2022年05月09日

主導筋の動き出し前に、ぜったい、しておくべき操作とは?

孤立した筋肉は、ほとんど見当たりません。
多くの筋肉は、直接動かす方向の動きをだす主導筋と、その主導筋の骨を挟んで裏手にある拮抗筋がセットになっている。

その主導筋と拮抗する拮抗筋がどのような動きのルールをもっているのでしょうか?





母の介護の後のこと。
私は、一度こっぴどい五十肩を患ったことがあります。
きびしい神経に刺さる痛みで、涙が出ました。
右手が肩より高くまったく挙げられませんでした。

傷ついたサルが温泉にじっと浸かって湯治をするかのように、
遠赤外線ドーム型サウナとベン石のホットストーンの力で、
ぐったりしつつ治した記憶があります。



同様に、肩の痛みを覚える方もおられると思います。
他人には、五十肩でイタタタタっといって苦悶されても、
外見上は包帯を巻いているわけでもなく、痛さがことのほか伝わりづらいのが切ない。。。


五十肩の場合、
基本、その症状が出た側の起立筋の深層筋まで至る癒着が見受けられます。
こちらが本体ですから、こちらの状態が根深い芯に至ったなら解くのも一苦労です。
通常は、起立筋の深層筋部分の癒着が腎臓のある高さの位置にひとつ深く潜った凝りが形成されることが多く、
同時に肩甲骨の周囲の筋肉(棘上筋・棘下筋、肩甲挙筋、菱形筋、そして最重点が肩甲下筋)とその近辺の起立筋の後屈をともなった硬化が出てきます。
こちらの体幹の異常な委縮という脊椎間を通る神経にも影響する身体上の危機が起きているサイン。
なので、ここを丁寧に解いていくことがファーストステップ。


五十肩が出ている側の肩甲骨の可動域が悪化しているのですが、よく観察していただければ、
同様に患部を持った側の肩のある側の腸骨が動けなくなっていることもよくみられる現象です。
この場合、胴体の基底部である骨盤の仙腸関節のずれが先行して頭骨(後頭骨部)を変位させて、
第一頸椎がずれと関係して胸鎖乳突筋および斜角筋の張りが強まり、その影響も五十肩に載せられ付加しているので。
そうなると、こちらのリリースがファーストステップ前のプレステップといえるかもしれません。


つまり体幹部の委縮が胴体との接合部の肩という腕との接合部に出てしまったということが、
五十肩、四十肩等では見られるケースが多いようです。
その意味で、この症状が出ているときには脊椎全体の詰まりが内部に隠れていることが多く、
肩の痛みはきついんですが、そこ以上に速やかに対処していかなければならないのがこちら。

体幹部の委縮は進行し続けていくようであれば、
胸郭部(肋骨、肋軟骨、胸骨、胸椎などで囲まれた鳥かご状の部位)が動きが狭められて、
その内側に入る心臓や肺などの臓器に対して圧迫等の負担を強いるなどの状態がでてきます。
これによる心臓の動きの低下が与える循環器の問題や、
呼吸筋の活動を妨げる肺の動きの低下が与える呼吸の問題は、
大きな健康上のストレスを強いていくことになるでしょう。
こちらのほうも結果がやがてあらわれてきますから、
注意してみていく必要があります。

それに、これらの体幹部の根幹からきた五十肩は、
こちらの体幹の委縮が内在している間は、
いくら肩だけを対処療法的にケアしても症状は再燃していきます。

ちなみに一度五十肩を患った後に、それが二度と出なくなるということのしくみとして考えられるのは、
痛みが出にくくなるような今までとは違う筋肉を利用して動かすという技を見出したおかげで、
同じところの痛みが出なくなったということがあるのです。

ですが実際は肩関節の直下にある腋下の凝りを診れば、
比較的大きなスーパーボール大の筋が幾筋も錯綜して癒着が進んでいるものを見つけ出すことは容易です。
つまり、症状が出なくなったとか症状が軽減したということは主導筋を変更して痛みを感じにくい使い方を学習した結果、
ありえるのですが、、、。
そのスーパーボール大の筋の凝りがある部位に接したところに腕の神経と動脈が通っております関係上、
それら神経という電気ケーブルと動脈という管を圧して機能発揮させるときに思わしくない状態がある。
なので、五十肩になったときには、可能であれば整形外科、または見識の深い整骨院や鍼灸院などに一度お世話になるほうがいいでしょう。

