あるお客様は、バレエや武道の基礎的な身体能力向上を目的にされます。
あるお客様は、お体の不調から積極的な身体状況を向上させるような助けにと。
あるお客様は、ハードワークで疲れたカラダを癒しに。
とある日の施術にて。
この3番目の〈ハードワークで疲れたカラダを癒しに。〉という目的で、
定期的にお足を運んでいただいておりますお客様がお越しいただきました。
お身体の状態をみせていただくと、
ハードワークでギリギリのラインまで
カラダを擦り切らせておられるのが通常で。
そこはお客様も私も、そうだろうなぁ〜という暗黙の了解があります。
いつもの疲れ方も、他のお客様のなかでも群を抜いています。
ただ本体的に生来の下半身部分に対しての安定があるようで、
筋肉状態の凝りの程度は、全身が凝るのですが、
そのなかでも部分的にひどい凝りがでてくるも、
筋硬直の状態が分散して奥まった部分にまでは入っていない。
どうにか筋肉の中層の奥部分までリリースをすれば復活する。
なので痛みがあるようだとわかってはいるが、
そうした表にある病位が放置すれば裏に入るためリリースが必須。
なのでリリースの強行突破。
それがその日の施術でお見えなられたときには、
様相が異なっておられました。
立位でも、異様に左肩が高く、体軸が右に完全移行して芯がねじれが強い。
そうなるとことごとく肩関節や股関節や頸部などにある大関節がずれだし、
脈管には不条理な圧迫や牽引による変形による通りのわるさも増していく。
腕の橈骨動脈や首の頸動脈そして足の脛骨動脈などで脈をみましたが、
細脈かつ浮いています。血液の流れる量がいつもにはない減少がみられる。
脈が浮いているところから、現状は寒熱で分ければ熱が過剰な状態ですが、
実証と言えるような様子もない。
カラダの外骨格筋の筋肉各部をチェックすると、
筋肉のなかには血流量が減少すると同時に水はけの悪くなった血液以外の体液がそこに停滞しています。
こうなると体液が酸アルカリでいうところの酸性傾向となり、
それもまた体液が身体の末端の細胞まで届けられづらくなる問題を引き起こします。
左肩が過剰に上が位置で固定されていることで
心臓に負担がかかっているのは明らかなようです。
それにより血液の循環が滞っているのだろうか。
ただ同時に胸椎の上部、免疫系の胸腺に関係する部分にトラブルがある。
左肩がちょっと上がりが強くなりすぎてますということを、
お客様にも視認していただきたく全身の姿見でチェックしていただきました。
いつもはしっかり代謝を復活させることで体調不良を改善させるという目的協力に徹しています。
不安になる壁はこちらのほうで取り除けるような部位や患部であれば、
そこでは、私が身体のチェックでわかったことの10%くらいを伝えるのでちょうど。
正確に説明が理解できるには、だいぶん基礎知識が必須なため、
十分に理解できないお話をさせていただくと不安な気持が高まり気分が悪いものです。
医療機関ではないため、そこを期待してお見えになられてはいないので。
ただその日は事情が違っておられます。
立位でチェックしているときすでにわかりましたが、
病が裏に入っていました。
病が表にあるというと、身体の皮膚に近い表層に病があって免疫抵抗しています。
だから、トラブルとしてもおもすぎるまでではないわけですね。
それが
病が裏にはいるというと、徐々に骨近くにある深層筋にまで深部への侵入を許し、
そうした骨格筋上のトラブルでカバーしきれないと、
もっとも最奥の深層筋と呼ばれる臓器の組織にまで、
トラブルが進行していくことをいいます。
だいぶん裏に入りこまれているようで、
それはいつものお客様の状態とは異なりました。
そうなると、いつもの私ならば主要なトリガーポイントはお客様が多々不快さを感じても、
しっかりと解く前に、このところは炎症が強く痛みが一定程度あるが解くかどうか訪ねて、
OKを得られればリリースをしていきます。
たいていこのお客様は、OK、やってみて、というのです。
ただ病が裏にはいると、解いていい場所と解くことで悪化する場合と、
判断が難しい場合がでてきます。
それはお腹部分にトラブルが入り込んでいて、そちらの炎症を改善させるように、
大量の血液という組織再形成のための部材が必要とされていますから。
そちらへと向かう血流を奪って、骨格筋の凝りを優先して血を持ってくるようにすると、
お腹のなかの裏に入った病がさらに進行することを許してしまうこととなります。
なのでいつもの私のリリースの対応じゃないと、
施術を受けるお客様は不思議に思われたかもしれません。
なので概要として、お腹の様子を相互に状態上の気づきをシェアしたうえで、
主要な抗重力筋は解くことはこの場合でも必須でそうしましたが、
それ以外のところでは浅めに解くという対応をいたしましたと説明しました。
中医学では人の感情が自らのカラダを傷める原因となる内因を
「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」の7つの感情「七情」(しちじょう)といいます。
例えば、怒りすぎると肝の気が高くなるため、頭痛・めまい・目の充血などの症状が起こります。
お客様は血液を蔵する肝臓部分にいつもとは異なる疲れがあり、
私もそこにトラブルがあることは感じました。
そのお客様自身、目のトラブルを訴えていました。
目は、多くの血液を必要とする外部にでた脳神経のようなものなため、
肝機能が低下して血液を目に送る機能が低下すると目には早々、不調が現れて見て取れます。
他、お腹の中にいままでにはなかったようなトラブルがあったことを、
お客様自身も実感なされたようです。
施術が終わり、お客様とお話をしているとき。
お客様自身、
「今回の施術前でのハードな仕事はいつもとは異なっておられ、
対人関係上の精神的な苦しみが多大にかかりすぎていたから、、
だからこんな事になったのね。
その人に直接言わなかったとしても人に怒りを強く思えば、
それが自分に全部返ってくるんですね。」
と、おっしゃっておられました。
自分の免疫力を削り取られて病になるのなんて悲しいことです。
悔しいことです。
そしてそうなってしまえば取り返しがつかなくなることもあります。
そしてお客様は、
「もうちょっと対人関係上のことで、できる対処を見つけだして、
そこを実行して身も心も守らないと。」
そういう意味合いの決意をなさった様子です。
この言葉を伺うことができてよかった。
ありがたいことだなとしみじみ感じました。
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