それにより身体の全体を適宜に最適なまとまりの良い状態に仕上げることができます。
私の施術が大幅に深部へのリリースをかなえられるわけは、
こうした最終的な落とし所を全身を通して着地させることでかなえられます。
それは、こういうことです。
身体の全体がくまなく同等に凝りが生じて代謝を悪化させるわけではなく、
数日間の経過観察を行いつつ、
2回に分けて身体をパーツごとに明確に分けて施術をする試みをいたしました。
2日間にかけて、知人の施術をさせていただくこととなりました。
初回目。
背中と腹部のみ。四肢は一切対象外としました。
胴体は、出先で砭石温熱器等が手元になかったためツールはなしでの対応。
2回目。
初回から3日後、四肢のみ。背中と腹部といった胴の部位は触りません。
こちらは私の施術場でのセッションで、シバリンガムとネフライトを駆使しました。
私の施術では、通常、このように明確に箇所でわけることはありません。
ただ、たとえばロルフィング等の他の西洋由来のボディワークでは、
10回のセッションごとにグラウディングとか呼吸とか、
それぞれの回にテーマを設ける形でワークを進めていくやり方を採用することもあります。
よく知った顔の施術者さんが対象で試験的にというところで話を通じあわせて、
とりあえず2回に明瞭に分割した施術をさせていただきました。
受けた方の身体の状態によるため、
一概に他の方々との2回に分けての施術がそのままの参考になるとは考えませんが、
ひとまず記録としてのこしておきます。
初回目では、脊椎の前後湾曲がきつくなっておられる。
命門から上の椎骨の前後湾曲が特に強くなり、
それが元になった主に呼吸器系の要所である横隔膜の引きつった状態が気になりました。
胃の下垂が左側大腰筋のコリの強さから生じておられる。
食欲不振で一日一食という生活が続いていたそうです。
むくみやすい体質ではないはずだったが、
皮下に水毒といえそうな代謝が阻害されて滞留した液状組織がめにつく。
他にも目立つところでは20ほどのネックとなるような部位を読み取り、
それぞれに適応した手技で、首尾よく対処をさせていただきました。
所要時間、3時間を費やす。
2回目では、脚部及び腕のリリース。
通常は心臓から遠い部位からの対処が勧められるところだったが、
かなり身体的な疲れがたまり胴体部分の負担量を考えれば胴体部分を先行するのも妥当と考え、
脚部及び腕といった四肢の対応を2回目に持ってきました。
左脚部の状態が特に深刻な状態に陥っており、
この脚を通る胃経および腎経、胆経の経絡の気が正常と比べて半減以上の減少がみられている。
こちらが胃下垂や下腹部内の内臓を大きく下垂させて働きを悪くさせる原因となっているのか。
左脚部に1時間30分かかる。
左腕の腋下にある陰にある心包経や心経、肺経、そして陽にある三焦経。
それぞれに非常に極端といえるような気血の滞りが確認される。
シバリンガムで遠絡療法を真似た郄穴をとるなどの補瀉を試みるも、
シバリンガムの形状から物理的に無理がある。
無理を推して私の体技でカバーもできるが、
それをしたら、施術者の身体への蓄積疲労が過剰になリ過ぎる。
トライした体験からそう考えが導き出されて、
経絡上での対処を控えて左手に多く詰め込まれた腱や靭帯の変質した部位を、
筋膜リリースの正攻法?でリリース。
すると間違い無しに痛みが強いためクレームが雨あられとなって降ってくる。
そういう痛みがないように対処してとければと遠絡療法の基礎練をしておいたが、
なかなかどうして。
思うようにはいかないこともでてきます。
左手を解くのにかかった時間は1時間です。
右脚・右手はそれぞれ左側方ほどの深刻な状態ではない。
(患者様自身は左側の凝りが進んで麻痺して痛みなどが不鮮明になった部位よりも、
痛覚神経が働きがある右側のほうが痛みが最初からダイレクトに感じたはずです)
それぞれ30分ほどでリリースが完了しました。
ちなみにシバリンガムの手でのリリース成果は、
肘周辺と腋下にあります。
脚部のリリースは鼠径部と大転子の位置ズレと膝上下の部位に、
今回はすぐれた対応を示してくれました。
2回に分けて全身のリリースをするという試みは、無事終了。
初回目の施術終わりは、患者様からはとにかく身体がだる〜い、と連発する。
脊椎両サイドにある兪穴といわれる、
気が足らなくなっている臓器や器官に気を取り入れる部位の刺激を丁寧におこない正しているため、
気が落ち着くようになった半面。。。
腰や骨盤のねじれが強く、正しく座り続けて仕事を続けるにはきびしい頃合いの凝りが多数あり、
そうしたこりが気血津液の血や津液(津液とは血液以外の体液のこと、リンパ液などなど)が
体内で酸化したものがだいぶんたまっていたものが循環し始めたとき。
おもだるいんですよね。
2回目の施術終わりでは、患者様からはとにかく眠い、眠い、なんだか眠い、と連発する。
前回の胴体部分の状態を下地にして、四肢の左側の極端な偏り異常を修正したとき。
身体が左側に引っ張って持っていかれたまま全身がぶれた動きしかできなかったときは、
効率の良い中心軸を持って動ける力を失っています。
このままでは身をどこに置けばいいかが身体の運動神経系も定まることができずに、
つねにぐらつきぶれがでている状態です。
交感神経系は常に過剰に働き続けています。
身体がやすめない。実際にベッドで横になって長時間過ごしても、さっぱり休めた気がしない。
そこを初回の施術でコアの偏りを脊椎の軸を調整を厳密に行って安定させた状態をつくりだし、
それを数日間かけていつもの前後の脊椎の湾曲が消えた状態で過ごし安定しだしてから、
2回目の手足の左側方という一方的なきつい偏重ぶれの原因の根を是正していったとき。
患者様の、施術前の不安定さが見受けられた立ち方と施術後の普通に安定感ある立ち方との差を見て取れました。
初回の横隔膜部位の過緊張から呼吸力を狭める腹部の腎経の任脈部のある腹直筋などが収まって呼吸が深まった状態を数日間続けてからだから、
この度の立位の自然な安定が、より際立ったのかもしれません。
2回に施術を分けたため
私の身体の負荷は半減しました。
一時期に大幅に状態を変えるには、
想像以上に落とし所を見出してうまく着地させることは難しいものです。
そこをとりあえず今回の試験的な施術では、
3日後前後と間を置かないで施術を受けていただける条件で、
前回の施術で身体の変化した状態が損なわれる量が少ない元で、
次回の施術をおこなうことでの対処がどうなるか。
具体的に見てみようということでのトライアルとなりました。
お客様のお身体の状態として、
結果的に私が想定した地点に着地していただくことができました。
ただ、私の施術を受けていただいているお客様の大多数が、
なかなかこのようなパターンでの施術日を設けてならば全身が対応させていただけます、
というのもどうなることだろうかという運用上の疑念がわいてまいります。
難しい場合が殆どかと察しております。
どのようにすべきか。
胃をきりきりさせながら、葛藤しているところです。。。
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