2022年11月11日

経脈の流れがカラダの内部への邪気の侵攻の深さをあらわし、回復するときの流れを読む見立てとなります

十二経脈の妙

東洋医学では外からの邪(または病邪という)が体内に入ることで、病気になると考えています。
からだの外の空気を体内へと呼吸代謝により取り入れますが、
そのとき病邪は呼吸に乗りまっさきに肺に影響をあたえます。

経絡上でも言えており、まっさきに「肺経」という経絡に影響がでる。

そうした影響は、以下に挙げる十二経脈の順にめぐるときがあります。

つまり「肺経」が問題ありとでたときは、病邪も浅い侵入で、
「肝経」に入り込んだら、最深部まで病邪が達したわけです。

この経絡の並びの順番通りに病邪が侵攻し侵入するわけです。


【十二経脈】

(病邪の経脈を通った侵攻ルート)
太陰肺経 → 陽明大腸経 → 陽明胃経 → 太陰脾経 → 少陰心経 →
 太陽小腸経 → 太陽膀胱経 → 少陰腎経 → 厥陰心包経 → 少陽三焦経 → 少陽胆経 → 厥陰肝経 


そして肝経まで病邪が侵攻した場合、どういう順で改善するかというと、
肝経が改善すれば胆経に病位が移動し、次に三焦経へ、次に心包経へ・・・・そして最後に肺経という流れです。

(病邪の経脈を通った回復ルート)
太陰肺経 ← 陽明大腸経 ← 陽明胃経 ← 太陰脾経 ← 少陰心経 ←
 太陽小腸経 ← 太陽膀胱経 ← 少陰腎経 ← 厥陰心包経 ← 少陽三焦経 ← 少陽胆経 ← 厥陰肝経 


病邪が侵攻した肺経から侵攻する通りが経絡上設置されていて、
病邪が撤退するときもその通りを通って撤退するわけです。

たとえば、肝経にまで病邪が入りこんだときの回復が、
いきなり肺経に一足飛びにはならない。
そうしたケースが多々あるということを理解すべきです。

実際、この通りの流れを通って筋肉の発痛が起こっていることが観察できています。
私が施術をしているとき、特段お客様に小難しい経絡について経脈上は次にここが痛むとかいうことはないのですが、
経絡の良好かどうかを調べるアラーム経穴を使って状態を調べるなどそれぞれの経絡の状態を把握をつとめており、
それを元にして関係する筋肉の状態を観ます。
たとえば腎経が問題ありであれば、経筋にて腎経に属する大腰筋が問題ありとなるケースがでてきます。
もし腎経にほぼ問題なしならば、大腰筋の状態は良好であって調べる必要はありませんからスルーです。

だからたとえばですが膝の内側の腎経の曲泉が痛みがでていたとします。
そしてその膝のリリースをしたら今度はその曲泉が痛みが消失したのだが膝外側の梁丘という胃経の経穴に痛みが飛んだとします。

この場合どう見るかというと、腎経より胃経のほうが経脈の流れでは浅くなった部位に邪が移動したということですから、
これは回復に向いたなという見立てがなせるわけです。

お客様としては魔法のように痛みが消失したほうが安心できるでしょうし、
施術者としては今度はこちらが痛むとか、こちらに不快が飛んだとか繰り返し言われると萎える人もいるでしょう。

そういったときに、この十二経脈の邪の見方がわかっていれば強い味方になるでしょう。

お客様には、このような具合で回復するんですよと説明ができますし、
施術者も、どの経脈から手を付けて治していけばいいかの手順がわかります。
それは手技療法でもそうですし、漢方等でもどの経絡から手を付けるかの手を間違えては何の足しにもなりません。
ここ、積み上げてカラダを直すところでは、ペースを見計らうために重要なんですよね。

奥に入りすぎたグラウディングを乱す邪をいきなり叩くか、入り口の肺経から確実に底上げさせて改善するか。
そういったところの判断材料になるんです。

同業者で鍼灸師の先生といったお客様の場合には、
ここは「いま、肝経から腎経で回復基調ですよ」とか話が出てきます。

このようにして十二経脈の把握ができておれば、この部位の痛みが改善したら、次にどの部位に痛みが飛ぶかを推測でき、
逆に、この部位の邪気が内部へとさらに進む場合、次にどの部位に痛みや不具合がでるか。
この仕組みを知っていればわかってくるのです。


posted by スズキ at 09:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 施術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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