ボディワイズの鈴木です。
中医学の診断法『四診』に関する本は極力集めるようにしています。
高額な本もあって思うように手が出せないものもいくつもあるので、
すべては思うようにいくものではないにせよ、
100点ちゅうの60点をめざして資料を集めて精読へとつなげています。
そしてこの度。
ジュンク堂から買ってきた本。
乾くんの教えて!四診 (上巻)
石井 尊子 著
A5判 並製 234頁 フルカラー
定価:3,520円(本体3,200円+税)
カラー漫画で わかりやすく,面白く。第2弾!
■本書の紹介■
『乾くんの教えて!中薬学』で,中薬の性能・炮製技術・産地と採集などの事柄から中薬学の面白さを紹介してきた乾くんが帰ってきた!
今度は望・聞・問・切の四診を学べる物語。
上巻では,望診と聞診をテーマにした13話を収録。
これまで,文字のみで示されることが多かった中医診断学の内容を,ビジュアル化したことで,視覚的に理解を深めることができる。
目 次
登場人物紹介
■総論
第1話 ご先祖さま登場!
●中医診断学の原理と原則
■望診
教えちゃう!コラム@ 体の精気は生命の炎
第2話 天南くんとばあちゃん
●望診について
●望神について
―神を診る
第3話 顔色を読む謎の男
●顔色を診る
―望色十法
―常色と病色
―五色善悪順逆
―五色主病
教えちゃう!コラムA 変幻自在精気の分配
第4話 体格体型十人十色
●体を診る
―体形を診る
―体型を診る
―姿勢や動作を診る
―体型と食事を診る
第5話 夾竹桃の花咲く頃に
●局部を診る@
―頭顔部を診る
―首を診る
―髪を診る
―ひげを診る
―眉を診る
第6話 ケバブにご用心!
●局部を診るA
―眼目を診る
―咽喉を診る
―唇を診る
―歯を診る
第7話 中医学スゴイ〜デス
●局部を診るB
―耳を診る
―鼻を診る
―下竅を診る
第8話 姜黄くんがやって来た
●局部を診るC
―皮膚の色を診る
―皮膚の形態を診る
―皮膚の病形を診る
皮膚観察ポイントのまとめ
教えちゃう!コラムB 源はひとつ臓腑の精気
第9話 帰る薬ができたのじゃ
●局部を診るD
―小児の絡脈を診る
―爪を診る
―魚際を診る
教えちゃう!コラムC 日々こつこつ消耗と補填
第10話 牌浙村を旅すれば
●排泄物を診る
―痰・涕・涎・唾を診る
―嘔吐物を診る
―血と膿を診る
―大便を診る
―小便を診る
■聞診
教えちゃう!コラムD 気の運動は永遠の循環
第11話 教えて!崔軫さん
●聞診について
●音を診る@
―声について
―声音の疾病を診る
―言語の異常を診る
―呼吸の異常を診る
―咳嗽を診る
―噴嚔(くしゃみ)を診る
教えちゃう!コラムE 仲良く協調臓腑の気機
第12話 中秋の月夜に響く音
●音を診るA
―噯気(げっぷ)を診る
―呃逆(しゃっくり)を診る
―腸鳴を診る
―嘔吐を診る
―呵欠(あくび)を診る
―太息(ため息)を診る
―子供の泣声を診る
―噛歯(歯ぎしり)を診る
―鼾眠(いびき)を診る
第13話 ようこそ芳しき館へ
●臭気を診る
―汗臭を診る
―口臭を診る
―鼻の臭いを診る
―耳の臭いを診る
―排泄物と分泌物の臭いを診る
―病室の臭いを診る
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目次をみていただければ中医学を勉強なさったかたにはわかりますが、
「望診」と「聞診」にこの上巻は焦点を当てて書かれています。
私は中医学の勉強をするはじめのときに、
文章だけでは何をいわんとしているかが見当がつかなかったことが多々ありました。
そんなときに丁寧なイラストじゃなくていいから、
イメージが伝わって把握しやすくなるような絵や図があればいいのだが、、、。
そのように感じたことは多々あります。
実際のところすでに中医学に関して講習会等でわかりやすい講義をひととおり受けることがあればわかることも、
本の文章だけでは著者はわかってるだろうけど、初学者のこちらにしてみればちんぷんかんぷんということがある。
多少でも編集者がそういったところについて初学者の立場で語るように指摘をしていただければいいのですが、
大家の先生にそういったことをズバズバ言えるようなものではないでしょう。
結果、未消化のまま記憶することで、誤解を生じた内容が頭に定着していく。
あとになって本の精読ができるようになれば、そういった書籍に不足はないとわかるものの、
そこまで登っていこうとするものを、途中でふるい落としてしまうことになっているのかも。
そんな不遜なことを感じるほど読解基礎力がつかなければ、
文章から内容を読み下すことがむずかしい。
でも、このたび紹介させていただきました、
乾くんの教えて!四診 (上巻) 。
全編カラー!
イメージがざっくり伝わって記憶しやすいイラストが多数!
だから、
ただ望診や聞診のデータを表や箇条書きでずらって並べられるとうんざりして記憶に遺す前に読みたくなくなるもの。
項目数が多岐にわたり、同時にそこから芋づる式に伸びる根が幾多に分かれている。
気をはって明日のテストに出ると暗示をかけないかぎり、文字を見て脳内でそれを絵に変えてみるまではしない。
つまり字面だけを把握した程度のことができるのが精いっぱい。
それがこの本なら、すでに場合分けされた結果についての場合をイラスト化してある。
だから自身の脳で絵に変えてそれを見て観察するといったてまは省くことができます。
するとこの本をめくるたびにイラスト入りの望診の項目を見て、
自分のことが書かれていて、それを診るかのように
「あっ、これって僕のことじゃない?!」とか、自分探しとしてたのしい発見が生まれてくる。
そんなたのしい本にしあがっています。
3520円というと、だいぶ高い本のように感じるかもしれませんが、
描かれている情報量がてんこもりでお腹いっぱいなほど勉強させていただけてこの値段なら、
私は納得です。
脈を診たり、腹部を触ったりという切診は次号の下巻になるのでしょう。
早く下巻をみたいなと思えたので、普段書かない出版社への読書カードのはがきに「下巻も読みたい!はやくお願い!」と書いて送りました。 ^-^;
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