それにより自身では気づけなかった貴重な現状を教えていただけると思います。


五十肩も放置しすぎると、肩甲骨と肋骨の間いある肩甲下筋の癒着が進みます。
こちらが進むと肩甲骨の骨膜と肋骨の骨膜が触れ合わんばかりという位置に近接し、
リリースが痛みがひどくなりすぎて復活がなかなかしづらいことになっていきます。
私の所ではそこを少しずつちょっと痛いですが〜と声がけしつつ解くのですが、
結果、痛いことばかりすると恨まれてしまいます。
ただここが動かなければ肩甲骨より上の首や頭部に必ずと言っていい悪影響が加えられます。
首の筋もずれた位置で延々固定され続けてますし、
胸鎖関節下のごろっとした凝りは増え続けることになりますし。


あとは腱鞘炎のでる腕の凝り部分が肩まで筋伝いに牽引痛を投げていることもあります。




最後には、腕を持ち上げるときの原動力となる筋を観察しましょう。
主導筋と拮抗筋です。

腕を挙上するときに三角筋・上腕二頭筋を使うやり方で挙げるとすれば、こちらが主導筋。
上腕二頭筋は、力こぶが出る、そのコブの部分ですね。

対して、三角筋や上腕二頭筋の上腕骨を挟んで裏手にある上腕三頭筋。こちらが拮抗筋です。

主導筋に力を入れることで手が挙上すると考えるのが通常ですが、
ボディムーブメントについて学ぶものは、主導筋の操作は拮抗筋の弛緩が先行してよい動きになることを知っています。

つまり。

手を上方へと挙上する動作をする主導筋の裏手にある上腕三頭筋の筋肉が緊張していないかを調べます。
緊張していればそこを先に弛緩させる操作をします。
それから主導筋の三角筋等に力をいれることでスムースに手が持ち上がるのです。


ときどき起こりえることなのですが、
拮抗筋としての上腕三頭筋が委縮緊張したままの状態で主導筋の三角筋等の力を入れることで、
肩の痛みを増長させてしまい五十肩のつらさが倍増しておられるというケースです。
三角筋を使って上に手を挙上させようとしたとき、無意識に同時に上腕三頭筋にも力を入れてしまい、
手を持ち上げることができないようブレーキを踏んでいる状態を指します。
運動としても発力が外へ向かず内側へこもり効率が悪い状況。
それにもまして、五十肩がさらに痛く感じるっていうのは生きた心地しませんよね。



主導筋の動きに先んじて、拮抗筋が脱力する。
それで拮抗筋が主導筋の動きを妨げないことがスムースな動きを可能とする原則です。



この原則について。
いわれてみれば、そういうものだなと思えますよね。

できましたら実際に
「拮抗筋を緩めて〜、そっから、さっと主導筋を動かす!」
という筋操作を、身体の様々な筋肉上で主導筋と拮抗筋を見つけていただいて、
やってみてください。
そして身体にその動き方を学習させていきましょう。


筋肉の凝りが確実に減る動きの質に転換できたことにもなりますし、
慣れて、さっと無意識にそれができるようになると、楽しいですよ。




余談ですが、五十肩の方ですでに拮抗筋の上腕三頭筋がゴリゴリに凝りがはいっていたならば、
主導筋の激痛がする三角筋や肩甲骨裏手の筋、または首の斜角筋の深部などを解く前に、
かならず腕を挙上する上腕三頭筋を先行してマッサージを加えてほどくようにしてください。

通常、拮抗筋が身体の裏手にあるならば、身体の裏手の筋は筋断面が太くたくましいため、
こちらのマッサージは一般の方がなさっても、直感的にやりすぎて多大な負担を強いることはすくないでしょう。
特に慢性的な10年、20年選手の肩こりなどであれば、上腕三頭筋に芯の凝りが入りこんでるケースが多くあるため、
その場合は、なおさら丁寧に拮抗筋のリリースをしっかりなさるべきでしょう。


腕の筋肉のリリースは、全身のどちらの筋肉以上に痛みがキーンと脳に直行して激しいものですから、
自分のペースでやさしく時間をかけて、そして繰り返して少しずつリリースさせて凝りを減らすこと。
そうすることが大切ですよね!
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posted by スズキ at 13:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 体の使い方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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