「片頭痛があって、そちらをどうにかしたいんだ」とのご要望から、
かれこれ8年前にお見えいただいておられたお客様がお越しになられました。
私が先日ブログで片頭痛について経穴ではこういった具合にケアする点があって、
ときとしてそれが有効打になることもありますので〜。
と書かせていただいた内容をお読みいただいたことによります。
片頭痛にしても、後頭部側にその傾向が強いとおっしゃられて、
それは耳周囲から離れていますので「膀胱経」のエリアとなる。
そこは片頭痛の状態や位置、症歴をうかがい理解していました。
膀胱経というとわかりづらいですが、
背中の起立筋が通るラインで、そちらが太ももやふくらはぎなどの脚の裏手をかかとの方まで貫いています。
そうしたところのどちらかが、局所的に一点かまたは複数点にまたがって頭部の頭皮を下方へ押し下げる力学的な下方牽引力が生じています。
そういうことでして、立位でのチェックでそうした箇所を3点割り出せたので、
「じゃぁここらへんを深部までリリースすることが求められている話しですね」
と施術前のビジョンがあらわれてきました。
ただ症歴が長く、昨今の片頭痛になりそうだと察知する不穏な頭部の不快感があると頭痛薬を早めに取るということでして。
片頭痛もただ自分にとって痛みという不利益を強いるものではなく、
頭蓋骨の縫合部分が呼吸の作用で開閉がなされ、それにより脳脊髄液が体内へと送り出すポンプの作用があって、
そちらの機能を低下させないための対抗措置が片頭痛だというケースが有りまして。
片頭痛が起きることで幾ばくかの頭蓋骨のパーツの骨の可動性が取り戻せるのです。
その早め早めの頭痛薬の接種という処置を繰り返し慢性化させてしまうと、
頭部の深部層の筋膜までコリコリが浸潤して定着し、頭蓋骨の骨相が手狭になり動きが悪くなります。
そうした悪化の定着と進行の速度が増していくようになると感じております。
片頭痛にならないようにする頭痛薬の予防的接種は、したくなる気持ちは察することができます。
ただ、、、頭蓋骨の縫合部分を詰めて開閉ができづらくなるような組織化が進行し、
閉じられてしまったこの部分を緩めて、正常化させていくことと、
それがキープできるようにするにはかなりの労力と時間が必須となります。
本人的にはじわじわと頭部の骨のパーツが歪みだす事態、あまり認識しづらいものでして、
別段、変わったことがないように感じられるのば普通のことです。
ただオステオパシー系での病理学的なチェックができるようなら、
頭蓋骨の骨のこのパーツはココの位置ではないのだがという点を正確に把握しています。
で、どうやら片頭痛の方が早め早めの頭痛薬の服用をなさられて、
他、何らかの頭部への負荷蓄積の対処をなさらないと加速度的に頭蓋骨内部の縫合部位の癒着進行でやられてしまいまして。
それらはお客様が想像する何倍もの炎症を持った靭帯や腱の異常で、ケアのレベルが難易度が高いものなんです。
頭部は下手なケアをすれば、鼻の中の鋤骨が押し曲げられてうっ血を常時感じさせるような呼吸器の障害を与えかねません。。
そこの根本的な対処についてパンドラの箱のようなものと称しまして。
ざっくりした言い方でそこを開けるまで手技をするにはけっこう時間や回数がかかりますから
当面の片頭痛の対処に主眼をおくことにしましょうということに。
一ヶ月間隔で発生なさるような片頭痛。
その根っこ部分は腰背部の凝りや仙骨の下方の強い後屈や腰仙関節、そして後頭骨下に入り込んだ凝りが頚椎第一を固着させ、頸部での頸動脈の圧迫による脳や頭部への血行停滞ている点など、
いくつか左側後頭部の片頭痛を発生させるトリガー部分は具体的に緩めさせていただきました。
通常、これらは虚証がつよいタイプの方は、いきなりここをリリースするのは絶対避けるところですが、
お客様の場合は実証で、部分的に気血の流れを低下させて全体のその循環を悪化させているものでした。
どちらかというとアメリカ人とかに多いタイプでした。
そこは施術前の立位でのボディチェックで把握しており、
とりあえず片頭痛部分のケアに徹する手技はできるだろうと考えて、
全身を回数かけてリリースへと持っていうか、
とりあえず片頭痛部分へ焦点を絞ったケアをするかという二択を判断していただきまして。
ただお客様自身、別に片頭痛以外は問題なしといわれていましたので、
その片頭痛が起きている部分を接触されてケアされるだろうと思われたかもしれません、、、。
慢性化した症状や疾患を持たれている方の場合、
ほぼ100%、様々な部位に体内の癒着した組織は飛び火して乱反射がくりかえされていて、
それらを冷静に分別して適宜リリースすることができるのはセルフケアを超えることがあります。
なので施術者としては、本質になる根っこがみえているため、
お客様が想像していなかったところに隠された課題を見出して改善させていきます。
当面のところ、片頭痛がなりづうらくなったり起きても軽減するなど負担感が減少していかれるとうれしいんですが。
ひとまずバファリンを早めに取る対処は、こちらのお客様のタイプでは墓穴を掘るため、予防的に服用するお薬がなくなればと願っております。
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