隔膜とは、立位で観れば上下を隔てる(へだてる)筋肉の層のことをそう呼びます。
地面に対して隔膜は水平・平衡の位置関係になっています。
横隔膜に代表され知られていますね。
横隔膜の上下動により、腹式呼吸がなされることも、ご存知でしょう。
3つ、代表的な隔膜(胸郭膜・横隔膜・骨盤隔膜)などは私どもが関心を寄せて、
お客様のそれら隔膜の状態が健康な動作が可能でよく使われているかどうかをみます。
※ さらに詳細に隔膜をみれば「足底筋膜」や「手掌腱膜」も、隔膜。その状態と動きをみます。
足裏が硬く上下動がなければ、そのものの呼吸の質は悪いとわかります。
概要は、上図のとおり。
息を吸うときと息を吐くとき、横隔膜の上下動をみると吸うときは横隔膜は下がり、吐くときは横隔膜は上がります。
そうすることで肺の内部空間を広げたり狭めることで、空気の代謝をおこします。
でもざっくりと、よい腹式呼吸は、横隔膜が上下動していればそれでOKと思うのでは、足らないのです。
横隔膜の周囲の凝りを解くだけでよしと考えるのは、施術のプロとは呼べません。
なぜかといえば、横隔膜のリリースが必要な状態に陥っている方の場合、
ほぼ100%の確率で骨盤隔膜も改善が必要な状態に陥っているのです。
ここで生体上の動きの起こりをみると、横隔膜には、見過ごしてはならない特徴があります。
腹式呼吸で息を吸うときには、骨盤隔膜(または骨盤底筋とイメージしてください)が動きだしてから、
その骨盤隔膜の動きの量に応じて横隔膜も動き出すのです。
骨盤隔膜が横隔膜の動きを誘発させるような<主従関係>があります。
すると横隔膜がいったん施術による外圧等によるリリースが加えられたとしても、
骨盤隔膜の動きが制限されているなら、ものの10分もせず横隔膜の動きは元の悪化状態に舞い戻るでしょう。
だから骨盤隔膜の状態を解くことが、横隔膜のリリースをするときには必須セットなんです。
そうしないと意味がないどころか、かえって重心どりがやりづらい身体になって苦しみます。
では骨盤隔膜が問題ありのときってどういった場合なのかを見てみようとすると。。。
そうなう場面での数例をあげてみましょう。
・骨盤の傾斜がある、
・外旋六筋の状態が思わしくないため股関節のはまりがよくない、
・鼠径靭帯が硬くて骨盤隔膜が引き連れている、
・腰部や腹部の筋が凝りがある、
・大腰筋に緊張や虚脱がある、
などの状態があれば骨盤底筋が正常な機能ができない状況ですから、
横隔膜も正常に働けない状態にある。
だから骨盤隔膜関連を先行して、または横隔膜を解くのと同時期に解くことが求められます。
そして実際のところ骨盤底筋群のリリースのほうが横隔膜の対処の数十倍もの手間もかかり、
それ以上に技術も飛びぬけて高いものが要求されます。
そして図中に胸郭膜という肺の上にある隔膜が見えると思いますが、
こちらと骨盤隔膜は同時期に呼吸のタイミングで上下動します。
こちらの胸郭膜と骨盤隔膜の両者の隔膜は、互いに連動しているため、
一方が動きがよくなることで他方を機能的に引き上げることもありますが、
見方を変えれば一方が動きが悪すぎれば他方の機能の足を引っ張ります。
つまり肩こりや首凝りがひどく、斜角筋や僧帽筋・肩甲挙筋、その他の胸郭膜周囲の筋に引き連れ等が生じる場合、
この胸郭膜の上下動の制限は骨盤隔膜の上下の量に通じるのです。
つまりめちゃくちゃ首凝りがひどくなってたりむち打ち後遺症があれば、
胸郭膜が理想の30%しか上下動できないほど引き連れていたとします。
すると、、、。
胸郭膜が30%しか動けなければ、そちらの悪影響が骨盤隔膜の可動が30%に制限を受けます。
すると、、、骨盤隔膜の機能低下がダイレクトに横隔膜をまともに動けなくしてしまうのですね。
だから理想で言えば、この3つの隔膜(胸郭膜・横隔膜・骨盤隔膜)を同時期に状態を改善させることで、
その方の呼吸の質を安定的に維持向上させるように変えることができるのです。
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