2022年02月13日

中医学の用語って、まぎらわしいときもありまして。。。血瘀(けつお)から 瘀血(おけつ)へ

このブログをお読みいただきたい方:

■ 中医学の勉強をしている方

■ 中医学の勉強を施術にいかそうと考えている方




血液が凝固した状態ががんなどの病の元とされ、それを「瘀血(おけつ)」と称します。

瘀血(おけつ)に関心を深め関連書籍を読みだすと、
読み始めでは字面だけを目で追って理解が追い付いておらず、
途中に血瘀(けつお)という言葉が。

すると私の脳は、
「あれっ?血瘀って、瘀血のことを誤記したんだろうか」と。



すでに中医学の学識がある方ならば
「あちゃ〜。勝手な思い込みはダメだな。よく読めばわかるのに」と顔色を変えるところです。




血液の流れが緩慢となっている状態が「血瘀」。
血液が凝固した状態が「瘀血」。


血液の状態の悪化のステップ(順序)として、

<ステップ1>
 血液の流れが緩慢となっている状態があらわれます。「血瘀」

<ステップ2> その状態が継続し悪化することで、結果的に血液が凝固しだします。「瘀血」



つまり、
「血瘀」は急性で血の流れが緩慢となることでなる可能性があるのですが、
「瘀血」はかならず「血瘀」の段階を経て進行悪化していくわけです。
だから「瘀血」は最低でも数か月かそれ以上の期間が要される慢性のときにあらわれる病状だといえるのです。


「 でもさぁ、『瘀血』って血液が凝固したっていうことだから、
  そうした凝固した血液部位を熱して圧して緩めて血流を取り戻せばいいだけじゃないの? 」



中医学の学びたてで理解が浅いときは、
そのように考えることもあるでしょう。

ですが、その考えでは赤点をとります。

「血瘀」の結果が「瘀血」なら、「瘀血」の要因が「血瘀」に秘められているのです。


「血瘀」という病気の原因には、
気滞(気滞血瘀)、
気虚(気虚血瘀)、
痰濁(痰阻脈絡)、
血寒(寒凝血瘀)、
血熱(血熱血瘀)

があります。​

たとえば「瘀血」となって苦しんでいる お酒の量が過ぎたAさん は、過去の「血瘀」の段階で上記の病気の原因のひとつの『痰濁(痰阻脈絡)』であったとします。

『痰濁(痰阻脈絡)』とは痰濁の発生が経絡を塞いだということで、
Aさん は<痰濁の発生>が内部的に持ち続けて影響を消せていません。

痰濁とは、中医学で言うところの、体内に溜まった汚い水です。
飲酒、甘味のもの脂っこいものを多量に摂取したり食事の不規則、
過労等により、脾胃が傷つく事で体内に汚い水が溜まるという病態です。


その場合には、血液の凝固した「瘀血」を緩めても対処しただけといわれるまでのことです。
「瘀血」が体内にあるまま生活を送れば、さまざまな病への元とされるので、
その後の生活にかかわることもありますから「瘀血」をすみやかな対処対応は間違いではありません。
つまり「瘀血」がいったん出来ると、凝固した血液?は容易に風呂に入るサウナに入る等で解けるものではなく、
生涯にわたり体中でそれが軽重あるものの悪影響を出し続けるからです。
それに施術家のところでは脾胃が傷ついているところに対して手技により効果的なアプローチの方法も対処する。
なので施術を受けて「瘀血」を減じることに対して一定のメリットがあるといえるでしょう。

ですが、、、
本来的には、Aさんが思い当たる痰濁を発生させた原因を本人がつつしんでいくよう生活を改めるのが必要だというのが回答であるべき。

Aさんの理想的な健康へのステップアップとしては
「瘀血」の問題部分を筋膜リリースで対処しつつ、
同時に痰濁が体内で生産されないようにお酒を控える休肝日を取り入れるといいのでしょう。


そのようにすることで、健康の状態は安定して乱れが減少することでしょう。


というように、
具体例として「血瘀」原因が痰濁(痰阻脈絡)だったケースをあげましたが、他の気滞(気滞血瘀)その他のそれぞれにおいて、
なにに該当した状態かがわかればどこにアプローチをかければ成果が上がるかがでてきます。
そこの情報を手に入れることができると、施術者にも目標が明確化されてどのような手順で施術を構成すればいいかがわかるし、
Aさんのために何を準備して施術に当たるといいかといった個別具体的にポイントが見えてきます。
施術とは、現状のお客様の身体状況を、いわば外圧により内部へ介入して壊すことで、別の都合の良い状態に持ち込むことです。
それ故に、しっかりとしたお客様の個別性を見えていなければ、余計なところへ介入することで時間が浪費されることもあるし、
余計なところへの介入されることで、理想の場所へと近づくステップアップではなく、理想から遠のくこともでてくる恐れがあります。
そのようなことがでないようにしたい。
そうするための見方が中医学の勉強をする末に手に入るところがあるのです。

それが施術をする私どもの精神的な余裕にもつながります。




つまり。

瘀血」を観る場合、

意図的に「血瘀」となった以下の原因のいずれに当たるか(ひとつまたは複数あり)、
気滞(気滞血瘀)、
気虚(気虚血瘀)、
痰濁(痰阻脈絡)、
血寒(寒凝血瘀)、
血熱(血熱血瘀)

を同時に調べます。

体調不良前の背景をお伺いして「血瘀」の原因と推測されるものがあれば、
それぞれの「血瘀」病因に対して施術をさせていただくことが、
いい施術上の対処につながるということです。
(※ ただ筋膜リリースで上記の「血瘀」の原因に対応したアプローチを模索するのは、かなり苦労します)

posted by スズキ at 14:03| Comment(0) | 中医学診断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。