お客様が体調的に不調を訴えられていたとき、
なにか気になる体の変化は?
気づいたことってあります?
ときいたら。
《そういえば、いつもは観られないほど
〈おしっこの色が濃い黄色〉でびっくりしたことがあった》
とお伝えいただけました。
中医学の望診法で体外にあらわれたものから内部の情報を得るノウハウがあります。
そのひとつに、《尿の色》を観ます。
たとえば
尿の色が、濃い黄色のときは、体内が熱に侵されております。
尿の色が、薄く透明のときは、体内は冷えた状態となっております。
疲れてくると尿の色が濃い黄色になっていたり、
風邪のときも尿の色が濃い黄色になっていたり。
濃い黄色の尿であれば、《肝のトラブル》が疑われることがあります。
なので肝経胆経の原穴、栄穴、子穴をもって調整をいたします。
原穴なら(太衝、行間)といった足の親指近所の経穴を使うことに。
栄穴の栄の漢字の冠部分、本来は<火火>と火が象徴とされるので、
体内が熱に侵されている状態が強いときにもちいることがあります。
尿の色が普通であれば肝トラブルの嫌疑はないのですが、
ちょい濃さがあるときには肝の熱があるということで原穴をもちい、
濃さが尋常じゃないときは体内の熱が非常に強いため栄穴を使う。
または肝機能が後退しているようだとみて、
肝を滋養するための食材をとりましょうなどとお勧めもできます。
といったように、
お客様が自己観察をなさって、
いつもとは違う状態があらわれていたり、
慢性的に人とはだいぶ自分は違うのではと感じられることがあれば、
小さなことでもお伝えいただけますと助かります。
「あの、これって鈴木さんの施術には関係ないことじゃないかなと想うけど、、、」
そういった前置きを話初めの枕にして、
日頃ふと感じたこと、いま気になっていること、
最近怒りっぽくなったとか、最近喜べなくなったなどの感情の持ち方含め、
積極的にお伝えくださると、そうした表象の裏にどのような意味があるか。
体内に隠れたトラブルがそれで見つけ出すことができると、
対処がより無駄なく集中することができます。
一般的に対処は手数を多くして触れば触るほど治りが悪くなりますから、
事前に様々な考慮できる可能性が100あれば、それが10に減らせる。
そうすることで状態が明らかではないグレーゾーンが多々観られるため、
それら多くに予防的に措置として対処の手をうつということをしますが。
日頃の観察からお客様が得られた情報の量を多く伝えていただけると、
どんどん可能性的に優先度の高いものが私の方に見えてきます。
そうすることで時間が非常に有効に利用できるようになります。
施術家ではない一般のお客様の中にも、観察眼がするどく勘所を獲て、
「あの、これって鈴木さんの施術には関係ないことじゃないかなと想うけど、、、」
といいながら
重要なヒントをお伝えくださったあとに、
「でも、私にはこれって特別なことかどうかなんてわかんないんですけどね」
という決めゼリフで締めくくって言い切る方がいます。鋭い眼光ですね。
自分を客観的に見つめる目を持つ力を持つ人にこのようなタイプが多く、
主観で自分の現状が普通だと大きくくくってしまわれるとでてきません。
ましてや日頃の自身の振る舞いが癖として当然のことで違和感のかけらもない
ということになると、引き出していただくまで、時間がかかることもあります。
ときにお客様が口にする情報量が多ければ、一過性条項も含まれ、
そちらがお客様の印象が強いときには私どもの初動がミスリードされます。
ただ対処するうちに早々にこれではないものを診たほうがいいということも
私どもの経験値が高まることで見えてくることもあります。
だからヒントがいただけないよりも、ヒントをいただけたほうがほんとうにありがたいのです。
私の方でお客様の中に、なにかもっと情報があるのではと直感したときには、
「あのぉ、他にはなにかございませんか?」と、
失礼とは感じつつも食い下がることがあります。
するとなかには、
ピシャッと「ないよ〜」とおっしゃられることもありますが、
なかには過去を思い出し、
いまの現状の身体を観察を深めようとなさって、
探索する目つき(探索モード)になって協力してくれるお客様もおられます。
探索モードとなると多くは眼球が上の方を観るような仕草が見受けられます。
お客様が真剣な探索モードを経て思い出された事柄を伺うことで、
難解な臨床上の事象を仕組みを言語化できるまで解明できることもあります。
基本的に、施術者が腑に落ちてなす手技は多少の誤差を乗り越えて作用する。
だが腑に落ちてなければ正解でも手技成果は悪くて効かないものなのです。
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