【筋肉が凝る・張る】と、筋膜の張力が硬くなり筋肉が収縮したままの状態となります。
すると筋膜の張力が骨の位置を決める ※人体上のテンセグリティ構造により、
筋膜の張力が縮み全身を包む筋膜のネットワーク全体に影響がおよぶことで骨の位置のすべてがずれることとなります。
その骨の位置のずれは、関節の詰まりやねじれ等により理想位置から異常な状態へと移行することであらわれてきます。
※ テンセグリティ構造:【人体で言えば、骨の圧迫組織と、筋膜の引張組織の組み合わせにより立体構造を為した構造体】のこと。
筋膜の構造上、
概念的にいえば浅い層、中間層、深部層のような多層化した状態であり、
多層化したそれぞれの張力がランダムに乱れているものとなります。
単純な輪ゴムによりできたテンセグリティ構造のおもちゃなら、どこの輪ゴムの張力が乱れたかは探索発見が楽にできるものの、
複雑な多層化構造を持つ人体は探索発見が至難の業となります。
基礎的などこかもやもやした骨の位置がずれがどこの筋膜層から来たかを読みこみ読解がハイレベルになっていきます。
経絡でみるか、デルマトームでとるか、全体像の配置割合から統合的な観察をもって考察するか、、、。
ただ現実的には表層の筋膜から丁寧に一層、一層張力の乱れを正していくことで、それより奥に位置する筋膜の乱れの実際を知ることが、
うまく内容が直接見える間違いのない改善を育てていくこととなっていくのです。
筋膜の張力の乱れが見える化はレントゲンやCT等の画像診断もできないため、
見えていない部分を観るよう体表からの情報やバイタルやその他の四診など
多種の情報を集め筋膜の乱れた現状をイメージ想定してからアプローチするのです。
でもシンプルに表層の筋膜の張力上の乱れを取り除くようなたまねぎの皮を一枚ずつむくほうが、
実際的なものが目の当たりにできるのは確かです。
それは様々な体表等から内部の見えない筋膜張力の乱れを想定したものが、
一枚の筋膜をはがした瞬間、まったく違っていたというようなことがある。
筋膜張力の乱れの実際があまり見えていないうちに無理に解けば、
内部構造上自然な現状のバランスが急激に失われてリバランスが追い付けない状態に陥るのです。
それって、、、やばい。。。
たとえば血管等の脈管を複雑な圧迫をあたえてしまうリスクもでてきてしまう。。。
人体は、筋膜張力を失って徐々に筋の凝りが出て骨がずれたとしても、
体内の液の流動性を極力流せるようなルートを確保しながらゆがむものなのです。
残念ながら100%の血液やリンパ液の流れは確保できなくなるのですが、
低減する液の流れの阻害される量が少なくなるように自然にマネージメントされているようです。
これが重力線にそぐわなくなった骨格の支える力をカバーするときに起きている生理的現象といえそうです。
ですが施術等による外的な圧は、あまりに急激な変化を体内に加えることとなり、
良きにつけ悪しきにつけ、そういった急激な変化を人体は危険と判断しています。
それは体内を流れる脈管等の流体の流動性を確保する管が圧迫されて液の流れが滞るリスクが容易に生まれるからかもしれません。
それもあって実際的な現状がはっきり明瞭にわからない状態の筋膜層を
功を先走って取りに行きすぎることは危険な状態に陥るリスクが多々あるのです。
ゆえに、施術者は、そうした筋膜の層を読むための読解力を育てておりますから、
だいぶ有利に筋膜のリリースに手出しができるわけですが、
そうした筋膜の張力の乱れという概念がよく把握できていないときに、
凝ってるようだからそこを解けばいいという見立てで解き進めると往々にして収拾がつかないといった状態が起こりやすいのです。
ここが筋膜張力をもちいた身体バランスの再構築をする上で、
どのような落としどころを見出して着地していこうとするか。
絵にかいて説明したくとも、
お客様の内部の筋膜張力の状態は、
一皮むければ想定をしていなかった状態だったということも、よくあることなので。
一度の施術で何層かの筋膜の層をリリースしていくことの連続で、
そうやって徐々にお客様がもつ遺伝子通りの筋膜張力の乱れのなき状態に移行するよう進むお手伝いをするのが施術上の筋膜リリースです。
そこはお客様のイメージと施術者の観ているリリース後の「象」との差異が生じているところとなるのかもしれません。
ただ、よい施術者は隠された領域を拓いていくところに深慮しています。
たとえ筋膜の乱れた一皮をむいて、がらっと読みが外れていたとしても、
つねに内部状態に気をはらっています。
そうすることが外的変化を人体に加えるときに生じる危険を低減させる先手が打てることだとわかっているからです。
そういったところが見えることで救えることもありますし、そういったところを観続けることで人体の理解が実際的になり深くなります。
最近、筋膜リリースに、ベン石温熱器と棒状かっさによるリリースを多用しているのですが、
これらの組み合わせが実によく筋膜の乱れた一皮をむくときに役立ってくれています。
もしかしたらかつての私の手技で一皮をむいたレベルと呼ぶならば、
今のそれらによる手技では一手ごとにずり圧をかけるごとに一皮がむけていき、
幾倍もの量の皮が一度の施術でむけているような実感をもてています。
実際のところ、先ほど説明したように、
通常は人体が変化がリスキーで嫌うため受け付けないようにするので、
筋膜の乱れを改善させるときに生じるリスクを低減させる手を施術者が先手で手当てしておく必要があります。
それができていないまま解き進めれば好転反応といったものもふくめ、
お客様にとっての不具合がおきてしまうことでしょう。
そこを回避させる手を打つことができれば、
さらに自由にリリースの手が伸ばせるのです。
そういったところに神が宿るように感じます。
ただ、、、やっぱり、そうしたところがぜんぶみえてわかっている人などいないと思えます。。。。。
いま、Teverで「ラジエーションハウス2」を観ながら、
そこのところ、痛感するものです。
私どもは私どもなりの手法を持って、
皮膚の下にある隠れた部分を探る研究は延々と続くことになるのでしょう。
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