ボディワイズの鈴木です。
数日前の施術でのこと。
詳細は申し伝えることは控えさせていただきますが、
お客様が自転車を運転中、スマートフォンをみながら自転車を高速運転していた少年に追突されたといわれます。
お客様は転倒により左側の膝や肩を強打され、そのときの打ち身による腫れはひどいものだったそうです。
それは今回の施術をお受けいただく3週間前のことです。
お客様は事故後にすぐ施術を受けようかと思ったが、現状の腫れでは施術ができないだろうと考慮し、
腫れが引くまで待ってお越しいただけたといわれます。
現状、お客様が感じられる問題は、体の右半身に強い痛みが点在して階段を上下するのもきついといいます。
右腰が痛い、右膝が痛い、右肩が張りが強く感じる。。。
施術前のチェックをさせていただくと、左右の鎖骨の高さがだいぶ異なっておられます。
そのことからも身体上の強烈なアンバランスが左右屈として内在した状態であることがわかります。
そうした硬さがある部位は、お客様には意外と感じられたようですが、右側の痛みを感じた腰や肩や膝ではありませんでした。
むしろ強く感じた右側半身はさほどの筋硬化は起きておらず、本来のお客様の体質のままの柔軟性が高い状態でした。
対して、打ち身になったところの腫れは左側半身に点在していたのですが、
そうした左側は腰や肩や膝などの痛みの不具合を感じることはないと言われました。
ですが実際にわたしがチェックしていくと、
左側の首、肩、背中、腰、膝周りなどの順に尋常じゃない硬さがみられます。
では、
どうしてお客様の不快感を感じない左側半身が硬く強い張りが入り込んでいたのでしょう。
これはときどき起こる場合もあると知られていることですが、
自転車から路上に投げ出されたお客様が左半身を下に転倒したとき、
第一波として衝撃波が体内に入り込みダメージを体内に取り込みました。
すると体は意識がある場合は本能的に第二波のダメージから身を守ろうとします。
プロテクター筋とも呼ばれる筋群(このときは左側アウター筋群)を刃をも跳ね返すほどの筋緊張をさせるようにさせます。
それはすでにダメージを受けた手負いの部分からさらに繰り返し打ち付けられたら甚大な被害は免れません。
そういったときに本能はそうした場合に自己防衛の方法として筋肉を強烈に硬化させて、
それ以降の体内への衝撃の進入を防ぐようにする機能が人間には備え付けられています。
通常は衝撃が入る難が去れば、プロテクター筋をゆるめて筋硬化のない元の状態に移行してくれるものですが、
それがあまりに突然に舞い降りた恐怖や不安といった感情の高ぶりが強くて、
そのときの記憶など後々まで継続して安全になった後にも身を守り続けろという操作が継続することがあります。
このような仕事はみんな無意識から操作されてなされますから、
本人はそのようなこととなっているとはまったく気づけません。
でも実際、施術者が転倒時に打ち付けた側の左の肩や腰や脚部外側などを触れば、
こちらのお客様の体質上は筋肉が柔軟性が高い方のはずがぎっちぎちに硬化し関節可動域が制限されて動きが悪くなっています。
結果としてお客様が主な不具合として自覚しておられた右側の筋群は左側の筋群が緊張して動けなくなった状態をカバーして一生懸命動こうとしたことによるオーバーワーク気味により起きた筋肉痛。
なので右側半身の部位を、たとえば湿布等でケアしてもなかなかいい改善結果がでなかったわけです。
そしてこのたびのこちらのお客様への施術は、
大胆な強い圧をかけるような筋膜のリリース操作は極端に避けました。
理由は、左側半身の筋硬化が起きた理由が外部からの衝撃進入を防御するためで、
わたしが強めの圧をかければ現状まだ左側半身を固めて身の安全を図ろうとする状態のお客様のプロテクター筋は、
「ほら、また衝撃がきたぞ!」とあわてふためいて、さらなる筋硬化を強いるような本能的な反応が起こります。
そうさせるのは得策ではないため、やさしいムーブをメインにリリースを起こすボウエンテクニックを利用。
するとお客様の防衛反応をうまくかいくぐって鎧となったプロテクター筋を作り出す反応をはずすことに成功。
そうした時点で、およその体全体のバランスを乱していた事故後の反射が切れて、
足を引きずって階段を上り下りされていたところから解放されました。
ちなみに、このときお客様の主訴となる右側半身の肩、腰、脚だけを解くとどうなるか。
そちらを考察してみれば、右半身の柔らかさは増し、左半身の硬さとのコントラストが際だつことがわかります。
たとえれば自動車で言えば、右のタイヤは駆動してがつんと動けるが左のタイヤは駆動部の不具合で固まり動けないまま。
そうした左右のタイヤの回転量の違いが増す状態で動き続けることで、
あらたな身体内部の不具合がでてくるおそれが予想されるでしょう。
ですからこの場合は、お客様が気づかれていない動きが悪くなるほど筋緊張をしたままになった左半身をゆるめるのが正解。
時と場合によりまして、お客様の主訴とは異なる対応をすべきときがあるという好例でしょう。
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