【読む常備薬】いちばんわかりやすい五臓六腑のととのえ方: 体をいたわるおいしい薬膳
中医学では人間の健康は体の中の五臓六腑のはたらきによって保たれていると考えている。
本書では五臓六腑を擬人化して、その役割や関係を楽しくわかりやすく解説。
臓器をいたわる食材やレシピも紹介。
個人的な感想だが、この本。
私が中医学を学び始めのときにあったらよかったのにと思う。
中医学独特な臓腑の作用について、それは西洋医学のものとは大幅に異なるものでした。
私は西洋医学の生理学を基礎に学び続け頭に入っていたため、
中医学と西洋医学の見方やとらえ方の違いに戸惑いました。
西洋と東洋の医学の違いのひとつには、
五臓六腑のとらえ方もあります。
私が手にした中医学の本には簡易なイラストはあるが、
それではずぶの白紙の頭では何をいってるのか見当もつかない。
捉えどころになじめずに猛ストレスが襲ってきました。
そんなとき、つい大声でシャウトしていたことを思い出します。
そんなときに、もし上記に紹介した本があれば!
中医学独自の用語ではなく平易なことばでわかりやすく解説してあり、
初学者でもすんなり意味や概念が頭に入ってくるし、
かわいいイラストや整理された図表などが多数ある。
五臓六腑の説明に焦点を当ててページを割いているだけあって、
平易なことばづかいでありながら専門的な内容も含んでいます。
中医学の専門書では、中医学用語がビシバシ出てきて、そのたびに中医学用語辞典を引いて確認しないといけません。
それのおかげで、ぜんぜん勉強が進まないし、あっちの本を読みコッチの本で内容を補完して読むとか、
複雑な調べ方で中医学用語を覚えなければならない。
そこが非常に体力や気力などを削いで、一人で孤独に勉強する身では、遅々として進まない勉強にいらだちがひどいものでした。
400ページほどの本の2ページ読むのに8時間かかってましたから、いつになったらこの苦行が終わるかが漠然とした恐怖を覚えました。
ですが上記の本では、そのような苦労は一切せず普通に読める中医学の五臓六腑の本。
私がボディワークで使う範囲では、あまり高度な内容まではじめから突っ込みすぎなくてもいいので、
平易で簡易で学びやすいほうでよかったわけですね。
それに本書の第二章の「体質チェックと改善」では、
気血津液のどれに問題があるかについて、
中医学の用語の「気虚・血虚・陰虚・気滞・血お・水滞」と書かれている。
患者の体調がどのような状態かを調べたうえで、これらの分類のどちらかに入るのですが、
意外にこのたかだか6つの体質の分類の特徴を把握するのも、
はじめて中医学に触れたときは字面での理解に留まり、
患者の症状と結びつけて理解しづらかった。
するとあやふやな記憶にしかならず、使い勝手が悪い。
それが上記の本では、たのしいイラストわかりやすい。
それが助けになって、それぞれの体質の違いが明瞭に分類されて頭に残ります。
「気虚・血虚・陰虚・気滞・血お・水滞」のどれにそのものの体質が現状属しているかがわかれば、
どのような対処をすべきかがわかります。
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