められます。
神経質になる必要はありません。
ただすでに五十肩やその他の関連症状が現れているようなら、
複雑に入り組んだコリでリリースに難易度が高く、
神経や血管等に不用意な圧をかければ危険な点から考慮し、
適当に硬いところをみつけたからといって
ゴリゴリゴリとしごくような加圧をするのはよくありません。
なんらかのこうした部位のリリースをしていただける先生に
リリースを依頼するようにしたほうがよいでしょう。
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