施術の前にチェックするとき。
横断面または横断線をみています。
細かく観ればチェックラインは無数ですが、
大まかなところでは、以下の3つの横断線。
目高
肩高 (肩甲骨烏口突起部で観ます、またはそれが見つけづらければ肩峰で観ます)
骨盤高(上前腸骨棘(※)の左右の位置で観ます。実際に上前腸骨棘を触り左右の高さを比べてください)
※ 上前腸骨棘
3つの横断線が整体であれば、地面に対して水平位置にあります。
対して歪体であれば、
地面に対して水平位置とはならず傾斜がおこります。
上図では腰椎からL字となって曲がっている、側弯の初期段階またはひとつのパターンを例示してあります。
※ 右足のつま先側に軸をとられた状態だと考えてください (このパターンが比較的多くみうけられます)
目高 : 頭部が若干右に倒れているため、右目が下がります
肩高 : 右肩が高く、左肩が低くなります
骨盤高: 右の上前腸骨棘が下がり、左の上前腸骨棘は通常の位置に留まっています
これら横断線または横断面の傾斜をみれば、歪体の症の進み具合が把握できます。
たとえ施術者のお客様であっても、その場での、自己修正を試みても補修は困難。
このような横断面の傾斜が自分にあるとわかっていても、
内部骨格上のゆがみは多くの関節上のずれが折り重なって表現されており、
同時に筋の詰まりが腰部や肋骨部や首筋の一方に特に委縮という形で入り込むので、
その委縮部を無理やり伸ばそうとしても多数の委縮した筋を一時期にそれらの委縮量を考えて補正し維持するのはムリ。
だから頭では歪体パターンから整体の横断面ラインに補正するよう試みてもうまくいかないのです。
そのように内部骨格上の中心線で測るよりも、これら3点のラインごとに、
傾斜やずれがどのような意味を持った歪体の症状となるか、
同時に分別しながら把握することができるので細やかなチェックができているのです。
また上図、右手の歪体パターンは一例にすぎません。
たとえば、骨盤高がこないだまで右が下がっていたのが左右平行になったとして考えられるのは、
<改善した>か<さらなる悪化で脊椎にS字歪体パターンへ進まれた>かの2つです。
この場合、他の肩高のラインがきれいに整えられているといった理想形に慣れているようなら改善が推測され、
肩高や目高のラインがちぐはぐしているようならS字歪体となったと推測いたします。
というようにひとつの横断面ラインだけでチェックすると見落としがちになるものも、
複数の横断面ラインをもちいて総合判断することで、推測の精度を上げていきます。
こうした3つの横断面ラインをみる視力が増していくことで
人体を幾何学的な形状として把握するセンスを身に着けることは大切です。
見慣れていくと確実にささいなずれからも違和感をキャッチすることができるようになり、
その違和感を持ったところから理解の範囲を高めることができるようになります。
そして、。。。
先日、お客様に「すご!整ってるじゃないですか〜」と、
私が施術前のボディチェックのときに声をかけたのは、
前回の施術のときの横断面ラインの傾斜度を記憶しており、
そのときと比較して改善されていただけではなく、
整体状態の横断面ラインに近似していたということです。
整体となれば、幾何学的に美しいシンメトリーな図形が筋骨格によりえがかれ、
その内側から、オーラや波動といえるかのような何かが外向きに発せられます。
なのでそのときは横断面をみる以上のことで、すばらしい身体上の進展があったんだと伝わってきます。
本人的にもそれはわかるものの、変化した脱皮したときはすばらしいと気づく感動があったものの、
数時間もすればその状態がその方の普通になるのです。
本人的には「これ、ふつう」っていうことで、すでに次に伸びる勝負へと目を輝かせているのです。
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