そのような『能』の世界を、水道橋にある宝生能楽堂で観る機会を得て、
日本文化を感じてきました。
観劇させていただいた演目のひとつ「天鼓(てんこ)」。
中国の物語です。
あらすじは、
『天鼓というすばらしい鼓をうつ子がおり、
その地の領主がその鼓が欲しくなり差し出すよう命令した。
だが天鼓は鼓を持って逃げてつかまり、
その咎で水に沈められ命がついえた。
天鼓の鼓は領主の手に渡ったが、それ以来、その鼓を叩けども音がならない。
天鼓を失い悲しみに暮れる年老いた父親を呼びその鼓を叩かせたところ、不思議と音が鳴った。
領主もすまないことをしたと感じ、丁重に父親を送り返しました。
〜
それから天鼓の霊があらわれ
領主から受けた仕打ちもすでにうらみなしと鼓を打ち鳴らし、
それは夜明けとともにしまいとなる。』
能の世界では、
幽霊、化身、妖怪という非日常が登場し演じられます。
天鼓は幽霊となりて、鼓を打ち鳴らす。
能ではそれを演者や拝観する者たちともども受け入れていることでしょう。
なにを秘するか、ベールはあからさまにめくられることなく、それを拝観者は想像し感じ取っていく。
あからさまなしぐさではあらわされないまま、隠されたこころが届けられます。
隠された能面の奥にある表情をちらちらと観る者がそれぞれ想像するのです。
人間は、「身体、こころ、霊、魂」の4つからなるといわれます。
人としてよくあるためには、
この4つが邪気なくすこやかである必要があります。
肉体の命は消えて霊となり永遠なる無限をつづけていく。
領主の悪行にうらみを滅して夜通し鼓を打ち鳴らし続ける天鼓の霊に、
苦しみによる曇りの邪気なき姿を見せられてこころ打たれます。
いのちへの執着を捨て無常なる苦しみを乗り越えて、
悟りをえた天鼓の姿を目の当たりにして感動を感受いたします。
人の肉体は、滅する機会や理由はいろいろありますが、
つねに自分の思うようなままにいくとは幻影であって、
そこから離れて変化を受け入れるまでです。
それは仏教でいう智慧と通じることです。
施術をする私が「仏教の知恵とは」と語るのもおかしなものですが、
身体から霊となり存在して永遠性を受け入れる能の世界を体験して、
肉体と精神の境目もなく、肉体と霊のわけめもない。
宝生能楽堂で私は現実から離れ、垣間見えた幽界を肌で感じるひとときとなりました。
やがては自分も幽界に旅立つものと知り、
せかせかした日常の恐れ不安の生活を忘れることができます。
いまの世の中には、数々の苦しきこともございますが、
自分という我を捨て無一物の教えを受け入れて、なにかにとらわれることなく楽しく生きよう。
そんなことを考えさせられました。
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