プロ野球選手が、
一本のノックを受けたらその球筋から自分が受けた直後にもっといい捕球の仕方がなかったかを確認し、よりよい送球するにはどうすればいいか。
そのレベルの作業を千本つづけてノックを受ける。
するとじわじわと効いてきます。
カラダが勝手に反応してよりいい捕球法を探索する目が育ってスムースな動作ができるようになります。
中医学の診断も同じことのようです。
たとえば。。。
薬膳を学ぶときに、中医学の舌診を勉強して、
カラダの状態を知る手立てとしておられるようです。
サンプルとして、私の舌を診ていただいたとき。
舌の中央に縦の多少堀の深さがあるシワが見えます。
現在の私が「血虚」であることをあらわしています。
体内の血液量が理想より少ない状態なのです。
一時的にキズ等で損傷し血が体外にでたときも「血虚」の症がへと振れるわけですが、
そのような状況は思い当たりません。
そこで過去の私について質問をされるならば、
私の舌の亀裂状のシワは幼少期から継続しています。
器質的に私はカラダが虚弱でしたから、
血虚からきた体質だったからとも言えそうですね。
血虚だけが問題じゃなくて、他にもバランスの乱れが私の中にはありますが、
血虚の状態を改善させるような血を補う『補血作用』をもった生薬は、
私のカラダのバランスを向上させるにはいい作用が出てくるでしょう。
すると、、、
先だって中華街の店で買い求めた「芍薬(しゃくやく)」は、補血作用が強いものです。
ちなみに芍薬には「白芍」と「赤芍」がありますが、調べてみたら補血作用があるのは、
「白芍」とのこと。たまたま白と赤とどちらを買おうか迷って「白芍」を買いまして。
または中華街で店にたまたま置いてなかった「当帰(とうき)」その代表格です。
あとは「地黄(じおう)」」や「竜眼肉(りゅうがんにく)」などもあります。
昨今では書店で中医学から漢方生薬の良書がどっさり売られていますから迷う程です。
贅沢な悩みです。
ただ本さえ買わなくてもいい時代なのかもしれません。
舌の状態から、血虚等の気になる傾向を洗いざらいチェックアップしていったあとで、
どのような症状を持った状態かを舌診のテキストで判断します。
本を見ながら人の舌を診る千本ノックを必要とするものですが、
あとはネット検索をすると、必要な生薬や漢方名が出てきます。
だから取り立てて生薬名や漢方名は覚えてなくても構いません。
かえってテキストを見なくても僕は大丈夫だからとうろ覚えで、
「たぶんこの生薬でいいだろう」というのは、よくありません。
後で調べてみると<記憶違いだ>という事が出てきます。
なので、とりあえず舌を見せてもらって正常ならば問題なしで、
笑顔で「素晴らしい!」とほめたたえるといいでしょう。
バランス良く本人の好み優先でカラダを滋養するもので、
いっきに強い作用が生じるものではなくじわじわと変えるものを主体にしたメニューを考えればいいのでしょう。
芍薬という生薬は作用が強いことで知られています。
私も「白芍」を手に入れて、自身の体質上の補血作用が大事とおもって、
お茶に「白芍」の小片を入れるようにしてます。
芍薬が薬になるまで、5年の月日がかかるようですから、高額な生薬です。
それもあって、自分のカラダではちょっと量的に少なすぎる小片の摂取に落ち着いています。
補血作用を芍薬にたのみ、
血流を促進させる目的でシナモン。
シナモンは、町中のスーパーでたやすく手に入り、値段もこなれてますから。
少し多めにいれるようにしての紅茶などを自宅で楽しんでいます。
私の舌の状態は血虚だなって舌診でわかれば、
ちょっとお値段がはりますが、芍薬の一種の「白芍」をスープにいれてあげようとしていただければ、
これって、私にマッチしたすてきな薬膳になります。
そう考えてみたら、やはり舌診て役に立つと。
改めて感じますね。
私自身、脈診メインで勉強していて舌診の学習時間は、脈診の半分もなかったので。
