烏口腕筋は、『上腕の屈曲と内旋をする機能をもつ筋肉』。
そのように【動きの解剖学】という本に解説してあります。
この解説だけでは、『ふーん、そうなんだ。』くらいのことで、読み飛ばすのがおちです。
ただこちらの使い方を熟知して獲得できるようになると次のような利便性が挙げられます。
・肩こりや首コリに圧倒的になりづらくなる
・肩が上がりっぱなしになって左右の肩の高さが差がでる
・腕力が途端に強力発揮できるようになる
などなど。
文章で烏口腕筋の詳細な用法を誤解なく伝えることは困難なため、
そこは割愛させて頂きたいと思いますが、
いま、こちらへお通いいただいているお客様に、
理解していただく必要を感じた方には実地でお伝えしているところです。
烏口腕筋の用法、これを知って私が施術をするようになってから、
施術の効きが段違いに発揮できるようになりました。
それは1,8キログラムのメディスンボールが、
空気しか入っていない軽さのゴムマリのような軽さの感覚で
扱えるようにできたおかげなんです。
三角筋や上腕二頭筋・上腕三頭筋などを使って腕を使うような従来の腕の使い方なら、
このボールを手玉に取ることはありえないといえるでしょう。
つまり三角筋を使って腕を操作したら、患者様の芯に影響を与えることなく、
身体の表層を削り取るだけでの弱々しい影響しか与えられていません。
残念ながら、そういう手技をしている人が多くいますし、
そうした操作が普通すぎて手技の失敗をしていることさえ気づかずに施術をしています。
申し訳ないことですが、それは私もその烏口腕筋の存在はもちろん知っていたものの、
その筋肉の素性や用法が腑に落ちたレベルで理解し応用できる前は、
そのような施術もどきに終止していたことでありました。
それで三角筋前部を酷使すれば呼吸が浅くなって肩や腰や首のコリがひどくなり身を滅ぼすので、
施術が立て込むとスマーティのような遠赤外線ドーム型サウナで徹底して熱を身体に注ぎ込んで
凝り固まった疲労蓄積した筋肉をリセットしなければやっていけませんでした。。。
それが烏口腕筋を使えだしたあとは、コリがゼロかといえばそうではありませんが、
以前の数十倍の運動エネルギーを発揮しているのにこれだけで済んでいるんだということが驚きなのです。
腰仙関節部のリリースレベルが段違いでよくなったため、
腰部の詰まりが大きく結跏趺坐での瞑想が困難さを持っていた友人の施術をしたあとで、
彼からのメール。
『施術を受けてから今までにないほど腰がいい感じだ』という趣旨の内容でした。
基本的に率直さが頼もしい友人で、
酷評を送ることも厭わない友人からの改善の知らせ。
短い変化を伝えた彼の一文は、私にとってなによりの勇気づけになりました。
ただし30〜40キロ級の大胆な力をどーんと発揮できるがゆえに、
強大な私の中のエネルギー消費量となったがために体重が激減。
そこは新たな課題解決が求められるところです。
おそらくは肩甲骨周りの筋群が育ってきたとき、
このような身体にとって感じられる不利益が消えるような気がしています。
呉連枝老師という八極拳の先生の肩甲骨周りを観ていてそう感じています。
ちなみに私がそちらの有用性に気づき見つけ出したわけじゃありません。
それはすでに合気道の技として用いられてきたもののようで、
そちらを学ぶ機会をいただいたおかげです。
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