これから折を見て、再度学習してみたいなと思いました。
ちなみに舌診せずに、問診のみで私の体調を推測したなら、
補血作用がある生薬が有益な状態だということにたどりつけないことが多いでしょう。
すると、どうなるか。。。
他の一般的な滋養強壮に良さそうなカラダによさそうなものをとるよう指示されます。
それも効果がないわけじゃない。
だが、症状を改善できる鍵穴に、
丁度あうことは期待できません。
効果が鈍いまま、ときが過ぎます。。。
最悪、問診の技術が未熟であれば、
術者が思い込みが間違った方向へと患者様の言葉を誘導をしだすことがあります。
するとまったく効きが悪い生薬にたどり着くか、
現状のカラダの状態では摂取が薬にならず毒になるときもある。
悪影響の作用を生じさせる生薬を勧める事も出てくるでしょう。
これは健康雑誌等で機能性ある食材を勧めるときなどでも起こります。
本の中のタイトルに引き寄せられて、
自分は冷え性で、これを食べなきゃ!という方もいるでしょう。
そのようなとき、舌を見せてもらうと、舌の色が寒を示さずに、熱にバランスが傾いているときって、普通にあるのです。
つまり、自分で考えている体質とは異なる状態であったということです。
昨今の良書には体質を判断できるようなチェックリストが掲載されたものもあるが、
そのリストで得られた答えと舌診で調べた結果と異なることがあります。
質問のチェックリストでの答えが正解で舌診も正解ということもありますが、
それらの結果が異なる事も出てきます。
そんなとき舌診は、リアルに画像のままチェックできる便利なもので誤りを含む要素が少ないので、
単純に不採用にはできないものです。
ちなみに、舌診前に舌苔を観るときにじゃまになる色素沈着をおこすみかんやコーヒーなどは避けてください等の、
守って欲しい心得はあります。
人の体調は、日々変わります。
朝と昼と夕でも変わります。
精神的な緊張、肉体的な緊張がそのときにどう作用するかでも体調は刻々と変化しています。
舌の厚みに体内の水分量が出ることもあるので、舌診をするときの患者様の状況は把握する必用もあります。
正確に舌診したいときには、そこをしっかり申し伝えて診断に及ぶ必用があります。
そうした上で舌診を身に着けたら、
合理的に効き目がある野菜等や生薬がわかっています。
ちなみに、私の脈をみて(脈診)血虚だとは見抜けないと思います。
相当に繊細な脈をとる技術があれば話は別ですが、10年選手でもない限りむずかしいかもしれません。
一昨年前に脈が飛ぶ状態になったときがありましたが、そのようなレベルで状態が悪化していれば、
その血虚に脈診でたどり着けるかもしれませんが、現状の私はそこまでの血の異常を脈では出て見えてはおりません。
そのような意味合いで、舌診だと簡単にその人物の状態へとたどりつけるものもあるし、
反対に舌診ではわからない脈診でわかることもあるので。
それらが相互に見立てられて総合判断することができればいいでしょう。
舌診は、舌診の専門書を片手に舌サンプルの画像が分類された表を持って、
該当する状態を当てはめるという舌診の千本ノックをすると見えて来ます。
ただ残念なことに、
脈診は、先生から直伝じゃないと自信を持ってできない部類の診断法です。
私自身、本やビデオじゃまったくダメでした。
良質な脈診講座に縁をいただく幸運があって、
はじめてお客様の脈を診れる様になったので。
脈診の独学は、正直にいって困難です。
対して独学でも学びやすい舌診なら十分に実用でいけると思います。
だから薬膳の専門学校等のテキストには、
脈診のことはささやかな解説に留められ、舌診を主に教えているのでしょう。
合理的に考えて、それが正解と思います。
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